双頭怪獣『パンドン』登場
ヒロキ達はモナの行方を探して走り回っていた。全員がCQの近くまで辿り着くもトモミから連絡が入ってきた。
『皆さん、緊急事態です‼︎ジャミジャミを見つけたとザンザンとノイノイから報告がありました。2人によるとジャミジャミの側にはあの霧崎がいたそうです‼︎』
「霧崎って・・・トレギアが⁉︎」
「トレギア・・・‼︎アイツ・・・‼︎奴はジャミラを唆して何をするつもりだ⁉︎」
『それはまだ分かりません‼︎ですが先程、ザンザンとノイノイがソウルライドした反応がありました‼︎恐らくですが霧崎に気付かれて・・・。』
『トレギアと戦闘になったっていうのか⁉︎』
「ザンドリアス・・・・あの馬鹿・・・無茶しやがって・・・・。」
トモミの声を聞いたヒロキ、ベニオ、タイガが反応する中、爆音が聞こえてきた。ヒロキ達はそれを聞くとトモミに話を続ける。
「トモミさん、先程爆音が聞こえてきました‼︎多分ですけど・・・そこにサチコちゃん達がいるかもしれません‼︎僕達はそこに向かいます‼︎」
『分かりました‼︎皆さん、よろしくお願いします‼︎』
トモミとの通信を切ったヒロキ達は爆音が聞こえてきた方向に向かう。やがて2人の怪獣娘が白と黒のブラウスを着た男と戦闘を繰り広げているのが見えてきた。ザンドリアス、ノイズラーの2人と霧崎だ。ザンドリアスは口から炎を放ち霧崎を攻撃するが霧崎も腕から青と黒の混じった稲妻のような光線でそれを相殺する。
「だあああああああ‼︎」
「さっきから・・・・・その姿で戦って・・・・変身しねぇのかよ‼︎」
「君達程度なら元の姿に戻らなくとも十分さ。」
「本当にあたし達を馬鹿にして‼︎見てなさいよ‼︎」
ザンドリアスは体全体をクリスタルのような結晶で包んで空中に浮かび上がると同時に霧崎に向かって急降下していく。そして結晶体に身を包んだザンドリアスは霧崎に激突した。大きな煙を上げる中、霧崎の姿はトレギアに戻り結晶体を受け止めていた。
『まさかザンドリアス程度に本気になってしまう日が来るとは思わなかったよ・・・。意外とやるじゃないか・・・。』
「当然よ‼︎あたしはこれでも大怪獣ファイト初代チャンピオンのレッドキングの一番弟子なんだから‼︎」
『成る程ねえ・・・フン‼︎』
「うわあああああ‼︎」
「ザン‼︎」
トレギアは結晶体となったザンドリアスを投げ飛ばした。ザンドリアスは結晶状態を解除して大きく吹っ飛んでいくがノイズラーが飛んで彼女の体をキャッチする。
「大丈夫か?無理はするなよ。」
「大丈夫よ‼︎あたしはまだやれるわ‼︎」
「そうか、なら一斉攻撃でいくぞ‼︎一気に勝負をたたみ掛ける‼︎」
『おやぁ・・・。』
空中で制止する2人の怪獣娘は自身にエネルギーを溜め始める。ザンドリアスは口に、ノイズラーはギターと自身に意識を集中させて力を溜め始める。そして力を溜め終えるとザンドリアスは今までより特大に威力が高い火炎を、ノイズラーは最大値の超音波を放った。
「だああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」
「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ‼︎」
それは見事にトレギアに命中して大爆発を起こす。ヒロキ達が駆け付けた時には既にトレギアは爆炎に包まれていた。ヒロキは地面に降り立った2人に話しかける。
「サチコちゃん、ミサオちゃん‼︎」
「ヒロキ、師匠、それに皆‼︎」
「来てたんですね‼︎」
