ようこそ葛城康平に補佐がいる教室へ   作:地支 辰巳

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早めに更新出来ました。


過去問 初めてのテスト

俺は康平から過去問の入手の指示を受けた次の日の放課後にさっそく部活中に部活の先輩に過去問がもらえるか聞いてみることにした。

まずは二年のAクラスの男の先輩に聞いてみることにした。

 

「すみません先輩。少しお願いをしたいんですけどいいですか?」

 

「ん、下関がお願いなんて珍しいな。どうしたんだ?」

 

「近々にある中間テストの過去問を持っていませんか?」

 

俺の言葉を聞いた先輩は少し驚いた顔をすると、少し考えるようか動作を取った。

 

「ああ、もちろん構わないぞ。同じ部活の仲間だしもちろん無料でいいぞ」

 

「あ、ありがとうございます!じゃあ後で写真を送って下さい」

 

「おう、任せとけよ。これでテストも楽々だろうけど、頑張れよ」

 

俺は先輩の言葉に元気いっぱい返事をして、部活が終わるのを待った。なぜわざわざ部活が終わるのを待ったかというと、三年の主将に話しかけるタイミングが全然が無くて、仕方なく終わるのを待っていたからだ。

 

「すみません主将。ちょっとお願いがあるんですけどいいですか?」

 

「どうしたんだい下関?ポイントなら貸せないよ」

 

「まだポイントを借りる気なんてありませんよ。それでお願いというのはですね、中間テストの過去問を見せてもらいと思いまして」

 

「へぇー、そうか懐かしいな……過去問か。うんうん良いよ。私のよければ見せてあげるよ。あとで写真で送るよ」

 

「ありがとうございます!こんなにもすぐにもらえるなんて思ってませんでした」

 

「これくらい良いよ。じゃあついでに同じAクラスとしてアドバイスをしてあげるよ。Aクラスとして居続けるためには油断しないことと躊躇しないことだよ。覚えておいてね」

 

「分かりました。優秀なAクラスの先輩からのありがたいアドバイスとしてしっかり受け止めておきます」

 

その言葉で、俺と主将は別れた。それからその日の内に二年の先輩と主将からの写真が送られてきた。

 

そして俺はその二枚の写真に驚くことになった。そして自分の推理が外れていたことにもなんとも恥ずかしい気持ちになってしまった。

なんとその二枚の写真に写されていた問題と答えはほとんどが同じなのだ。俺の推理では最後の難しい問題ぐらいは毎年同じだろうと予想していたのだが、まさかほぼ全ての問題が同じだとは思わなかった。

 

これはこの過去問の存在に気づいたクラスはほとんどがAクラス以上の点数をとるのではないのか?点数がクラスポイントの変動にどのように作用するのかは分からないが、俺が思うに点数はあまり関係ないとは思う。てか思いたい。

 それに問題は他にもある。まずこの過去問を誰にコピーして渡すかだ。康平はもちろんだとして、そこから葛城派までいって止まるのかそれともAクラス全体に配るか迷いどころだな。

 

そして次にいつ配るかだ。CやDだと学力の問題上危ない生徒がいるかもしれないので、過去問を入手していたとしてもテスト当日の三日前から前日までの間に配る可能性が高い。だがAクラスは元々学力の高い奴が多く集まっているので、テスト直前に配るメリットはそこまでない。

だったらいつ配るかだ。坂柳が過去問のことについて気付く可能性は高いが、その上で過去問を入手する前にAクラスに配るのが一番良いとは思う。その場合坂柳が過去問に気づいてようが気づいてまいが公開していなければ意味がないので、過去問を公開した葛城派に少しでも人が来る可能性がある。

 

というわけで過去問は康平とも要相談だがAクラス全員にテスト一週間ぐらい前で公開をする方針でいくか。

 

 

♠︎ ♠︎ ♠︎

 

 

