星の復讐者が終わったら、いよいよ物語を進められそうです。
宇宙空間に浮かぶ一機の宇宙ステーションがあった。その宇宙ステーションに向かって、一機の無人ロケットが向かっていた。ロケットは減速せず、そのまま接近、やがて衝突した。
宇宙空間で大きな爆発が起こり、その光景に命綱を着けた一人の宇宙服を着た男が絶望した表情で叫んでいた。
その宇宙ステーションにはその男が一番愛している妻が乗っていたのだ。この状況では彼女は間違いなく助からないだろう。
やがて木っ端みじんになり人口衛星の残骸が漂流する宇宙空間に取り残された宇宙飛行士の前に青い悪魔『トレギア』が現れた。
『地球人よ。お前は何を望む?』
宇宙飛行士は知っていた。今回の衝突は決して、偶然起こったものじゃない。故意に起こされたものだと。
男は願った。
「決まっている・・・!!復讐だっ・・・!!あの汚職に身を染め、私腹を肥やしたあの男への・・・!」
『今日、コスモミラクル社の今里社長が謝罪会見を開きました。先日、コスモミラクル社が打ち上げた火星探査のための無人ロケットが宇宙ステーションに衝突し、宇宙飛行士2名が死亡する事故が発生し、今里社長はその責任問題を追及されていました。今里社長は『シュミレーションが合わなかった原因を解明し、二度とこんな・・・』
『悲惨な事故が起こったな。』
「うん。」
ヒロキとタイガは誰もいない部屋で、TVニュースを見ていた。TVは先日発生した宇宙ステーションと無人ロケットの衝突事故で持ち切りだった。
「父さんが宇宙開発の仕事に携わっていて、この宇宙ステーションにも関わる予定だったんだけど、断ったらしいよ。」
『予定?』
「なんか、あまりいい噂を聞かないんだって。裏では怪しいことをやっているって噂らしいよ。」
『ふーん。』
「・・・・ねえ、タイガ『だから俺が知ってるわけないだろ。クララが黒くなった理由なんて。』・・・ごめん。」
「でもさ、キングジョーブラックなんていた?怪獣図鑑やネットの辞典にも無かったよ。」
『この宇宙の地球には現れた事は無いんだろうな。・・・・怪獣娘についてはこの星のお前が分からないんだから、俺だって分からないぜ。ヒカリ博士なら分かるんだろうな。』
「ヒカリ博士ってウルトラマンヒカリ?」
ヒロキは部屋にあったウルトラマンや怪獣の本を取る。そして本をめくり、1ページを広げる。そこには右手にブレスレットの様な物を付けた胸に様々な丸い突起を付けた青いウルトラマンが描かれていた。彼こそが光の国の天才科学者ウルトラマン『ヒカリ』である。
『ヒカリ博士は宇宙科学技術局の優秀な科学者だからな。あの人なら今でも謎が多い怪獣娘について分かるだろう。』
「ヒカリって科学者だったんだ・・・・・。」
『知らなかったのか?この宇宙の地球にも現れていたんだろ。』
「全く知らなかったよ・・・・。ねぇ、そろそろ聞かせてくれないかな。あの夢について。」
『夢?』
「トレギアと君の戦いだよ。ギンガっていうウルトラマン達の前に君は現れて、トレギアに戦いを挑む夢を何度も見るんだからさ。」
『⁉︎何でヒロキがそれを・・・・・・・・・・・俺の記憶を夢で見たんだな・・・・・・。』
「そろそろ教えてくれてもいいんじゃないかな。僕もトレギアと戦ったし、クララちゃん達怪獣娘も遭遇したんだ。」
『・・・・・分かった。外へ出ないか?』
ヒロキはタイガの言葉に頷き、部屋を出て行った。TVの中のアナウンサーが新しくきたニュースを読んでいた。
『たった今、新しい速報が入ってきました。どうやら今里社長あてに脅迫状が送りつけられたようです。なお、脅迫状を送った犯人は未だ不明であり・・・』
ヒロキはそのニュースを聞く前に外へ出て家のドアを閉めていた。
その頃、GIRLSの会議室では再び現れた怪獣と宇宙人について話していた。
「皆さん、この地球から消えた筈の怪獣が出現し、暴れ出す事件が二度も起こりました。その内、キングゲスラの事件については宇宙人が関与していた事が分かっています!そして、その宇宙人達の証言で彼らは地球で犯罪組織を結成していた事が分かりました!」
「宇宙人の犯罪組織!?」
「宇宙人って地球からいなくなったんじゃ?」
「ゴモゴモが捕まえた2人によると地球から怪獣がいなくなった後も宇宙人は人知れず地球に来ていたそうです!彼らはオークションのために自分達の保有する怪獣を破壊兵器として放っていたそうです!」
「じゃあ、チビスケちゃんはそのため二・・・。酷いデス・・・命を兵器にして商売するナンテ!」