「ザンドリアス、ノイズラー、お前ら・・・・無茶しやがって‼︎お前らがトレギアと戦闘になったって聞いて心配したぞ・・・・でも・・・あのトレギアを相手によく持ち堪えたな‼︎偉いぞ、お前ら‼︎」
「当然ですよ‼︎あたし達だって怪獣娘なんですから‼︎」
「ザンドリアス・・・お前は俺の自慢の・・・。」
『おやおや・・・私を倒せたつもりかい・・・お嬢さん方・・・。』
ベニオがザンドリアスを褒めようとするとトレギアが爆炎の中から姿を現す。トレギアのその身は何のダメージを受けていないようだった。
『幾ら怪獣娘とはいえ君達のような幼い者達の攻撃など私には通用しないよ・・・。』
「駄目だ‼︎効いてない‼︎」
「クソッ‼︎闇に堕ちても流石はウルトラマンか・・・。」
ザンドリアスとノイズラーは平気そうなトレギアに悪態をつく中、アキが近くにモナがいない事に気付いて2人に問い掛ける。2人は思い出して叫んだ。
「2人ともジャミラは?」
「あっ‼︎そうだった‼︎ジャミラなんですが‼︎」
「コイツと一緒に追っていたゴース星人を追って何処かへ行ってしまいました‼︎」
「ええっ⁉︎」
「皆、ここは僕が引き受ける‼︎皆はモナちゃんを追って‼︎」
ザンドリアスとノイズラーの言葉を聞いたヒロキはその場にいた皆に彼女を追うように言い放つ。ヒロキの言葉を聞いた怪獣娘達は戸惑いながらヒロキに返す。
「えっ⁉︎でもヒロキさん1人では・・・。」
「大丈夫デス‼︎ワタシがヒロキと一緒にイマス‼︎アギラちゃん達はジャミラちゃんを‼︎」
「り、了解‼︎」
彼女達はクララの言葉を聞くとヒロキとクララを除く全員がその場を後にして行った。トレギアは霧崎の姿になってヒロキを見る。
「あの新人・・・中々見所があるだろう・・・。」
「トレギア‼︎お前‼︎」
「彼女の心を弄ぶなんて絶対に許しまセンヨ‼︎」
「彼女はあの時のゼットンに母親に重傷を負わされてね・・・そんな彼女は地球に潜む宇宙人を憎んでいる・・・・そんな彼女にやってもらいたい方があるんだよ・・・。」
「ふざけないで下サイ‼︎あの件だってバット星人を唆してゼットンを与えたのは貴方だったと聞いてイマス‼︎全部アナタのせいじゃないデスカ‼︎」
「そうだ‼︎モナちゃんのお母さんが怪我したのは全部お前のせいだろうが‼︎」
「ジグソーパズル・・・アレは地球で1番素晴らしい発明だなぁ。バラバラのピースが合わさって1つの絵が完成する。正に‼︎この宇宙を表す素晴らしい発明だ。」
『何が言いたいんだ‼︎トレギア‼︎』
霧崎は両腕を広げて説べる。そんな霧崎にタイガとヒロキは噛みつくが霧崎は言葉を進める。
「モナちゃんに何をさせるつもりだ‼︎」
「彼女の望むままに・・・だよ。まぁお陰で事は計画通りに進んでいる。君がここに来るのも計画の内だよ、タイガ。」
『俺⁉︎俺はお前に操られてなんか‼︎』
「君はパズルのピースだ。完成した絵は分からない・・・。」
ヒロキとクララは霧崎の言葉に意味を読めずにいた。
その頃、モナは怪獣娘『ジャミラ』に変身しながらゴース星人に飛びかかり地面を転がっていく。
「ソウルライド、『ジャミラ』‼︎」
「⁉︎」
「待て‼︎宇宙人‼︎」
「〜〜〜‼︎」
地面を転がり落ちるとジャミラはゴース星人の背中に乗り掛かり4本の腕でゴース星人を殴り始める。殴る度にジャミラはゴース星人に恨みの言葉を何度も浴びせた。
「お前らがいるせいで‼︎私の母さんは‼︎母さんは‼︎あんな怪我を負う事になったんだ‼︎」
「〜〜〜〜〜‼︎」
「何ほざいてるの・・・・ちゃんと喋りなさいよ‼︎地球の言葉を使いなさいよ‼︎」
