ようこそ葛城康平に補佐がいる教室へ   作:地支 辰巳

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第二巻始まります!
いまさらですが、他のよう実の二次創作を書いている方々がしてない展開にしたいなぁと思いながら書いています。


第2巻
暴力事件 存在する目撃者


俺はここ数週間部活を早めに切り上げることが多くなっていた。それは生徒会も同様で、他の部活が終わる頃には自由になっておく必要があったからだ。

何故ならこの前に西野がもたらしてくれた情報があったためだ。あんな断片的な情報で信頼性はあるのかという言葉も出るだろうが、実行もしないような作戦をわざわざCクラスの中枢では無い人間二人と龍園が混ざって作戦会議をするだろうか?俺ならそんなことはしないな。

 

そういうわけだから期末テストもイベント事もないこの時期を狙って来るだろうと思い、バスケ部で関わるであろう部活の始まりと終わりにCクラスの三人を見張っている西野から連絡が来るのを待っているのだ。

それでもあの報告を西野から受け取って一週間近く経って、俺は自分の推理が間違っているのではと思い初めて、放課後の時間を潰してしまっている西野にも何か申し訳なってきていた。後日いつもよりも多めにポイントを振り込んでおくか。

 

それで今日も監視カメラの無い場所筆頭の校舎裏で西野からの連絡を待っていると、ついにやっと電話が来た。

 

『もしもし、下関くん今大丈夫?』

 

『ああ、問題ない。それで例の件について進展があったのか?』

 

『うん。小宮くんと近藤くんがDクラスの須藤って人に接触してたんだよね。それでさも偶然のように電話している小宮くん達に近づいてあいさつしたら、聞こえちゃったんだよね須藤くんを特別棟に呼び出したって石崎に電話してるのが、それからちょっと電話ごしに石崎を揶揄って今離れた所』

 

『間に合うか……。西野はそのまま小宮と近藤を追ってくれ、もちろん携帯は録音モードにしてな。俺は先回り出来たらするから、連絡はこれが終わってからな』

 

『了解〜。さてスパイとして頑張ろうかな』

 

俺は西野との電話が切れた事を確認すると、今いる校舎裏からダッシュ特別棟に向かって走った。特別棟に呼び出すことを指示したのも龍園だろう。何をするかは知らないが監視カメラが無い場所は狙うと思って校舎裏を貼っていたんだが、まさか特別棟とはな。おかげでダッシュする羽目になっちまった。

 

 

♠︎ ♠︎ ♠︎

 

 

俺が特別棟に着いた時はまだ誰も居なかったので、とりあえずは一安心だな。

俺は特別棟の2階の監視カメラが無い廊下を見つけるとそこら辺にある教室のドアを開けようとしたが、すべて鍵が掛かっているようで開かなかった。

どうしようかと考えて、ちょうど俗に言う掃除用具入れのロッカーを見つけたので、そこを開けて中身の箒やちりとりを持って三階廊下のロッカーに入れて来て、俺が十分に入れるスペースを確保するとその中に入った。

仕方ない、仕方ない事だ。俺は好きでこの中に入った訳じゃない。心の中で言い訳をしつつ俺は石崎達が来るのを待った。

 

それからどれくらいの時間が過ぎただろうか。気がつくと石崎他二名は見えないが近くにいるようで、俺は携帯を録音モードにして須藤が来るまでの間に作戦の最終確認をしている三人の声を聞きながら録音した。

聞こえてきた作戦の内容はこっちから須藤を挑発しまくって、激情してきた須藤の攻撃を全く反撃せずに受け切って、後日に須藤から一方的に暴力が振るわれたと申告するつもりのようだ。

確かに監視カメラが無いこの場所では、須藤が挑発された証拠も無く殴られたCクラスの怪我だけが出来るので第三者から見るとまるで須藤が悪いみたいに見えるのだ。

これが龍園のやり方ってことか。卑怯で陰湿だが理にかなっているしCクラスには一切のマイナスは無い、あったとしてもDクラスの方が重くなるのは確実。俺もこの作戦には龍園を素直に称賛しよう。

 

