ラブライブ! 虹ヶ咲Z   作:ベンジャー

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第1話 『二つの始まり』

10年前・・・・・・どこかの森の中で・・・・・・。

 

空の彼方から、青い光の球体が地上へと降り立ち、その球体の中から1体の巨大な怪獣、「宇宙怪獣 ベムラー」が出現。

 

「ガアアアアア!!!!」

 

ベムラーは口から放つ「青色熱光線」で辺りを一帯焼き払い、辺り一帯を炎で包み、森は一気に火の海となる。

 

「うっ、うぅ・・・・・・お父さん、お母さんどこぉ? うわあああん・・・・・・」

 

そんな火の海となった森の中で、道に迷ったらしい黒い髪の幼い少女が泣きじゃくっており、周りが炎で包まれたこともあり、彼女は咳をし始め、その場に膝を突き、苦しそうな様子を見せる。

 

すると、ベムラーは少女の姿に気付き、少女を見下ろすとベムラーは少女に向かって青色熱光線を吐き出そうとするのだが・・・・・・。

 

そんな彼女を守るかのように、赤い光の球体がベムラーに激突してベムラーを吹き飛ばすと、その赤い光の中から1人の光の巨人が現れたのだ。

 

光の巨人は少女を手の平に乗せ、炎が廻っていない崖の上に避難させるようにして降ろすと、光の巨人はベムラーに振り返り、立ち向かう。

 

『ヘアアッ!!』

「光の・・・・・・巨人・・・・・・?」

 

朦朧とした意識の中でベムラーと戦う光の巨人の姿を見つめながら、彼女は意識を失うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数年後、現在。

 

ベムラーが地球に降り立った影響か、世界中で異常気象が観測され、今までは空想の産物と思われていた怪獣が出現し始めた。

 

それに近年では対怪獣用兵器として「特空機」と呼ばれるロボットを配備した対怪獣特殊空挺機甲隊、通称「ストレイジ」が設立され、今日も今日とて街に突如出現した20メートルほどの「古代怪獣 ゴメス」の対処に当たっていた。

 

「ガアアアア!!!」

 

ゴメスは逃げ惑う人々を追いかけ回すように暴れており、そこに丁度、ストレイジの所有するロボット、眠そうな目に銀色のボディの「特空機1号 セブンガー」が背中のブースターで飛行しながらその場に駆けつけたのだ。

 

『セブンガー、着陸します。 ご注意ください』

 

着陸地点の民間人の避難が完了すると、セブンガーは地上に降り立ち、セブンガーはゴメスを見下ろす。

 

尚、セブンガーは55メートルほどの身長であり、ゴメスとはそこそこ身重差があってそれを受けてかゴメスはどこか怯んだ様子を見せ、それにビビったゴメスはその場から急いで逃げだそうとする。

 

「あっ、コラ待て〜!!」

 

セブンガーに搭乗している赤いメッシュの入ったロングヘアの女性、「三船 薫子」がセブンガーを操縦してゴメスを追いかけ、一方でその様子をストレイジ日本支部の司令室のモニターで確認している黒髪の男性、このストレイジで隊長を務めている「倉名 猛(くらな たけし)」は後ろの方に立っている少女の話しかける。

 

「おい璃奈、あの怪獣の情報はあるか?」

「えっと、目標は20メートル級の古代怪獣 ゴメス。 新生代第三紀頃から生息が確認されている原始哺乳類で・・・・・・かつて日本でも別個体が出現した記録があります。 その時、同時期に現れた『原始怪鳥 リトラ』と相打ちになったとされてるようで・・・・・・」

 

髪はピンクのやや短いロングヘアーで、まるで紙のような束の集まりで形成されたデザインのパッツンで頭頂部にアホ毛がある少女、「天王寺 璃奈」からゴメスについての情報を倉名は聞き出す。

 

尚、彼女はストレイジのメンバーではないのだが下手な科学者よりも日本で1番怪獣に詳しい自称「怪獣オタク」である。

 

実際、少なくとも日本で怪獣に詳しい人物は彼女以外殆どいないと言っても過言ではない。

 

また璃奈はあくまでストレイジの「民間協力者」といった立ち位置であり、ストレイジの正式なメンバーではない。

 

「そうか。 取りあえず、薫子、聞こえるか? 一応確認するぞ。 現在、セブンガーのバッテリーは1分物が3本。 実用行動時間は3分。 手短にお引き取り願え」

「了解!」

 

そこで別の場所で避難誘導していたストレイジの制服に身を包み、ヘルメットとビームライフルを持った青年、ストレイジに入ってまだ間も無い新人の「赤間(せきま) ライ」が薫子に通信を入れる。

 

「薫子先輩! 北西に大きな公園があるんでそこに誘導してください!! 位置情報送ります!!」

『了解!』

 

ライが薫子と通信を終えると、ライはフッと視界の隅に子犬がいることに気づき、それに「えっ!?」と驚きの声をあげ、急いで子犬の元に駆け寄り、子犬を抱きかかえる。

 

「オイオイオイ! こんなところにいたらダメだろ!?」

 

子犬を抱きかかえて急いでその場から離れようとするライだったが、そこに丁度ゴメスが現れ、彼は急いで隅っこの方に身を隠し、ホッと一安心するのだったが・・・・・・。

 

「グルル・・・・・・!!」

「あっ、ヤベ・・・・・・」

 

いつの間にか目の前にゴメスが立っており、ゴメスはこちらを見下ろし、今にも襲いかかりそうな勢いですぐさまライはその場から離れる。

 

「ガアアア!!」

 

そんなライをゴメスは執拗に追いかけ、同時にセブンガーに乗っていた薫子もセブンガーに設置されたカメラからライの姿を確認し、なんでまだこんなところにいるのかと目を見開き、驚愕した。

 

「なにしてんのさライ・・・・・・!」

 

しかも途中、ライは犬を庇いながら躓いて転んでしまった為、ゴメスはすぐにライに追いついてしまい、ライは急いで子犬を逃がそうとする。

 

「早く逃げろ!!」

「グアアアア!!!!」

 

そして、ゴメスがライに襲いかかろうとした瞬間、咄嗟にセブンガーが腕を振るってゴメスを殴り飛ばしてビルに激突させたのだが・・・・・・。

 

「わっ、わっ、ヤバッ!!? あっ、これダメだ」

 

体勢を持ち直せないと思った薫子は即座に諦めモードになり、ゴメスを殴り飛ばした際セブンガーもバランスを崩してゴメスと同じ方向に倒れ、ビルを破壊してしまったのだった。

 

「ラ〜イ〜!!」

「あっ・・・・・・サーセン、先輩・・・・・・」

 

一応、ゴメスは活動停止したものの、ビルを崩してしまったことで薫子は怒りの声をあげ、それにライは苦笑するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてビルを破壊してしまった件について、地球防衛軍日本支部長官にしてストレイジの創設者「クリヤマ」からライ達は「なんて体たらくだよ!!」とこってりと怒られ、倉名は「すいません長官!!」と必死に頭を下げて謝罪していた。

 

「こんなんだから、ウチはどんどん予算が削られてるんだぞ!!?」

 

しかし、子犬を助けようとしただけだし、他に大した被害も無かったのだからこんなに怒らなくても良いんじゃ無いかとでも言いたげな顔を浮かべるライ。

 

それに気付いた倉名はライの尻を掴みあげ、ライは苦痛の顔を浮かべる。

 

「ほら! お前もちゃんと謝る!!」

「お、押忍!」

 

倉名からその態度怒られ、渋々ライも頭を下げて「すいませんでした!」と謝るものの、クリヤマの怒りは収まらず、そのせいで胃を痛めてしまい、そんなクリヤマの様子を見て薫子がバナナと小松菜にモロヘイヤを混ぜたジュースを慌てて持ってやって来る。

「えっ、なんか不味そうだな」

 

そう言いつつも、受け取ったクリヤマはジュースを飲むのだが、意外に美味いらしく、結構グビグビ飲めるようだった。

 

「ってそれよりもだ!! 今後、気をつけるように!!」

『了解!!』

「押忍!!」

 

クリヤマはそれだけを言い残すとその場を去って行き、倉名は1つ溜め息を吐くとライの名を呼ぶ。

 

「おいライ、何に代えても命を守りたいっていうその心意気は俺好きだよ、大好きだよ。 でもさ、折角だから命だけじゃなくて規律の方も守ってくれないと」

 

ライは倉名にそう注意され、「だったらあの犬を放っておいたら良かったんですか?」と不満そうな顔を浮かべながら尋ねる。

 

「あの時、下手したらセブンガーがお前を踏んづけてたかもしれないんだ。 そうしたら薫子は一生消えないトラウマ背負うことになるんだ」

「そうだぞ〜! そんなことになったら一生恨んでやるからな〜」

「っ・・・・・・」

「隊長の言っていること、一理あるよ、ライさん。 ライさんだって薫子さんにそんなトラウマ背負って欲しくないでしょ?」

 

倉名や薫子、璃奈にそう言われて、ようやく自分のやっていたことに気づくライ。

 

ライだって薫子にそんなトラウマ一生背負って欲しくない。

 

思い返せば、もっと良い方法があったかもしれないとライは反省の色を見せ、そんなライの様子に倉名もライが自分の言っていることを理解してくれたことを察し、肩をポンッと叩く。

 

「そう、ですよね・・・・・・」

「分かれば良いんだ。 それじゃ、撤去作業はこっちでやっとくから。 お前と璃奈はそろそろ学校だろ? 遅刻しないようにさっさと行って来い」

「お、押忍!!」

 

ライは高校に通いながらストレイジで働いている為、時間的にもう学校に行かなくては遅刻してしまう。

 

「はい! 行って来ます!!」

「そろそろ準備しないとね」

 

そのため、言われてライと璃奈は慌てて荷物を取って急いで自身の通う高校・・・・・・「虹ヶ咲学園」へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学校に通い、授業を無事に終えて放課後。

 

ライは幼馴染みであり、下級生でもあるイトピンクのミディアムヘアをハーフアップにし右サイドに三つ編みお団子でまとめて前髪は左に流したぱっつんにしている少女、「上原 歩夢」と黒髪のツインテール姿で、毛先が緑色のグラデーションの少女「高咲 侑」と一緒にショッピングモールで寄り道していたのだった。

 

「・・・・・・両手に花状態だな」

「はい?」

 

ショッピングモールの中を歩いていると、不意にそんなことを呟くライに、怪訝な顔を浮かべる侑。

 

