怪獣娘タイガ ~トライスクワッド参上計画~   作:特撮恐竜

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最後のオリジナル回です。
しかし、今回は怪獣娘達には出番が無いのでご了承を。


再びその輝きを(前編)

宇宙の彼方でどの星よりも一際輝く星があった。その星には地球の建物よりも大きなエメラルド色のクリスタルで出来たような建造物が並んでいる。地球から遠く離れたその星に2つの光が向かっている。

 

「もしかしてあれがそうか⁉︎」

『ああ‼︎あれが俺達ウルトラマンの故郷『M78星雲光の国』だ‼︎確かお前は来るのは初めてだったっけか、ピッコロ。』

「ああ、いつかは来てみたい、来てもう一度タロウと会いたいと思ってたんだ。やっと来れて嬉しいよ。」

『へへっ‼︎んじゃあ、俺について来な‼︎タロウだけじゃなく親父達も待ってるからよ‼︎』

「頼むぜ、ゼロ‼︎」

 

その光の正体はウルトラマンゼロとピッコロであり、2人の向かう星こそウルトラマンの故郷である『M78星雲光の国』なのだ。ゼロは光の国に戻る途中でピッコロと出会った。ゼロとピッコロは今まで面識は無かったがお互いその名を知っていた事やピッコロの方がタロウに話したい事がある事を伝えた結果、共に光の国に向かう事にしたのだ。2人はその星のシンボルを象徴するプラズマスパークタワーを通り過ぎると宇宙警備隊本部に向かう。そこでは既に宇宙で光の国の中で1番の先鋭であり宇宙中に名を馳せる11人の戦士『ウルトラ兄弟』が立っていた。

 

「おお‼︎帰ってきたか‼︎」

 

赤と銀色の体に胸にスターマークと呼ばれる印をつけた宇宙警備隊隊長『ゾフィー』が声を上げる。その横には最初に地球に降り立った戦士『ウルトラマン』と左腕に金色のブレスレットを付けた『ウルトラマンジャック』が頷く。

 

「へへっ!帰ってきたぜ、親父‼︎」

「ああ、ご苦労だった!ゼロ‼︎」

「それにしても中々珍しい来客を連れてきたな。」

「そうだな、何処で会ったんだ?」

「いやぁ、アイツとはついさっきな・・・・タロウにタイガの事で話があるから光の国に案内して欲しいと言われちまって・・・まぁ、俺も今日はここに戻る予定だったからついでに連れてきたって訳さ。」

 

ゼロが先に声を掛けたのは頭に大きな宇宙ブーメラン『アイスラッガー』を備えた真紅のファイター『ウルトラセブン』だ。その横にはかつて自身が鍛えた赤き獅子の戦士『ウルトラマンレオ』とその弟『アストラ』がピッコロを見ながらゼロに経緯を聞いた。

 

「タロウ、久しぶりだな‼︎」

「ああ‼︎久しぶりだな、ピッコロ‼︎随分と立派になったな‼︎」

「そうか?」

「ああ・・・・・・ゼロから突然君が光の国に来ると聞いた時は驚いたが・・・その後も元気そうで安心した・・・本当に大きくなったな、ピッコロ。」

「へへっ、そりゃああれから長い時が流れたからな。」

「タロウ、そのピッコラ星雲人がかつて・・・。」

「兄さんと戦ったピッコラ星雲の第一王子ですか?」

「ああ、ピッコラ星雲人の第一王子ピッコロ様だ‼︎2人はウルトラマンエースと・・・ウルトラマンメビウスだな‼︎」

「そうか、私達の事も知っていたのか・・・ならば話は早いな。よろしく、ピッコロ。」

「よろしくね。」

 

ピッコロの方はタイガの父であるウルトラマンタロウと再会を喜んでいた。タロウの側には菱形のカラータイマーを備えた彼の弟子であり地球人との絆を炎に変える戦士『ウルトラマンメビウス』と頭のトサカにウルトラホールを備えた銀色の戦士『ウルトラマンエース』がいた。2人はピッコロに手を伸ばした。ピッコロも手を伸ばしてお互い握手する。そしてピッコロはお腹に菱形のバックルを備えたウルトラマンエイティと青い体にスターマークを備えたウルトラマンヒカリの2人に気付くと彼らにも駆けてきた。

 

「2人は・・・確か地球で学校の先生も務めたウルトラマンエイティと光の国の天才科学者のウルトラマンヒカリだな。俺は」

「ピッコロだろう。私もヒカリもタロウ兄さんから君の話は聞いた事があるから知っているよ。」

「ピッコラ星雲の王子に名を知られるとは光栄だ。よろしく頼むよ。」

 

