まだまだエタる気はないので気長に待ってくれると嬉しいです。
俺は昼休みにB•Cクラスのリーダーと補佐に接触することに成功していたので、放課後になった今にDクラスへと足を進めていた。
今の所の俺の考えとしてはDクラスは警戒する必要はあるが、まだまだ他の二つのクラスよりは警戒度は下がっているということだ。だけど、朝に三宅から聞いていた通りなら平田と呼ばれるクラスをまとめられる程度の人間は存在しているようなので、それを支えられる補佐がいればいいんだけど……まぁもしいなくても誰か手頃そうなDクラスの人間に情報を集めてもらうついでに、補佐の役割もしてもらうか。
そうDクラスについていろいろと考えを巡らしていると、件のDクラスの教室の前に着いていた。さすがにもう三回目なので緊張もほどほどに俺は扉を開けて声を出していた。
「いきなり押しかけて申し訳ないんですが、このクラスに平田って呼ばれる人はいませんか?」
それなりにいたクラスの人達は俺の言葉を聞いてこちらを向いたのだが、やがてその中から明らかにイケメンと呼ばれる顔とオーラを持っている人物が近づいてきた。
「えっと、僕が君の言っていた平田洋介だよ。初めましてだよね?よろしく」
これはあれだな。すげぇコミュ力が高い人間だな。確か前にもDクラスの櫛田って奴がAクラスに来ていたが、Dクラスはコミュ力が高い奴が多いのか?
「そうだな初めてだな。俺はAクラスの下関涼禅。ちょっと平田と話がしたくて来たんだ」
いや、ちょっと待て何か俺睨まれていないか?平田が歩いて来た所にいる、金髪ロングのギャルぽい感じの子に。あれかな平田の彼女ってやつかな?さすがだなまだ一ヶ月しか経っていないのに彼女を作るなんて。
「うん。もちろん構わないよ。どこかカフェに行った方がいいかな?」
「いや、この教室で問題ない。それで聞きたいことなんだが……まずDクラスって平田がリーダーで合っているか?」
「そうだね。今のところ僕がリーダーみたいな事をやらせてもらってるよ」
謙虚な人間だな。顔も良い性格も良いしかもリーダーシップまである。これってDクラスにいていい存在だとは思えないんだけどな。まぁそれでも勉強と運動が壊滅的だったらありえるかもしれないが……。
「ああ、それで頼みがあるんだけど。このクラスの副リーダーとか補佐とかそういう感じの人紹介してくれたら嬉しいんだけど……」
はっきり言ってこのクラスに補佐的な人物がいるかどうかは微妙だ。俺はAクラスの一部の奴らと違ってDクラスを見下してなんかはいないが、はたして不良品の集まりと呼ばれるDクラスの中に平田と実力の変わらない人物はいるのだろうか。
「う〜ん、副リーダーか……僕の一存ではなんとも言えないけど。みんなは多分櫛田さんだって思ってるんじゃないかな」
あー櫛田か、連絡先は一応持ってるんだけどどうしようかな?いや連絡先を持っているならば大丈夫か。とりあえずこのまま平田とも連絡先を交換しておくか、いつリーダーが変わるか分からないからな。
「分かった櫛田だな。ありがとう。それで平田とも連絡先を交換したいんだけど大丈夫かな?」
「ああ、もちろんだよ僕も他クラスにも友人は欲しいからね」
俺は平田との連絡先交換に成功し、教室内を一通り見渡して三宅や目ぼしい人物がいないのを確認すると教室から出た。
♠︎ ♠︎ ♠︎
俺は昇降口へと行き、そのまま靴を履き替えている間に西野武子へと電話をかけていた。
『もしもし西野か?下関だけど』
『連絡するって言ったけど、言って今日って早い気がするんだけど?』
『連絡は早い方が良いからな。それと要件だけど今から時間って空いてるかな?』
『今からは特に予定は入ってないけど……もしかしてデート?』
『いや、申し訳ないけどその言葉は相応しくないかな?あとで話したいことがあるしケアキモールのカラオケルームの部屋番号送るからそこに来て。もちろん一人で、誰にも言わずに』
『今話すことが出来ないような内容なの?』
『ああ、あっちでしか話せないことだ。どうかな来てくれる?』
『どうせ暇だしねー。分かった』
俺はとりあえず西野と話をする約束が取り付けられて安堵していた。あっちにも得のある話だしこちらにも得のある話なので多分大丈夫だろう。
♠︎ ♠︎ ♠︎
俺はケアキモールに急いで行き、カラオケ店に入ると部屋を取ってその部屋番号を西野に送っておいた。
