ヤンデライザのアトリエ 作:現実逃避中
また、人によっては胸糞が悪くなる描写がありますのでご注意ください。
■■■■■■■■■■■──―!
咆哮と共に甲虫の様な魔物……フィルフサの「常闇の将軍」がその身体で突撃してくる。
あなたはそれを冷静に観察し、ギリギリまで引き付けてからサイドへとステップで躱す。
攻撃対象がいなくなったことを知り、常闇の将軍は慌ててあなたへと向きなおろうとするが、
「行っくよー! 痺れちゃえ!」
あなたが囮になりなっている隙に準備を整えていたライザが常闇の将軍の隙を狙って自作のシュトラプラジグを常闇の将軍へと放つ。
閃光、そして耳をつんざくような轟音があたりへと鳴り響き、雷が常闇の将軍の全身を襲う。
■■■■■■■■■■■──―!!
ライザ特性の轟雷の大放電は常闇の将軍に苦痛の咆哮を叫ばせる。
雷撃から逃れようとしているのか痛みを訴えているのか必死で身体をくねらせる常闇の将軍の動きは、雷で麻痺してしまったのか先ほどの急襲が嘘のように鈍い。
「隙だらけだ! 合わせろ、ノヴィス!」
「はい、リラさんっ! はっ!」
動きがのろくなった常闇の将軍へ、疾風の如き速度であなたの剣とリラの爪が襲い掛かる。
リラは事前にインジェクトブレイズを使用しており、火の精霊の力をその身に宿している。構える爪はほんのりと赤い燐光を放っているようにあなたは見えた。
そして、あなたは最近覚えた風を刀身に纏わせて相手を切り裂く剣技をリラの爪撃に合わせて放つ。
■、■■■──―…………
交差する師弟の斬撃によって常闇の将軍はなす術なく切り裂かれ、その身に4本の斬撃の線を残して息絶えた。
その様子を見て快哉を上げたライザはあなたとハイタッチする。あなたも最近覚えた剣技を無事に放つことが出来た事に安堵した様子を見せてライザとハイタッチを躱していたが、その時からリラがあなたを睨んでいたことに気が付き、内心では焦り始めていた。リラからすれば、あなたの剣技はまだ納得のいくものではなかったのであろうか。
「よし、倒せたね! じゃ、周囲の素材を回収しようか。ほら、キミも手伝ってよ。とりあえずあっちにある草を狩ってきて」
「待てライザ、それは後でもいいだろう。ノヴィス、先ほどの動きは悪くなかったが、その剣技はまだ改善の余地がある。もう少し経験を積んでだな……」
「いや、リラさんそれこそアトリエに戻ってからでいいんじゃ……? とりあえず、今は素材の回収しましょうよ。そのためにわざわざ異界まで来たんですし」
「いや、こいつにはすぐに言わないといけないからな。ライザ、悪いが素材の回収なら一人でやってくれ。周囲の様子を確かめて、敵を見かけたら一緒に戦闘を仕掛けるぞ」
「いやいや、リラさん……」「だがな、ライザ……」
「人気者だね?」
ライザとリラが優先順位について話し合っているの、ひょっこりとあなたに声をかけてくる小柄な人物がいた。
キロ・シャイナス
リラと同じオーレン族(氏族は違うらしいが)の少女。……とはいうもののリラが見た目通りの年齢ではないそうなので彼女も恐らくは見た目通りの年齢ではないのだろうが。
彼女は故郷が滅んだ時より異界にて一人でフィルフサと戦い続けている。見た目に反するその実力は今のあなたでは計り知れない。
キャンプ地から少し離れたこの場所に姿を現したキロは、戦いを終えたあなたをフードと前髪に隠された隙間からその草原の様な色の目で見ていた。
「ねえ、君に少し聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」
あなたの顔をのぞき込んだまま、キロはあなたに身体が密着しそうなまでの近い距離に詰め寄せていた。
ふわり、と良い匂いがあなたの鼻腔をくすぐる。香水ではないようだが、花の良い香りがした。
