前半のタイガとヒロキの会話の内容はウルトラギャラクシーファイトニュージェネレーションヒーローズを見れば分かると思います。
時計は5時を回った頃、2人は公園を歩いていた。歩きながら、タイガはヒロキにトレギアとの戦いのきっかけを話していた。
『あれは俺達が宇宙で修行の旅から帰ってきた直後だった。その時、光の国では緊急事態が起こっていた。』
「緊急事態?」
『かつて、お、いやウルトラマンタロウによって倒された強大な敵が復活した。名前はウルトラダークキラー。そいつらにニュージェネレーションヒーローの先輩達が力を合わせて立ち向かったんだ。』
「ニュージェネレーションヒーローの先輩達って、トレギアと戦っていた7人のウルトラマンだよね。」
『ああ、どの先輩達もその事件に関わるようになったきっかけは異なるらしいが、・・・・その中で俺に力を託したロッソとブルの事は分かるよな?』
「君にブレスレットを託した赤いウルトラマンと青いウルトラマンの事だよね。」
『彼らには妹がいる。名前はウルトラウーマングリージョ。彼らがダークキラーの事件に関わった理由はグリージョがダークキラーに攫われたからだ。』
「妹もウルトラマンなんだ・・・。いや、ウルトラウーマンって言った方がいいのかな。でも、その事件にトレギアがどう関わっていたの?」
『ダークキラーにグリージョを攫わせたのがトレギアなんだよ。』
「ええっ!?でも、どうして!?」
『ロッソとブルはグリージョと合体する事でウルトラマングルーブという強力なウルトラマンになる。トレギアは彼らをグルーブにさせないためにダークキラーにグリージョを攫わせたんだ。トレギアはダークキラーを倒した先輩達の前に現れて、光の国を襲撃すると予告したらしい。後はお前の夢の通りだ。先輩達は奴と戦ったが罠に嵌り、体力を消耗してしまった。だから、先輩達に変わって俺達が立ち向かったんだ。けど、俺達は結局、奴に負けてしまった。』
ヒロキは今に至るいきさつに納得した。そして、タイガと一緒にトレギアに立ち向かった2人のウルトラマンについて質問した。
「そうだったんだ。・・・俺達って言ってるけど、・・・・もしかしてあの2人がトレギアに消された仲間?」
『そうさ。俺は修行のため、色々な星を巡った。そこであいつらと出会ったんだ。そして、その2人とチームを組んだ。それがトライスクワッドだ。』
「その2人もウルトラマンなんだよね。」
『ああ、そうさ。タイタスは・・・パワーがあって、頭もいいんだ。フーマは喧嘩っぱやいけど・・・スピードに優れててさ、義理固くてさ・・・いいやつなんだぜ』
「大切な仲間だったんだね。」
『ああ、けどトレギアにやられて・・・2人は・・・もう・・・。』
よほど悔しかったのだろう。タイガは肩を震わせながら当時の事を思い出していた。
そんなタイガにヒロキが声を掛ける。
「多分だけど2人は生きているんじゃないかな。」
『なんでヒロキがそんなこと言えるんだよ!!』
「タイガが生きているからだよ。タイガもその2人と同様にトレギアに同じ技でやられたんだろ?けど、タイガは生きているじゃないか。だから、希望は捨てちゃいけない。僕はそう思うよ。」
『ヒロキ・・・。』
ヒロキの言葉に思うところがあったのだろう、タイガがうつむきながら口を閉じる。
その時だった。多くの人がヒロキと反対側から走ってきたのは。それはTVの記者会見でよく見る報道陣だった。
「うわっ!!」
「ああっ、すまない!!君も早く逃げた方がいいぞ!」
「一体何があったんですか!?」
「社長が宇宙飛行士に襲われている!!ここにいたら巻き添えになるぞ!」
そう言って記者は走っていった。ヒロキはタイガに話しかける。
「タイガ、僕達も行ってみよう!!嫌な予感がするんだ!!」
『お前がそう決めたなら、俺は反対しないぜ。』
ヒロキは走り出した。報道陣の走る方向とは逆に。