康平にもあの作戦を伝えてもちろんのこと許可をいただいてから日にちが経ってテスト二週間前。やっとのことテスト範囲が発表され、範囲と過去問の問題の範囲が一緒なのを確認して確信を深めている今は放課後のAクラスの勉強会の真っ最中だ。部活は無いのかと言われればあるのだが、もちろんのことあるのだが主将にもしっかりと連絡している。

 

「ふー結構もうしたんじゃないか?そう思わないか下関?」

 

勉強会も中盤に差し掛かって、隣で勉強をしていた戸塚のついに集中力が切れたようだ。

 

「まぁ確かに休憩無しでここまでやってきたからな。ちょっと雑談しながら休憩するか。康平もそうしないか?」

 

「ああそうだな。みんな少し休憩を挟むから15分後ぐらいから再開しよう」

 

康平の号令によってこの勉強会に参加していた葛城派のみんなが休憩に入り始めた。

 

「ふぅーそういえば、下関に聞きたかったことがあった気がするんだな」

 

「そうなのか?戸塚が俺に聞きたいことがあることなんてあるとは思えないけどな」

 

「あ!思い出した。前に葛城さんと同じ中学って言ってたけど、小学生とかそれ以前は違うのか?」

 

「……あ、ああ。俺は中学からは家族の都合で別の県に行ったからな、それでそこの中学にいたのが康平だったから。小学校は全然違うんだ」

 

「確か転校生で一年の途中から入ったきたな。それに中学に入ってからしばらくの間は今よりも暗かったがな」

 

「は、はは。慣れない土地だったからなちょっと緊張をしてたんだよ。でも、今となっちゃそんな暗くなることもないだろう」

 

そんな風に雑談をしていたらいつの間にか15分経ったようでまた康平の号令によってみんな勉強の方に戻っていった。

 

 

♠︎ ♠︎ ♠︎

 

 

そんなこんなで勉強会をしたり、部屋で三宅と勉強をしたりカラオケルームで西野と勉強をしたりなどなど色々していたらいつの間にかテスト一週間前になっていた。

今日だ今日この日に俺たち葛城派はついに動くことになる。事前に真嶋先生に頼んで帰りのHRの時間はもらっているので、その時に入手したAクラス全員に配る予定だ。坂柳派の動向は分かっていないのが少々不気味だが、どちらにしてもAクラスの中立に位置する奴らに配っていないのは分かっているので今回の目的である過去問で支持者を増やそう作戦は問題なく決行出来そうだと思われる。

 

「Aクラスのみんな聞いてくれるか。俺がHRの時間を真嶋先生に頼んで譲ってもらったのはこの中間テストの攻略法が発見出来たからだ。それはここにあるこの過去問だ」

 

教室内が若干だがざわざわとなった。葛城派の中ではこのことは俺と康平以外知らないので他の葛城派はもちろん中立を中心にざわざわとしていた。坂柳派の奴らがほとんどざわざわしていないことから多分もう配り終わっているのだろう。坂柳が坂柳派に配っていなかったら坂柳派にも効果があったと思われるが、さすがにそこまで甘くは無いようだ。

 

「この過去問にある去年と一昨年の初めの中間テストはほとんどの問題が同じだ。このことから今年も同じ問題が出る可能性が高い。なのでこの過去問のコピーをみんなに配ろうと思う。もう持っている人もいるかもしれないが遠慮せずに受け取ってくれ」

 

康平がコピーを列ごとに分けて前の席の奴に置いていき、それが後ろまでまわされていく。みんな遠慮せずにもらっていく。それが本当に必要としている奴もいらないと思っている奴も平等に。

とりあえず中間テストにすべきことはこれで終わったかな?あとは西野から報告されるであろうCクラスが過去問をいつ配るかを聞くだけか。

 

 

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直接会うことは控えようと思っていたものの、勉強を教えてと泣きつかれたので結局このテスト期間中にそれなりの回数会っていた西野と今日も会う予定なので俺はいつも通りカラオケルームで待っている最中だ。

 

「はいー来ましたよ。今日は勉強を教えてもらうことの他に報告することがあるよ」

 

