本当に長かった・・・‼︎
この回でやりたい事を全て詰め込んだのでこれまでの話の中で1番長い話になりましたがご了承下さい‼︎
ショーの前日の夜、ヘルキャットは高層ビルの上に立ち、キングジョーの復帰ショーの宣伝が描かれた看板を眺めていた。更にその後ろには会場となるドーム型の建物が見える。
「グルルル・・・。」
ヘルキャットは唸り声を上げるとビルの間を駆け抜けていく。そして地上に降り立ち、その身を潜める。
「グルルルルルル・・・・・・。」
ヘルキャットはそのまま会場まで駆けていく。その姿を監視カメラが捉えていた。
「どうですか?」
「監視カメラがヘルキャットの姿を捉えた‼︎」
「どうやらこの建物に向かっているようですね・・・。」
会場の監視カメラの制御室でピグモン、ピリカ、マーキンド星人がその姿を確認していた。ヘルキャットの姿を確認した3人は別のカメラの映像を確認する。
「ヘルキャットが消えた‼︎」
「別のカメラには写っている筈ですよ‼︎」
「あっ‼︎いました‼︎」
「ゴモゴモ‼︎レッドン‼︎そちらの近くに向かいました‼︎迎撃準備お願いします‼︎」
「了解‼︎ゴモラ、聞いたか⁉︎」
「勿論‼︎」
ピグモンからの通信を受けたゴモラとレッドキングは自分達の待機場所で待ち構えていた。そこに走ってくる獣の影が写る。
「グルルルルル・・・・・・。」
「レッドちゃん‼︎」
「来やがったか‼︎さぁ、掛かって来やがれ‼︎」
ヘルキャットが唸り声を上げながら近付いてくる。ゴモラとレッドキングは背中合わせで何処からでもヘルキャットが来てもいいように待ち構えている。その時、ゴモラにヘルキャットが飛びかかって来た。
「うわっ⁉︎こっちから来たでぇ‼︎」
「上等だ‼︎行くぜ‼︎」
ヘルキャットがゴモラに自身の牙を突き立てようとした時、レッドキングがゴモラの前に立ち、その顔面に拳を浴びせる。それを受けたヘルキャットは後ろに吹っ飛んでいくも空中で一回転して着地する。そしてレッドキングの方に目を向けると今度は彼女の方に飛びかかっていった。レッドキングは寸前でヘルキャットの追撃を避ける。そしてヘルキャットは地面に足をつけてブレーキをつく。するとヘルキャットのいる浴衣が盛り上がった。ヘルキャットが真下の奇妙な気配に気付いたと同時にゴモラの頭突きでヘルキャットが真上に飛んだ。
「ギャワン⁉︎」
「でええええい‼︎」
ヘルキャットは天井にぶつかると同時に地面に落ちる。そして再び体を起こした時にはゴモラとレッドキングに前後を囲まれていた。
「さてと・・・もう逃げられないぜ。」
「グルルル・・・。」
ヘルキャットは後ろに後退するが後ろではレッドキングがじりじりと距離を詰めて来た。ヘルキャットは一か八か大きく屈んでゴモラの上を飛び越えようとジャンプする。しかし、ゴモラも同時に飛び上がり空中でヘルキャットの後ろ右足を掴んだ。
「捕まえたでぇ‼︎」
「ガルッ⁉︎」
ゴモラがヘルキャットの足を掴んだ事で2人は再び床に落ちる。その間、ゴモラはヘルキャットの両足を強く掴みその場から逃げようとするヘルキャットを阻止する。ヘルキャットは振り解こうともがくが力の強いゴモラの手を振り切れずにいた。ゴモラもヘルキャットの牙と前足の爪を警戒してなるべく体を離している。その時、ヘルキャットは諦めたのか抵抗するのを止めて大人しくなる。
「よし、大人しくなった・・・レッドちゃん、ヘルキャットを捕まえた事をピグちゃんに」
「ガアァァッ‼︎」
「危ねえ‼︎」
「へっ・・・うわあっ⁉︎」
ゴモラが気を緩めて片手を離した瞬間、ある程度体の自由が効くようになったヘルキャットがゴモラに爪を突き立てた。ヘルキャットは諦めたフリをして反撃するチャンスを伺っていたのだ。ゴモラはレッドキングの警告のお陰でヘルキャットから逃れるがその際、両手とも離してしまい、ヘルキャットに逃げられる。
「ヤベエ‼︎」
「追わないと‼︎・・・確かあっちの方は・・・アギちゃん‼︎」
