その日は突然訪れた。本物の宇宙恐竜『ゼットン』が現れて街を焼き尽くす。その中で赤く長い髪の1人の少女が破壊された家で気絶して意識を失くしたと思われる母親らしき妙齢の女性を抱えていた。
「ピポポポポポポポポゼェットォン‼︎」
「お母さん‼︎お母さん、しっかりして‼︎・・・・お母さんが何か悪い事したって言うの⁉︎お願いだから止めて‼︎止めてよぉぉぉぉ‼︎」
少女は泣き叫ぶが目の前の怪獣は破壊を止めない。やがて彼女からオーラが溢れ出る。そしては母親を抱き抱えながら少女の体は光り輝き、光り終えると少女の目は黄色くなりその背中に大きな顔が付いた姿に変化していた。彼女は姿が変わった事にも気付かずにその場で叫び続ける。
「うわあああああああああああ‼︎」
「こっちだ‼︎」
その場に手を差し伸べてくる者がいた。その手を見た彼女は自身の手を伸ばしてそれを掴んだ。
それから少し時が経ち、GIRLSの講義室に1人の赤い少女がトモミの隣で立っていた。彼女はトモミに促されてその場にいた皆に自己紹介をする。
「今日からGIRLSの一員となる新たな怪獣娘さんです‼︎それでは自己紹介を‼︎」
「『モナ・鏡味』です・・・・宿しているカイジューソウルはジャミラです・・・・。・・・ジャミラと呼んで下さい・・・。」
「ジャミラか・・・・俺は」
「レッドキングさんですよね・・・テレビで見たから知っています。他にも・・・ゴモラさんに・・・キングジョーさんですよね。」
「知ってたか、まぁ、自己紹介させてくれ、レッドキングだ‼︎よろしくな‼︎」
「ゴモたんでいいよ‼︎よろしくね、ジャミちゃん‼︎」
他の怪獣娘達がモナに自己紹介する中、タイガは目の前の少女に宿るカイジューソウルを聞いて驚いていた。ヒロキは彼女にバレないように小声で話を続ける。
『マジか・・・・・まさかジャミラの怪獣娘までいるなんてな・・・。』
「タイガ、実はジャミラについては僕も名前しか知らなくて・・・・。一体どんな怪獣なの?」
『ウルトラマンによれば・・・・ジャミラはかつて地球の宇宙飛行士が水の無い星で怪獣になった姿だ。かつて自身を見捨てた地球への憎しみでこの星を襲ったためウルトラマンに倒されたと聞いていたが・・・・まさか・・・・・。』
『成る程・・・・地球人が怪獣に変異した怪獣が再び地球人に生まれ変わったという事か・・・・・。それにしても・・・・少し気がかりな事がある。』
「タイタス・・・気になる事って・・・?」
『確か怪獣娘が変身出来るきっかけであるカイジューソウルは宿している怪獣によって違うんだろ・・・・。タイガの話から考えたら・・・・もしかしたらあの姉ちゃんのカイジューソウルは・・・・。』
「ヒロヒロ、どうしたんですか?次はヒロヒロの番ですよ〜。」
フーマが彼女に宿るカイジューソウルを推測して口に出そうとするとトモミがヒロキに自己紹介をするよう促してきた。ヒロキはその言葉を聞いてモナが自身を見ている事を知ると彼女に向き合って手を差し伸べる。
「僕は白鳥ヒロキ、よろしくね。鏡味さん。」
「モナでいいですよ。」
「そうか・・・じゃあよろしく、モナちゃん。」
ヒロキは笑顔を浮かべてモナと握手する。トモミはヒロキにモナの指導係を命じる。
「あー、ヒロヒロ、ジャミジャミの指導係をお願いします。面倒を見てあげて下さい。」
「僕がですが⁉︎・・・・はい、任せて下さい‼︎」