「そうか、やっとか。契約をしてから全然龍園とCクラスの報告がこないからサボってるかと思ったが、ちゃんとしてくれているようで安心したよ」

 

「当たり前ですよ!言われたことはちゃんとしますよ。それより報告で、今日龍園くんから過去問ってのが配られたよ。なんか問題が今年も同じらしいから暗記しとけって言ってけど、下関くんもいる?」

 

龍園もやっと過去問を配ったか……多分もっと前から入手していたがCクラスの基礎学力を上げるために今日テスト三日前まで配らなかったんだろうな。まぁCクラスの王ならこれくらいはしてもらわないとな。

 

「俺はもう持っているからいらないけど、ちゃんとそれは暗記しておけよ。それを暗記さえすれば満点だってとれるんだから」

 

「え、過去問あること知ってたの?なんで、言ってくれなかったの?」

 

「お前に言えば勉強サボる可能性もあったからな。それに過去問配られた時に素で驚いた感じにしてもらわないと龍園に嗅ぎ付けられるかもしれないからな」

 

「ふーん確かにそうかも。流石下関くん色々考えてるね」

 

「まぁな」

 

それから今日は過去問を交えつつ西野と勉強をしまくった。いよいよ中間テストが迫ってきた。

 

 

♠︎ ♠︎ ♠︎

 

今日はついに中間テスト本番だ。Aクラスの奴はみんな気合が入っているようで、ほとんどの奴がいつもよりも早い時間に教室に来ていた。なにを隠そう俺もその一人で、なんだかんだ言っても授業中ほとんど眠気と戦っている分類の人間としては過去問があろうと心配なのだ。

そしてあっという間に時間は過ぎていたようでいつの間にか教室には真嶋先生が来ていた。

 

「欠席が無いようで何よりだ。Aクラスで赤点を取る生徒がいるとは思えないが、今回のテストと期末テストで退学者がいなかった場合君たちには夏休みにバカンスが用意されている。油断せずに励んでくれ」

 

真嶋先生の言葉にAクラスともいえども喜びが隠せなかったのか俺を含め男女関わらずみんなが感嘆の声を漏らしていた。バカンスか〜いいね。昔家族でグアムに行った以来じゃないかな?バカンスって。でもまぁ普通のバカンスじゃないんだろうな。とにかくバカンスはあとで考えてるとしてテストを頑張るか。

 

 

♠︎ ♠︎ ♠︎

 

 

テストは無事に終わった。俺は過去問をしっかりやっていたので問題なかった。部活の時に聞いたが、三宅も櫛田から前日に過去問が配られたらしく全然問題ないという。西野の方も問題なかったようでとりあえずは安心だ。

 

そして今日はテスト結果の発表日だ。万が一にもこのテストで過去問もあった上で赤点になる生徒はいないだろう。

 

「心配はしていないと思うが、今回の中間テストの結果を貼るぞ」

 

教室に来た真嶋先生によって黒板に紙が貼られた紙には今回のテストの結果が載っておりすべての教科に百点がおり、しかもクラスの半分が百点を取っていた。さすがAクラスといったところで、もちろん俺も高得点ばかりでこれには一安心といったところだな。

 

「流石Aクラスといったところだな。この結果に驕ることなく期末テストやこれからも過ごしてくれ。以上だ」

 

真嶋先生が教室から出て行くと共にAクラスの空気も緩やかな感じになって、みんな安心感に包まれていた。

 

最初のテストはこんなもんだったがこれから来るであろうポイントの取り合いとなるようなイベントはもっと熾烈なものになるだろう。それにDクラスの過去問を入手したのが誰なのか。正攻法で挑みそうな平田ではないだろう、聞く通りの櫛田もわざわざ過去問を入手するとは思えない。もっと優秀な人物がDクラスに隠れているような気がする。

 

 




駆け足で進みました。さっさと無人島にいきたいし、Aクラスが中間テストでそこまで苦労があるとは思えませんから。
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