その頃、アギラ達かぷせるがーるず3人は所定の位置でヘルキャットを待ち構えている。その時、アギラのソウルライザーにゴモラからの通信が入った。
「こちらアギラ。」
『アギちゃん御免‼︎ヘルキャットを逃しちゃった‼︎今、そっちに向かってる‼︎』
「分かった!気を付けるよ‼︎」
「アギちゃん、アレ‼︎」
ミクラスが前方からこちらに向かってくる獣のような影に気付く。ウインダムが額のスコープを付けてそれを確認するとその姿がはっきりと写し出された。
「間違いありません‼︎ヘルキャットです‼︎」
「よし‼︎あたし達も迎撃態勢に入るよ‼︎」
「うん‼︎ウインちゃんはマガバッサー達に連絡を‼︎」
「は、はい‼︎」
走って来たヘルキャットはアギラ達の姿を見るとすぐに体を屈めていつでも飛び掛かれる態勢に入る。アギラとミクラスは構えながらいつでも戦闘に入れるよう準備していた。長く続く硬直状態の中、最初に仕掛けたのはミクラスだ。
「うおりゃああああああ‼︎」
ミクラスは飛びかかりながら拳を放つ。しかし、ヘルキャットに避けられ、彼女の拳は大きな音を立てて床を砕いた。ヘルキャットはミクラスの後ろに立つとすぐに彼女の首に牙を突き立てられるように飛びかかる。その時、横からアギラがドラム缶を投げつけてヘルキャットを突き飛ばした。
「うううやあああああ‼︎」
「グオッ⁉︎」
アギラの尻尾で吹っ飛んだヘルキャットは横に吹っ飛ぶもすぐに体勢を立て直してアギラを睨む。ヘルキャットはすぐにアギラに飛びかかりその爪でアギラを切り裂こうとする。
「させません‼︎」
そこにウインダムからの連絡で駆け付けたマガジャッパが立ち塞がり両手から放つ泡でアギラを守る。ヘルキャットの爪はただ泡を引き裂いただけになった。
「グルッ⁉︎」
「マガジャッパ‼︎」
「お待たせしました‼︎」
ヘルキャットは目の前のマガジャッパを睨みつける。その時、後ろから大きな竜巻がヘルキャットを襲う。
「わたしの事も忘れてもらっちゃ困るぜ‼︎」
それはマガバッサーが放った竜巻だ。マガジャッパと同じくウインダムの連絡で駆け付けた彼女はマガジャッパが泡を放ってアギラを守っている間に竜巻を作り、それをヘルキャットにぶつけたのだ。ヘルキャットは竜巻の中で目を回しながら竜巻に巻き込まれる。やがて竜巻が収まると同時にヘルキャットが地面に衝突した。そこにウインダムの額のレーザーが命中する。
「ガウッ⁉︎」
ヘルキャットはレーザーの衝撃で意識を取り戻すと目の前の怪獣娘を睨む。しかし、このままでは勝ち目がないと踏んだヘルキャットは体の大きさを変えて小さくなる。猫くらいの大きさになったヘルキャットはアギラ達が通れない配管に潜り込んでいく。
「あっ‼︎待て‼︎」
「ピグモンさん、こちらアギラ‼︎マズいです‼︎ヘルキャットが小さくなって配管の中に‼︎」
『分かりました‼︎大丈夫です‼︎わたし達に任せて下さい‼︎』
ヘルキャットはそのまま配管内を進んでいく。やがて出口が見えるとそっと近付き耳を済ます。そして人のいる気配がしない事を確認すると飛び出していった。
「やはりここに出てきたか・・・。」
ヘルキャットはその後ろに立っていた怪獣娘に驚く。それは黒いボディスーツに右手に大きなビームサーベルを備えたアンジェリカが変身した怪獣娘『マグマ星人』が立っていた。
「悪いな。私はこれでも元軍人で・・・以前は特殊戦闘部隊にいた・・・気配を消す事くらい造作もない。ピグモン、助かった。」
『いえいえ、これくらいお安い御用です。お礼ならピリピリとマキマキにお願いします。』
「グルルルルル・・・。」
実はピグモンはピリカとマーキンド星人にアギラ達のいた場所の配管の図面を渡して何処からヘルキャットが出てくるか計算させていた。そして配管の図面と位置からヘルキャットが出てきやすい場所を絞り出して各地に人を配置させたのだ。ヘルキャットは再びライオンくらいの大きさになって目の前のマグマ星人を睨む。
「グルアアアア・・・アッ⁉︎」