その後、自己紹介が終わるとヒロキはモナにGIRLSに所属する怪獣娘に支給されるソウルライザーとCQについて解説する。モナはヒロキの解説に時にリアクションを混ぜながら聞いていた。
「・・・・・というわけでソウルライザーは君達怪獣娘が安全に怪獣娘に変身するためのデバイスだから無くしちゃ駄目だよ。これ、失くすと2万4千8百円掛かるから無くさないようにしてね。」
「ぜ、絶対に失くしたりしません‼︎」
「でもってこれがCQ。これをこうやると・・・ほら、このマークは君が地球人だって事。宇宙人ならこの画面に惑星が出るんだ。」
ヒロキは実際にCQを操作してその使い方を教えるとそれを元の戸棚に戻した。そしてヒロキは彼女を連れてその場から離れる。
「ほら、行くよ、次は会議室だ。」
「・・・はい。」
モナはCQが入った戸棚を見詰めるとその場を後にする。ヒロキが次に紹介したのはトレーニングルームだ。そこでは既にアギラ、ミクラス、レッドキング、ゴモラ、ガッツ星人の5人がトレーニングに励んでいる。ヒロキは彼女達がトレーニングしているのを見ながらモナにトレーニングルームの案内をする。
「ここがトレーニングルーム。ここで怪獣娘達がトレーニングしてるんだ。」
「・・・あの・・・早速使わせて貰えませんか?」
「えっ・・・僕はいいけど・・・・彼女達が何て言うか・・・。」
「別に構わないぜ。」
「ジャミちゃんの力も見てみたいしね。」
モナの返答に困るヒロキにレッドキングとゴモラが許可を出してきた。その言葉を聞いたモナは早速ソウルライザーを取り出すと画面をタップして叫んだ。
「ソウルライド、『ジャミラ』‼︎」
彼女は黄色い瞳に背中に大きな顔が付いた姿に変化していた。彼女は彗星怪獣の魂を継ぐ怪獣娘『ジャミラ』に変身したのだ。GIRLSに入って間も無いのに怪獣娘に変身出来た彼女をアギラ達は素直に褒めた。
「す、凄い!もう既に変身出来るんだ‼︎」
「おお‼︎お前、やるじゃねぇか‼︎じゃあ、早速やってみろ‼︎」
レッドキングは怪獣娘の打撃にも耐えれるサンドバッグをジャミラに向ける。するとジャミラはその手から強力なパンチをサンドバッグに叩き込んだ。その威力はサンドバッグが暫く凹んだまま元に戻らない威力だった。
「・・・・・マジかよ・・・・。」
「す、凄いね、ジャミちゃん・・・・。」
「宇宙人と戦うために鍛えていましたから。」
「宇宙人と?どういう事?」
アギラの問いにジャミラは表情を暗くして下に俯くと話し始めた。それはヒロキ達にとって覚えのある事件だった。
「実は・・・私の母・・・本物のゼットンに破壊されたビルにいて大怪我して病院に入院しているんです・・・。」
「ゼットンの事件・・・・ああ!あの時の‼︎」
「あの事件・・・裏で宇宙人がゼットンを使って暗躍していたんですよね。だから自分が怪獣娘だと知ってからこの星にいる宇宙人共を倒すためにずっと鍛えていたんです!母をあんな目に合わせた宇宙人達を1人残らず倒すために‼︎GIRLSが今までの宇宙人事件を解決してきたんですよね‼︎だから‼︎」
「ちょっと待って‼︎GIRLSの主な仕事は怪獣娘を助けるための組織だよ‼︎宇宙人事件の対処がメインって訳じゃない‼︎GIRLSの理念を忘れないで‼︎」
アギラはジャミラの言葉に危険を感じたのか彼女を戒める。ジャミラはその言葉を黙って聞いていたが何も彼女の言葉に返す事は無かった。そしてその日はGIRLSの設備を案内してモナのGIRLSでの1日が終わった。
「じゃあ、また明日・・・・。」
「ああ・・・。」