「いや、女の子2人とこうして一緒に歩いてるとさ、ハーレムアニメの主人公になった気分だなぁ〜っと思って」

「ごめんなさい。 ライのことは友達だとは思うけど恋人とかそういうのにはちょっと・・・・・・」

「いや、なんで俺フラれたみたいになってんの!?」

 

侑は単に乗ってくれてるだけなんだろうし、自分も別にそういうつもりで言った訳ではないのだが・・・・・・ジョークだとしてもフラれるのは精神的にキツいのでちょっと傷ついてしまうライ。

 

「ご、ごめんね? 私も友達としてはライくんのこと好きだけど・・・・・・恋人としては見れないって言うか・・・・・・」

「歩夢まで!? もうやめて!! とっくに俺のライフは0よ!!?」

「それよりさぁ」

「無視!?」

 

侑に話をぶつ切りにされ、侑は歩夢と話し合ってファンシーショップに立ち寄ることとなり、ポーチコーナーのポーチを歩夢達は見ることに。

 

「うーん、これはどう?」

「いまいちトキメキが足りないねー」

「お気に召すものが無かったなら、他の店行ってみる仲代先生?」

「誰だ仲代先生って」

 

よくときめきときめき言ってるので、どうしてもどこかの爆竜戦隊の追加戦士のことを思い出し、ライは思わず侑のことを仲代先生と呼んでしまう。

 

取りあえず、良いものがないのなら他の店に行ってみようかとライは提案するのだが、侑と歩夢は「良いの?」と首を傾げて尋ねる。

 

「ライくんも行きたいところあるんでしょ?」

「アニ〇イトだっけ?」

「レディーファーストだ。 それに、楽しみは後に取っておくタイプだからさ俺」

 

そう言うライに侑は「ならお言葉に甘えようか」と素直に頷き、3人は別の店に行く為、この場を離れようとする。

 

「そう言えばこの前取り損ねたぬいぐるみさぁ。 ネット見たらオークションに出てて・・・・・・」

「んっ?」

 

すると、店の外にあったショーケースの中に歩夢の視線が行き、侑もそれに気付いて彼女と同じ方向に視線を向けるとそこに飾られていたピンク色の服を見て「おっ!」と声をあげてそれを眺める。

 

「歩夢! これ良いんじゃ無い?」

「えっ!?」

「似合うと思うよ」

 

侑はその服を目を輝かせながら見つめ、物凄く歩夢に似合いそうだと言うのだが、歩夢は照れ臭そうに頬を赤くしてそれに両手をぶんぶん振ってきっと似合わないと主張。

 

「い、良いよぉ! 可愛いとは思うけど子供っぽいって〜!」

「そうかなぁ? 最近までよく着てたじゃん」

「小学生の時の話でしょ? もうそういうのは卒業だよ」

 

ライもこういうピンク系の服は歩夢にいかにも似合いそうだと侑に同意するのだが、それでも歩夢は遠慮し、そんな彼女の言葉に侑は納得していない様子だった。

 

「着たい服着れば良いんじゃん。 歩夢はなに着たって可愛いよ!」

「ヤダ、なにこの女子。 下手な男よりイケメンすぎんだろ」

 

侑のイケメンムーブにちょっと感動するライ。

 

さらに侑の言葉に乗っかる形でライも激しく首を縦に振って「侑の言う通りだよ!」と言い放つ。

 

「も、もう2人ともまたそんな適当なこと・・・・・・」

「あっ、見てみて!」

「んっ?」

 

その時、侑はそのピンクの服の下に幼い女の子などが着るタイプのウサギの耳がついたパーカーがあることに気づき、しゃがみ込む3人。

 

それを見た侑は「幼稚園の時、こんな格好してたよね?」と幼稚園の頃のことを思い出し、侑はうさ耳パーカーの幼い頃の歩夢の姿を脳裏に浮かべる。

 

『あゆぴょんだぴょん!』

 

両手をうさ耳に見立てながらそんな姿の歩夢を懐かしむ侑。

 

「可愛かったな〜」

「そう言えばそんな格好してたなぁ。 確かにあれは可愛かった」

 

そこで侑は「ねえ」と歩夢に話しかけ、「んっ?」と首を傾げる歩夢。

 

すると侑は両手を頭の上に持って行ってウサギの耳に見立てると、歩夢に「ちょっとやってみてよ」とあることをリクエストした。

 

「なにを?」

「あゆぴょん」

「・・・・・・はぁ?」

 

そんな侑に対し、歩夢はどこか呆れた表情を浮かべる。

 

「やる訳ないでしょ!? もーう・・・・・・」

「なんだ、やらないのか・・・・・・」

 

それに対してライも露骨に残念そうにし、「ライくんも!?」と驚きの表情を浮かべる歩夢。

 

「なんかお腹空いて来ちゃった。 下降りない?」

「強引に話題変えて来やがったな」

「でもそれには賛成だぴょーん!」

 

あゆぴょんは見たいが、無理強いもできないとして一応は諦め、3人は立ち上がると小腹が空いたのでどこかのお店で何かを食べることに。

 

「ゆうぴょんの方が可愛いんじゃない?」

「それはないぴょん」

「それはないな」

 

自分で実際に似合わないと思うし、自分でそう言っておいてなんだが、ライにもそれはないと言われると少し腹が立った侑は軽めにライに無言の腹パンを叩きこむのだった。

 

「ぐおっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

その後は3人でそれぞれ車を使って野外で販売しているこっぺぱんを購入し、3人はベンチに座りながらこっぺぱんを頬張っていた。

 

「ねえねえ、今日の二限でさ〜。 おっ、それなに味?」

「食べる? 限定のレモン塩カスタード!」

「うん!」

 

歩夢の質問に侑は力強く頷き、歩夢は自分のこっぺぱんを差し出して侑に「はい、あーん」をやると侑はそれを人かじりし、「おっ、美味っ! 良いじゃんこれ!」と侑はレモン塩カスタードの味を気に入ったようだった。

 

その際、侑のほっぺにカスタードが付着し、それに歩夢は人差し指で拭い取るとそのまま指についたカスタードを舐め取る。

 

「ほら、ついてるよ?」

「こっちも食べる?」

 

侑がレモン塩カスタードのこっぺぱんを食べさせてくれたお礼にと自分のこっぺぱんも歩夢に差し出すのだが、それならと歩夢は鞄からスマホを取り出し、カメラアプリを起動させる。

 

「ほらぁ〜、よってよって・・・・・・って、ライくんはなんでそんなちょっと離れた位置にいるの?」

 

先ほどまで一緒にベンチに座っていたライはいつの間にか歩夢と侑からベンチから立ち上がって少し離れた距離から移動しており、なんでそんな離れたところにいるのかと歩夢が尋ねる。

 

「邪魔したら悪いかなって・・・・・・」

「「はい?」」

「俺のことは気にしなくて良いから、続けてどうぞ。 目の保養になるし」

 

侑は「なに言ってんだこいつ」とでも言いたげな視線をライに向け、歩夢は不思議そうに首を傾げていたが取りあえず、歩夢はライに言われた通り気にせず歩夢はスマホを構えて侑と密着すると侑は歩夢の手に持つこっぺぱんを食べるようなポーズを取って一緒に撮影。

 

「「ぷっ、アハハハ!!」」

 

それになんだか可笑しくなった2人は笑い合い、ライは自分のこっぺぱんを頬張りながらそんな2人の様子をほのぼのと見つめていた。

 

「それでライ、この後メイト行くんだよね?」

「行く。 魔王城でお〇すみの原作コミック買いに行きたい」

 

侑達はそろそろ移動しようかと考え、ベンチから立ち上がろうとしたその時・・・・・・。

 

どこからか大勢の人々の歓声が聞こえ、3人は「んっ?」と声の聞こえる方に顔を向ける。

 

「何かのイベントかな?」

「あっちら辺って確か実物大ユニ〇ーンガ〇ダムがあるところじゃないか?」

 

向こうから聞こえる歓声に興味を持った3人は歓声の声が聞こえる方へと行ってみることにするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

人々の歓声が飛び交うその場所はダイバーシティ東京プラザ2Fフェスティバル広場であり、そこへ赤いアイドル衣装を着た1人の黒髪の少女・・・・・・「優木 せつ菜」が階段を降りながら現れる。

 

「わー!! せつ菜ちゃーん!!」

「せつ菜ちゃーん!! 頑張って〜!!」

 

黄色い歓声を浴びる彼女は、今流行している「スクールアイドル」の1人。

 

スクールアイドルというのは言葉の通り、主に学校の部活の一貫などで行うアイドル活動のことであり、今日はそのスクールアイドル、優木 せつ菜がライブを開催する日だったのだ。

 

しかし、観客の中にはせつ菜しかライブ会場に来ていないことに疑問を抱いている者達がちらほらおり、その理由は今日は本来、せつ菜のソロライブではなく、本当ならこの日は「新グループのお披露目ライブ」だったからである。

 

そのため、せつ菜しかいないことに観客達は疑問を覚えたのだ。

 

そして、せつ菜は何かを決意したかのように一度目を閉じ・・・・・・数秒経つと音楽が流れ始め、彼女はそれに合わせて目を見開くと「歌」を歌い出し、ダンスを観客達の前で披露する。

 

そんなせつ菜が歌う曲は・・・・・・「CHASE!」

 

「〜♪」

 

そこへ少し遅れてライ達もその場に訪れ、せつ菜のライブを目撃した侑はそれを見て心を撃ち抜かれたかのような衝撃が走り、同時にライは顔を青ざめさせ、「あぁ!!?」と驚きの声をあげ、ガクリと両膝を突く。

 

「えっ、どうしたのライくん!?」

「今日、せつ菜ちゃんのライブなの・・・・・・忘れてた・・・・・・!! アニ〇イトとか行ってる場合じゃねえ!!」

 

どうやら、ライは歩夢や侑とは違い、せつ菜のことを知っているようで尚且つ彼女のファンだったようだ。

 

そのため、ライは今朝色々とやらかしてしまったことも原因なのだろうが今日せつ菜のライブがあることを忘れていたことを深く、深く後悔し、大ショックを受けていたのだ。

 

ファン失格だなこいつ。

 

しかし、ライは今からでも持ち直そうとすぐに鞄を開けてその中に手を突っ込み、そこから取り出したせつ菜の姿がプリントされたはっぴを着込んでスカーレットカラーのサイリウムを両手に持ち、今からでも全力で応援しようと必死に声をあげ、せつ菜を応援。

 

「せつ菜ちゃん頑張れえええええ!!!!」

「えぇ!?」

 

そんなライに歩夢は引き攣った顔を見せるが、それよりも今はせつ菜のライブの方が気になった為、視線を彼女に戻し、3人でせつ菜のライブを見つめる。

 