ピッコロがヒカリ、エイティと握手を済ませるとゾフィーが一歩前に立ち2人の顔を見て話を切り出す。

 

「それで・・・この星に来訪した目的は?ただタロウと思い出話をするために来た訳では無いのだろう。」

「ああ!」

『何でもこいつ・・・タイガ達のいる宇宙の地球に来たらしいぜ。そこでタイガとも会ったってよ。』

「何と‼︎」

「なっ⁉︎君が・・・タイガと⁉︎」

「ああ‼︎バッチリ会ったぜ‼︎」

「ほう・・・それでタイガがどうかしたのか?まさかタイガが・・・君に無礼を働いた訳じゃ」

「違う違う‼︎寧ろあいつは立派なウルトラマンになった事を伝えに来たのさ‼︎」

 

ゾフィーの言葉を否定したピッコロの口からタイガの活躍が語られる。ウルトラ兄弟達は黙ってその話を聞いていた。

 

「タイガはウーラーの本質に気付き・・・奴の心を救ってやったんだ。」

「そうか・・・タイガが・・・・。」

「タロウ、あいつは立派になったぜ。強さと優しさを兼ね備えた光の勇者の肩書に相応しい立派なウルトラマンにな‼︎」

『確かに・・・・強くなったと思うぜ。俺の力も使いこなせるようになっていたしな。』

「へぇ、ゼロの力をタイガが・・・。」

「もうタイガは一人前のウルトラマンだぜ。ピッコラ星雲の第一王子であるこの俺が保証する。だから、タロウも認めてやれよ。」

 

タロウはピッコロの言葉を聞いて遠くを眺めていた。そして少し息づくと口を開いた。

 

「そうか・・・・タイガも地球人と絆を育んで・・・様々な経験をしたのだな・・・。」

「それにしてもタイガの宇宙の地球ではかつての怪獣達の魂が人間の女の子として生きているとは・・・。」

 

タロウの呟きの横でヒカリがゼロとピッコロから聞いた怪獣娘について興味深そうな声を上げる。

 

「怪獣娘か・・・2人が会ったのは・・・ゴモラ、レッドキング、ピグモン、ゼットンか・・・。」

「私がかつて戦ったエレキング、キングジョー、ガッツ星人だけじゃなくアギラ、ミクラス、ウインダムもいるとはな・・・。」

 

ウルトラマンとセブンはヒカリの言葉を聞いて何処か感慨深い声を上げる。特にセブンに至っては自身の掌の中の3つのカプセルを思わず眺めていた。

 

「懐かしい気分になりますね。私もかつてザンドリアスとノイズラーを宇宙に帰してやったあの日の事を思い出しましたよ。」

「まだまだ宇宙は我々の知らない神秘で溢れているな。あの魔王獣の魂を継ぐ怪獣娘もいるというのだから・・・。」

「そしてそんな怪獣娘達と共に平和の為に戦っている少年がタイガのパートナーか・・・・。その少年の名は?」

「ああ・・・確か白鳥ヒロキって言ってたぜ。」

「白鳥・・・何⁉︎白鳥だと⁉︎」

 

タロウはゼロの言葉を聞くと一瞬黙った後、驚いた声を上げ、そしてゼロの肩を掴みながら詰め寄る。

 

「い、今何と言った⁉︎その地球人の少年は本当に白鳥という名字だったのか⁉︎本当なのか⁉︎どうなのだ⁉︎」

「タロウ⁉︎」

「お、おいタロウ⁉︎どうしたんだよ⁉︎」

「答えろ‼︎ゼロ‼︎ピッコロ‼︎どうだったのだ⁉︎本当に白鳥という名字だったのか⁉︎」

「落ち着け‼︎タロウ‼︎」

 

今まで無かった様子で取り乱しながら詰め寄ってくるタロウに驚きを隠せないピッコロとゼロが戸惑う中、ジャックがタロウを羽交い締めにして抑える。

 

「タロウ、お前の気持ちは痛いほど分かるが・・・・・。」

「事情を知らないゼロとピッコロにそんな勢いで詰め寄っては・・・。」

「・・・すまない。」

 

ジャックとレオの言葉にタロウは何処か気まずそうに謝る。そして背中を向けてその場を去ろうとする。

 

「何処へ行く?」

「・・・・・・少し頭を冷やしてきます。」

「・・・・・・なぁ、タロウの奴、どうしたんだ?」

「あんなタロウ・・・初めて見るぜ。親父達は何か知ってるのか?」

 