「ノヴィスって、君の名前じゃないよね? なんで、彼女は君の事をそう呼んでいるの?」
「ああ……」
ノヴィスと言うの彼女たちの言葉で未熟者という意味がある、らしい。
ライザやボオス達はあなたのことをちゃんとした名前で呼んでいるので、そのあたりがキロも引っかかったのだろう。
あなたはキロにその辺りの事情を説明した、レントと共に弟子入りした事、その時から未熟者(ノヴィス)と呼ばれている事、最近ではその事にも慣れてきている事。
それらを聞いていたキロはうんうんと楽しそうに頷いていた。
「そう、彼女がノヴィスと君の事を呼んで……」
そう言ってキロはいまだにライザと話し合いをしているリラの方へと身体を向けた。
あなたからその表情は見えなかったが、一度大きくうなずいたのはわかった。
ああまだ言い合ってる、とぼんやりとライザとリラの様子を見ていたあなただったが、服を引っ張られることに気が付いた。
見下ろすと、先ほどよりも身体を近づけている……というよりも最早密着させているキロがその草原の瞳であなたを見ていた。
「ねえ、ノヴィス……」
キロの小さな身体から熱が伝わってくる。甘い香りが漂う。慈しむようで誘惑するようなささやきが耳を打つ。蕩けた様な瞳があなたの心を揺さぶる。
動揺しすぎて、心身の動きを止めてしまったあなたはただ、次の言葉を紡ぐであろうキロの艶やかな唇が動くのを待つだけの人形だった。
「……おまじないしてあげるから、しゃがんで欲しい」
「え、あ、ああ……わかりました……」
言葉を紡いだキロは、しかし、先ほどまでの心をとらえる妖しさはなく、いつも通りの様子だった。
それに冷水を浴びせられたようにあなたは、はっ、として慌ててキロの言われたとおりにしゃがんで彼女と目線を合わせた。
薄く微笑んでいたキロは前触れなく…………あなたの喉へと自分の唇を落とした。
「っ、キロさん!?」
「ん……ふふ、ご馳走様」
弾かれたようにキロからあなたは身体を離した。キロに何をされたのかはわかっていても、理解が追い付かない。
悪戯気に微笑むキロに、あなたは爆発してしまうのではないかというほどの心臓が脈打ち跳ねる音を、泡を食った表情で聞き、微笑む彼女をただ見つめるのみ。
「あ────! 何してるのよ!?」
「……オーレン族の女を侍らすか、随分と良い身分だな、ノヴィス」
そこへ、先ほどまで言い合いをしていたライザとリラが詰め寄って来た。2人とも目に見えて怒っている。
「い、いや……今のはキロさんから」
「ほう? 常闇の将軍の一撃は難なく躱せるのに女の口づけは躱す事は難しいと? そういうのであれば鍛錬を厳しくする必要があるようだな、ノヴィス…………」
「もう! 鼻の下伸ばしてデレデレしちゃってさ! ちょっと強くなったからっていい気になってるんじゃないの!?」
流水の様に静かに怒るリラと烈火の如く怒るライザ。異なる怒気を纏った2人の女性にはあなたもどう弁解していいかわからずに、しどろもどろになるのみ。その後ろでキロがそんなあなた達を見ながらくすくすと微笑んでいた。
結局あなたはリラから「殺気を持たない相手への警戒方法と女に惑わされない心の鍛錬」をさせられることを決められ、ライザに「1日ただ働きで錬金素材の回収」をすることを約束する羽目となった。
『ライザ、これ頼まれていた錬金素材。結構大変だったけど、何とかなったよー……え、次はこれ? ……はい、行ってきます……』
『流星の古城で2人で腕試し? ……よし、構わないよレント。けど、危なくなったらすぐに引き返すからね』
『本の解読お疲れ、タオ。これホットミルク、メープルシロップも入れておいたから。ちょっと休まないと効率悪くなるよ』
『クラウディア、どうしたの? ……ケーキを作るから材料を集めたい? わかった一緒に行くよ。後方援護お願いね』