「キングジョーさん・・・。」
赤い髪のピグモンこと『岡田トモミ』からの説明に青い癖毛気味の髪のマガバッサーこと『風巻ヨウ』と長いポニーテールに八重歯の少女ミクラスこと『牛丸ミク』が驚き、クララが宇宙人の犯罪組織に怒りを覚える。そんなクララを長い白銀の髪を三つ編みにした眼鏡の少女ウインダムこと『白銀レイカ』が心配する。
「取調べによれば、彼らが持っている怪獣兵器は無数に存在し、既に多くの怪獣が地球に放流されたようです。」
「マジか!それじゃあ、怪獣がこれからも現れる可能性があるってことかよ!?」
「第一次大怪獣時代と同じ人類と怪獣の戦いが再び起きる時代になる可能性があるわけね。」
「はい、一刻も早く、怪獣対策を整える必要があります。それに・・・。」
ウルトラマンタイガの画像がモニターに映り、トモミの言葉にレッドキングこと長髪を縦ロールにし、鼻に絆創膏を貼った少女『歌川ベニオ』とエレキングことピンク色の長髪に三日月型のヘアピンを付け、眼鏡を掛けた少女『湖上ラン』が反応する。
トモミは浮かなそうにウルトラマントレギアの映像を写しながら言葉を続ける。
「青い仮面のウルトラマンに対抗するためにはやはりウルトラマンの力を貸りるしかありません。・・・本来、地球への脅威は私達で対処しなければなりません。・・しかし、敵がウルトラマンであれば、怪獣娘だけでは、確実に勝ち目がありません。そのためにもウルトラマンさんとコンタクトをとらなければ。」
「でも、クラスの皆はあの仮面のウルトラマンも怪獣を倒してくれたから味方だと言って「あり得マセン!!!」キングジョーさんっ!?」
「あの仮面のウルトラマンは絶対に敵デス!!!断ジテ!!!味方なんかではありマセン!!!絶対二!!!絶対に倒さなければならない敵デス!!!」
「ふええええっ!?」
「キングジョーさん、落ち着いて!!」
「あの怪獣の友達を殺されて辛いのは分かったから落ち着いてください!!」
マガジャッパことショートボブに赤い髪飾りを付けた少女『竜波ユカ』の言葉にクララは逆上して反論する。いつも優しく笑顔が明るいクララの逆上にユカは思わず怯えてしまう。
逆上したクララをザンドリアスことピンク色の髪をツインテールにした小柄の少女『道理サチコ』とノイズラーことメッシュが入った髪と男っぽい雰囲気のヘッドホンを着けた少女『鳴無ミサオ』が押さえつける。
「御免なサイ・・・取り乱しテ。」
「だっ、大丈夫です。」
「ん?ちょっと待って。『キングゲスラの事件は』って言ってたよね。じゃあ、銀座に現れたヘルベロスの事件は分からないって事?」
ミコがトモミに質問する。トモミは答えづらそうに答える。
「実は彼らにもあのヘルベロスが現れた理由は分からないそうです。」
「奴らが嘘をついている可能性は?」
「それは無いと思うよ。私も取調べに立ち合ったけど、嘘をついている様子は無かったよ。本当にヘルベロスが現れた理由は分からないんじゃないかな。」
ピグモンの答えにミコが指摘する中、ゴモラことボーイッシュな栗色の髪の少女『黒田ミカヅキ』がピグモンの話を補足する。
「じゃあ、何でヘルベロスは銀座に現れたんだ⁉︎」
「分かりませんが、彼等は他に地球に侵入した宇宙人の仕業ではないかと言っていました。その怪獣騒ぎに便乗して、今回の事件を起こしたそうです。」
「因みにどの位の規模の組織なんですか?」
「まだ具体的な規模は分かりませんが、宇宙中にクライアントがあるらしいです。その事からかなり規模の大きい組織では無いのでしょうか?」
レッドキングとウインダムの質問にピグモンは取調べから分かった事実と憶測を交えて話す。
「とにかく、宇宙人の犯罪組織と青い仮面のウルトラマンに対抗するためにウルトラマンタイガさんの正体を探る事にしましょう。全体会議は以上です。今日の任務を控えたアギアギ、バサバサ、ジャパジャパの3人は残ってください。」
クララ、ラン、ミコ、ベニオ、ミカヅキが会議室を出て、GIRLSの廊下を歩きながら話していた。
「絶対にその組織だけは捕まえなければいけマセン!何としても!」
「おジョー、ちょっと落ち着きなよ。そりゃあこれからその組織を止めなきゃいけないのは分かってるけど、そんな状態じゃ危険だよ。」
「御免なサイ・・・。でも、どうしてもチビ助ちゃんを酷い目に合わせたあの仮面のウルトラマンが許せないのデス!」
「キングジョー、気持ちは分かるけどよ。このままじゃカイジューソウルに支配されて暴走しちまうぜ。」