タロウの背中を見届けたゼロとピッコロが思わず訪ねる。セブンは息子のその問いにどう答えるべきか悩んでいた。そんな中、タロウの弟子であるメビウスが口を開いた。

 

「そうだな・・・・・・何処から話すべきか・・・・・・。」

「セブン兄さん、僕が話しますよ。」

「すまんな、メビウス。」

「・・・ゼロ、君はタロウ兄さんが地球防衛に就いていた頃の話についてどれだけ知っている?」

「いや・・・地球人の姿で当時の防衛チームであるZATの隊員になったことくらいしか・・・。」

「タロウ兄さんにはね、自分の事を本当の兄のように慕っていた地球人の少年がいたんだ。」

「それってレオ師匠にとっての梅田トオル・・・みたいなやつか?」

「何⁉︎ゼロ、お前トオル君を知っていたのか⁉︎」

「ああ、実は私が話したんです。かつての地球の戦いの事を知っておいて欲しいと思って。」

「そうか・・・。」

「そう、そしてタロウ兄さんを慕っていた地球人の少年の名は・・・白鳥健一・・・今のタイガの相棒と同じ苗字を持つ少年だったんだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

タロウは宇宙科学技術局のとある倉庫に訪れていた。そこの管理人であるプロテクターを備えたブルー族『フィリス』は思わぬ訪問者に驚く。

 

「⁉︎・・・珍しいですね。貴方がここに来るなんて。」

「フィリス、すまないがここで1人になりたいんだ。少し席を外してくれないか?」

「えっ・・・ええ、分かりました。」

「・・・本当にすまんな。」

 

タロウはフィリスが出た後、倉庫の中から1つの写真を取り出した。それは赤と青の隊員服を着た青年と共に笑顔を浮かべる少年が写ったかなり年季が入った写真だった。タロウは写真を見ながら思い出に浸かっていた。

 

 

石油コンビナートでオイルに塗れ真っ黒になった巨大な宇宙人が1人の赤と青の隊員服の青年を追いかけている。そして宇宙人がオイル塗れになった事を確認するとその青年は銃を撃ち込んだ。そしてオイルに引火した宇宙人の体は燃え上がりコンビナートと共に爆発する。そして爆発から逃れたその青年に駆け寄ってくる少年がいた。

 

『光太郎さん‼︎』

『健一君、見ろ!人間の力で星人をやっつけたぞ‼︎』

『うん‼︎』

 

 

時は変わって現在、光の国宇宙科学技術局でタロウは過去の記憶を振り返りながら写真を見つめている。暫く写真を見つめていると小さく呟いた。

 

「健一君・・・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒロキは気がつくと辺り一面が真っ暗な空間にいた。思わず辺りを見渡しながらヒロキは足を進めようとする。

 

「ここは・・・何処?」

『ヒロキ!」

 

ヒロキは声のした方を向く。そこには自身の相棒である3人のウルトラマンが立っていた。ヒロキはその姿を確認すると思わず駆け寄っていく。

 

「タイガ!タイタス!フーマ!・・・・一体ここは何処?」

『分からない・・・俺達もいつの間にかここにいたんだ。』

『私達もこの辺りを調べていたら君を見かけてな・・・。』

『にしても・・・一体ここは何なんだ?』

「ヒロキ!ヒロキ‼︎」

 

ヒロキは自身を呼ぶ声を聞いて思わず後ろを向く。すると自分達に近付いてくる人影を見た。

 

「だっ、誰ですか⁉︎」

『ヒロキ、気を付けろ‼︎』

「そんなに警戒するなよ。僕だ。」

 

やがて人影が明確に姿を現した。それは壮年の男性だった。ヒロキは自身を呼んだ人物を確認すると驚いた声を放つ。

 

「えっ⁉︎・・・嘘・・・お爺ちゃん‼︎」

『『『えええええええっ⁉︎』』』

 

そこにいたのは彼の祖父である壮年期の『白鳥健一』本人だった。ヒロキは思わず健一に近付いていった。

 

「ほ・・・本当にお爺ちゃんなの・・・・・・?』

「ああ、お前の祖父・・・白鳥健一本人だよ。」

「お・・・お爺ちゃぁぁぁん‼︎」

 

ヒロキは勢いよく祖父に抱き付いた。健一もヒロキを抱きしめ返すとヒロキの顔を見て感激した表情で言葉を放つ。

 