そして彼女の首に鋭い牙を突き立て噛みつこうとするがその前に後ろから何かが左足に引っかかった。それはGIRLSに所属する本物のマグマ星人の放ったチェーン式のフックだった。
「へへっ、セーフだったな。」
「・・・余計な事を。」
マグマ星人(怪獣娘)は左手にフックを装着してヘルキャットの後ろに回り込む。そして彼女も隣にいるマグマ星人(本物)同様、チェーン式のフックを放ち、ヘルキャットの動きを封じる。
「それにしても・・・人生分からないものだな・・・。まさか本物のマグマ星人がGIRLSに入って・・・そして共に仕事する事になるとは・・・。」
「そりゃあ俺だって同じさ。何か姉ちゃんとは気が合いそうな気がするぜ。」
「フッ・・・不本意ながら私も同じ事を考えてしまったよ・・・一仕事終えたら飲みに行かないか?」
「いいぜ。但し・・・コイツを何とかしたらな。」
「グルルルルル・・・・ガアァァァァァァァァァァァァァァ‼︎」
ヘルキャットは2人の会話を聞きながら苛立ちを隠さずもがきながら吠える。2人はヘルキャットの咆哮を聞くと再び顔を見合わせて右手に装着されたサーベルを構える。
「行くぜ、姉ちゃん。」
「ああ。」
2人同時にサーベルを突き立てるとサーベルから光線を放つ。動きを封じられたヘルキャットは光線をまともに受けた。
「ガアアアアア⁉︎」
ヘルキャットは叫び声を上げながら光線に焼かれる。そして体の毛があちこち焦げながら地面に倒れた。
「よっしゃ、やったぜ‼︎」
「いや、まだだ‼︎奴はかなり知能が高い怪獣らしい‼︎油断しない方がいい‼︎」
喜ぶマグマ星人(本物)をマグマ星人(怪獣娘)が戒める中、ヘルキャットはふらふらになりながら立ち上がる。2人はその様子に警戒しているとヘルキャットは力を振り絞ってその場から走り出した。
「くそ‼︎なんてしぶとい野郎なんだ‼︎」
「確か・・・あの方向は・・・。」
マグマ星人(怪獣娘)はソウルライザーを取り出して何処かへ連絡を取り始める。
その頃、監視カメラの制御室前ではその前でペギラ、ブリッツブロッツ、バードンの3人が守りを固めていた。非戦闘員であるピグモン達を守るためだ。その時、ペギラのソウルライザーに通信が入る。
「はい、こちらペギラなのです‼︎」
『マグマだ‼︎そっちにヘルキャットが向かった‼︎気を付けろ‼︎』
「ヘルキャットが⁉︎了解なのです‼︎」
「アデリーナ、アレ‼︎」
ペギラがマグマ星人(怪獣娘)からの通信を切るとブリッツブロッツが指を指した方に目を向ける。彼女達の目にこちらに向かって走ってくるヘルキャットが見えた。
「グルルアアアアア‼︎」
「来た‼︎」
「皆・・・気を付けて‼︎」
ヘルキャットが飛びかかると同時に3人の怪獣娘は3方向に散る。ヘルキャットはまずペギラの方に目を向けて再び飛び掛かった。しかし、空を飛べる彼女の前では自慢の爪も空振りに終わるだけだった。
「悪いけどこちらは全員飛べるからね。アンタの思うようにはいかないわよ。」
空に飛び上がるブリッツブロッツの挑発にヘルキャットもジャンプして追いつこうとする。しかし、寸でのところで追い付かず、ヘルキャットは地面に着地する。唸り声を上げながら空を飛ぶ3人をどう始末しようか考える中、ヘルキャットは寒さを感じて後ろを振り向く。後ろからはペギラが冷凍光線を吐いている。全身を毛に覆われたヘルキャットも寒さに震えを隠せずにいた。その時、バードンが炎を放つ。ヘルキャットはその熱さに体毛を燃やしながら悲鳴を上げる。
「グギャアアアアアアア⁉︎」
「よし‼︎」
このままいけば勝てると誰もが思った時、彼女達にとって予測出来ない事が起こった。部屋の外で大きな音が響いた事で外で何が起きているのか確かめようとピグモンが外に出て来たのだ。
「外が騒がしいですが一体何が起きていますか〜?」
「ピグモン⁉︎」
「今、出てきちゃ駄目‼︎」
「なっ⁉︎」