「ジャミラ・・・・大丈夫かな・・・・。ボク・・・何だか嫌な予感がするよ・・・。」
「アギ・・・。」
その場で彼女を見送ったメンバーはアキの言葉を聞いてモナの事が心配になる。後にアキの不安は最悪な形で現実となってしまう事となる。
その後、モナは病室で入院して眠っている母親の側にいた。モナは彼女の手を握ると左手にカメラのような機械を取り出した。それはGIRLSに支給されたCQだった。モナはCQを握り締めながら母親に静かに呼び掛ける。
「お母さん・・・私・・・GIRLSに入隊出来たよ。安心して・・・母さんをこんな目に遭わせた奴らを1人残らず倒してやるから‼︎」
「それが宇宙人判別装置?」
するとモナに語り掛けてくる青年がいた。それはあの霧崎だった。実はあの時、モナを助けたのは霧崎だった。そのせいでモナは霧崎を信用していた。更にヒロキは彼女にはまだ話すのは早いと思って霧崎の事を伝えていなかった。それ故に奴の危険性を知らずに霧崎と接してしまったのだ。霧崎は善人ぶってモナに話しかける。
「ええ‼︎私がこれで連中の化けの皮を引っ剥がしてやりますよ‼︎」
「それは心強い。実は1人怪しい奴がいるんだ。」
「ピグモンさん、大変です‼︎CQがありません‼︎」
「ええっ⁉︎」
その頃、GIRLSではCQが無くなった事で騒動になっていた。その場にアキの言葉でトモミが慌ててCQが保管されていた戸棚を開ける。バンドの練習が終わって先に帰ったサチコとミサオを除いたメンバーが駆け付けてモナにCQの事を教えていたヒロキに目を向けるがヒロキは必死に弁明する。
「確かに僕はここに戻しましたよ‼︎・・・・・まさか‼︎」
「まさかジャミちゃん・・・勝手に持ち出したの⁉︎」
「ええっ⁉︎何で⁉︎」
「キンキン、直ちにCQの現在地を調べて下さい‼︎」
「了解デス‼︎」
トモミの言葉でクララはパソコンに向かっていく。ヒロキ達はクララが操作するパソコンの画面に注目する。するとクララの口から驚く言葉が返ってきた。
「皆さん・・・本当にマズいかもしれまセン・・・。CQが宇宙人を発見してイマス‼︎」
「ええっ⁉︎そんな・・・どうして⁉︎」
「アイツ・・・まさか宇宙人狩りでも始める気なんじゃ⁉︎」
『彼女がGIRLSに入ったのはそのためかもしれんな・・・。』
『ご丁寧に使い方を教えていた奴がいたしな・・・。』
「僕のせいだ・・・。」
ヒロキは必死にその場から駆け出していく。クララは必死にその後ろを追って行った。それを見た他のメンバーもその場から駆け出していこうとする。
「ヒロキ、待って下サイ‼︎」
「キンキン‼︎」
「キングジョー、待て‼︎俺達も行く‼︎」
「ザンザンとノイノイには私から連絡します‼︎皆さん、大至急CQを回収して下さい‼︎」
皆がその場から出て行って暫くするとトモミだけが残っていた。するとトモミのソウルライザーに着信が掛かる。それはミサオだった。
「ノイノイ、どうしました⁉︎」
『CQを持ち出した新人を・・・ジャミラを見つけました‼︎』
「本当ですか⁉︎でしたら早く彼女からCQを回収して下さい‼︎」
『待って‼︎ノイ、ピグモンさん、ジャミラと一緒に誰かいます‼︎・・・ってアイツは⁉︎』
「どうしました、ザンザン⁉︎」
『大変です‼︎ジャミラと一緒にいるのは霧崎・・・トレギアです‼︎』
「何ですって⁉︎」
サチコとミサオからの連絡に驚きを隠せないトモミ。トモミは考えた後、2人に呼び掛ける。