俺が考えて事に耽っている間にすでに須藤は来ていたようで、バスケ部の二人は須藤に対してバスケのレギュラーのこととかその他まぁ幼稚な挑発を続けて、それを聞いてキレた須藤が殴りかかったようだ。

 

っ!うわっっ!びっくりした。須藤めこっちに石崎殴り飛ばして来るんじゃねぇよロッカー揺れてびっくりしたじゃないか。思わず声出そうになったよ。

 

その後は作戦通り手を出さなかったボロボロのCクラスの面々と満足そうな須藤がそこに出来上がったようだった。それから須藤が帰る途中わざとらしく石崎が意味深な言葉を残して、それにまた須藤が噛み付いてからやっと須藤は帰って行った。

須藤が帰った後に残った石崎他二名は他から見ればやばい笑いをしながら帰って行ってしまった。俺はこの場所に誰も残っていない事を確認すると掃除用具ロッカーの中から出た。そして携帯の録音を止めてそのまま携帯を操作して西野に対して電話をした。

 

『もしもし、西野そっちの仕事は完了したか?』

 

『もちろん。ばっちりと録音出来ましたよ。それで今からどうしますか?集まりますか?』

 

『ああ、そうしようか。いつものカラオケで集合だ』

 

『了解です。じゃまた後で』

 

通話を終了すると俺はケヤキモールにあるカラオケ店に向かってゆっくりとした足取りで向かった。

 

 

♠︎ ♠︎ ♠︎

 

 

俺が着いた頃にはもう西野はすでに部屋に入って飲んだり食べたりしていた。

 

「遅かったね。何かあった?」

 

「いや、ただゆっくり来ただけだ。それじゃあさっそくだけど録音したやつ聞かせてくれないか?」

 

「分かった。多分ちゃんと出来てるはず」

 

録音したやつを聞いてみると俺が録音したものと変わりない声が入っており、念のために二人で録音する必要も無かったかもしれないな。俺達が録音を聞き終えると西野が何か言いたそうにしてるように感じれたので、聞いてみることにした。

 

「どうしたんだ?何か言うことがあるなら言ってくれよ?」

 

「うん……スパイをやっといて何だけど、あんまりCクラスにマイナスがありすぎる使い方してほしくないなーなんて思っちゃって」

 

まぁスパイをしているとは言え自分のクラスのクラスポイントが大幅に減ったら嫌だろうな。俺からのポイントがあるとはいえ西野も自由に使えるポイントが多い方が良いだろうからな。

 

「ああそれは問題ない。今回俺がこれをした目的はDクラスを無実の罪から救うことでなくて、ただ多くのポイントを得る為にしたことだからな」

 

「へぇーそうだったんだ。先に言ってくれても良かったのに。でも、どうやってこの録音を使ってポイントを得るの?」

 

「多分この事は大事になるだろうから、その時にDクラスは必死になって目撃者探しをするだろうな。そこで情報に対してポイントを与えるみたいな事をするだろう。そこにこの決定的な証拠を渡すとどうなるか分かるか?」

 

「結構な額のポイントが下関くんに向かって払われるってことか。でもその状況に行くまで情報を隠していたってことで下関くんの評価って下がらない?」

 

「匿名の掲示板を使って目撃者を募る場合はそこに送れば問題ないし、そうじゃない場合は新しいアカウントを作ってやりとりするさ」

 

「下関くんって結構悪いよね。それに加担してる私も人のこと言えないけどさ」

 

自分でもやっていることが王道では無く、正義か悪で言ったら絶対に正義に属さないことぐらいは分かっている。分かっているんだけど仕方ないんだ。

 

「……てか、それじゃあCクラスが全面的に悪いっことになってしまうんじゃない?」

 

俺は沈んでいた心を元に戻して、西野の質問に比較的いつもと変わらぬ声音で答えた。

 

「いや、そうはならないと思う。俺が龍園にも同じ録音を送って取引をしてあいつが応じたらだけど」

 

「はぁー下関くん龍園くんからも搾り取るつもりなの?龍園くんはポイントをCクラスのみんなから徴収してあるからめっちゃ多い額になると思うけど、そんなにポイントが必要なの?」

 

「あって損は無いだろうからな。まぁ龍園がこの取引に応じるかは五分五分と言ったところだけどな」

 