ブリッツブロッツの声も既に遅くヘルキャットはピグモンに目を向ける。ピグモンは現状を把握してドアを閉める。ドアの隙間からピリカとマーキンド星人がその光景を見守る中、ピグモンは自身に目を付けたヘルキャットに思わず悲鳴を上げる。
「ヒッ・・・‼︎」
「グルルルルルルルルル・・・。」
ヘルキャットは漸く簡単に仕留められそうな獲物を見てしたり笑いを含んだ唸り声で鋭い牙をピグモンに向ける。そしてピグモンを見るとすぐさま走り出してその鋭い爪と牙でピグモンを引き裂こうとした。
「ピグモン、逃げて‼︎」
「きゃあああああああああああ‼︎」
『ピグモン(さん)‼︎』
ブリッツブロッツの声も虚しくヘルキャットの走る速さは素早かった。全員が思わず叫び、ピグモンが思わず最後を覚悟して目を瞑った時、ヘルキャットの牙と爪は何かにぶつかった。
「・・・・・・えっ・・・一体何が・・・⁉︎」
「ぐっ・・・ぐぐぐぐぐぐぐ‼︎」
「ヒロヒロ⁉︎」
ピグモンの目の前にはタイガトライブレードでヘルキャットの爪と牙を抑えたヒロキがいた。ヒロキは力の限り、ヘルキャットの牙と爪からピグモンを引き離そうとする。ヒロキは後ろのピグモンに呼び掛けた。
「ピグモンさん、大丈夫ですか⁉︎」
「は・・・はい‼︎大丈夫です‼︎」
「なら安心です・・・少し待ってて下さいね‼︎」
ヒロキは力の限りヘルキャットを押し返そうとする。そして力を振り絞ってヘルキャットを押し変え始めた。
「うおおおおおおおお‼︎」
「グルアアッ⁉︎」
ヒロキはヘルキャットを押し返す事に成功する。ヘルキャットはヒロキに狙いを定めるがヒロキはタイガトライブレードを構えてヘルキャットを睨む。そしてお互い硬直状態が続く中、最初に動いたのはヘルキャットだ。ヒロキはギリギリまでヘルキャットが近付くのを待つ。そしてヘルキャットが真っ直ぐこっちに向かってきた時、ヒロキはギリギリのところでヘルキャットの爪をかわす。完全にかわしきれず頬にかすり傷を作るもヒロキの体はヘルキャットの横に逸れていた。そこでヒロキは炎を纏ったタイガトライブレードでヘルキャットを斬りつけた。
「ギャアアアアアアア⁉︎」
炎を纏った剣で斬られたヘルキャットは大きな悲鳴を上げながら地面に転がる。ピグモンはヒロキに駆け寄った。
「ヒロヒロ、どうしてここに?キンキン達と一緒にいる筈じゃ・・・。」
「いや、そのクララちゃんから頼まれたんだ。騒がしくなってきて嫌な予感がするから様子を見てきてくれってさ。そしたら本当にピンチだったからビックリしたよ。」
「そうだったのですか・・・本当にありがとうございます。」
ピグモンは顔を赤らめながらヒロキに礼を言う。しかし、ヒロキの秘密を知らないペギラ達はヒロキが持っている剣を見て疑問を浮かべる。
「その剣・・・ウルトラマンの使っている剣に似ているのです。」
「⁉︎・・・あー・・・いや、多分気のせいだと・・・。」
「いや、この剣・・・タイガの剣にそっくりどころかそのものじゃない⁉︎さっきこの剣から炎が出てたし・・・。」
「えっ・・・いや、それは・・・。」
「それに・・・貴方を見てると・・・何故かカイジューソウルがうずく・・・どうして?」
「皆さん・・・その事は後でお話しします、だから・・・。」
ペギラ達がヒロキを問い詰めている中、ヘルキャットはフラフラと立ち上がる。ヒロキ達はその姿を見て再び構える。
「コイツ、まだ‼︎」
「皆、気を付けて‼︎」
ヘルキャットは再び立ち上がるとその場から走り去っていく。ヒロキ達は思わずその姿を追い掛ける。
「あっ、待て‼︎」
ヘルキャットは外に出ると再び体の大きさを変え始める。そして真の姿である黒くて背中に突起を備えた大きな猫のような怪獣に変化した。ピグモン達と共にヘルキャットを追い掛けたヒロキはその姿を見てタイガトライブレードを地面に突き刺すと迷わずタイガスパークを出現させる。
「くそ、ジョーニアスも苦戦した真の姿に‼︎」
「ヒロヒロ‼︎」
「分かってます‼︎トモミさんは3人に説明を‼︎タイガ、構わないよね‼︎」
『そうだな・・・タイガトライブレードを見られた以上、やむを得ないな。』
