ようこそ葛城康平に補佐がいる教室へ   作:地支 辰巳

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投稿ペース安定しなくて、すみません。

前回の話を投稿した後に、日間ランキング30位に入りました!
すごい感謝です。ありがとうございます


相棒 大きい目標と小さい目標

俺と神室が話をして、協力者にしてから、俺自身の気持ちが落ち着いて、やっと改めて話が出来るような状態になった。

 

「ふぅ。なんか色々ごめんな神室。それで、改めて俺に聞きたいことがあるのなら、人に聞かれたくないし、今のうちに聞いてくれ」

 

「じゃあ聞くけど、復讐ってなんか具体的な作戦がある?それと私の役割って何?」

 

神室に痛いところをつかれたな。俺としても人生をかけてでも達成するはずだった復讐が、いきなり目の前に小さくなって現れたみたいな感覚だから、あまり考えられて無いんだけど……。

 

「この学校での復讐の最終目標は綾小路清隆を退学させることだ、それで方法は、いつかあるであろう退学する可能性のある特別試験で退学させるって感じかな。今のところはだけどね。神室には今まで通りに坂柳の隣に居てもらいたいかな。それで得た、俺ら葛城派の情報は流してくれても構わないけど、俺個人の情報を無断で流すのはダメだね。あとは坂柳派の動きを逐一報告してくれると助かる」

 

とりあえず、今のところはこんなところかな?もしかしたら情報を流すのを禁止するのもあるかもだけど、それは追々って感じで構わないかな。

 

「もう一個聞きたいんだけど、ホワイトルームってなんなの?それに綾小路ってあんたがそんなに警戒するほどの相手なの?」

 

綾小路……その名前を言うだけならましだけど、人の口からそれを聞いてしまうと、まだ体が少しだけビクついて反応してしまう。こんなことじゃダメだ。綾小路って名前への恐怖を一刻も早く抑えないと、いつか恐怖で動けなくなってしまいそうだ。

 

「ホワイトルームは人に非人道的なことをして、人工的に天才を生み出そうとしている施設らしい。だからそこで育った奴は感情が無くなるか、壊れる。その中でも最高責任者の息子が綾小路清隆。あいつはホワイトルームの唯一の成功例って聞いた。だから誰かが出来ることは、大抵天才の領域ですることが出来る。そんな人間離れしているから、俺は正面切って宣戦布告なんて出来ない。絶対に……消されるに決まってる」

 

ああ、くそ。また頭に浮かんできてる。俺が忘れたくても忘れられない光景が。

 

「あの綾小路ってそんな実力があるように見えなかったけど」

 

「そうだ。奴は何故か実力を隠してる。誰が挑んでも、例え龍園だろうが、坂柳だろうが、返り討ちにさせる実力を持ってるんだ。そうだ、俺は勘違いしていた、Dクラスのリーダーは平田でも櫛田でも、堀北でも無い。奴だ。綾小路が、裏から支配しているんだ。神室も不用意に近づかない方が良い」

 

「分かった、肝に銘じとく」

 

まぁまだ問題は無いとは思う。俺のことを綾小路が知っている訳は無い。だから敵対していると知られはしない。ましてや、俺がホワイトルームについて知っていると知る方法もないんだから。

 

「神室。俺に言っておくことあるか?」

 

俺は神室が未だに隠していると思われる、坂柳に脅されるている内容を聞き出そうとしていた。神室と坂柳が同じ中学校とか出身では無いとは言っていて、嘘の可能性もあるが……嘘で無いと仮定して、ありそうな内容は犯罪とかだろう。ここまで接して分かったが、神室は根っからのドライな性格だ。だから恋愛関係は考えられない。ありそうなのは、窃盗、万引き、暴力などの犯罪を坂柳に見られてしまったなどか。まぁ予想なので外れている可能性も充分あるが……。

 

「……そういえば、坂柳はあんたのこと、校内一知っているって言ってたけど」

 

……坂柳が俺のことを?知っている?言っている意味が分からないな。俺の交友関係は中学校の頃からしかほとんど存在していないはずだ。それ以前の奴らとは俺もあっちも関わりたく無いと思っているはずだからな。だから、坂柳と俺が直接会ったのは、この高校が初めてのはずだ。