『リラさん! ちょっと、まっ……! うわっ、くっ、はっ……! ふ、不意打ちは無しでしょう!? ……そう言う訓練、ですか……はい、わかりました……!』
『……成程、あの鉱石にはそのような特性が……ありがとうございます、アンペルさん。港に来ていた行商人さんが欲しがっていたようなので渡してあげようと……? ライザ、もしかして使っちゃったの?』
「ふ、ふふ…………ああ、ノヴィス、ノヴィス……」
異界にあるキロの宿営地でたき火を囲んでキロはうっとりと“声”を聴いていた。
彼女が施したおまじない、それはマーキングと言い換えても問題の無いもの。精霊の力をリラ以上に操ることの出来る彼女は、マーキングを元に風の精霊に自分の元へあなたの声を届けてもらっているのである。
草原色の瞳を撫でられた猫の様に細め、抱えている丸い物体を撫でまわしながら声を聴くのがキロの日課になっていた。
「ノヴィス、ノヴィス、ああ……どうして、私だけのものになってくれないの?」
キロの声が、雰囲気が、瞳が、突然として怨嗟に染まる。
大事に撫でまわしていたはずの物体を恨みで握り壊すかのように力を入れ始める。
その物体は────────人の頭蓋骨だった。
ノヴィスとキロが出会ったのは異界に水があり、美しい光景が広がっているときの昔である。ノヴィスがキロ達の集落へとやってきたのは他の氏族からの手伝いに同行したのであった。
(クリント王国と同じ世界の人間……どんな人かな?)
クリント王国の人間は我が物顔でオーレン族の土地を荒している。噂では身売りされてしまったものもいるとか……
そのクリント王国と同じ世界の人間、となれば警戒心を抱くものがいてもおかしくは無い。事実としてキロ達、霊祈氏族の中にも良い顔をしてない者も何人かいるようである。白牙氏族が騙されているのではないかという者もいた。
そんな中キロはあってみないとその人の人となりはわからない、と考え件の人物を探していた。
(確か、こっちの方にいるって聞いたけど。……あ、あの彼かな……!?)
果たしてその人物こと、ノヴィスはそこにいた。
集落の隅の方にある大樹の前で片膝をつき、鞘にしまわれた変わった形の剣を立てて、大樹に敬意を払って挨拶をしている様である。
その姿だけでも、霊祈氏族の者は見る目が変わるだろう。だが、キロが驚いたのはそこでは無かった。
(なんて数の精霊……)
彼自身は気が付いていない様だったが、彼の周囲には数多くの精霊達が気配を消しながらも纏わりついていた。
恐らく、霊祈氏族の中でも特に優れた使い手であるキロでなければ気が付かない程の、気配の薄さであったが、その気配の薄さと反比例して多くの精霊が彼の周囲にいた。
(……この人は、危険)
オーレン族は大なり小なり精霊に関わりがある。それは戦いにおいて力を借りたり、生活の一部に力を借りたり、はたまた精霊に己の身をゆだねる者もいる。精霊の影響を受けやすい種族と言える。
そのため周囲を漂う精霊の数が多くそのすべてが好意的である彼は、オーレン族にとっては何気なく気を緩めてしまう人物である。それをキロは身をもって実感していた。
『はっ、はっ、はあぁぁ…………!』
体が熱い。頭が蕩けてしまいそう。眼が彼から離せない。
優れた精霊の使い手であるキロはその分精霊から受ける影響も少なくは無い。
あれだけ周囲の精霊が彼に好意を寄せていれば、キロの感情も精霊に影響される。
『ふっ、ふふふ、はっ、はっ、はっ、あああ……!』
にやける様な笑みと、振り払うように荒く息を吐くのを交互に繰り返す。
精霊に影響に苦しみながらも、その精霊たちを拒絶できないキロは蹲ってしまう。
そうすれば必然、ノヴィスは様子のおかしいキロに気が付いてしまう。
『大丈夫ですか!?』
『!』(だ、駄目……今、あなたに来られたら……!)