「ガアアアアアアアア‼︎」
「行くぞ、タイガ‼︎」
『ああ‼︎』
〈カモン!〉
「光の勇者、タイガ!!」
『はあーっ!ふっ!』
「バディィィゴーーーー!!!」
〈ウルトラマンタイガ!〉
ウルトラマンタイガが光と共に現れてヘルキャットの顔に拳を叩き込む。その姿を見たペギラ達はタイガを見て驚いていた。
「嘘・・・ヒロキがウルトラマンタイガだったの⁉︎」
「はい、ヒロヒロは今まで3人のウルトラマンと共に力を合わせて戦ってきたのです‼︎」
「あのピット星人の言葉・・・まさか本当だったなんて・・・思わなかったのです。」
タイガはヘルキャットに戦闘態勢をとる。ヘルキャットは唸り声を上げるとすぐさま走り出す。
「シェアッ‼︎」
「グルルルル・・・・グルアアアアアアアアアア‼︎」
ヘルキャットが飛びかかって突撃してくるがタイガは側転してそれを避ける。タイガはスワローバレットを放つがヘルキャットはそれを避けて走り出す。
『スワローバレット‼︎』
ヘルキャットはそのまま高速で森を駆ける大型ネコ科の猛獣のように市街地で走り回る。タイガはヘルキャットの唸り声を辿って目を向けていた。
『何処だ・・・何処へ行った⁉︎』
タイガは辺りを見渡すがヘルキャットの姿を捉えられずにいた。その時、後ろに建てられたタイガよりも大きなビルからヘルキャットが飛び掛かってきた。そしてヘルキャットは鋭い爪でタイガの腹に切り傷を付ける。
「ガアアアアアアア‼︎」
『ぐああっ⁉︎』
そしてヘルキャットは再び市街地を走り回る。タイガは起き上がると同時にフーマと交代する。フーマは交代する度、すぐさまヘルキャットの姿を追う。市街地の真ん中で大型猫のような猛獣型の怪獣と風の覇者が人々の目には見えない速さでぶつかり合っていた。その姿を見てアギラ達と合流したピグモン達は黙って眺めているしか出来なかった。
その頃、ヘルキャットを送り込んだヴィラン・ギルドの宇宙人達は遠くからヘルキャットとウルトラマンの戦いを驚きながら眺めていた。
「ヘルキャットがウルトラマンと戦っているだと⁉︎」
「まさか・・・怪獣娘達にやられたというのか⁉︎」
「まさか・・・体を小さくしてるとはいえ相手は怪獣だぞ。」
「そのまさかだよ。」
宇宙人は後ろからの声を聞いて振り向いた。そこにはキングジョー姉妹、2人のガッツ星人にエレキング、緑のネグリジェのような獣殻の怪獣娘『スカイドン』がいた。
「アンタら、わたし達を舐めてたわね。」
「姉さまのショーの邪魔はさせマセン‼︎」
「クララ先輩のモデル復帰を邪魔するだけでなくマドカちゃんまで傷付けた貴方達は絶対に許しません‼︎」
「おのれ、やっちまえ‼︎」
「怪獣娘を始末しろ‼︎」
リーダーを務めるサーペント星人の言葉で武装した手下の宇宙人達が武器を持って怪獣娘に襲いかかる。
「「でやぁっ‼︎」」
2人のガッツ星人が銃を持った男達に蹴り掛かる。男達はライフルで彼女達の蹴りを弾いて引き金を引く。2人は瞬間移動で銃撃を避ける。銃撃を避けられた男達はライフルを構えながら2人のガッツ星人を探す。
「奴ら・・・何処に消えた?」
「くそ‼︎逃げられたか‼︎」
「「誰が逃げたって⁉︎」」
男達が声のした方にライフルを向けるとそこには2人のガッツ星人が立っていた。男の1人がライフルの照準を合わせて引き金を引く。しかし、ガッツ星人(ミコ)はそれを見極めると分身して銃撃を避けた。ガッツ星人(マコ)も分身してライフルで自分達を狙う宇宙人を翻弄する。
「ほらほら、どうしたの?」
「わたし達はこっちよ。」
「くそっ⁉︎」
その頃、エレキングはトンファー型の武器を使う男と鞭で激突していた。エレキングの電撃を浴びた鞭でトンファーを弾かれた男は腰に備えた拳銃に手にして引き金を引く。エレキングは左手の盾でそれを防ぐと拳銃をはたき落として鞭を振るう。
その頃、キングジョー姉妹は光弾が飛び交う中を突っ切って男達の武器を破壊していた。
「なんて硬さだ‼︎」