また、侑はせつ菜のライブを見て強い衝撃・・・・・・言うなれば、胸を何かで撃ち抜かれたかのような強いときめきを感じ、それは歩夢も同じようで・・・・・・せつ菜のライブを凄いと感じて唖然とした表情を浮かべていた。

 

「凄い・・・・・・」

「うん・・・・・・」

 

侑の呟きに、反射的に返事を返す歩夢。

 

そんな歩夢の両手を「だよね!!」と言いながら握りしめ、それに驚いて頬を赤くしてしまう歩夢。

 

「だよね凄かったよね!?」

「う、うん」

「かっこよかった!! 可愛かった!! ヤバいよ、あんな娘いるんだね!! なんだろうこの気持ち!!? すっごいときめき〜!!」

 

ぴょんぴょん飛び跳ねながら興奮が抑えられないといった様子の侑。

 

尚、歩夢の隣に立っていたライはというと・・・・・・その場に両膝と両手を突き、四つん這いのポーズを取りながら「うぅ、ひっぐ、ぐす・・・・・・!」と泣き崩れており、それに歩夢と侑は「なんか泣いてる!?」と若干引き気味に驚く。

 

「な、なんでライくん泣いてるの?」

「う、うぅ・・・・・・やっぱりせつ菜ちゃんのライブ最高だぜ・・・・・・!!」

「あの娘せつ菜ちゃんって言うの?」

 

ここでライブをしていた彼女の名前を丁度知りたがっていた侑は、ライに彼女の名前を尋ね、それにライは立ち上がって激しく首を縦に振る。

 

「せつ菜ちゃんの良さ、侑も分かるのか! そうだよな、せつ菜ちゃんってかっこ可愛いんだよ!! 曲もカッコイイ系が多くてさ・・・・・・。 ちなみに、俺が初めて知ったのは遊〇王の大会のイベントに出場した時で・・・・・・せつ菜ちゃんもそん時出場しててさ・・・・・・」

「えっ、あの娘遊〇王やるの?」

「そもそもせつ菜ちゃんアニメ、ゲーム、ラノベ、漫画を嗜むオタクだし。 あれも趣味で参加してたんだと思う。 ただ、その後ライブもやってたけどな」

 

なんでもライが言うのは昔自分が出場した街の遊〇王の大会に出場した際、その時せつ菜と対戦したことがあるらしく、モンスターを召喚する時などに召喚口上など言ったりしてノリノリだった為、かなりの印象に残ったそうだ。

 

ちなみにラ〇シュデュエルの大会だったそうだ。

 

「しかもさぁ、せつ菜ちゃんって今やってる遊〇王のアニメのヒロインと声そっくりなんだよなぁ。 本人もそれを自覚してるのか、使ってるデッキがそのヒロインとほぼ同じデッキだったんだよ」

『いくよライブ! とことんダイブ! 我慢が限界 オーバードライブ!! 彩光のプリマギターナ満を持して初・登・場〜!!』

 

こんな感じでかなり対戦を楽しんでいたらしく、最初こそそんなノリの良い彼女を見て面白い娘だと思う程度だったらしいのだが、その後開かれた彼女のソロライブを見て、今の侑と同じように衝撃を受け、ライはすっかり彼女の虜になってしまったらしい。

 

「しかし、なんかトラブルでもあったのかなせつ菜ちゃん」

「「トラブル?」」

「あぁ、今日って確か新しいスクールアイドルのグループのお披露目ライブの筈だったんだ」

 

新しいグループのお披露目・・・・・・ということは本来ならここに、せつ菜以外のメンバーも来てライブを行っていた筈なのだが・・・・・・なぜか今日はせつ菜ただ1人だけであり、そのことを不思議に思っているとライはここでライブを行うことを予告する1つのポスターがあることに気づき、そのポスターの元まで駆け寄る。

 

「やっぱり、ポスターにはちゃんと他のメンバーの姿が映ってるな」

 

ライの言うように、ポスターにはせつ菜を中心に他に4人の少女達が映っており、やはり何かトラブルがあったのかと心配になるライ。

 

そんなライを追いかけるように、侑と歩夢がポスターを覗き込むとそこに書かれてある「虹ヶ先学園 スクールアイドル同好会 生LIVE!」という文字を見て侑と歩夢はお互いに顔を見合わせ、驚愕の表情を浮かべる。

 

「虹ヶ咲って・・・・・・」

「「ウチの高校だーーーー!!!!?」」

「えっ、知らなかったの?」

 

 

 

 

 

 

 

その翌朝、歩夢、侑、ライの3人はそれぞれ自分達が住むマンションのベランダに出てお互いに「おはよう」と朝の挨拶を行っていたのだが・・・・・・不意に侑が「ふあぁ〜」と大きな欠伸をして、それに思わずライが笑ってしまう。

 

「侑、だっらしない顔しやがって・・・・・・異性の前でそんな姿を晒すのはどうかと思うぞ?」

「別にライのこと異性として意識してないからへーきへーき」

「そういう問題じゃないと思うけど・・・・・・」

 

侑の発言にすかさず歩夢がやんわりとツッコミを入れ、彼女は侑に「寝不足?」と尋ねると侑は「うん」と頷き、昨日どうやら夜更かしをしてしまったらしい。

 

それから歩夢は侑とライに「遅刻しないでよ」と釘を刺した後、それぞれ部屋に戻って学校に行く準備を済ませ、待ち合わせ場所で集合することに。

 

「ふわ〜」

「ってなんだ、歩夢も夜更かしか?」

 

先に待ち合わせ場所に来ていたライと歩夢。

 

そんな時、歩夢が口を押さえながら少し大きめの欠伸をした為、彼女も夜更かししたのかと尋ねると歩夢は照れ臭そうにしながらも「ちょ、ちょっとだけ」と応える。

 

「かく言う俺も、ちょっと夜更かししちゃったんだけどな。 ふあぁ〜!」

「お待たせ〜」

 

ライも欠伸をしているとそこへ少し遅れて侑がやって来た為、3人は学校へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その放課後、歩夢が「部室棟」と書かれた柱を眺めていると彼女の元に侑とライがやってきたのだ。

 

「歩夢〜!」

「待たせたなッ!!」

 

なぜか無駄にちょっとかっこつけて現れるライに苦笑しながらも、歩夢は「それじゃ帰ろうか」と言うのだが、何やら侑はどこかに寄りたいところがある様子で・・・・・・。

 

「その前に、ちょっと寄りたいところがあるんだけど・・・・・・良い?」

「んっ? うん、勿論!」

「どうせならライにも付き合って貰いたいんだけど・・・・・・ライもストレイジでの仕事とか大丈夫?」

 

侑はライにも一応確認し、ライの方も夕方頃にストレイジの方に顔を出さないといけないことになっているが、今はまだ時間的にも特に問題ないのでライも了承する。

 

「押忍! どこ行くか分かんないけど付き合うよ」

「ありがとう」

 

侑は2人に付き合ってくれることにお礼を述べると彼女は歩夢の手を握り、それに歩夢が驚くが・・・・・・侑は構わず彼女を引っ張って歩き出し、それにライも少し間を置きながら歩き出す。

 

「えっ? ちょ、ちょっと!? どこ行くの?」

「スクールアイドル同好会!!」

 

歩夢が戸惑いつつも侑に一体どこに行くのかと問いかけると、侑はスクールアイドル同好会のある場所に行くと言い出し、それを聞いて思わず歩夢は立ち止まり、ライもピシッと同好会に行くと聞いて石像になったかのように固まる。

 

「あ、あの・・・・・・侑ちゃん! 私、まだ・・・・・・」

「私、スクールアイドルってよく知らなかったからさ〜。 昨日帰ってから動画とかいっぱい観たんだよね!」

「・・・・・・えっ?」

 

侑が今朝眠そうにしていて夜更かしした原因、それはせつ菜のライブを観て受けた衝撃が忘れられず、その影響から眠れず、ずっとスクールアイドルの動画を観ていたことが理由だったのだ。

 

「みんなかっこ良くて、可愛くて輝いていて・・・・・・! もう、完全にときめいちゃった!!」

 

目を輝かせ、興奮した様子で歩夢に詰めよって熱弁する侑。

 

「でも、1番はやっぱり昨日観たあの人! 優木 せつ菜ちゃん!」

「ちゃん!?」

「結構有名みたいなんだよね。 神出鬼没のニジガク謎のスクールアイドルって! ファンクラブとかあるのかなぁ? 次のライブ決まってるなら行きたいなぁ〜!」

 

そんな侑の熱に押され、圧されそうになる歩夢。

 

「で、でももう私達2年だし! 一緒に予備校通うって言ってたよね!? スクールアイドルなんて追っかけてる暇ないんじゃ・・・・・・」

「問題なし!」

 

卒業したら本格的にストレイジに就職が決まっているライは兎も角、侑や自分は予備校に通う為に勉強しなくきゃいけないのにアイドルの追っかけなんてしてる時間はないのではないかと歩夢は指摘するのだが、侑はVサインを作って問題はないと言い切る。

 

「これはピースサインじゃないよ! 勝利宣言! なぜならせつ菜ちゃんの歌聞きながら勉強したらすっごく捗ったし、今日の小テストもバッチリだった!!」

 

どうやら夜更かししていたのは夜に勉強していたのも理由だったようだ。

 

「なんかさぁ。 すっごくやる気が湧いて来るんだよね〜。 こんな気持ちになったの初めて! えへへ」

 

ここまで言い切った上にそんな風に満面の笑みを浮かべる侑を見て、歩夢も「しょうがないなぁ」とでも言いたげな顔を浮かべつつも、彼女も笑みを浮かべるのだった。

 

「ところでさっきからライがずっと黙ったままなんだけど・・・・・・何してるの?」

 

そこで先ほどからやたら静かなライの様子が気になった侑は歩夢の後ろにいる筈のライの姿を見ると、何やら腕を組んで先ほどからぶつぶつぶつぶつと呟いていた。

 

「同好会行くの? えっ、マジで? 滅茶苦茶緊張するんだけど・・・・・・いや、でも歩夢や侑と一緒なら・・・・・・うーん、でも・・・・・・。 だけど1回くらい学校でせつ菜ちゃんと会ってみたいし・・・・・・」

「なにあれ怖ッ!?」

「なんか悩んでるみたいだけど・・・・・・」

 

1回本気で通報しようかと思った侑だったが、そんなことしてる場合ではないのでライのことは放っておいて2人は部室棟へと向かうのだった。

 

尚、ライがいないことに気付いたのは侑達が部室棟に向かって数分経った時であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「置いて行くなんて酷い!!」