心配げな様子のノヴィスにキロは必死で近寄らないように伝えようとするものの身体が上手く動かない。
そして、ノヴィスの伸ばした手がキロの肩に触れた。
『!!!!』
先ほどよりも精霊たちを濃密に感じる。キロの心は精霊に浸食され、声にならない叫びをあげた。
その原因の男に抗議をしようと顔を上げたキロは、しかしノヴィスの顔を見ると静かに微笑んだ。まるで自分の意思ではないかのように。
『もう、大丈夫。心配してくれてありがとう』」
『そう? ええと、霊祈氏族の人だよね。ボクはノヴィス……えっと、未熟者って意味があるらしですね。はは、よろしくお願いしますね。とりあえず、心配なので家まで送っていいかな?』
『私はキロ。キロ・シャイナス……よろしく、ノヴィス。体調は大丈夫。それにこう見えても私、ノヴィスより年上だと思うよ。もしかしてオーレン族の寿命の事、知らない? 私たちあなた達よりも何倍も生きるから』
『……え? そ、そうなんですか!?』
『ふふっ……本当に知らないんだ。オーレン族の事、教えてあげる』
精霊の浸食を受けたキロはノヴィスへの好意を強制させられていた。
しかし、キロにとってそれは悪いものでは無かった。初めての感覚、初めての感情はキロの世界を広げたように思えて仕方が無かった。
更にただのキロという少女にとってもノヴィスと言う人物は好感を持てる人物だったのも
『これは……うん、変わった食べ物だね、でも香りがよくて美味しい。ノヴィス、何ていう料理なの?』
『カレーっていうらしいです。向こうの世界を旅していた時に教わったんですが……香辛料があって助かりました。キロさんのお口にあったようで何よりです。ボクも久々に食べられて良かったですよ。……ご馳走様でした』
『ご馳走様でした。ねえ、作り方教えてもらってもいいかな』
『もちろんです。結構好きな具が使えるんで色々試してみると面白いですよ』
『ノヴィス、最初に私たちが会った時、樹に向かって何してたの?』
『ああ、あれは挨拶をしていたんです。昔からあるものや大きな樹なんかには精霊が宿るから敬意を払えって親から教わったんですよ。ですから挨拶をさせていただきました。特に霊祈氏族の人は精霊とのかかわりが深いってリ……えっと白牙氏族の人から聞いていたので』
『へえ、向こうの世界でもそういう人がいるんだね。ちゃんと、そういう事が出来る人は、好感持てるね』
『はは、ありがとうございます』
『……よし、これでこっちの手伝いは殆ど終わりですね。明日か明後日には向こうへ帰る事になると思います』
『ねえ、ノヴィス。このまま、こっちの氏族で一緒に暮らさない? 君の事、皆受け入れているし……』
『はは、ありがとうございます。でも、ボクも向こうの氏族にお世話になった人がいるので』
『……そう、残念』
『でも、ボクでよければキロさんに何かあったら、呼んでくれればすぐに駆けつけますから! これ、お守り代わりの短剣です。キロさん、また会いましょう!』
『君がそう言うなら、信じる。……短剣ありがとう、ノヴィス』
『ノヴィス、ノヴィス……君がいないここは、寂しいよ』
『ノヴィス、ああノヴィス。私より、優先する人がいるんだね』
『精霊が、羨ましい。ノヴィスといつも一緒にいるなんて。ノヴィスといつも一緒? ふふ、素敵』
キロがノヴィスに触れれば触れる程、ノヴィスの人柄に惹かれていった。
それは、精霊のせいだったのかもしれないし、キロが素直に感じていたことかもしれない。
どちらにしろ、今となってはわからない。ただ一つわかることはノヴィスはキロの大部分を占める人となったという事である。