「ザンザン‼︎ノイノイ‼︎2人を追って下さい‼︎恐らくですがジャミジャミはトレギアに利用されている可能性があります‼︎2人に感づかれないように追跡をお願いします‼︎」
『『了解です‼︎』』
その少し前、霧崎とモナは街中でひょっとこのお面を被り体に骨董品展の看板を吊り下げた怪しい男を監視していた。霧崎はモナにCQを使うよう促した。モナはCQで男を写すとCQに惑星のマークが表示される。
「例の機械を。」
「・・・・宇宙人‼︎」
その男が宇宙人である確証が得られた瞬間だった。モナは確証を得ると飛び出していこうとする。すると霧崎は彼女を抑えて告げた。
「モナちゃん、私と君でアイツを捕まえよう。」
「はい!」
2人はその男を追いかけていくと男は2人に勘付いて走り出した。そして2人がすぐそこまで追いつくと男はお面を外す。それは瞳の無い幽霊のような顔の宇宙人がいた。それはかつて疲労困憊のウルトラセブンを苦しめた怪獣を連れて地球侵略を目論んだ幽霊怪人『ゴース星人』だった。ゴース星人は地球人には理解出来ない言語で何か喋った。モナは駆け出そうとするが霧崎に止められる。霧崎はゴース星人に掴み掛かる。すると霧崎は何かを呟くがそれを聞いたゴース星人は霧崎を突き飛ばした。
「おい‼︎・・・・・・・ぐっ⁉︎」
「霧崎さん‼︎」
モナは霧崎が突き飛ばされた事に憤慨すると走っていく。モナは霧崎に駆け寄ると霧崎はモナにゴース星人を追うよう促す。
「霧崎さん‼︎」
「モナちゃん、追うんだ‼︎」
「はい‼︎」
モナは走って逃げていくゴース星人を追い掛ける。その後ろ姿を見ていた霧崎は薄ら笑いを浮かべていた。そして後ろに向かって問い掛ける。霧崎の後ろの茂みからサチコとミサオが現れた。
「いつまで私をつけているんだい・・・そこにいるのは分かってるんだよ。ザンドリアスのお嬢さんに・・・・ノイズラーのお嬢さん・・・・。」
「‼︎・・・・気付いてたのか⁉︎」
「フッ・・・君達程度に気付かないとでも・・・。」
「アンタ・・・あの新人を唆して何を企んでるの⁉︎」
霧崎は2人に不気味な笑みを見せる。それを見て苛立ったサチコとミサオはソウルライザーを取り出して操作する。
「コイツ・・・・アタシらを馬鹿にしやがって‼︎」
「もう許さない‼︎」
「「ソウルライド‼︎」」
2人は光に包まれて怪獣娘に変身する。それを見た霧崎は2人を挑発する。
「へぇ・・・やるつもりかい・・・私に勝てるとでも・・・。」
「この前、師匠達はアンタ相手に戦えた‼︎」
「アタシ達だって怪獣娘だ!!だから・・・・アンタとだって戦える筈だ‼︎覚悟しやがれ、トレギア‼︎」
2人はそう言い放つと霧崎に向かって突撃して行った。
ここでジャミラの怪獣娘の紹介です。
モナ・鏡味
誕生日 12月18日
年齢 17歳
趣味 天体観測
好きな事 星を眺める事、宇宙科学館に行くこと
嫌いな事 夢を否定される事、宇宙人に周りの人々を傷付けられる事
ジャミラの魂を継ぐ怪獣娘。性格は元々は多少ぶっきらぼうながらも社交的だったがゼットン事件で母親が大怪我させられて以来、彼女の心境に変化が生じ始めている。
夢は宇宙飛行士になる事でそのために今まで必死に勉強してきたが自身が怪獣娘だと分かった事でその夢が危うい状況になったのも彼女の心に響いているらしく・・・。
水が苦手であまり水分を取らない。水などを飲まずに水分を賄える物で最低限の水分を取っている。
名前の由来はモナ→イタリア語で平和的な→ジャミラが破壊しようとした国際『平和』会議
鏡→ミラーから