「なんかぶつぶつ言ってる不審者と知り合いと思われたくなかったからつい・・・・・・」

 

その後、置いてけぼりを喰らったライは侑が「同好会に行く」と言っていたので2人とも部室棟にいるだろうと思い、すぐに追いかけてたった今2人と合流したところだった。

 

「それにしてもここが部室棟かー」

「初めて来たね」

「コミケ会場みたいに広いな」

 

3人が部室棟の広さに圧巻されるが、圧巻されすぎて当初の目的を忘れないよう即座に歩夢が同好会の場所を侑に尋ねるのだが・・・・・・。

 

「ねえ、スクールアイドル同好会の部室って・・・・・・どこ?」

「さぁ? ホームページも更新止まってたし校内の案内図にも載ってなかった。 でもライは知ってるでしょ? だから連れて来たんだけど・・・・・・」

「俺ただの道案内で連れて来られたの!?」

 

せつ菜のファンなのだから当然部室がどこにあるのかも知っているだろうと思い、侑から期待されたのだが・・・・・・ライは侑から目を反らし、「すまん」と謝罪する。

 

「俺も・・・・・・部室の場所が分からない」

「えっ、なんで分からないの!? 私よりも前からせつ菜ちゃんのファンなんでしょ!?」

 

てっきり、せつ菜のファンというくらいなのだから同好会の部室くらい知っていると思っていたのだが・・・・・・ライ曰く、「自分からせつ菜ちゃんに会いに行くとか恐れ多くて行けない!」とのことだった。

 

それならなんでついて来たのかと疑問に思う侑と歩夢だったが・・・・・・。

 

「いやだって、侑だけせつ菜ちゃんに会いに行ってその上サインまで貰おうとするなんてズルいし! 俺だってまだ貰ったことないのに!!」

「こうなったら片っ端から聞いて廻るしかないね・・・・・・」

「えぇ・・・・・・」

 

という訳でスクールアイドル同好会の場所をここにいる色んな人達から聞こうということになり、先ずはとある部室を訪れることに。

 

「流し素麺同好会にようこそ! 入部希望ですか?」

「!?」

 

扉を開けてその流し素麺同好会に顔を出すと、ライは丁度そこで流し素麺をしている生徒達の姿を見て「そんな同好会あんの!?」とでも言いたげな様子で驚くが、侑の方は特に気にせず、スクールアイドル同好会の場所を尋ねる。

 

「いや、あの・・・・・・スクールアイドル同好会の場所を探していて・・・・・・」

「うーん、知らないなぁ」

(それより部室が・・・・・・! 流し素麺するには部室が狭くない!?)

 

流し素麺の同好会があるのにも驚いたが、それ以上に部室がやたら狭いのがライはどうしても気になってしまう。

 

「美味しそう・・・・・・」

 

また侑の方はそんな部員達が食べる素麺を見て物欲しそうにしており、それを見た歩夢は慌てて「失礼します!」と侑とライを引っ張ってその場を後にするのだった。

 

それからもここで色んな部活や同好会をしている生徒達に同好会の場所を尋ねるのだが・・・・・・誰も知らないの一点張りで一向に見つかる気配がなく・・・・・・3人は途方にくれていた。

 

「全然見つからない」

「部活も生徒数も多いからね〜。 同好会だけで100個以上あるらしいよ」

「マジか・・・・・・」

 

他にも同好会が100個はあると聞いて侑はげんなりした顔を浮かべ、その時彼女は目の前を通り過ぎようとした小柄な少女、璃奈に侑が「すいません!」と話しかける。

 

「スクールアイドル同好会って・・・・・・」

「どこにあるか知ってる?」

 

話しかけられた璃奈はその場に立ち止まり、歩夢と侑がスクールアイドル同好会の場所を尋ねるのだが・・・・・・。

 

「・・・・・・」

 

璃奈は無表情のままその場に立ち尽くしており、もしかして話しかけたらダメだったのだろうかと不安になる侑。

 

「ってりなりーじゃねーの!」

「えっ、知り合い?」

「ちょっとな」

 

そこでライが璃奈の存在に気付くと「おーい!」と彼女に手を振りながら駆け寄り、璃奈も「あっ、ライさん・・・・・・」と彼の存在に気付く。

 

「侑がいきなり話しかけて悪いな。 ちょっと驚いちゃったよな?」

「まぁ、少し・・・・・・」

 

無表情なのは変わらないが、どことなくまだ戸惑っている風なのが雰囲気で分かり、そんな璃奈にライは「落ち着いてから話せば良い」と彼女に笑いかけ、それを受けて璃奈もこくりと小さく頷くのだった。

 

「どうした? りなりー?」

 

だが、そんな時・・・・・・璃奈の後ろにあった階段から金髪のギャル風の少女「宮下 愛」がやってきたのだ。

 

「おー、ライも一緒でどうしたん?」

「よぉ、愛」

「あっ、愛さん・・・・・・」

 

どうやら愛もライの知り合いらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、月の周辺宇宙では・・・・・・。

 

サメによく似ているが、二足歩行かつ身体の真横と尻尾の付け根辺りに爪の生えた鰭があり、どことなくワニにも見える怪獣「凶暴宇宙鮫 ゲネガーグ」が地球を目指して飛行しており、そんなゲネガーグの進行を食い止めようと胸部と両肩に銀色のプロテクター、胸部に「Z」という文字によく似たクリスタルが特徴的な巨人、「ウルトラマンゼット」が現れ、真横からゲネガーグを殴りつけて来たのだ。

 

『ゼアアアッ!!』

 

そのままゼットはゲネガーグに掴みかかり、頭部にチョップを何度も叩きこんだ後、頭部のトサカに両手の指先を当て、素早く振り下ろして光波を発射する「ゼットスラッガー」をゲネガーグに繰り出すが、ゲネガーグはなんとかゼットを振り払い、一度距離を置いて背中と側面の鰓状の穴から拡散光弾「ゲネパラサイトボム」をゼットに向けて放つ。

 

『ッ!? ヤバい・・・・・・!?』

 

しかし、ゼットを守るかのように2本のブーメラン「ゼロスラッガー」を頭部に装着し、銀色のプロテクターに赤と青の身体で青いマント、「ウルトラゼロマント」を羽織った巨人、「ウルトラマンゼロ」が間に入ってゲネガーグの攻撃を間一髪防ぎ、ゼットを救ったのだ。

 

『師匠!?』

『危ねえから手出すな!』

『また半人前扱いして! 俺も宇宙警備隊ですよ、師匠!』

 

するとゲネガーグは口から紫色の破壊光線「ゲネバスター」を放ち、ゼロやゼットを攻撃して来るが、2人は躱しながら同時にゲネガーグに向かって突っ込んでいく。

 

『お前を弟子に取った覚えはねえって前から言ってんだろ! それに俺からしたらお前なんて半人前どころか3分の1人前だ!』

『3分の1人前!? 結構ボロくそじゃないですか・・・・・・ウルトラショック!』

 

ゲネガーグはゼロやゼットを近づけさせまいと口から小惑星を吐き出し、ゼットに当てようとするが、ゼットはそれを右横に飛ぶことで回避。

 

『こいつ、小惑星を飲み込んでやがる!?』

 

続けざまにゲネガーグはさらに小惑星を吐き出し、ゼロに攻撃するのだが、ゼロはそれを「その手は食わねえ!」と右手で弾き飛ばす。

 

だが、その小惑星と思われていたものは小惑星ではなく・・・・・・ぶよぶよした人間の心臓のようにも見える怪獣、「四次元怪獣 ブルトン」であり、ブルトンによって空間に次元の穴が開き、その中にゼロは吸い込まれて行ってしまう。

 

『ブルトン!? マジかよ!?』

『師匠!』

『クソ! しゃーねぇ、ゼット!! これを持って行け!!』

 

そう言ってゼロはゼットに1つのアイテムと6つのメダルのようなものを投げ渡し、それをゼットは手に取って受け取る。

 

『これは・・・・・・!』

『奴が飲み込んだメダルはお前が取り返せ!! 頼んだぞぉ!!』

 

それだけを言い残して、ゼロは次元の狭間に飲み込まれ、ブルトンと共に消え去ってしまうのだった。

 

『師匠ーーーーー!!!!!』

 

ゼロが消え去ったのを確認すると、ゲネガーグはそのまま地球へと向かい進行を再開するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、虹ヶ咲学園の部室棟。

 

「ほら、スクールアイドル同好会はここだよ?」

 

愛からアイドル同好会の場所をライ達は教えて貰い、それに侑は「誰に聞いても分からなかったのに!」と驚いていた。

 

「確か今年できたばっかの同好会だしね」

「ありがとう、助かったよ!」

「どういたしまして!」

 

侑は愛にお礼を述べると、その時、侑の服の裾をくいっと突然璃奈が引っ張って来て顔を璃奈の方へと向ける侑。

 

「別に、急いでなかった。 少しビックリしただけ」

 

内気な性格だからかあの時、話しかけてもなんの反応もなかったのはライが言っていたようにやはり単純に璃奈が驚いただけだったそうでそれに侑は「そっか。 なら良かった」と別に急ぎの用とかではないことに安心し、笑みを浮かべて納得するのだった。

 

「・・・・・・好きなの? スクールアイドル?」

「えっ? うん、ハマったばっかだけどね!」

 

璃奈の突然に問いかけに一瞬戸惑ったものの侑は彼女の質問に応えると、今度は璃奈は歩夢とライにも「あなた達も?」とスクールアイドルが好きなのかどうかを尋ねて来たのだ。

 

「えっ? う、うん、どうだろう・・・・・・まだよく分からないかな」

「そういや、りなりーに言ったことはなかったか。 俺はまぁ、スクールアイドルって言うか・・・・・・スクールアイドルのせつ菜ちゃんだけが好きなんだよね」

「・・・・・・そう」

 

歩夢は戸惑い気味にそう応え、ライもスクールアイドルというよりも正確にはスクールアイドルをやっているせつ菜だけが好きという感じだと応え、それに「そう」とだけ返す璃奈。

 

「ありがとね、今から行ってみるよ!」

 

侑は璃奈にもお礼を言った後、ライと歩夢を引き連れて愛に教えられた同好会へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会! 早速中に・・・・・・!」

「いや、待って!! ちょっと待って!! もう少し心の準備させて!!」

 

愛に教えられてようやく部室に辿り着いたライ達。

 

しかし、その前に心の準備をさせてくれと頼むライを無視して、侑は早速中に入ろうとしたその時・・・・・・。

 

「何をしているんですか?」

 