「おい、止めろ‼︎」
ジャミラは後ろからレッドキングに羽交い締めにされる。その後ろにはゴモラ、ミクラス、ゴモラ、ガッツ星人がいる。どうやらエレキングとは分かれてジャミラの捜索に踏み切ったらしい。アギラとガッツ星人はレッドキングに加勢してジャミラを止めに入り、ゴモラとミクラスはゴース星人を救出する。
「大丈夫?」
「〜〜〜〜。」
「ゴモたん、どうしよう?なんて言ってるのか分からないけど・・・。」
「多分『大丈夫だ』的な事言ってるんじゃないかな。」
地球の言葉を話せないゴース星人の言語に何を言ってるか理解出来ないミクラスは思わずゴモラに訊ねる。ゴモラはミクラスの相談に憶測を交えて話した。その横でレッドキング、アギラ、ガッツ星人はジャミラに説教する。
「ジャミラ、確かに俺達GIRLSのやる事には人々を守る事もある‼︎けどなその宇宙人が何か悪い事したっていうのか⁉︎・・・・何にもしてねぇだろ‼︎」
「何言ってるんですか・・・・そいつは宇宙人だ!それだけで証拠じゃないですか‼︎」
「それだけの理由でこの宇宙人が敵だと決めつけてたの・・・・。駄目だよ、そんな事したら‼︎宇宙人だからって一方的に敵だと決め付けて痛めつけるなんて・・・・そんな事したら君もお母さんを怪我させたゼットンやそれを目論んだ宇宙人と同じになっちゃうよ‼︎」
「わたし達GIRLSがこれまで宇宙人と戦ってきたのはその宇宙人達が誰かを傷つけようとしてきたから戦ってきたんだよ‼︎もし、助けを求める宇宙人がいたら助ける事だってある‼︎お母さんを大事に思う気持ちは分かるけど・・・・だからってそれを言い訳に何もしていない宇宙人に暴力を奮っていいわけないじゃない‼︎」
「・・・・・私がやっているのは暴力じゃありません‼︎治安維持です‼︎」
「違う‼︎何もしてないのに決め付けだけで他者に拳を奮ったらそれは完全に暴力になる‼︎そうしたらお前を含む全ての怪獣娘が社会で暮らしていけるか怪しくなるんだぞ‼︎」
レッドキングの声を聞いてジャミラは思わず彼女から目を逸らす。その時、様子がおかしくなったミクラスが突然普段の彼女とは違う口調で話し出しそれに戸惑うゴモラの声が聞こえてきた。
「聞いてくれ。仲間は怪獣を使って威嚇するだけだと言っていた。なのに連中は街を破壊した。俺は知らなかったんだ。」
「み、ミクちゃん、どうしたの?」
「すまない、怪獣娘の皆、俺は地球の言葉を話せない。だからこの怪獣娘の体を借りて話させてくれ。」
「あ・・・ああ。」
「知らなかった・・・そんな言葉で済む訳ないでしょうが‼︎」
その言葉を聞いたジャミラは逆上してゴース星人に掴みかかる。ゴモラはそれを止めようとするがジャミラは彼女を払い除けてしまう。
「ジャミちゃん、待って‼︎キャッ⁉︎」
「お前みたいなのがいて怪獣を出すからお母さんは‼︎今も入院しているのよ‼︎アンタ達のせいで‼︎」
「止めてくれ、頼む‼︎」
「ジャミちゃん、止めて‼︎」
ジャミラはミクラスから伝わるゴース星人の言葉も聞かずに彼の両腕をどこからともなく取り出した鎖で拘束してしまった。そして両腕の自由を奪うとそのまま殴り付ける。今度はゴモラが彼女を羽交い締めにするが彼女の力は余ったよりゴモラは振り解かれてしまった。アギラがゴモラに駆け寄る中、今度はガッツ星人がジャミラを止めようとする。
「止めなよ‼︎ジャミラ、このゴース星人に暴行したって貴方のお母さんの怪我は治らないんだよ‼︎それに・・・あのゼットンの件でこの宇宙人に怒りをぶつけるのは間違ってる‼︎だってこのゴース星人はあの事件には関わっていないんだから‼︎」