「あの怪獣は仮面のウルトラマンに倒されなくても、殺処分が妥当でしょうね。この星に怪獣の居場所は無いのだから。」
「おい!!エレ‼︎なんて事言うんだよ‼︎」
「別に。客観的に事実を述べただけよ。」
「エレキング・・・!言っていい事と悪い事があるんデスヨ‼︎」
クララはソウルライザーを取り出した。それを必死にミコとミカヅキが押さえつける。
「ちょ、ちょっとおジョー‼︎辞めなって‼︎」
「ストップ、ストップ‼︎ストーーーップ‼︎こんな所で仲間割れしてても仕方ないよ‼︎」
その言葉に少しは納得したのか、クララはソウルライザーを仕舞う。そして無言で立ち去っていった。
「ちょっと!エレ!後でおジョーに謝りなよ!」
ミコの言葉を聞いたランはまたも無言で去っていってしまった。
「もう、これじゃあ全然楽しくないよ‼︎」
「大丈夫なのか、これ・・・・・。」
トレギアの爪痕は怪獣娘にも確実に影響を及ぼしていた。
その頃、会議室にはトモミとアギラこと茶髪と眠そうな目をした少女『宮下アキ』とヨウ、ユカの4人になる。トモミは書類を配り、今回の任務を説明する。
「これってコスモミラクル社のパンフレットじゃないですか!?どうして今回の任務の説明にこれが・・・?」
「皆さんも知っているとは思いますが、先日コスモミラクル社が打ち上げたロケットが宇宙ステーションに衝突し、宇宙飛行士2名が死亡する事故が起こりました。今回の任務はコスモミラクル社社長『今里光』の警護です。」
「どっ、どうしてあの会社の社長の警護をGILRSが!?」
「そうですよ!!どうしてわたし達怪獣娘が出なければいけないんですか!?」
「その理由は・・・これです。」
トモミは会議室のモニターに映像を写し出す。映像に映っていたのは、事故にあった宇宙ステーションに乗っていた宇宙飛行士の1人『九条レント』だった。
「この人って、この前の事故に遭った宇宙ステーションに乗っていた宇宙飛行士?」
『今里光、貴様はとんでもない罪を犯した。貴様の罪がこれだ。』
そう言って、宇宙ステーションにロケットがぶつかり、大爆発する瞬間が映る。
『これが貴様の最大の罪だ。貴様は様々な罪を重ね、その証拠を握りつぶすためにわざと今回の事故を起こした。その罪を貴様自身の命で償うがいいっ!!』
「事故を起こした社長への殺害予告ですか・・・。あれ、もしこの映像を撮ったのがこの人ならどうやって地球に戻ってきたんでしょうか?」
脅迫を予告した映像を見て、アキは疑問を口にする。宇宙ステーションには緊急事態用の脱出ポットもあったが、事故で木っ端みじんになったはずであり、もし予告を撮影したのが九条レント本人なら、地球に帰ってくることが出来ないはずだからだ。
「そうなんです。あの映像はスタジオやCGを使った悪戯である可能性もあります。ありますが、念のため怪獣娘に警備してほしいとのことです。」
「・・・さっき、宇宙飛行士が『様々な罪を重ねた』と言っていましたが。」
「・・・実はコスモミラクル社は黒い噂が絶えない会社でして・・・、宇宙開発事業の裏で武器の密造や密売、怪しげな人体実験なども行っていると噂されているんです。」
「そんな人の警護をするんですか!?わたし、絶対に嫌です!!」
今回の任務にヨウが大声を上げて、反対する。当然だ。事故を起こした原因かもしれない上に犯罪行為に身を染めた可能性がある社長を守りたいと誰が思うだろう。
「相手の人間性を考えると、私達も断りたかったです。しかし、社会的にも知名度が高いコスモミラクル社の依頼を断れば、今後の活動に支障が出るかもしれない。上層部はそう考えた結果、今回の依頼を受けました。」
「分かりました。」
「アギラ先輩!?本当にやるんですか!?」
「命を狙われているかもしれない人を助けてあげるのもボク達怪獣娘の役目だと思うよ。相手が誰であろうと、ボク達がやらなきゃいけない事はやらないと。ボク達の手で助けられる命を放っておいたら、きっと後悔するから。」
「バ、バサちゃん、やろう。わ、私もい、一緒に頑張るから。」
「ジャッパ、アギラ先輩、・・・分かりました!!やります!!」
反対したヨウをアキが論す。一緒にGIRLSに入った友達に励まされた事でヨウはようやく納得した。3人はピグモンの言葉に力強く答える。
「警備は午後6時からです。皆さん、全体会議の後で大変だと思いますが頑張ってください。」
「「「ハイ!!!」」」
次回はクロスオーバーユニバース版には無かった描写を沢山入れたいと思います。