不意に、後ろの方からそんな声が聞こえ、3人が振り返るとそこには三つ編みにメガネをかけた1人の少女・・・・・・「中川 菜々」の姿があり、彼女はこちらに向かって歩いて来ていたのだ。

 

「普通科2年、高咲 侑さん、上原 歩夢さん。 それに、体育科3年、赤間 ライさん」

 

普通に名前や学科を言い当てられ、「会ったことあったっけ?」と頭に疑問符を浮かべる3人。

 

「生徒会長たるもの当然、全生徒の名前を覚えているものです」

「「「えっ? 生徒会長!!?」」」

「ふふ、中川 菜々と申します」

 

3人に微笑みを向けながら菜々は自己紹介を3人に行い、そう言えば確かに生徒集会で見た顔だと侑やライは思い出し、菜々はこの同好会に何か用があるのかと3人に尋ねる。

 

「あっ、はい! 優木 せつ菜ちゃんに会いに来たんです!」

「・・・・・・彼女はもう、ここには来ませんよ?」

 

侑の言葉を聞いた直後、菜々は一瞬だけ複雑そうな表情を浮かべたが3人はそれに気付かず、彼女はアイドル同好会の扉の前にまで歩いて来ると、淡々とした様子で優木 せつ菜は・・・・・・もうここにこないということを冷徹にライ達に告げたのだ。

 

「「「えっ?」」」

「スクールアイドルは辞めたそうです」

「「・・・・・・へっ?」」

 

それを聞いて昨日好きになってすっかりファンになったばかりだと言うのに、優木 せつ菜はもうスクールアイドルを辞めてしまったと菜々から冷酷に告げられ、唖然とする侑。

 

当然、侑よりも前からずっと応援していてせつ菜がアイドルを辞めるなんてそんな前情報一切無かったライもそれには口をぽっかりと開けて目を見開き驚愕。

 

「えっ、ちょっと待ってください生徒会長! それ、マジなんすか? 俺、せつ菜ちゃんのファンだけどそんな情報一切・・・・・・」

「っ・・・・・・。 紛れもなく、ホントのことです。 情報を公開しなかったのは色々と彼女にも事情があるんでしょう。 それに、彼女だけではありません、このスクールアイドル同好会は・・・・・・」

 

ライの「せつ菜ちゃんのファン」という言葉に、一瞬ピクリとした菜々だったが、すぐに彼女からせつ菜がスクールアイドルを辞めるのは紛れもない事実であることが告げられ、さらに菜々はアイドル同好会のプレートに手をかけ、それを取り外してしまったのだ。

 

「ただいまを持って、廃部となりました」

「「えぇ!?」」

「ゲボォ!?」

 

ただでさえせつ菜がアイドルを辞めるということに衝撃を受けていたところなのに、さらに同好会まで廃部と言われ、驚きを隠せない歩夢と侑。

 

「失礼します」

 

しかし、ショックを受けている2人を余所に菜々はそのままその場を歩き去って行き、侑は「そんな・・・・・・」と悲しげな顔を浮かべ、そんな侑を心配そうに歩夢が見つめるのだった。

 

「・・・・・・んっ? あれ? そう言えばライくんは?」

 

そこで歩夢が先ほどまで一緒にいたライの姿がいなくなっていることに気づき、ライのことだから侑と同じくらい、いや、もしかしたら侑以上にショックを受けているかもしれない筈の彼の姿が見当たらないことに気付き、何気なく下の方へと視線を向けると・・・・・・。

 

そこには突っ伏した状態で倒れ込んでショックのあまり屍のようになっているライの姿が。

 

「あばよ、ダチ公・・・・・・」

「「し、死んでる!?」」

 

別に本当に死んでいる訳では無いが、どうやらやはり侑以上にライは相当落ち込んでしまったようで、侑は心配そうに「大丈夫?」と尋ねる。

 

「だいじょばない・・・・・・。 でも侑こそ大丈夫か? 折角せつ菜ちゃんのファンになったのに・・・・・・」

「まぁ、ショックはショックだよ。 でも前からファンだって言うライに比べたらね・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園内のある場所で・・・・・・。

 

そこでは演劇部が演劇の練習をしており、その演劇部のメンバーであり、アイドル同好会の1人でもある腰まで届くダークブラウンのロングヘアをお嬢様結びにし、赤いリボンで纏めている少女、「桜坂 しずく」が他の演劇部員見守る中、演技の練習をしていたのだった。

 

「明日もまた、同じ日が来るのだろう! 幸福は一生来ないのだ! けれども・・・・・・!」

「はい、そこまで!」

 

そこで部長と思われる女性がストップをかけ、部員達にグランド10周を命じた後、部長はしずくの元まで行き、彼女の肩にポンッと手を置く。

 

「しずく、聞いたよ? 同好会の件」

「っ」

「掛け持ちじゃなくなった訳だしこれからは演劇部に専念できるんでしょ!」

 

桜坂 しずくにとって・・・・・・演劇は大切だ。

 

だが、スクールアイドルだって演劇と同じくらいに大切にしている。

 

だからこそ、部長のその言葉を聞いてしずくは複雑そうな顔をしていた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

虹ヶ咲学園の中庭の片隅のベンチにて・・・・・・。

 

そこでは持参した枕を抱えながら眠るウェーブの掛かったブラウンの柔らかいロングヘアーと、紫の垂れ目の少女、スクールアイドル同好会の1人でもある「近江 彼方」が「すやぁ、すやぁ」と寝息を立てながら眠っていたのだった。

 

「ハッ!」

 

しかし、不意に彼方は慌てて飛び起きる。

 

「不味い! もう夕方じゃん! 急がなきゃまたせつ菜ちゃんに・・・・・・。 あぁ、もう、怒られないんだっけ・・・・・・」

 

どうやらもう同好会に行く時間なのに寝過ごしてしまった為、慌てて飛び起きたようなのだが・・・・・・既に同好会は廃部となっていることを思い出し、彼方は悲しげな表情を浮かべながら、再び枕に自身の頭を「ぽふっ」と埋めるのだった。

 

「今は寝る以外、することがない・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

虹ヶ咲学園の食堂。

 

そこでは赤毛の短いおさげとそばかすが特徴の少女で、スクールアイドル同好会のメンバーの1人でもある「エマ・ヴェルデ」が椅子に座り、「はぁ」と小さく溜め息を吐いていた。

 

そこへ青みがかかった黒髪で、ウルフカットヘアーが特徴的な少女「朝香 果林」がコーヒーを持ってやってきてエマの向かい側の席に座り込む。

 

「元気ないわね、エマ?」

「果林ちゃん・・・・・・モデルのお仕事は?」

「今日は休み」

 

エマの問いかけに対し、果林は今日は休みだと応え、それに「そう」と頷き、元気なさげに窓の外を眺めるエマ。

 

「どうするの? スクールアイドル」

「・・・・・・部長のせつ菜ちゃんに話そうとしたんだけど連絡つかないんだ・・・・・・。 少し活動を休止するだけって話だったのに・・・・・・廃部だなんて・・・・・・」

「・・・・・・そんな顔しないで。 なにか力になれることないかしら?」

 

悲しげな顔を浮かべるエマに果林そう声をかけ、何か自分が力になれることはないかと尋ねて来たのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

授業が終わり、虹ヶ咲学園から帰宅途中のベージュのボブカットの髪型に、小柄な体型の少女、「中須 かすみ」は不機嫌そうな顔を浮かべながら歩いており、彼女は不意に一度その場を立ち止まると学園の方へと振り返る。

 

「ぐぬぬぬ! かすみんはやっぱり、諦めませんよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

その頃、歩夢、侑、ライは学園を出てとある広場のベンチに座っており、歩夢は侑と限定のラクレットチーズ蜂蜜のパンを半分に千切って分け合いっこしながら食べていた。

 

「ライくんも食べる?」

「いい、今は腹より俺の傷ついた心を満たしたい・・・・・・」

 

歩夢はベンチにぐったりと寝込んで未だにせつ菜がアイドルをやめたことがショックで引きずってるライを気遣い、彼にもパンを分けようかと思ったのだが・・・・・・どうやら今は食欲がないらしい。

 

「・・・・・・確かに、せつ菜さんのことは残念だったよね・・・・・・。 でも、ほら! 侑ちゃんもライくんも! せつ菜さんが学校にいるのは確かだし、会おうと思えば・・・・・・!」

 

歩夢はアイドルで無くなったとしてもせつ菜は学校にいる筈なのだからもっとちゃんと探せばきっと会えるだろうと言うのだが、侑としては別にそこまで無理して会うつもりはなかったので「それは良いよ」と言葉を返した。

 

「俺も。 下手したら迷惑かけるかもだし、やめるだけの理由もあったんだろうし・・・・・・」

「うん、そうだよね、ライの言う通り・・・・・・。 でも、やっぱり難しいのかな、夢・・・・・・追いかけるのって」

 

侑は顔を上にあげ、夕焼けを見つめながらそう呟くと、歩夢は「えっ?」と首を傾げる。

 

「アイドルやるって、そういうことでしょ? 自分の夢はまだ、無いけどさ・・・・・・。 夢を追いかけてる人を応援出来たら私も、何かが始まる! そんな気が、したんだけどな・・・・・・」

 

どこか元気なくそう語る侑にどう声をかければ良いのか分からず、だけども何かを声をかけたいと思い、口を開きかけた歩夢だったが・・・・・・それよりも早く、侑は立ち上がり、「なんてね♪」と歩夢の方へと顔を向け、笑みを浮かべるのだった。

 

「お台場寄って、帰ろうか!」

「・・・・・・」

 

しかし、その笑みはどこか悲しげで・・・・・・そんな侑の顔をベンチに寝込みながらも見てしまうと、歩夢と同じように何か言ってやりたくなったが・・・・・・。

 

「俺、気の効いたことなんて言えないからな・・・・・・」

「んっ? 何か言った?」

 

ライの呟きに反応する侑だったが、ライは起き上がって首を横に振り、そろそろストレイジの方に顔を出さないといけない時間である為、彼は立ち上がって歩夢と侑とはそこで別れることになったのだった。

 

「何時までもショゲてんじゃねえぞ!! 俺!! これから仕事だ、気合い入れないと・・・・・・!!」

 

ライは自分の頬を両手で「パン!!」と強く叩くと、彼はストレイジの基地へと向かって歩き始めるのだった。

 

(それに、侑の方はまぁ、歩夢がなんとかすんだろ)

 

 

 

 

 

 

 

 

ストレイジの基地にやってきて制服に着替えて司令室に来るや否や、早速隊長の倉名からの命令があった。

 