「どけ‼︎コイツを使えば1発だ。」
男はロケットランチャー状の武器を取り出して強力な光弾を叩き込む。しかし、それを見たキングジョーは意識を集中させてブラックスタイルに変身した。そしてペダニウムランチャーを構えるとその光弾を掻き消す一撃を放つ。
「なっ⁉︎」
男が驚いている間にキングジョーⅡが後ろに回り込み額からからの光線で武器を破壊する。そして彼女の拳が男達を吹っ飛ばした。
「はあああああ‼︎」
「なあああああ‼︎」
スカイドンは大きくジャンプしてフック星人の上に乗し掛かる。彼女は自由に自身の体重を変えられるため、今の彼女のフライングプレスはフック星人を叩き潰すには充分だった。
「お・・・重い・・・。」
「むぅ〜・・・女の子に向かって重いなんて失礼な‼︎」
その頃、フーマは街をジャングルのように駆けるヘルキャットに光波手裏剣を放っていた。ヘルキャットは大きくジャンプしてそれを避ける。そして高いビルに着地すると再びビルの上から飛び掛かった。その時、フーマはタイタスに交代する。
『ぬうん‼︎』
「ガアアア⁉︎」
そしてヘルキャットが自身に近付いた地点でタイタスの拳がヘルキャットの顔面に命中した。タイタスの力強い拳にヘルキャットは吹っ飛んでいく。
『かつてジョーニアスが苦戦したヘルキャット・・・今度は私が相手する事になるとはな・・・来い‼︎賢者の拳を受けてみろ‼︎』
「グルルル・・・!」
ヘルキャットはタイタスの拳を受けても尚、立ち上がり唸り声を上げる。そしてタイタスに向かって走り出すがタイタスは拳を構えてその場を離れない。ヘルキャットがタイタスに飛び付きその肩に鋭い牙を突き立てるが強靭なタイタスの筋肉はその牙を通さなかった。
『効かん‼︎』
「ガアアアアアアアアアアア⁉︎」
タイタスはヘルキャットの背中に腕を回して大きく締め付ける。その痛みにヘルキャットは思わず悲鳴を上げていた。そしてヘルキャットを下ろすとその顔面に再び拳を撃ち込んだ。
『タイタス、バトンタッチだ‼︎』
『うむ‼︎』
タイガに交代するとタイガはヘルキャットに飛び蹴りを放つ。飛び蹴りを受けたヘルキャットはたまらず後ろに後退した。すかさずタイガはハンドビームを放つ。
『ハンドビーム‼︎』
ヘルキャットは光線を避けようと走り出すが怪獣娘との戦いの疲れと先程までの戦闘で完全にかわしきれず後ろ足に光線が命中する。後ろ足にハンドビームを受けたヘルキャットは忌々しそうに唸りながら足を引き摺っていた。
「グルル・・・‼︎」
「今だ、ヒロキ‼︎」
タイガの声でヒロキはタイガスパークのレバーを引く。
〈カモン!〉
そしてヒロキは左腕にプラズマゼロレットを出現させるとその力をタイガスパークに読み込ませた。
〈プラズマゼロレット、コネクトオン‼︎〉
タイガにゼロのビジョンが映るとゼロがワイドゼロショットを放つ時のチャージと同じ動きをしたタイガが腕をL字に組んでゼロの力を宿した光線を放つ。
『ワイドタイガショット‼︎』
逃げようとするヘルキャットもこれまでの戦いで疲れた体では光線から逃げ切る事は出来ない。ゼロの力を加えた強力な光線を受けてその黒い体毛ごと体が焼き焦げ、やがて大爆発を起こした。
そしてショー当日、観客席は大勢の客で賑わっていた。ヒロキ達は舞台裏でその様子を眺めている。
「凄い、こんなにも多くの人達が・・・。」
「それだけクララちゃんの帰りを待っていた人達がいたんだよ。」
「やっぱりキンちゃんは凄いよね〜。」
「もう、褒めても何も出ないデスヨ!」
ヒロキ達の会話に照れ臭そうな表情をしたクララが入ってくる。今の彼女の衣装はキングジョーのカラーリングである金色をベースにしたフリフリで彼女自身のスタイルがよく分かるドレスだった。それに加えて赤い髪飾りに黒いストッキングが彼女の綺麗な足を表している。
「それが今回の衣装?」
「ハイ、やはりワタシ自身のカイジューソウルに因んで金がいいかなと思いましテ・・・。」
