俺の高校生活は四日目になっていた。昨日は本格的に授業が始まったのだが、さすがは進学校といったとこだろうかどの授業もレベルが高くて、眠気を我慢しながら授業に挑むことになっていた。放課後には顔を出せと主将に言われてた通り部活に顔を出しに行って弓道についての説明や、これから共に切磋琢磨することになる同級生や先輩方の紹介。もちろん友達の三宅もいた。
それから弓道の道具を買うと言うことで約15000ポイントぐらい払った。すまない康平ポイントを結構使っちゃったわ。
その他はあまり変わらない事ばかりで日常というのもが固定されつつあった。
そして今日だ。今日も朝から眠っている脳を頑張って起こしながら授業に励んで、やっとこさ昼休みになった。こんな生活が毎日続くとなるとクラスメイトに申し訳なくなるし、監視カメラを教室に発見したせいで中学よりも授業で眠くなっている罪悪感が増している。
一昨日決めた通りに教室の康平の席の周りに集まって購買やコンビニ、弁当などを持ち寄って葛城グループは節約?昼食をしていた。もちろん俺は料理が好きなので昨日に引き続き弁当を作ってきていた。昨日みんなにも少し食べてもらった所好評だったので自信を持って弁当を持って来ている。
そんな食事をしながら雑談をしていると、勢いよくドアが開いたかと思うとそこから自信たっぷりな様子の美少女といっても差し支えない女子が教室に入って来た。
「私1年Dクラスの櫛田桔梗と言います。1年皆んなと友達になりたくてやって来ました。是非私と連絡先を交換してくれませんか?」
多分ここにいるAクラス全員が確信しただろう。この櫛田と呼ばれる女子は本気で全員と友達になろうとしているのだと。その証拠に自己紹介をして直ぐにここにいるAクラスのグループを順番に回っていって交換していっているし、しかも個々のグループ一人一人としっかりと会話をしていっているのだ。
それはさながら優しさを振りまく女神に男子からは見えていたのだろう。
しかしそんな表も裏も良い人間がいる訳がないと思っている俺にはさながら選挙前の政治家にしか見えなかった。俺の心はこんなにも初対面の人間を疑って、腐っているんだろうなと思わざるを得なかった。
櫛田は順調に連絡先を交換して行くと、坂柳のグループのみんなとの交換を終えてこちらにやって来た。ここでもまぁ同じように一人一人と少し会話して連絡先を交換ということを繰り返してついに俺の出番がやってきた。
「櫛田だよよろしく。一昨日三宅君と喋ってたよね?名前は何で言うの?」
「下関涼禅だ。三宅とは中学での知り合いでここでは部活が一緒なんだ。よろしく」
櫛田の『そうだったんだね!』と言う言葉を聞きつつ携帯を差し出し、葛城グループ十人程度と三宅以外に連絡先がなかった所に他クラスの女子の名前が追加された。最初に櫛田を疑った身としては素直に喜んではいけない気がして、なんとも言えない気持ちになってしまった。
それから櫛田は全員から交換し終えると、『ここに居なかったAクラスの人にも私の連絡先を渡しておいてほしいな』と言い残してAクラスから去って行った。
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大体4月の中旬が終わりになってきた頃だろうか今日の弓道部が休みになって放課後が暇になったので、俺は若干忘れていたポイントの色々を真嶋先生に聞くことにした。
部活が無い日はたまに放課後に一緒に勉強するようになっていた三宅には『今日は用事がある』と連絡した。三宅からは『別にいつも約束してる訳じゃないから一々連絡はいらない』と返信してきた。俺としては念のために連絡したんだけど…迷惑だったかな?次からは一々連絡しなくても大丈夫かな。いや、これは遠慮なのか?結局俺はよく考えたけどよく分からないと結論を出して、次からも念のために連絡はしようと思った。
そんな風に考えている内に職員室に到着していた。俺はまだ訪問したことがなかったので少し緊張していたが、気合を入れ直してノックをしてドアを開けた。
「失礼します。1年Aクラスの下関涼禅ですけど、真嶋先生はいらっしゃいますでしょうか?」
俺の言葉に反応して確かDクラス担任の茶柱先生がこっちを向いた。茶柱先生とは別に真嶋先生も居たようなのでこっちに気づいた真嶋先生がこちらにやって来た。
「いきなりどうしたんだ下関。何か聞きたいことがあって来たのか?」
俺が聞きたいことが分かっているのか少しこちらを試すような目をしながら俺の返答を待っている。
「はい、ポイントなどについて色々と聞きたいことが出来たので伺いました」
「そうか分かった。ポイントの話をしたいというのならそこの部屋を使おうか」
俺は真嶋先生に言われるままに指導室に案内された。え、指導室?俺何か聞いたらダメな事でも聞いたのかな?だとしても真嶋先生が入って、入らない訳にはいかないので大人しく指導室に入った。
「そこの席に座ってくれ、飲み物はほうじ茶でいいか?」