 

「それで、坂柳はそのことについて他に何か言っていたか?」

 

「偶々知ったとか、勝負したい男の子の関係者の間では有名とか。そんなこと言ってた気がするけど」

 

俺が有名な関係者の場所なんて、多分ホワイトルームかそれとも……。だったら坂柳とその父親の理事長はそこら辺関係と見るべきか。だけど、まだ俺に何も言わない辺りから、どの立場にいるのかは分からないな。まぁいずれにしても、俺が綾小路に対して復讐心があるなんて知ってはいないから、今のところは特に問題は無いか。

 

「ありがとう神室。良い情報だったよ。でも、これ以上は無理して探ろうとしないでも大丈夫だから。……よし、そろそろ帰るか。流石にもうDクラスは帰っただろう。綾小路にはあんまり会いたくないし」

 

神室は何か呆れた顔はしていたけど、特に反対することは無かった。帰り道では何か話す訳でも無く二人とも黙っていた。俺は俺から持ちかけたとは言え、いきなり関係性が変わって、今まで通りのような話し方で大丈夫かな?と思って黙ってしまっていた。

 

 

♠︎ ♠︎ ♠︎

 

 

俺らが帰ってみるとベースキャンプの洞窟に帰ると、思った通りDクラスの堀北と綾小路は帰っていたようだった。

その代わりに洞窟の前で俺らを待っていたのは、洞窟内で仕事をしていたAクラスの奴の一人だった。

 

「下関。ここに来たDクラスの奴が伝言を頼んでいたから伝えるぞ。「色々見せてくれてありがとう。でも、体調が悪いのなら、リタイアすることをオススメするわ」だそうだ。しっかり伝えたからな」

 

「ああ、ありがとう」

 

さてと、Dクラスが帰ったことで、とりあえず当初決めていた今日することは達成出来たが、Dクラスに綾小路がいると分かったことで、計画に変更を加えるべきだろうな。当初の予定では、俺が他クラスの実力を大雑把とはいえ、掴んでいたからこそ、2位を狙うという目標を掲げていたのだが、綾小路という実力がヤバいということだけ分かって、具体的な考え方や動き方などが分からない奴がいるだけで、この目標は大きく遠ざかる可能性がある。

 

綾小路に接触してみるか?いや、危険過ぎる。俺が警戒していることを察せられる可能性がある。だけど、このまま何もしないまま一之瀬に一位を譲り、2位を狙ったとして、もしDクラスがBクラスを超えて1位になった場合、Aクラスは3位になって、確実に俺と神室ひいては、康平の評価まで下がることになる。

 

なら、1位を取れるように目標を変更するべきか。Aクラスが1位を取るぐらいのポイントを稼いでいたら、もし綾小路が裏から暗躍していて、ポイントで負けたとしてもなるのは2位ということになる。ここまで考えたのなら、やっぱり俺が取る手段は全員のリーダーを当てて、その上誰のリーダーにも当てられ無いことか。

 

リーダーは康平の方がリーダーに優秀かと暗に匂わせるために2位を取る利益があったのだけど、仕方ないな。最悪、今回のこの特別試験でAクラスが1位になっても、次の特別試験や他の特別試験でも、康平に1位を取ってもらうことをするか。それに、もしも綾小路を本格的に潰すために兵が必要となった場合、今のうちに実力を示した方が、その時にAクラスの人間を自由に使えるリーダーになれる可能性を残しておけるか……。よし、やり方はほとんど変えないが、今回の特別試験は1位を取る気で挑むことにするか。

 

トントンと肩を神室に何回も叩かれていたようで、俺が気づいたと分かると、何か言いたげにこちらを見ていた。

 

「あんた、何か上の空だったみたいだけど大丈夫?」

 

「ああ、ごめん。ちょっとこれからの計画を練っていてね。少し目標は変わるけど、やることは今まで通りで大丈夫だよ」

 

「なら、いいけど。また怯えているのかと思った」

 

「へぇー……ありがとう」

 

ああ、なんか嬉しいな。神室が俺のことを心配してくれるなんて。これまでだって他のやつに心配されたことがあったかもしれないけど、そんな大丈夫だなんて分かった上で言っている大丈夫じゃない。本気で心配されて、言われてるんだって感じる。協力者になったからって、心を許し過ぎか?