「えっ? 俺がセブンガーに乗って残りの瓦礫の撤去作業を?」

「あぁ、来年からはお前もストレイジの正式メンバーになるんだ。 そろそろ特空機の操縦に慣れといた方が良いだろ? シュミレーター訓練も何百回もやってるし、それくらいできるだろ?」

 

確かに、倉名の言う通り来年からはストレイジの正式な隊員となる以上、今の内に特空機の操縦に慣れておく必要はあるだろう。

 

特空機を操縦する為のシュミレーター訓練や戦闘訓練も数え切れないほどやった。

 

それに今回はゴメスが暴れた際に破壊された建物の残りの撤去作業のみで10分もあれば終わる簡単作業だ。

 

なのでライは嫌がることもなく、倉名の命令に従い、「押忍!!」と力強く返事するのだった。

 

「押忍じゃなくて了解だろ」

「押忍!! あっ、いや、了解!!」

 

倉名の命令に従い、ライはセブンガーに乗り込むと現場に向かって発信。

 

尚、セブンガーは本来3分しか活動できないが、撤去作業などでは給電ケーブルを用いていれば長時間の活動が可能となっていたりする。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、お台場のショッピングモールなどに寄りつつ、バスに乗って自分達の住むアパートの前にまで2人帰ってきていた歩夢と侑は・・・・・・。

 

「今日セブンガーにライが乗って撤去作業してるらしいよ」

「へー、大丈夫かなぁ、ライくん・・・・・・」

 

ライは結構ドジなところがあるので、何か失敗したりしないだろうかと不安になる歩夢だったが、侑は「まぁ、簡単な作業みたいだし」と言って歩夢を安心させる。

 

「ってか撤去作業してるセブンガーが積み木で遊んでるようにしか見えないのは私だけかな? 可愛い」

 

侑が笑いながら、セブンガーのことについて話していると・・・・・・不意に、いきなり歩夢がその場に立ち止まり、それに侑は「歩夢?」と首を傾げる。

 

「・・・・・・2人で、2人で始めようよ。 侑ちゃん!!」

 

何かを言い辛そうにしていた歩夢だったが、彼女は意を決して侑にそう言い放った。

 

「えっ?」

「私も観てたの。 動画。 スクールアイドルの、せつ菜さんのだけじゃなくて沢山・・・・・・!」

 

それが、今朝歩夢が寝不足気味の理由だった。

 

侑と同じだったのだ。

 

彼女もせつ菜のライブを観て侑と同じように衝撃を受け、夜遅くまでスクールアイドルの動画を観ていたのだ。

 

「本当に凄いと思ったよ! 自分の気持ちをあんなに真っ直ぐ伝えられるなんて・・・・・・!! スクールアイドルって、本当に凄い!! 私もあんな風に出来たら、なんて素敵だろうって!!」

「歩夢・・・・・・」

 

真っ直ぐ、真剣に、強く語る歩夢に少しだけ驚いたような顔を浮かべる侑。

 

「ごめんね、最初に言えなくて。 本当は私もせつ菜さんに会ってみたかった!! けど、会っちゃったら自分の気持ちが止まらなくなりそうで怖かったの・・・・・・」

 

すると歩夢は「それでも」と自分の拳を握りしめる。

 

「動き始めたなら、止めちゃいけない。 我慢しちゃいけない」

 

歩夢は胸の前で両手を重ねて少しだけ侑に歩み寄ると、彼女は息を吸って侑に今の自分の気持ちを侑へと伝える。

 

「私、好きなの!!」

 

そんな歩夢の言葉に、面を喰らったかのような顔を浮かべる侑。

 

・・・・・・愛の告白かな?

 

「ピンクとか、可愛い服だって今でも大好きだし、着てみたいって思う!」

 

歩夢はそう語りながら侑に歩み寄り、彼女の左手を手に取り、両手で握りしめる。

 

「自分に素直になりたい。 だから、見てて欲しい」

 

すると歩夢は持っていた鞄を地面に置き、近くにあった幅広い階段を駆け上がってその真ん中辺りで立ち止まると侑の方へと振り返る。

 

「私は、スクールアイドル!! やってみたい!!」

「わあ・・・・・・!」

 

歩夢のその力強い宣言に、侑は嬉しそうな声を漏らすと、歩夢は大きく深呼吸すると・・・・・・歌を、歌い始めた。

 

その曲の名は・・・・・・「Dream with You」

 

歌い終わると、歩夢は侑の元へと戻り、自分の鞄を手に取るとその中からピンクと緑のパスケースを取り出す。

 

「今はまだ、勇気も自信も全然だから。 これが、精一杯」

 

そう呟くと、歩夢は緑のパスケースを侑に渡す。

 

「私の夢を、一緒に見てくれる?」

「ふふ」

 

侑は歩夢からパスケースを受け取ると、彼女は歩夢に向かい微笑む。

 

「勿論! いつだって私は、歩夢の隣にいるよ!」

「っ・・・・・・うん!!」

 

それを受けて、歩夢は一瞬だけ泣き出しそうな顔になるが・・・・・・すぐに嬉しそうな笑みを侑に見せ、頷くのだった。

 

しかし、その時・・・・・・。

 

2人の持っているスマホから警報音が鳴り響き、歩夢と侑は慌ててスマホを取り出して画面を見るとそこには「宇宙より巨大生物飛来! 直ちに避難を!!」という文字が書かれており、歩夢と侑は互いに顔を見合わせる。

 

「ゆ、侑ちゃん! 早く逃げないと!!」

「どのタイミングで来てるのさ・・・・・・」

 

侑はタイミングの悪さに若干怒りつつ、歩夢と一緒に避難所に指定された場所に急いで向かうことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『聞こえるかライ? その付近で宇宙から怪獣が接近してる! すぐに薫子と操縦を変われ!』

「怪獣!?」

 

すると、セブンガーの目の前に巨大隕石のように空からゲネガーグが地球へと降り立ち、それに目を見開くライ。

 

「グルアアアアア!!!!」

「いや、操縦を変わってる暇はありません!! ここで俺が奴を食い止めます!!」

 

しかし、ライは地上に降り立つとのとほぼ同時にビルを破壊して行くゲネガーグの姿を見て倉名の命令を聞かずケーブルを切り離すとセブンガーを戦闘態勢にし、怪獣の出現で逃げ惑う人々を守る為にゲネガーグに戦いを挑む。

 

『おい!! ったく、仕方がねえ。 絶対に死ぬんじゃねえぞ』

「押忍!!」

 

一瞬だけ鋭い目つきとなったセブンガーは早速ゲネガーグに戦いを挑もうとするのだが、その時・・・・・・通信で薫子から待ったがかかる。

 

『ちょっと待って! そこに向かってまた別の巨大生物が接近してる!!』

「はぁ!? 今度はなんだよ!?」

 

するとセブンガーとゲネガーグの間に、眩い光が降り立ち・・・・・・その光の中から、ウルトラマンゼットが現れたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

その様子を、基地のモニターで観ていた倉名はゼットの姿を見て一瞬忌々しそうな顔を浮かべるが、すぐに元の状態に戻りタブレットを手に取って璃奈に連絡を取ろうとするが・・・・・・繋がらない。

 

「チッ、ホントここ、人手不足だよな・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「光の巨人・・・・・・? まさか、かつてベムラーと交戦したっていう・・・・・・あの巨人!?」

 

ゼットは一瞬だけセブンガーの方に振り返った後、ゲネガーグの方へと顔を向け、ゼットはゲネガーグに向かって駈け出す。

 

「グルアアアアア!!!」

『ジュア!!』

 

ゼットはゲネガーグの角を左手で押さえつけると、右手でゲネガーグの頭部にチョップを叩き込み、さらに顎に膝蹴りを喰らわせて怯ませる。

 

「ギイイイアアアアア!!!」

 

ゲネガーグはブンブンと首を左右に激しく振ってゼットを引き離すと素早くゼットを角で斬りつけ、身体から火花を散らすゼット。

 

『ジェアア!!?』

「よし俺も! どう見ても、こっちが敵だよな!」

 

ライは自分も戦おうとセブンガーを操縦し、セブンガーはゲネガーグに接近すると拳を叩き込んでゲネガーグを大きく後退させることに成功。

 

続けざまにゼットもゲネガーグの横腹に蹴りを叩き込み、セブンガーも右腕を振るってラリアットを喰らわせようとするがゲネガーグはその巨大な口を開けてセブンガーの右腕に噛みついてしまう。

 

「うわ!? この・・・・・・離しやがれ!!」

 

セブンガーは左拳でゲネガーグを殴りつけるがゲネガーグは離さず、そのままゲネガーグはセブンガーを投げ飛ばしてビルに激突させる。

 

「うわああああ!!!?」

 

ビルに激突したセブンガーに襲いかかろうとするゲネガーグだが、ゼットから放たれたドロップキックがゲネガーグに直撃し、ゲネガーグは大きく吹き飛ばされる。

 

それからゼットはビルに激突したセブンガーをなんとか起こす。

 

「アンタ、一体・・・・・・。 ああもう、この際細かいことはいいや!! 兎に角味方なんだよな、アンタ!! なら、同時攻撃だ!! せーので行くぞ!!」

 

ライの言葉にゼットは頷き、ライは「日本語通じるのかよ」と驚きつつも、ライが「せーの!!」と言うと、セブンガーとゼットは同時に拳をゲネガーグに叩き込む。

 

「チェストォ!!」

『ジェア!!』

 

それにより、ゲネガーグは火花を散らして大きく後退り、すぐさまセブンガーがゲネガーグに向かって駈け出して頭を押さえつけるとライはゼットに「今だ!!」と叫ぶ。

 

それに頷いたゼットはゲネガーグに駆け出してジャンプし、跳び蹴りを喰らわせる。

 

『ゼアアア!!!』

「ギイイイイイ!!?」

 

続けざまにゼットは頭部のトサカに両手の指先を当て、素早く振り下ろして光波を発射する「ゼットスラッガー」を放つが、ゲネガーグは背中のブースターのようなもので素早く移動するとゼットスラッガーを躱しつつゼットとセブンガーに体当たりを喰らわせて吹き飛ばす。

 

「うわあああ!!!?」

『ウオオオッ!?』

 

ゲネガーグはゼット達の方に振り返ると背中と側面の鰓状の穴から拡散光弾「ゲネパラサイトボム」を放ち、倒れ込んだセブンガーとゼットに着実にダメージを与えてくる。

 

そのままゲネガーグはゼットとセブンガーを無視して別方向に背中をブーストさせながら素早く移動を開始し、セブンガーとゼットはなんとか起き上がる。

 

「待て!! 逃げるな鮫野郎!! って、不味い!! あっちの方向は・・・・・・」

『ライ、聞こえる!?』

「薫子先輩!? あいつ、ニジガクの方に・・・・・・!!」

 

そう、ゲネガーグの進行方向には怪獣の出現を受け、避難所となっていた虹ヶ咲学園が存在しており、このままゲネガーグの進行を許せば学校は壊され、そこで避難していた人々に被害が及んでしまう。

 

『私も急いでそこに行くから、ライはどうにか怪獣を足止めして!!』

「押忍!!」

 

そしてセブンガーはこれ以上進行させまいとゲネガーグになんとか追いついて掴みかかり、倒さないとしてもせめてみんなが逃げる時間を稼ごうと奮闘する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さん!! 落ち着いて!! 慌てないで避難してください!!」

 

一方で避難所となっていた虹ヶ咲学園では・・・・・・生徒会の仕事で遅くまで残っていた菜々が人々に慌てず、落ち着いて避難するように避難誘導していたのだが・・・・・・。

 

「こっち来んな!!」

 

助けに来た薫子が光線銃でゲネガーグを少しでも足止めしようと攻撃するもののあまり効果もなく、さらにもう目の前にまでゲネガーグが迫っているせいか人々はパニックに陥っており、冷静な判断ができないでいた。

 

(これでは・・・・・・!! このままじゃ、怪獣がこっちに!)