「ヒロキ、大きくなったなぁ・・・!」

「そりゃあ・・・高校生に・・・なったんだから・・・当然じゃん・・・。」

「身体だけじゃない。心だってそうだ。本当に立派な男になった‼︎」

「グスッ・・・お爺・・・ちゃん・・・グスッ・・・。」

 

ヒロキは2度と会えない筈の祖父の自身を褒める言葉に涙を浮かべずにはいられなかった。タイガ達も涙ぐみながらその光景を見ている。健一はタイガ達の方を向くと彼らにも声を掛ける。

 

「おお・・・君が光太郎さんの・・・・・・タロウの・・・・・・息子の・・・タイガなんだな・・・・・・。光太郎さんに似て逞しくなったな!」

『あ・・・ああ。』

「タイタスとフーマもよくヒロキとタイガと共に戦ってくれた・・・‼︎」

『うむ‼︎』

『おうよ‼︎』

 

健一は4人の顔を見渡すと先程まで浮かべていた笑顔を真面目な表情に変化させた。そして健一の口から驚くべき言葉が語られる。

 

「お前達は本当によく戦ってくれた・・・けど!これから先、光太郎さんに・・・タロウに未だかつてない危険が迫ろうとしている。」

「ええっ⁉︎」

『父さんに⁉︎』

『タロウに一体何が⁉︎』

『説明してくれよ、ヒロキの爺ちゃん‼︎』

「混沌が蘇った。そしてそいつによってこれまでにないピンチがタロウに訪れる。それはタロウだけでは乗り越えられない物だろう・・・。」

『あの父さんが・・・・・・1人では・・・・。』

 

タイガの呟きに健一は再び笑顔を浮かべて4人に励ましの言葉を送る。

 

「でも大丈夫‼︎お前達4人なら必ずタロウを助けられるさ。何たってお前達はどんなピンチも仲間と共に諦めず乗り越えてきたんだ。きっと4人なら大丈夫・・・だから最後まで諦めるな‼︎」

「お爺ちゃん・・・。」

「・・・ヒロキ・・・タイガ・・・タイタス・・・フーマ、タロウを・・・光太郎さんを頼んだよ。」

「待ってくれ、お爺ちゃん‼︎まだ聞きたい事があるんだ‼︎」

『これから先、父さんに何が起きるんだ⁉︎混沌って何なんだ⁉︎答えてくれ‼︎』

 

少年の姿に戻りながら後ろに下がっていく健一をヒロキとタイガが必死に呼び止める。しかし、彼らの叫びも虚しく健一の姿は見えなくなっていく。すると目の前の暗闇が晴れて突然何本もの柱が建つ何処かの遺跡が現れる。

 

「何ここ⁉︎」

『何かの遺跡のようだな・・・。』

『だが気を付けろ・・・禍々しい気配がする。』

『おい‼︎アレやべえぞ‼︎』

 

フーマの言葉に3人が目を向けると禍々しい気配を感じさせる遺跡の墓場が見えた。4人は思わず身構える。すると遺跡から禍々しい青いオーラに覆われた大きな目玉が現れる。

 

「な、何だこいつは⁉︎」

『分からない‼︎けど・・・コイツはヤバい‼︎』

 

その目玉はヒロキ達を見るとすぐさま上に浮かび上がりヒロキを狙うと真っ直ぐ向かってきた。思わずタイガ達がヒロキの前に出てヒロキを庇う。

 

「なっ⁉︎」

『ヒロキ‼︎危ない‼︎』

『『ヒロキ‼︎』』

 

 

 

 

 

 

『うわあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ⁉︎』

 

思わずヒロキ達は飛び起きると目の前は自身の部屋だった。まだ辺りも薄暗い事を確認すると今までの出来事が夢だと悟る。

 

「ハァ・・・ハァ・・・何て夢だ。」

『ヒロキ‼︎今、とんでもない夢を見た‼︎お前の爺ちゃんが現れて・・・それから・・・‼︎』

「タイガも同じ夢を見たの⁉︎」

 

タイガの声に驚いた声を上げるヒロキ。そこにタイタスとフーマも加わってくる。

 

『ヒロキ、タイガ‼︎私も恐らく君達と同じ夢を見た‼︎』

『俺もだぜ、お前の爺ちゃんが現れて・・・それから変な目玉みたいなのが出てきやがったからな!』

「嘘・・・。」

 

ヒロキは4人とも同じ夢を見ていたことに絶句していた。暫くすると夢に出てきた祖父に向かって呟かずにはいられなかった。

 

「お爺ちゃん・・・タロウさんに・・・一体何が起こるんだよ・・・。」




今回は光の国視点の話だったためウルトラマンの会話シーンの「」は普通に致しました。
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