 

いや、協力者。協力者かー。勢いで言っちゃったけど、何か違和感があるな。西野だって言うと協力者だし、協力者だってこれから増えるかもしれない。なら、俺と神室の関係の言い方も変えても良い気がしてきた。もうちょっと深い感じが良いかな。その方が浪漫がある気があるな。

 

「神室。これは提案なんだが、俺とお前の関係の名前を変えないか?」

 

「それ何の意味があるの?」

 

「何か協力者ってあんまり濃い関係じゃない気がしてさ、俺の秘密を知っているのは神室だけだから、もう少し深い関係で呼びたいんだけど、どう?」

 

「どうって、私は別に何でも良い」

 

「じゃあ相棒ってのはどうだ?人に聞かれたとしても、そこまで怪しまれないし、一緒にやってやるぜ感があって良いと思うけど、どう?」

 

「じゃあ、あんたと私は相棒これでいいでしょ」

 

「ありがと。やっぱり物事は形から入らないとな」

 

神室と会話ばっかして、仕事をしないのは流石にダメだと思ったので、俺らも仕事に戻り、昨日と同じように8時になるまでに仕事を終わらせたり、スポット確保をしたり、シャワーを浴び終わったりした。

 

 

♠︎ ♠︎ ♠︎

 

 

あっという間に8時になって、昨日と同じようにベースキャンプへとAクラス全員が集まり、今日の成果などを報告し合って、夕食を食べた。

そこでの情報で、Bクラスのスポット確保には女子が多く、女子がリーダーの可能性が高いということ。Dクラスのスポット確保には毎回いるのは平田と櫛田と堀北だということが分かった。Cクラスには特に動きが無いらしい。

それから、明日も同様の仕事をお願いしてから、解散をした。解散してから、他キャンプの奴が残って居ないかを確認してから神室を呼んで、池のスポットに赴いた。

 

「それで、わざわざ寝る前にこんなところに何の為に呼び出したの?」

 

「まぁちょっと橋本のことで、少し話したいことがあってな」

 

「橋本?」

 

俺が橋本の名前を出した途端に、神室は露骨に嫌そうな顔をしていた。そういえば、教室で橋本が神室に話しかけて、半無視されているような状況を何回か見たことがあった気がするな。神室は橋本のことが嫌いってことか。

 

「それがな。あいつ龍園に対して俺らの情報を洩らしているらしいんだよ」

 

「情報を?ああ、多分それ坂柳の任務をやってるだけだと思う」

 

坂柳が事前に橋本に情報を洩らすように言っていたってことか。危ないな。何も対策をせずに動いていたら、情報を守りきれなかったかもしれない。

 

「そうか。それじゃあ、他の坂柳派の奴にも任務が与えられてるってことか?」

 

「うん。橋本と鬼頭は葛城派の邪魔をすること。私も一応その任務あるけど、私個人に言われてた下関と仲良くする方を優先してた」

 

「俺に近づくか……。奇遇だな。俺も神室と近づく任務をしようとしていたんだ」

 

坂柳派も万が一に備えて、中核の人間にしか任務を知らせていないらしい。この方法は確かに情報がバレるリスクは少ないが、その分坂柳から遠い坂柳派の人間は、何が坂柳の責任になっているのか知る術が少ないので、今ところはそこが坂柳派を突くチャンスか……。

 

「一応聞いておくけど、どうやって橋本が洩らしているって分かったの?」

 

「まぁ情報提供者がいるってことだね。日が経てば話すよ」

 

「分かった」

 

その後、俺たちはまた夜中ぐらいにスポットの更新をするため、ベースキャンプへと戻り仮眠をとった。そしてスポット更新をして、眠りについて、2日目が終わるのだった。

 




俗に言う説明回だったけど、2日目は終わった。なんかここまでで結構話数使った気がするけど、無人島終わるまで何話かかるかな……
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