「でも・・・すっごく似合うじゃん‼︎さっすがおジョーだよ‼︎ねえ、ヒロ‼︎」
ミコがヒロキに話題を振るとヒロキは何も言わずクララに見惚れている。クララに見惚れるヒロキにマガコンビが大声で叫んだ。
「「ヒロキさん‼︎」」
「わっ・・・な、何?」
「あれ〜、もしかしてヒロってばおジョーに見惚れてた〜?」
「い、いや・・・そんな事は・・・。」
ミコのからかいに顔を赤くしながら否定するヒロキ。そんなヒロキの様子を見て気を良くしたクララがヒロキの腕に自身の胸を押し付ける。
「ヒロキ〜♪」
「⁉︎ちょっ・・・クララちゃん⁉︎」
「嬉しいデス‼︎漸くワタシだけを見てくれたんデスネ〜‼︎」
「オホン‼︎・・・キンキン、そろそろステージに上がる時間です。」
自分に見惚れてた事に嬉しくなったクララが自身の豊満な胸を更に押し付ける。その感触で顔を赤くするヒロキの後ろからトモミが声を掛けてきた。
「Ohh、いけマセン‼︎そろそろステージに上がらないト‼︎・・・では、またネ、ヒロキ‼︎」
「‼︎」
クララは去り際にヒロキの頬にキスを落とす。ヒロキは再び顔を赤くしてクララの後ろ姿を見る。ヒロキに好意を持つ者達はその様子を見て頬を膨らませてヒロキを問い詰める。
「ゴルァァ‼︎ヒロキ‼︎」
「べ、ベニオさん⁉︎」
「さっきからキングジョーさんにデレデレして‼︎」
「ヨウちゃん⁉︎」
「そんなにキンちゃんのおっぱいがいいんか‼︎ええ、おい‼︎」
「ひ、酷いです‼︎あからさまにあんなにデレデレして‼︎」
「み、ミカヅキさんにユカちゃん‼︎落ち着いて‼︎ていうか僕、デレデレしてなんかいないってば‼︎」
「嘘付くな‼︎明らかにデレデレしてたやろ‼︎」
その様子を見て楽しそうに見ているミコと隣で震えるかぷせるがーるずは顔を見合わせて話し合っていた。
「いやぁ〜、こんな昼ドラのような光景をリアルで見られる日が来るとはね〜。ねぇ、アギ達も面白いと思わない?」
「い、いやその・・・。」
「皆の目がギラギラしてて・・・。」
「どちらかと言えば・・・怖いです。」
かぷせるがーるずがコソコソと小声で話す中、ランとマコは興味なさそうに部屋から立ち去る。それと同時にクララの妹であるラハナが入ってきた。
「あの・・・ヒロキ兄さま。」
「ラハナちゃん!どうしたの⁉︎」
「そろそろショーが始まりマス・・・。」
「ああ、そうか・・・じゃあ僕はここで‼︎」
「あっ‼︎待て、ヒロキ‼︎」
そして漸くステージにスポットライトが照らされる。そして白銀のドレスを着たカナとクララがステージに立つ。その後ろではザンドリアス達が演奏の準備をしている。そしてクララのスピーチが始まった。
「おジョーさん‼︎」
「どうも・・・クララ・ソーンデス。長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんデシタ・・・。ワタシは自身を見失いすぎて多くの人達に迷惑をかけてしまいマシタ。けど、この謹慎期間を経て様々な事に触れ、怪獣娘キングジョーとしてだけでなく・・・1人の人間としても大きく強くなれたと思ってイマス‼︎そして・・・今日‼︎その経験を経て新しくなってワタシは・・・ステージに帰ってきマシタ‼︎皆さん、今日は楽しんでいって下サイ‼︎ソウルライド、『キングジョー』‼︎」
『ワアアアアアアアアア‼︎』
キングジョーの声に大勢のファンの歓声が鳴り響く。大声で叫ぶと同時にクララはステージで一歩踏み出すとポーズを決めながらソウルライザーを操作し、怪獣娘に変身する。
「クララちゃん・・・凄く輝いてる・・・。」
「ステージでいつもキラキラ輝いていたあの姉さまが帰ってきたんデスヨ・・・。」
「本当に良かった・・・ステージに立ったクララちゃんが1番生き生きとしているように見えるもん・・・。」
ステージをモデルの歩き方で進むキングジョーはヒロキに気付くと思わずウインクを送る。観客達が自分に送られたものだと思って湧き立つ中でヒロキは自身に向けられたと知って思わず顔を赤くする。ラハナは少し悲しそうな顔をするも最後には笑顔で姉の姿を眺めていた。