その頃、アギラ達は人前に出るコスモミラクル社社長『今里光』を嗜めていた。命を狙われているのに人前に普通に出ようとしたからだ。
「ちょっと、社長さん!命を狙われているんですからあまり人前に出ない方がいいですよ!!」
「大丈夫だ。君達、怪獣娘もいる。それに私は脅迫になど屈したくはない。ここで屈したら、九条君夫妻に顔向け出来ない。」
「あなたがあの事故を意図的に起こしたって噂もあるのにですか!?」
「誰が流したかは知らんが、そんな事実はない。私を信じてくれ。」
社長はそう言って外へ出た。その前には沢山のマスコミがいる。
実はどこからか漏れたのか、社長宛に殺害予告が届いたという噂が世間に流れてしまった。
しかも、怪獣娘が社長の警備をしているせいで、その噂は信憑性が高くなり、結果として多くの報道陣が会社にけしかける形になった。
カメラを向ける報道陣に目立つのが苦手なアギラは顔を必死に隠す。マガジャッパも大勢の人混みに慣れていないせいでかなり戸惑っていた。
そんな2人の事を知らず、1人の新聞記者が今里に質問し、つられて他の記者やニュースキャスターも質問する。
「今里社長、宇宙ステーションの事故についてどうお思いですか!?」
「実に残念で不幸な事故でした。」
「宇宙飛行士2名が死亡する事故が起こったきっかけは!?」
「残念ながらまだ分かっていません。しかし、我が社のシュミレーションでは安全に火星に着陸するはずでした。我が社の信頼を崩すために産業スパイによって仕組まれた可能性も出て来ています。」
「世間では故意に起きた事件だという意見も出ていますが!?殺害予告が送られたとの情報もありました。何か関係ありませんか!?」
「わざとではありません。殺害予告についてですが・・・。」
今里はマスコミの一つ一つの質問に対し、丁寧に答えていく。そして、最後の質問には一瞬戸惑うも、
「殺害予告は事実です!恐らく、会社の信頼を落とそうとする産業スパイの仕業でしょう!しかし、私は屈しません!!犠牲になった2人のためにも私はこれからも宇宙開発事業を続けていきます!!今回の事故の原因を解明し、解決策を見つけ、再び立ち上がる!!私は前に進みます!!前に進んで宇宙開発を進めていきます!!」
記者の質問に全てはっきりと答えた今里に対して、怪獣娘達もやはりあくまで噂で本当はいい人なんじゃないかと好感を持ち始めた。しかし、事態は急変した。
「世間には、でたらめを吹き込み自分は聖人アピールか。この犯罪者が!!」
彼らの前に青い作業着のような服を着た顔色の悪い男が現れた。その途端、アギラ達のソウルライザーに連絡が入った。ピグモンからだ。
『3人ともとんでもない事実が分かりました!!あの映像はスタジオでもCGでもありません!!本物の九条レントです!!」
怪獣娘達もマスコミも今里もその男を驚きながらその男を見た。男は紛れもなく、宇宙ステーションに乗った宇宙飛行士『九条レント』本人だったからだ。
当然、マスコミはレントに取材しようとした。二度と地球に帰ってくることが出来なくなった男がどうやって帰ってきたか気になったからだ。
しかし、レントは懐から白い奇怪な銃を取り出した。銃を突き付けられたマスコミは怯えて、逃げ出した。
レントは銃の引き金を引く。すると今里の後ろに白い魔法陣が形成された。すると魔法陣に今里が吸い込まれていく。
「助けてくれぇぇぇーーーっ!!」
「凄い力・・・ってこの魔法陣、宇宙空間に繋がっている!!2人とも力を貸して!!」
「はい!!」
アギラはマガバッサー達の力を貸りて、今里を魔法陣から引き離す。
「大丈夫ですか!?」
「助かった。ありがとう。頼むよ。彼を止めてくれ。きっと事故で気が狂ってしまったんだ。」
「気が狂ってるのは貴様の方だ!!社長!!あれは事故に見せかけて俺達を殺害するつもりだったんだろう。怪獣娘達、その男は武器の密造、密売、密輸を行っている!!その他にもテロリスト達に資金援助を行ってきたり、違法薬物にも手を染めてきた最低の男だ!!そんな男をお前達は守るのか!!?」