真嶋先生に指定された席に座って飲み物には『お構いなく』と言ったんだけど、『遠慮するな』と言ってくださったのでありがたくもらった。
俺はほうじ茶を一口飲んで真嶋先生もほうじ茶を飲んだので俺は質問をすることにした。
「えーと、まず一つ目として生徒会と部活の両立する権利ってポイントで買うことは可能ですか?」
真嶋先生は考えてこむようにしてから質問に答え始めた。
「可能だろうな。しかし、その質問は俺にするのではなく堀北生徒会長にした方が具体的な金額を提示してくれるとは思うぞ」
このような答え方になるってことは前にも同じような前例があったんだろうな。しかもその前例でも生徒会長が金額を決めていたので真嶋先生がこうおしゃっているのだろう。確かに生徒会長に質問するべきだったな。
「確かにその通りですよね、実際に生徒会に入れるかどうかは生徒会長が決めるんですから。なら二つ目の質問にいかしてもらいます。5月1日にはいくらのポイントが支給されるんですか?」
この質問を聞いた真嶋先生は少し笑ったように見えたが、それも見間違えかと思うような真面目な顔で答えてくれた。
「それは分からない。分かったとしても答えることは出来ないな」
「それは確定はされていないと言うことでいいんですね?」
俺の質問に真嶋先生はしっかりとした口調で『答えることは出来ない』と言った。これで俺は確信を得たことになる。毎月のポイントの支給額は分からない。そしてこの学校は実力で学生を測る。このことからポイントの支給額は実力によって決まることになる。そしてその実力とは個人の実力かそれとも…。
俺は自分の考えを確信させるためにまた真嶋先生に質問することにした。
「真嶋先生この学校ってクラス替えが三年間無いんですよね?」
「ああ、そうだ例外なく一切ない」
「ならクラス替えがない理由を説明してもらってもいいですか?」
「ふ、そんな質問をされたのは初めてだよ、だから答えられない。嘘を吹き込むわけにもいかないからな。そしていずれ分かるから答えられない」
真嶋先生の言った答えの意図はクラス替えをしない事に生徒は誰も疑問を持たなかったという事と、いずれみんな分かるから答える必要が無いと言うことなのか…。
この二つから真嶋先生の言うことをまとめるとこの高校には誰も疑問に持たない理由でクラス替えが存在しないということだ。そこから考えると実力はクラス単位で測るということになって、クラス別で毎月支給されるポイントは違うということが分かった。これはあとで康平に報告しておくか。
「真嶋先生はどうしてそんなにもヒントを下さるんですか?」
「自分の受け持つ生徒の優秀さへのささやかな褒美だ。それと下関こちらからも質問いいか?」
俺は生徒思いな良い先生だなと思って、それと同時に先生の質問にもしっかりと答えなきゃなと思い先生へ頷いた。
「下関はリーダーへ立候補しないのか?勉強も平均的に出来る、運動も弓道で全国に行くほどの実力がある。しかもポイントや学校のことについても頭が回る。お前ならリーダーに行く程の実力があると思うんだが?」
いやー先生から直々に褒めてもらえるとは嬉しいものなんだな。あんまり褒められたりした経験が無いから照れちゃうな。んで、何でリーダーに立候補しなかったか……
「先生のお褒めの言葉は嬉しいですけど、俺は今の所リーダーへ立候補するつもりはありません。俺はリーダーをやってるよりも補佐でもやっていた方が好きなんです。気楽ですしね」
俺の言葉に満足したのか、真嶋先生はそれから何も言ってこなくなった。
俺は真嶋先生へお礼と別れを告げると、康平へ今日あったことを連絡した。
それから俺の推理は康平を通じて葛城グループに伝わっていた。
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そして4月も下旬に入った頃。Aクラスはいつもの通りの日を送っていた。
それはこの真嶋先生が担当する3時間目の英語でも同じだと思っていた。
「今日はいきなりだが小テストをするぞ。一応だが心配はするなこの点数は一切成績には関与しないから」
成績にはか…。このクラスでは勉強が得意な奴が多いのかみんながみんな油断せずにいこうとする気合を感じた。さぁて俺も頑張りますかな。
う〜ん、テストが終わった感想を言えばそれなりだった。ラスト3問以外は変なミスさえなければほとんど解けていると思うが、ラスト3問はまじで分からなかった。康平に聞いてもあれは難しい問題だから間違っていても気に負うことはないと言ってくれたが多分康平は解けてるんだろうな〜。
そういえばいよいよポイント振り込みまでもうすぐだな。
どれだけ振り込まれているか楽しみだな〜。
真嶋先生はなんだかんだいって甘い先生だと思う。
次回はやっと5月に入ります。
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