「そうそう欲張ったら何も手に入らないってよく聞くもんね」

 

俺と西野はもういい時間になってきたので解散することにした。

さていつぐらいにこれが問題になるかな。

 

 

♠︎ ♠︎ ♠︎

 

 

石崎達が須藤を嵌めた日からそれなりの日にちが経ってあっという間に7月の1日のポイント支給日だ。

だがそうだと言うのにポイントは昨日から増えておらず、まさかいきなり0ポイント支給されましたなんて事はないよな?ま、まぁ、とりあえず教室に向かって康平に聞いてみるか。

 

 

 

「康平ポイントって支給されたか?」

 

「いや、されていないな。どうやら他のクラスも同じようで一年全体だけポイントが支給されていないようだ」

 

へぇー一年全体か……それならトラブルとかかな。しかも、一年だけに関わりのあるもの、じゃあついにあの暴力事件が表沙汰になったということかな?

 

俺は暴力事件のことは一切話さずに葛城派の連中となぜ今月のポイントが支給されていないかを考察したりして真嶋先生が来るのを待った。

 

 

「全員座ってくれ。今回のポイントについて聞きたいことはあると思うがそれについて俺から報告することがある」

 

真嶋先生は来てから早々にそう言って俺たちAクラスのざわざわを鎮めた。流石に何故生徒がざわざわしているかぐらいは分かってしまうよな。

 

「まずはこれを見てくれ」

 

真嶋先生によって黒板に紙が貼られて、そこにはクラスポイントが書かれており俺たちが最後に見た時も増えており、俺たちAクラスは1000ポイント丁度になっていて、あの0ポイントだったDクラスは87ポイントと増えていた。

 

「これは今現在の各クラスのクラスポイントだ。今回中間テストを頑張ったご褒美として全クラスには100ポイントが加算されている。そこから態度などでマイナスした数字が今のクラスポイントということだ。

そして君たちが気になっているであろう振り込まれていない今月のポイントについてだが、今回トラブルが起こっていて一年全体のポイント支給が遅れている。トラブルが解決しだい支給される予定なので安心してくれ」

 

やっぱりトラブルか。十中八九あの暴力事件だろうけど、それが解決するまでは振り込まれないってことか。普通に暮らしていればA.Bクラスは時間が来ればポイントが支給されるが、C.Dどちらかは悪かった方がポイントの減少があるってことか。

俺は今日普通に過ごして終えた。西野から連絡があったがわざわざ今話すのもあれなので近々話すとだけ連絡していおいた。

 

 

♠︎ ♠︎ ♠︎

 

 

ポイントが支給されなかった日の翌日だ。俺の予想では今日か明日ぐらいには担任から事件のことや目撃者を募るなどをするだろうと思っている。まさかそこまでも生徒に一存するなどということはないだろう。

 

「今日はみんなにポイントのことについて報告がある。先日学校でDクラスの須藤とCクラスの石崎他二名との間で所謂喧嘩があった。ポイントの支給が遅くなっているのはこれが原因だ」

 

Aクラスの面々は関係ない所で勝手に起きた喧嘩のせいでポイント支給が遅れたということで須藤や石崎はてはD.Cクラスへのこそこそとした陰口が囁かれた。

 

「ポイントが遅れてまだ解決もしていないということは須藤くんと石崎くんの間で意見が食い違っているということですか?」

 

この空気が気に入らなかったのか坂柳が真嶋先生に向かってほとんどの確率で合っていると思しき意見を口にした。

 

「ああ、そう言う事だ。だから君たちの中でこの事件を目撃したという生徒は居ないだろうか?……もし居た場合は来週の火曜日までに言ってくれ」

 

真嶋先生はAクラスに目撃者がいない事を確認すると期限を残して教室から出て行ってしまった。まぁもし居たとしてもわざわざこんな場所で名乗り出る奴はいないだろう。そこまで正義感に溢れている奴がAクラスにいるとは思えないからな。

 

実際に目撃している俺としてはとりあえずは日曜日か月曜日までは待機予定かな。流石に早々録音を渡すともらえるポイントが減りそうだし、もしかしたら他クラスに目撃者がいる可能性もあるだろうからな。

 

 




オリ主に倫理観はしっかりとあります。
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