番号を送ってから大体15分が経ったころだろうか、俺が頼んだジュースを飲んでいてると扉が開いて、西野がやって来た。
「下関くん待った?だらだら来たら遅れちゃった」
うんうん。それなりには待ったが、俺はこの程度で文句を言うほど器が小さいわけではないのでとっとと要件に入ろう。
「いや、全然大丈夫だ。それより何か飲み物でも頼むか?」
「連絡が来てから大体15分経ってから来たけど、下関くんは結構待てるほうなんだ。覚えておくよ。あ、パインジュースでお願い」
こいつ自分がどれくらい遅れたか分かっていながら聞きやがったな。抜け目が無い奴だな。まぁそのくらいの方が俺としても都合は良いのだが。
「さっそくだけど要件に入ってもいいか?」
「うん。早くはなしちゃってよ。結構気になるし」
西野はここにきてから終始嬉しそうな顔をしていて、言葉通りで俺の言うことを今か今かと待っている様子だった。
「単刀直入に聞くけど俺と契約してCクラスのスパイになってくれないか」
「う〜ん……分かった」
「マジで?」
「内容教えてよ、契約内容によるから」
「うん。西野には無理にCクラスの中枢に行かずになんでもいいから集まれるCクラスの情報を集められるだけ集めて毎日俺に報告して欲しい。
俺はこの関係が続く限り西野に月々2万ポイントを支払う。
この関係が君が裏切る形では無くバレた場合の西野の立場は保証する。これでどうだ?」
「う〜ん、月々2万もらえるしいいんじゃない?私から裏切ることは無さそうだからこれでいいと思うな」
「受け入れてくれてありがとうなんだけど、なんで受け入れてたの?」
「特に深い理由は無いかなー。 面白そうだし非日常的な事やりかったからかな?」
西野の性格も大分分かってきたな。面白そうという理由だけで快くスパイを引き受けてくれるということには感謝しているので、お互いに満足いく関係になれれば良いとは思っている。
「連絡は基本的に電話やメールにしよう。そして直接会うのは出来るだけ控えようか」
「そうだね。下関くんとの関係がバレると絶対龍園君から制裁が加えられそうだし」
「じゃあこれから末永くよろしく」
「はい、こちらこそ末永くよろしく」
その後俺と西野は友達がするような雑談をすると、少し時間を置いてから別々にカラオケの部屋から出た。
♠︎ ♠︎ ♠︎
俺が西野との契約を終えたその日の夜に康平から電話がかかってきた。
『もしもし。涼禅か?今出られる状況か?』
『全然大丈夫だよ康平。それで要件は何かな?』
『ああ、すこしお前に頼みたいことがあってな。今日真嶋先生にテスト勉強で使うからと過去問を貸して下さいと頼んだが、それがやけに不自然な断り方で少し気になってしまってな。それで部活で先輩との繋がりがある涼禅から先輩に過去問を借りて来て欲しいんだ。頼めるか?』
『もちろんだよ康平。それでいつまでに欲しいとか期限はある?』
『出来れば今週末までに頼む。すまないな』
『全然大丈夫だよ。じゃこっちの事を任せてね』
その言葉で俺は電話を切った。康平との電話は大体要件が終わった時点で、すぐに切って特に雑談などはしない。それが俺と康平との電話の暗黙の了解だった。
それにしても過去問がもらえなかったか……まぁ貰えない学校もあるよなとすませるのは簡単だが少々違和感が残る。この間の小テストは最後の3問ほど難しいかったのだが、今回もそんな感じで出されるのであれば、範囲外の問題なのでテストなのに百点を取れる確率は限りなく0%だ。
このことからもしかしたら過去問という存在は非常に重要で、最後の難しい問題だけは毎年出される問題が同じで、過去問を入手していた人物にしか解けないようになっているのではないか。
ならばこれが最初の試験ってことかな?確かに少し考えなければ導き出せないので、テストの点数を取るだけを意識していると無理だろう。百点を取れた人物がいたらクラスポイントでももらえるってところかな?
だがこれはまだ康平には話すべきではないかな。早急に二年と三年の先輩の過去問を入手して確信にかえてからだな。だけど多分これぐらいの試験なら龍園なら気付くだろう。せっかくしたスパイ契約だ、使っていかなければ損だからな西野には頑張ってもらうとするか。
綾小路との出会いは迷ってるけどまだ先になる予定です。
無人島まではヒロインなのに神室の出番が少なくなる気がします。