 

一向に収まらない騒ぎに、菜々はどうすれば良いのか悩んでいると・・・・・・そこにゲネガーグを押さえつけるセブンガーの元にゼットが現れ、ゼットはゲネガーグの尻尾を掴んでセブンガーと共に進行を阻止しようとする。

 

「あれは・・・・・・!! 光の、巨人・・・・・・?」

 

そしてそのゼットの姿を目撃した菜々は目を見開き、驚愕した表情を浮かべる。

 

ゼットの姿を見つめ、彼女はかつて遭遇し、自分をベムラーの脅威を救ってくれた光の巨人の姿を思い出す。

 

「でも、あの時とは違う、巨人・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セブンガーはゲネガーグに頭突きを喰らわせることでゲネガーグを倒れ込ませることに成功。

 

しかし、そこでセブンガーの実用行動時間があと30秒に迫り、もうじきバッテリーが切れてしまうことに焦り始めるライ。

 

『実用行動時間、残り30秒!』

「不味い、もうバッテリーが・・・・・・!!」

 

さらにゼットもカラータイマーが点滅を始め、ゼットももうじき活動限界を迎えてしまうことにライは驚愕した。

 

「アンタも時間制限ありかよ・・・・・・!」

 

すると起き上がったゲネガーグは拡散光弾「ゲネパラサイトボム」を撃ちだし、セブンガーとゼットは光弾が学校に行き届かないように2人で学校を庇い、敢えてゲネガーグの攻撃を受ける。

 

さらにゼットとセブンガーが学校を庇って動けないことを良いことに、ゲネガーグはトドメとばかりに光弾を撃ちながら口から放つ紫色の破壊光線「ゲネバスター」をゼットとセブンガーに向かって発射。

 

「うわあああ!!!? クソ、こんなところで倒れてたまるかぁ!! 自分がどんなに傷ついても、倒れても、構わない!! みんなを守るんだあああああ!!!!」

 

しかし、そのライの叫ぶも空しくゲネガーグの光線の直撃を受け続けたセブンガーとゼットは爆発の炎に包まれ、薫子は悲痛な声でライの名を叫ぶのだった。

 

「ライ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『・・・・・・起きなさい、地球人』

「んっ、ここは・・・・・・」

 

気付けば、ライは薄暗い空間で倒れて眠っており、立ち上がるとライは目の前に先ほどまで一緒に戦っていた巨人、ゼットがいることに気付く。

 

「アンタは・・・・・・」

『私はウルトラマンゼット。 申し訳ないが、お前は死んだ』

「えぇっ!? 死んだ・・・・・・? 嘘だろ」

 

ゼットの言葉にライは驚愕し、死んだなんて到底信じられる訳がなかった。

 

『ついでにどうやら私もウルトラヤバイみたい』

「アンタも? アンタまでヤバかったら、このままじゃ学校が・・・・・・!!」

『1つだけ手がある。 私とお前が1つになればもう1度戦える。 手を組まないか? 私もお前の力が必要なのでございます!』

「・・・・・・はい?」

 

ゼットの言葉を聞いて、不思議そうな顔を浮かべるライ。

 

『・・・・・・言葉通じてる?』

「いや、通じてるけど、言葉遣いが変って言うか・・・・・・」

『えぇ、マジ? 参りましたなぁ。 地球の言葉はウルトラ難しいぜ』

 

表情は変わらない筈なのに、なぜか動揺している様子が手に取るように分かるライ。

 

だが地球の言葉・・・・・・というより日本語が難しいというのはなんとなく分かる。

 

「まぁ、日本語って難しいしな。 兎に角、アンタと手を組めばアイツを倒してみんなを守れるんだな?」

『あぁ、守れる!!』

「だったら、迷うまでもない!! かっとビングだ、俺!!」

 

そう発言するライに対し、「んっ?」と首を傾げるゼット。

 

『なんだその、かっと・・・・・・なんとかって』

「様々な困難にもチャレンジする事。 どんなにピンチでも、決して諦めない事。 勇気をもって一歩踏み出す事って意味の、俺の好きなアニメの主人公の決め台詞ってこんな時にオタトークは良いんだよ!! 時間ないんだから!」

 

ついついゼットの質問に対して応えてしまい、時間を食ってしまったことを後悔するライ。

 

だが、ゼット曰く、この空間と現実の空間の時間の流れは違うらしく、ここでの1分は外での1秒らしい。

 

『しかし、かっとビング・・・・・・なぜでございましょう、この言葉を妙に懐かしく感じるのは・・・・・・。 まぁ、それよりも、お前にこれを』

 

ゼットがそう言うとゼットは姿を変えて青いアイテム、「ウルトラゼットライザー」に変化すると、それがライの手に渡る。

 

『さぁ、そのウルトラゼットライザーのトリガーを押します』

 

ライは戸惑いつつも言われた通り、ゼットライザーのトリガーを押すと目の前に1つの扉のようなもの・・・・・・「ヒーローズゲート」が出現する。

 

『その中に入れ』

「お、押忍・・・・・・」

 

恐る恐るライはその中に入ると、そこで自分の姿が描かれた1枚のカード、「ウルトラアクセスカード」が現れ、それをライは手に取る。

 

『そのウルトラアクセスカードをゼットライザーにセットだ』

「押忍・・・・・・」

 

ライはカードをゼットライザーの中央部分に装填。

 

『ライ、アクセスグランテッド!』

 

すると今度はライの腰に6枚のメダルの入ったホルダーが出現し、ライはそこから3枚のメダル、「ウルトラメダル」を取り出す。

 

「これを使うのか?」

『あぁ、それはゼロ師匠、セブン師匠、レオ師匠のウルトラメダルだ。 スリットにセットしちゃいなさい! 師匠達の力を合わせれば宇宙拳法秘伝の神業が使える筈だ』

「師匠いっぱいいるな・・・・・・。 まぁいいや、宇宙拳法! 秘伝の神業!!」

 

ライは言われた通り、ゼットライザーのスリットにそれぞれゼロ、セブン、レオの順番でセット。

 

「ゼロ師匠、セブン師匠、レオ師匠!!」

『おぉ、ウルトラ勘が良いな。 じゃあ次はメダルをスキャンだ!』

「よし!」

 

ライはゼットライザーのブレード部分をスライドさせて、ゼットライザーにメダルを読み込ませる。

 

『ゼロ・セブン・レオ!』

 

するとライの後ろにゼットが現れる。

 

『よし、そして俺の名前を呼べ!』

「えっと、名前なんだっけ?」

『ウルトラマンゼット!!』

「ウルトラマンゼット・・・・・・?」

『いえ、もっと気合い入れて言うんだよ!!』

「気合い・・・・・・?」

『そう! 良いか? ウルトラ気合い入れて行くぞ!!』

 

ゼットが力強くそう言い放つと、ゼットは両腕を広げて見せる。

 

『ご唱和ください!! 我の名を!! ウルトラマンゼーット!!!!』

「ウルトラマンゼエエエエット!!!!」

 

そしてゼットライザーを掲げるライだったが、特に何も起こらず、首を傾げる。

 

「あれ? 何も起こらないけど・・・・・・もしかして壊れてる?」

『違う! 壊れてない! トリガー! トリガー最後押すの!』

「トリガー? あっ、これか!』

『そうそこ!』

 

イマイチ決まらないなぁと思いつつもライは言われた通り最後にトリガーを押してゼットライザーを掲げると眩い光が走る。

 

するとメダルに描かれた戦士、「ウルトラマンゼロ」「ウルトラセブン」「ウルトラマンレオ」の3人が空間を飛び交う。

 

『ハアッ!』

『デュア!!』

『イヤァーッ!!』

 

するとライとゼットは一体化し、ゼットは姿を変え、上半身は青、下半身は赤で身体に胸部と両肩に銀色の鎧のようなプロテクターを装着し、頭部のトサカのような部分が3つに増えた姿となった「ウルトラマンゼット アルファエッジ」へと変身したのだ。

 

『ウルトラマンゼット! アルファエッジ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギイイイアアアアア!!!!」

 

ゲネガーグが学園に迫ったその時、光の光弾となったゼットがゲネガーグに激突し、ゲネガーグを一方的に吹き飛ばしたのだ。

 

『ヘアアッ!』

 

ゲネガーグを吹き飛ばしたゼットは大地に降り立ち、立ち上がってゲネガーグと対峙する。

 

戦闘BGM「アルファエッジのテーマ」

 

そしてそれを目撃した薫子は驚愕した表情を見せ、同時に菜々も姿を変えたゼットのその姿を見て目を見開き、キラキラと輝かせていた。

 

(か、か、かぁっこいい〜!!!!)