「それでも・・・コイツは怪獣の事を知ってたんですよ‼︎だったら同類じゃないですか‼︎宇宙人なんて皆同じなんですよ‼︎」
「ジャミラ・・・貴方ねぇ・・・‼︎」
ジャミラはガッツ星人を振り解いて再びゴース星人の顔を殴る。その時、地面が大きく揺れ始めた。そして岩山を崩しながら山から巨大な怪獣が姿を現した。それはかつてゴース星人によって地球に連れてこられ満身困憊の状態のウルトラセブンを苦しめた赤い体に4つの目と口と左右対称に2つの顔を持つ双頭怪獣『パンドン』だった。
「クワックワッ‼︎クワックワッ‼︎」
「アレはパンドン‼︎」
「確かパンドンってゴース星人の・・・。」
「この星に連れて来た俺のペットだ。」
「お前・・・とんでもねぇペット連れて来たな・・・。」
「クワッ‼︎クワックワッ‼︎」
パンドンは怒り狂いながら周りを口から放つ火球で燃やし始める。辺りが火の海になっていく中、怪獣娘達はゴース星人を連れてこの場から離れようとするがジャミラはゴース星人への暴力を止めようとしない。レッドキングがジャミラに怒鳴りつけるがジャミラは逆上する。
「いい加減にしろ‼︎ガッツの言う通りお前の母さんを怪我させたのはそいつじゃない‼︎」
「怪獣娘の皆、俺を置いて行け。皆が焼け死ぬぞ。」
「大丈夫、わたし達は頑丈だから‼︎貴方も一緒に逃げよ‼︎」
「私はアンタを罰するわ、重い罪を背負わせてやる‼︎」
「ジャミラ‼︎お前まだ‼︎」
「何故俺を憎む?君の母親を怪我させたのは俺じゃない‼︎」
「さっきも言った筈じゃない‼︎宇宙人なんてみんな同じなのよ‼︎」
「ジャミラ‼︎」
この状況でもゴース星人に宇宙人に対する憎悪を隠さないジャミラにレッドキングとアギラが大声で嗜めるがジャミラは彼女達の言葉に耳を貸そうとしない。その間もパンドンは辺り一面に口から放つ火球を放ち続ける。
その頃、霧崎とヒロキ、クララは山からパンドンが現れるのを目の当たりにする。ヒロキとクララはその姿に見覚えがあったのか思わず言葉が口から出てしまう。
「アレは確か・・・昔、ウルトラセブンと戦った・・・・‼︎」
「双頭の火炎獣・・・パンドン‼︎」
「パズルのピースが有るべき場所に収まる・・・。」
霧崎の呟きにヒロキとクララは思わず詰め寄る。しかし、霧崎はその言葉には答えず話を続けるだけだった。
「はっ、あのパンドンがパズルのピース⁉︎」
「一体どういう言葉デスカ⁉︎」
「人の心を弄ぶのは簡単だが・・・少々飽きて来た・・・・だからもっと楽しいゲームを用意した。」
「『ゲーム?』」
霧崎の言葉にヒロキとタイガは声を合わせて呟いた。霧崎は最後の言葉を残すとその場から消えてしまう。
「君達全員を招待する・・・勿論怪獣娘の皆もね・・・楽しんでくれ。」
『あっ‼︎』
ヒロキとクララは思わず駆け出していくが霧崎は完全に姿を消しており2人が霧崎の立っていた場所に駆け付けた頃には完全に気配が消えていた。ヒロキとクララは辺りを見渡すがヒロキの目に口から放つ火球で辺りを焼き尽くすパンドンを映る。クララもそれを確認するとヒロキに言い放った。
「ヒロキ、パンドンはアナタに任せマス!ワタシはエレキング達と合流してトレギアを探しマス!恐らくデスがまだ近くにいる筈デス‼︎」
「分かった‼︎トレギアは任せたよ‼︎」
「ハイ‼︎・・・・・・エレキングデスカ?こちらキングジョー‼︎実は・・・・・。」
ヒロキはラン達と連絡を取るクララと分かれてその場を去っていった。
午後、更新した怪獣娘Zは土曜分でこれが今日分の投稿です。