「奴は宇宙に行った影響で狂ってる!!正気じゃないんだ!!最悪の場合、殺してもかまわないから、あいつを止めろ!!」
「奴の言葉こそ何の意味も無い!!これを見れば分かる!!」
レントがそう言うと、建物の外のモニターに映像が写し出された。
『このロケットランチャーはお買い得ですよ~!』
『約束のお金です。これからも我が社をよろしく。』
『成程、この薬はこういう効果が・・・・いい結果だな・・・。この材料は当たりだな。』
それは今里が外人にロケットランチャーやグレネードランチャーといった強力な武器を売っている映像だった。他にも武器を持った外国人に1億の大金を渡す場面やどこかの手術室で男に無理矢理薬を打たせて苦しむ姿を愉快な表情で見る姿が写し出されていた。
「こ、これは・・・。」
「ひ、酷い・・・。」
「どうだ!これらの犯罪をその男はしてきたんだ!!しかも、俺の妻はその男の悪事を知ったからという理由で殺害されたんだ!!あのロケットに衝突させて、事故にみせかけてな!!」
「お、お前、俺が事故に見せかけて殺害した証拠がどこにある!!でたらめを言いやがって!!」
「俺は宇宙ステーションに行く1週間前に妻から聞いたんだ。妻は会社の社長と一部の社員以外立ち入り禁止の部屋の前で社長と部下の武器の商談の会話を聞いたと!!妻は、宇宙ステーションから帰ってきたら本格的に証拠集めを行うと俺に言った!」
「しかし、貴様の方も妻に裏でしてきた事を知られたと知った!だから、事故に見せかけて、妻を殺害したのだ!!貴様らはそんな男も守るというのか!?」
怪獣娘達はさっきの姿やGIRLSで聞いた話が正しかったと知って、ショックを受けた。さっきまで、報道陣への質問に全てにきちんと対応していた姿は偽りの姿だったのだ。
しかし、アギラはそれでもレントに反論した。
「確かにこの人は多くの罪を犯した悪い人です!でも、だからと言って見捨てていいわけがない!だからボク達はこの人を最後まで守ります!!」
「まだ、そんな事を・・・ならば、貴様らも抹殺する!」
レントは銃から光弾をアギラに撃つ。アギラも怪獣娘の身体能力を生かして光弾を避け、レントの後ろに回り込み、羽交い締めにする。
「ボクが押さえている間に社長を逃がして!!ただし、君達も一緒だよ!!」
「はい、任せてください!!」
「社長さん、私達から逃げないでください!!」
「おいおい、これってまさか・・・。冗談じゃない!!警察に行くのだけは御免だ!!」
今里は怪獣娘達に自分の身柄を拘束されると思った。レントが羽交い締めにされた今がチャンスだと思い、全力で走り出した。
マガバッサーとマガジャッパは憤り、アギラは指示を出す。
「あーーーっ!!逃げた!!」
「あんな罪を犯して、自分だけ逃げるなんて!!」
「ここは、ボクが何とかするから、2人は社長を追って!!」
「はい!!」
「邪魔だ!!」
2人が社長の後を追う。それを見たレントは逃がさんと言わんばかりにアギラを振りほどく。
「なんて力・・・。」
「俺は宇宙で悪魔と契約した。その結果、怪獣娘以上の力を手に入れたのだ!!」
そう言うと、アギラの前に今里を吸い込もうとした魔法陣が現れた。魔法陣の向こう側は宇宙になっている。
これに吸い込まれたら、生きて帰れないだろう。
「愚かな男を守ろうとする怪獣娘。闇にさようなら。」
「ぐっ、く、くううう!!」
レントは銃の引き金を引き、魔法陣を出した。魔法陣は下に降りて、レントを飲み込み、消えていった。
アギラは宇宙空間に投げ出されないように近くの柱に必死で掴まっている。
「うう、本当にマズイかも・・・。」
アギラは柱から手を離そうとしなかった。しかし、魔法陣が宇宙空間と繋がったことで容赦なく気圧の変化が起こり、アギラを宇宙空間へ飲み込もうとしている。