ザンドリアス達のバンドとクララ、カナの両者のお陰でショーは無事開幕を終えた。その帰り道でヒロキとクララは他の皆と合流していた。
「キングジョーさん‼︎」
「お疲れ、おジョー‼︎」
「アギラちゃん・・・ガッツ・・・ありがとうございマス‼︎しかし、今回のステージはワタシだけでは成り立ちませんデシタ。ザンドリアスちゃん達の演奏にローランちゃん・・・NISHINAブランドの2人も力を貸してくれたからデス。多くの人達がいたからこのショーを成功させられた事を忘れないで下サイ。」
「おジョー・・・。」
その一方でヒロキは何かを感じて突然後ろを振り返る。しかし、そこには誰もおらずステージがあった建物が見える。トモミは思わずヒロキに訊ねる。
「どうしました?」
「今、誰かこっちを見ていた気がして・・・気のせいか。」
ヒロキは特に気にせず振り返る。そしてヒロキ達はその場を去っていった。しかし、建物の影から7人の青年達が現れた。
「成る程・・・あいつがゼロの言っていた白鳥ヒロキか・・・。」
「奴の仲間達の特徴もピッコロから聞いた通りだ。間違いない。」
「じゃあ・・・あの子達の中に・・・ゴモラの怪獣娘も・・・。」
「恐らくいるだろうな・・・。」
「で・・・誰が彼と接触します?彼の事は確認出来ました。後はどうにか接触する機会を見つけないと。」
青いジャケットにオレンジのシャツの青年の言葉でその場にいた青年達は黙り込む。オレンジの隊員服を着た青年が再び口を開いた。
「お前ら、本当にどうするんだ?奴が復活するのも時間の問題だ。決断の時は近いぞ。」
「分かりました。俺が行きます。」
そこで挙手したのは赤いジャケットを着た青年だった。青いジャケットに白いシャツの青年が思わず訊ねる。
「おい、カツ兄‼︎本当に大丈夫か⁉︎不審がられず近付く手段があるのか⁉︎」
「ある。・・・あくまで賭けだけどな。何とかヒロキ君に近付いて俺達の力を返してもらう。タイガ達の力を借りないとアレは倒せないからな。俺達7人のウルトラマンが力を合わせても封印するのが精一杯だったアイツには・・・。」
カツ兄と呼ばれた青年は自身の弟らしき青年の疑問に答えると白い大きな両手で引くレバーが備わったアイテムを見つめていた。
怪獣娘タイガ・・・遂に最終章へ‼︎
混沌の邪神が遂に復活‼︎
「グギャアアアアアアア‼︎」
伝説のヒーロー、ウルトラマンNo.6ことウルトラマンタロウ遂に降臨‼︎
『父さん⁉︎』
(あの人が・・・お爺ちゃんが憧れたあの・・・。)
しかし、タロウの身に異変が起こる‼︎
『父さん、止めてください‼︎』
(タロウさんに一体何が起こったんだ⁉︎)
その裏で手を引くのは・・・。
「やぁ、怪獣娘のお嬢さん方。」
「トレギア、てめえ‼︎」
「生きていたのね!」
絶体絶命のピンチが訪れるとき・・・
「君達が白鳥ヒロキ君とクララ・ソーンちゃんだね。」
「貴方は?」
「俺は湊カツミ・・・またの名を・・・ウルトラマンロッソ。」
「俺は弟の湊イサミ。またの名をウルトラマンブル。」
あの男達がやってくる‼︎
「もしかして・・・貴方達、まさか⁉︎」
「ああ、俺達もウルトラマンさ。」
「お前達も力を貸してもらうぞ。」
「アレってわたしのカイジューソウルのゴモラ⁉︎でも・・・なんか人工的な感じが・・・。
「サイバーゴモラ、俺達の頼れる仲間だ。」
「誰⁉︎」
「わたし達の元の怪獣の事を知ってるんですか⁉︎」
「ああ、よーく知ってるぜ。」
ニュージェネレーションヒーローズ集結‼︎
「ショオラッ‼︎」
「ツィア‼︎」
「イーッサッ‼︎」
「ヘアッ‼︎」
「シュワッ‼︎」
「「ハァッ‼︎」」
「シェアッ‼︎」
そして最悪の闇が目覚める時・・・
『タイガ、俺達の力をお前に預ける‼︎』
最大の奇跡が起きる‼︎
「タイガが・・・ヒカルさん達と・・・ギンガ達と合体して・・・。」
「新たな戦士に・・・‼︎」
次回より始動‼︎