ノヴィスがと別れ、しばらくすると、オーレン族から水が失われ、フィルフサの大侵攻が始まった。
私たちの集落にも、侵攻が来た。私は、フィルフサに負けることは無かったけど、私一人の力では群を倒すことは出来ない。徐々に集落は追い詰められていった。
氏族の誰かが救援の合図を空へ向かって打ち上げた。来ることは無いだろうと、諦めながらも助けを求めていた。
でも、私は、ノヴィスが来ると信じていた。彼は嘘をつかないと信じしていた。
果たして、彼は来た。自分が住んでいる所も襲われているだろうに……
『キロさん、大丈夫ですか!?』
『君が来るって、信じてた。ノヴィス、背中は私に任せて』
『わかりました、お願いします!』
ノヴィスと私は、力を合わせてフィルフサの大群に抗った。
ノヴィスの動きに合わせ、私は術を使い敵を倒す。或いは私がノヴィスの補助をして、ノヴィスがフィルフサを切り裂く。
繰り返しになる作業に、一点のよどみも無い。きっと、同じ前衛に立つのが得意な白牙氏族よりも、連携がとれていると思う。そう考えると歪な優越感が戦闘中だというのに私に、湧き上がって来た。
気が付けば、周囲にはフィルフサの死骸と私たち以外には何も無かった。戦っている最中に集落からはぐれてしまったのか、それとも集落がフィルフサに潰されてしまったのか……
氏族の他の皆の気配も、感じない。私たち以外は全滅してしまったのか、無事に逃げられたのかもわからない。
世界に私とノヴィスだけになったかのよう……ああ、それは、なんて素敵なんだろう。
私に背を向けて肩で息をするノヴィスの背に、寄りかかった。
『!? キロさん、大丈夫ですか!?』
『うん、大丈夫』
ノヴィスが私を思ってくれている。ああ、それだけで、どろどろした暖かさが沸き上がる。
ノヴィスの呼吸と脈打つ温かさを肌で感じる。まるで、ノヴィスと一つになっている感じ、とても心地よい。
『キロさん、よければ白牙氏族の集落へ合流しませんか? 向こうの人たちと力を合わせれば……』
『そんなことより2人で一緒になろう、ノヴィス』
『キロさん……?』
『君の事、もう手放したくない』
私はノヴィスの身体に手を回し、ノヴィスを抱きしめる。
ノヴィスは私の様子に困惑していたようだが、私の意が伝わったらしく。心臓の脈打つ音が少し早くなっていた。それがまた、嬉し──―
『ごめんなさい、ボクには好きな人がいるんです』
心臓が止まるかと思った。
先ほどまでの暖かさが消え失せ、グツグツと煮えたぎる様な冷たさが私の心を支配しようとしていた。
『……それは、白牙氏族の人?』
『そう、なんです。キロさんの気持ちは嬉しいですが、ボクはその思いにこたえることは出来ません』
申し訳なさそうに、それでもはっきりとノヴィスは私を拒絶した。
(また、ノヴィスを手放す……?)
それは耐え難い寂しさだ、心身が凍り付いてしまいそうな程の恐怖だ。
ノヴィスと一緒にいられない、それだけでフィルフサの大群を相手にするより、心が折れてしまいそう。
どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、
どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、
どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、
どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、どうすれば、
ノヴィスと一緒にいられる? 一緒になれる……?