『息を合わせて戦うぞ、地球人!!』

「押忍!!」

 

ゼットは突進して来るゲネガーグに対して足に炎を纏わせ回し蹴りを放つ「アルファバーンキック」をゲネガーグの顔に喰らわせ、さらにそこから二度、三度と連続で回し蹴りを喰らわせゲネガーグは大きく後退。

 

「グアアアアア!!!!」

『ジェアアアア!!!!』

 

ゲネガーグは角の刃でゼットを斬りつけようとするが、ゼットはそれを左手で押さえつけて右拳でゲネガーグの顎にアッパーカットを繰り出し、さらに横腹に蹴りを素早く叩き込む。

 

「グルウ!?」

『ゼアッ!!』

 

さらに続けざまにゼットは跳び蹴りを後退したゲネガーグに叩き込み、さらに後ずさりするゲネガーグ。

 

『これが宇宙拳法、秘伝の神業か! ウルトラ強ぇ!!』

 

するとゲネガーグは視線を学園へと向け、そちらに向かってまだ避難している途中の人々に向かって拡散光弾「ゲネパラサイトボム」を撃ち込んできたのだ。

 

『こいつまた性懲りもなく!!』

『させるかよぉ!!』

 

ゼットは頭部にある2本のゼットスラッガーを稲妻状のエネルギーで連結させたヌンチャク、「アルファチェインブレード」を回転させることで攻撃を防ぐ。

 

そのままゼットは光弾を防ぎつつ、ゲネガーグに近づいて一撃を叩きこもうとするのだが、ゲネガーグはゲネパラサイトボムと同時に口から放つ「ゲネバスター」を発射。

 

『ヌアアア!!!!?』

 

それによってブレードを盾にしたことで攻撃を耐えたもののアルファチェインブレードはどこかに弾き飛ばされてしまい、ゼットは衝撃で地面に倒れ込んでしまう。

 

その隙にゲネパラサイトボムをゼットに向かって発射しようとするゲネガーグ。

 

『ヤバイ! 地球人!! もう3枚のメダルを使うんでございますよぉ!!』

「えっ!? あっ、これか!!」

 

ゼットに言われた通りインナースペース内のライはメダルホルダーから新たに3枚のメダルを取りだし、その3枚のメダルにはウルトラマンではなく、それぞれ拳のような紋章、軍艦のようなシルエット、桜のような模様が描かれていた。

 

『ニュージェネレーションヒーローズと共に戦った、女性戦士達、響さん、夕立さん、友奈さんの荒々しくも勇敢に戦う戦士達の力だ! 彼女達の力を使うんでございます!!』

「なんかよく分かんないけど・・・・・・よし、分かった!! 困難を打ち砕く、魂の一撃!!」

 

ゼットに言われ、ライは急いでゼットライザーのスリットに3枚のメダルをセット。

 

「響さん! 夕立さん! 友奈さん!」

 

ライはゼットライザーのブレード部分をスライドさせて、ゼットライザーにメダルを読み込ませる。

 

『響・夕立・友奈!』

 

するとライの後ろにオリジナル形態のゼットが現れ、両腕を広げる。

 

『ご唱和ください! 我の名を!! ウルトラマンゼーット!!』

「ウルトラマンゼエエエエット!!!!」

 

そしてゼットライザーを掲げ、トリガーを押すライ。

 

するとその空間で3枚のメダルが飛び交い、姿を変え、下半身は黒、上半身はオレンジで両手に桃色の手甲のようなものが装着され、プロテクターが無くなり、「ゼット・オリジナル」にも近い状態の姿・・・・・・「ウルトラマンゼット エプシロンワイルド」となったゼットが現れる。

 

『ウルトラマンゼット! エプシロンワイルド!』

 

そしてそれと同時にゲネガーグはゲネパラサイトボムをゼットに向かって発射するが・・・・・・ゼットは両手に光のエネルギーで作られた爪形の武器「ゼスティウムクロー」を出現させ、光弾を全て素早く切り裂いて見せる。

 

『ゼスティウムクロー!!』

「グウウウ!!?」

 

それに驚く様子を見せるゲネガーグだが、ゼットは一瞬でゲネガーグに詰め寄ると、ゼットは膝蹴りをゲネガーグに喰らわせてクローで何度もゲネガーグを斬りつける。

 

「ギイイイアアアア!!!!?」

『ウオオオオオ!!!!』

 

クローを仕舞い込むと横に倒れ込んだゲネガーグに馬乗りとなり、ゼットは荒々しく何度も拳をゲネガーグに連続で叩き込んで行く。

 

『グルアアアアア!!!!?』

 

ゲネガーグはなんとかゼットを振り落とし、ゲネガーグはゼットにその巨大な口を開けて噛みつこうとするが、ゼットは後方に飛んで攻撃を躱す。

 

そしてゼットは右拳と両足にエネルギーを溜めると、両足に溜めたエネルギーを一気に放出することで一時的に加速し、一気にゲネガーグと距離を取るとエネルギーを溜めた右拳を放って繰り出す「エプシロンバスター」をゲネガーグの角の刃に叩きつけ、ゲネガーグの角を破壊。

 

『エプシロン・・・・・・バスター!!』

「ガアアアアア!!!!?」

 

角を破壊され、それに怒ったゲネガーグは背中をブーストさせて突進し、ゼットに体当たりを喰らわせてそのまま2体はビルを突き抜けつつ空中へと移動。

 

『ウオオオ!!? グウウ、ゼア!!』

 

しかしゼットがゲネガーグの頭部を何度も殴ることでどうにか引き離し、ゼットはアルファエッジに姿を戻す。

 

『ウルトラマンゼット! アルファエッジ!』

 

するとゲネガーグは今までよりもより強くエネルギーをチャージして口から放つ「ゲネバスター」をゼットに向かって放ち、対するゼットも両拳を胸の前で合わせて上下に揃えた後に左腕を左上に、右腕を右下に伸ばして巨大なZの文字を光で描いた後、両腕を十時に組んで放つ必殺光線「ゼスティウム光線」を発射。

 

『ゼスティウム光線!!』

 

互いの光線がぶつかり合い、両者一歩も引かない状態が少しの間続くが・・・・・・。

 

「チェストォ!!」

 

ライが気合いを入れた叫びを上げると、ゼスティウム光線が一気にゲネバスターを押し返し、ゲネガーグに直撃。

 

ゲネガーグは地面に叩き落とされ、爆発するのだった・・・・・・。

 

「複数の光るメダル」を撒き散らしながら・・・・・・。

 

『シュウアアッ!!』

 

ゼットはゲネガーグが倒されたことを確認すると空中に『Z』の文字を描きながら飛び去るのだった。

 

「・・・・・・N?」

 

小さく、菜々がそう呟くが・・・・・・確かに向きによってはその文字はNに見えなくもなかったりするのだが。

 

「それにしても、なんだったんでしょう。 あれは・・・・・・凄かったですけど」

 

その時、菜々の頭の上にコテンッと1枚のメダルが落ちて来て、それに「痛っ!?」と頭を抑えながら地面にそのまま落ちた刀のようなシルエットが描かれたメダルを彼女は拾いあげる。

 

「なんでしょう、これは・・・・・・メダル?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゼットのインナースペース内にて。

 

「あれ? 終わったの?」

『あぁ、お前のおかげだ。 それと、あの怪獣から散らばったメダルを回収してくれ。 あれはこの宇宙を救う希望なんだ! お頼み申し上げます!』

 

ライは「言葉遣いやっぱ変だな」と呟やいていると、辺りが光に包まれ始め、「えっ、今度はなに!?」と動揺してしまう。

 

「ちょっと、ゼット!! ゼットってば!!」

 

やがて、目の前が一瞬光に包まれるとライはいつの間にか倒れ込んだセブンガーの傍に立っており、ライは不思議そうに辺りを見渡す。

 

「んっ? あっ、これ・・・・・・」

 

ライは自分の足下に丁度3枚のメダルが落ちていることに気づき、ライはそれを拾いあげる。

 

「ゼットが言ってたメダルって、これのことか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お〜い!! ライ!! 無事なの〜!!? 生きてるなら返事して!!」

 

その頃、薫子がライを探す為にセブンガーの周辺を歩いていると彼女の元に1枚のメダルが落ちて来て彼女はそれを拾いあげる。

 

「・・・・・・なんだこれ?」

「薫子先輩!!」

 

そこへ丁度彼女の元にライが駆け寄り、それに薫子はほっと一安心して胸を撫で下ろす。

 

「ライ!! 無事だったんだ!! 良かったぁ〜。 でも、よくあの攻撃の中生きてたね?」

「あっ、まぁ・・・・・・その・・・・・・。 ウルトラマンゼットが、助けてくれたって言うか・・・・・・」

 

実際、嘘は言っていない。

 

「ウルトラマンゼット?」

「あぁ、あの巨人の名前みたいっす」

「ふーん・・・・・・ってか、ホント無事で良かったぁ〜。 マジで生きてるよね?」

「も、勿論っすよ!!」

 

一方、そんな2人のやり取りを・・・・・・影から見つめる人物がいた。

 

その人物の手には6枚のメダルが握られているのだった。

 

「フゥーン、なんか、面白くなりそうじゃねェかァ・・・・・・フヒヒ、フハハハ・・・・・・ケホッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、地球防衛軍日本支部怪獣研究センター生科学研究所に所属する青年科学者「土木(どき) アイラ」は仲間達と一緒にゲネガーグの残骸処理を行っていた。

 

しかし、途中躓いて転んでしまい、その際にカプセルに収容していたゲネガーグの破片の一部が飛び出してしまう。

 

「おい、気をつけろよ土木!」

「あぁ、すいません・・・・・・」

 

同僚から注意され、その同僚がその場から立ち去るとアイラは残骸を再びカプセルに仕舞い始める。

 

「うわ、グロい。 気持ち悪いなぁ・・・・・・」

 

そんな時、カプセルの中から昆虫のような「寄生生物 セレブロ」が飛び出し、アイラの顔に突然飛びかかってきたのだ。

 

「うわっ!? なんだよこいつ離れろ・・・・・・!!」

 

必死にアイラは抵抗するものの、セレブロはそのままアイラと彼の身体と自身を一体化させ、完全に同化し、アイラの身体を乗っ取ったのだ。

 

アイラの身体を乗っ取ったセレブロは、カプセルの中に手を突っ込み、そこからウルトラゼットライザーとオレンジ色の石を取り出すのだった。

 

「キエテ、カレカレータ・・・・・・」




ストレイジのヨウコ先輩ポジはそのまんま先輩出すか、オリキャラにするかで悩んだけど、どっちにしてもなんか浮くなと思ったので薫子を登場させました。
ジードサンシャインの美渡みたいなもんですね。
妹の栞子が二期に出るかどうかはまだ分かりませんので現時点で彼女させる予定はないです。
セレブロは名前が同じオリキャラという感じ。

序盤のあの描写はオーブの1話イメージしてますね。
あと80のオマージュでもある。

この作品のストレイジについて
倉名 武を隊長とした地球の防衛チームであるが原作以上に人手不足らしく、高校生のメンバーが2人おり、内1人は民間協力者という立場。
この辺割と無理のある設定だと自分でも思う。
でもストレイジの要素どうしても入れたかった。
結構な欲張りセットな作品になりそう。
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