アギラは魔法陣が縮まっていくのを確認した。このままいけば耐えられる。そう思っていた。
しかし、悲劇は起きた。柱そのものが折れてしまったのだ。アギラの体は宙に浮かび上がり、そのまま宇宙空間へ放り込まれる。
(皆、御免ね。もっと、皆と楽しい時間を過ごしたかったな。)
アギラが魔法陣に吸い込まれそうになったとき、大きな声が聞こえてきた。
すると、1人の少年が走ってきた。彼はアギラにそのまま手を伸ばす。
「アギラさん、だっけ?僕に掴まって!!」
その少年はアギラの先輩であるキングジョーの幼馴染であり、最近怪獣娘達と知り合った白鳥ヒロキであった。アギラはヒロキの手を掴む。ヒロキも魔法陣に吸い込まれそうになるアギラの手を必死で掴みながら踏ん張る。
やがて、魔法陣が消えた。
「大丈夫?」
「・・・・・・あっ、ヒロキさん?ありがとう。でもどうしてここに?」
「さっき、事故を起こしたロケットを打ち上げた社長に取材していたマスコミとすれ違ったんだ。どうしても気になって。」
「無茶しすぎだよ。でも・・・・・・ありがとう。そうだ、レントさんを追わないと!また、社長を狙うはず!」
「僕も行くよ!!手伝える事は手伝いたい。」
「でも・・・。」
アギラは戸惑った。一般人のヒロキを巻き込んで何かあったら先輩であるキングジョーさんに顔向け出来ないと考えたからだ。
しかし、ヒロキの顔を見て、アギラは決意した。
「分かったよ。けど、危険だと判断したらボク達に構わず逃げて。」
「まさか、女の子を置いて逃げるほど臆病じゃないよ。」
2人は走り出した。その間、ヒロキはアギラから今までのいきさつを聞いていた。
「あの社長、そんなヤバイ事をしていたの!?じゃあ、あれは意図的に起こした事故に見せかけた事件だったんだ!?」
「うん。」
「どうやって宇宙から帰ってきたのかな?」
「レントさん曰く悪魔と契約したって言ってたよ。多分だけどその悪魔に力を貰ったんじゃないかな?そしてその悪魔の力で地球に帰ってきたんだと思う。」
「悪魔・・・か。」
ヒロキの頭に悪魔と聞いて以前友達であるチビスケを殺した青い仮面の悪魔が重い浮かんだ。
その頃、公園のベンチでポップコーンを食べながら、コスモミラクル社を見る男がいた。
それはレントに力を与えたトレギアの仮の姿『霧崎』だった。
「さあ、私が与えた力で憎き社長に鉄槌を下したまえ。」
霧崎は笑いながらまるで映画を見る客のようにポップコーンを口に運んでいた。
(まさか、トレギアが関与してるのか?もし、そうなら僕が止めないと!!)
「ヒロキさん?」
「ごめん、考え事してた。・・・ってあれ!!」
ヒロキが指を指すと、魔法陣に吸い込まれそうになる今里を引っ張るマガバッサーとマガジャッパが見えた。2人は急いで合流する。
「2人とも大丈夫!?」
「大丈夫です!ってあれ・・・その人って。」
「確か海岸沿いの公園にいたキングジョーさんの幼馴染の・・・。どうしてここに?」
「話は後だ!!2人とも引っ張るよ!!」
4人で今里を魔法陣から引っ張る。魔法陣から離れた距離に落ちたところで、魔法陣は消滅した。
レントは声を荒げる。
「何だ、さっきは居なかった奴がいるな!!」
「貴方が九条レントさんですね?貴方に聞きたい事があります。その力をくれた悪魔とは誰ですか?」
「そんな事どうでもいい!!それよりも、お前も邪魔をするのか!!それでも守るのか!!愚かな悪行に手を染めた男を!!ならば、最終手段だ!!」
レントは銃の引き金を引く。しかし、何も起きなかった。レントは階段で上に上がっていった。
「2人は社長をお願い!!今度こそ逃がしちゃ駄目だよ!」
「ハイ!」
「分かりました!大人しくしててください!!」
「ぐ、くうううっ!!今までの功績が消えるのは嫌だっ!」
そう言ってアギラとヒロキはレントの後を追っていった。
次回もクロスオーバーユニバース版には無かったオリジナルの会話を後半に入れたいです。