(ああ、何だ簡単な事だ……)
『わかったよ、ノヴィス……』
『……すみません。キロさんの気持ちに――――――――え?』
私の方からは見えなかったがノヴィスはとても驚いたことだろう。
何故なら──────ノヴィスの胸を突き破って短剣が飛び出ていたのだから。
『ノヴィスは、この為に私にこれを渡してくれたんだね……』
短剣をゆっくりと引き抜くと、ノヴィスの血がどばっとあふれ出した。
ゆっくりとノヴィスは崩れ落ち、全く動かなくなった。心臓を的確に貫いたのだ、即死だろう。短剣についた血を試しに舐めてみると、とても甘かった。
精霊が混乱している、怒っている……ああ、五月蠅い。今までノヴィスにべったりだったくせに、まだ物足りないのか。イヤラシイ。
『ノヴィス、ノヴィス……これで君と私は、一つだよ──────』
たき火の日を見つめながら、キロは懐かしくもまだ鮮明な過去を振り返っていた。
「少し、大変だった……私、少食だから。でも、ノヴィスが教えてくれたカレーはとてもよかった。」
キロはうっとりとした、しかし狂気の孕んだ瞳で自身のお腹を撫でさすった。
キロはノヴィスと一つになった。少なくともキロの中では今までずっとそう感じていた。唯一頭の骨は残した。薬を調合して、朽ちぬように手を加えた。好きな時にノヴィスを抱けるようにという思いからだった。
何年でも何十年でもキロはフィルフサと戦い続けられた。何故ならキロはノヴィスとずっと一緒だったから。2人なら負ける気はしなかったから。
「でも、違ったんだね……」
ある日迷い込んできたボオス、彼を追っかけて来た中に、
相変わらず蠅のように精霊がべったりで、変わらない雰囲気で、同じ形の武器を使って、…………白牙氏族の女が近くにいて。
知れば知るほど彼はノヴィスだった。ノヴィスは魂だけはキロと一つにならずに、新しい生を受けたのだと感じた。
「また君の声が聞けたのは嬉しい。でも……ひどい、ひどいよノヴィス」
それはノヴィスの声をまた聴いて話が出来た確かな喜びであった。
それはノヴィスと完全に一緒でないと裏切られた怒りであった。
それはノヴィスと完全に一つでなかった哀しみだった。
それはノヴィスとまた一つになれる楽しさだった。
様々な感情がキロの中で渦巻いている。でもキロのやることは一つだった。
近くにいた白牙氏族の女。キロは見た瞬間に確信していた。我が物顔に
ノヴィスがまた取られる。それはキロにとっては耐え難い恐怖であり苦痛であり絶望だ。
「なら、渡さない。手放さない。
今まで首元につけたマーキングから
『突然ごめん。ノヴィス、大事な話があるんだ。すまないけど一人でここまで来てほしい』
キロは
…………数時間後。
たき火を見つめていたキロの背後に、慌てたようにやってくる足音がした。
キロはそれに歪んだように微笑むと、あの時ノヴィスを刺した短剣を隠し持って、
一応ちょっとゲーム的に考えています。
ライザ
・誰ともENDを迎えず、皆が島を出ていく際に残る→ライザフラグON
・その後、島を出ていくことを選ぶ→ライザEND(ヤンデレ)
・その後、島を出ていかないことを選ぶ→ライザEND(ノーマル)
リラ
・レントがリラに弟子入りする際に同時に弟子入りする→リラフラグON(なお、どちらにしろイベントで強制的に弟子になる)
・リラルートでは好感度とは別にノヴィスポイントというものがある
・好感度とノヴィスポイントが両方高い状態になるとリラに告白してもしなくてもリラに例の指輪をはめられる→リラEND(ヤンデレ)
・好感度が高くノヴィスポイントが低い状態でリラに告白し「僕はノヴィスじゃない」と言うとリラが積年の思いから解放されノヴィスでなくあなたを見るようになる→リラEND(ノーマル)
キロ
・リラフラグONの状態およびノヴィスポイントが一定値以上かつリラの好感度がそれなりの場合、異界に初突入時のキロとの出会いイベント→キロフラグON
・好感度が高い状態で異界をうろついているとキロのおまじないイベントがランダムで発生。あなたのレベルが一定値に達していない場合、キロのマーキングを回避できない→キロEND(ヤンデレ)
・マーキングを回避した場合、蝕みの女王討伐後にキロがあなたに奇襲をかけるイベントが発生。この戦い(あなた一人)に勝利するとキロが積年の思いから解放され罪を告白し、ノヴィスでないあなたがキロに寄り添う→キロEND(ノーマル) 敗北するとキロEND(ヤンデレ) なお、難易度的にはドラクエ7の山賊四人衆やドラクエ6のブラスト戦ぐらい
誰ともENDを迎えずに、皆と一緒のタイミングで島を出ていく→ライザのアトリエ2ルート
まあ、大体こんな感じ。
あくまでも大体ですので。