ご注文はうさぎですか?―ラビットハウスの看板姉弟― 作:テクト
これにて一期編完結です。
まだまだ雪の残るある日のお昼。
「行ってきまーす!」
ココア、チノ、雪兎の3人はお出かけしていた。
「見て、雪が積もりまくりだよー」
「最近はずっと雪降ってますからね。あ~、寒い…」
はしゃぐココアとは裏腹に、寒いのが苦手な雪兎は嫌そうな顔をしている。
ココアは、雪かき後の道端に寄せてある雪山に近づく。
「雪うさぎ作るよ!」
「先に買い物に行っちゃいますよ」
「完成ー♪」
「あ、可愛いです」
「心揺れ動くの早くない?」
ココアを置いていくというチノだが、ココアが作った雪うさぎに見とれている。
「このくらいで見とれるとは、まだまだ子どもだねぇ♪」
((どっちが?))
今度は大きな雪玉を転がして大きくしているココアに対して、どっちが子どもだとチノと雪兎は心の中でツッコミを入れる。
「このまま、新学期まで雪が残ってたら、きっと学校で雪合戦だね!武者震いするなぁ!」
「何で武者震い?」
「…クラス対抗戦でもあるんじゃない?」
「でも、千夜ちゃんに玉投げられたらと思うと、ぞっとしてきたっ…!」
「千夜さんのことですから、魔球でも投げそうですよね…」
ココアが千夜との雪合戦を想像し、雪兎も思わず同意してしまう。
しかし、チノは何かに気づいたのか、ココアの顔をじっと見ている。
「…ココアさん。ちょっと腰低くしてください」
「ん?」
ココアは一瞬固まると、腰を落としてファイテングポーズを取る。
「構えろって意味じゃないです」
チノはツッコミを入れると、ココアにこっちに来るように手招きをする。
そして、ココアの肩を掴み引き寄せると、おでこ同士をくっつける。
「すごい熱!」
「えっ!?」
チノの発言に雪兎が驚くと、自分のおでことココアのおでこに手を当てる。
「本当だ!早く戻ろう!」
「ココアさん…」
熱を出しているココアを連れて、二人はラビットハウスへと戻った。
―――――――――――――――――
「ココアちゃん。お大事にね」
「お見舞いありがとうね。色々持ってきてくれちゃって」
風邪を引いたココアを心配して、千夜がお見舞いに来ていた。
「桃缶とリンゴとニンニク…?」
「桃缶、リンゴはともかく、…なんでニンニク?」
千夜は差し入れに、桃缶とリンゴ、紐で数珠つなぎにして輪っかになっているニンニクを持ってきていた。
「ニンニクを首に巻くと風邪に効くんだよね!」
「普通は焼いたネギじゃ…」
「そう!病魔が立ち去るのよね!」
「ニンニクで撃退するのは吸血鬼です」
「それに、匂いが苦手じゃなかったけ…」
「風邪って聞いたけど、大丈夫か!?」
続いて、リゼが皿を持って入ってきた。
「わぁ!リゼちゃんがむいてくれたの?」
「刃物の扱いはまかせろ!チノにリンゴうさぎにしろって言われたけど、これのどこがうさぎか分からなくて」
皿には皮の部分を耳に見立てた、リンゴで作ったうさぎが乗っていた。
「こっちの方がうさぎっぽくないか?」
リゼがもう一つの皿を取り出すとそこには、まるで彫刻のようにぬいぐるみのうさぎの形に掘られたリンゴが乗っていた。
ヘタ周りの部分の皮を残し、ベレー帽に見立てており、何故か手にはつまようじで作った銃を持っている
「すごい!」
「可愛い!」
「普通のうさぎは銃構えません」
「すごいけど、食べ辛いですよねこれ…」
「ココアー。大丈夫?」
「風邪って聞きましたので」
「見舞いに来たぞー」
「この前無理させちゃったから…」
さらに、マヤ、カケル、リク、メグがお見舞いにやってくる。
「4人ともありがとう。お姉ちゃんは大丈夫だよ。ちょっと熱があるだけ」
「早く良くなって、雪だるま作ったり、雪合戦しよ!」
「いいねぇ!」
「しばらくは安静です」
「そうだな。まぁ、この様子だとまだまだ降りそうだしな」
「新学期まで残りそうだよね」
「とにかく、風邪が完全に治るまでは無理だな」
「そうよ。ココアちゃんは今、悪魔と戦っているの!」
「「病魔です」」
「だからニンニク持ってるんだ~」
「そうなの~。十字架も持ってくるんだった」
「いや、風邪引きに対してのチョイスが明らかにおかしいですよね?」
「十字架なら、リゼのナイフの方がかっこいいな!」
「何の繋がりもないだろ。それ」
「あははは!…けほっ!けほっ!」
好き勝手に騒いでいる中学生組を見てココアが笑うが、咳込んでしまう。
チノが近寄り、ココアの額に手を当てる。
「ココアさん、また熱出てるじゃないですか。ちゃんと寝ないとダメです」
「長居しても体に障りますし、ボクらは帰りましょう」
「そうだな。ゆっくり安静にして寝ろよ。みんな行くぞ」
「また来るわね」
「ちゃんと寝ろよー」
「じゃぁなー。早く治せよココア姉」
「ココアちゃん、お大事にね~」
「みんな、ごめんね」
リゼがお見舞いに来たメンバーを引き連れて、部屋を出ていく。
「病人はちゃんと言うこと聞いてください」
「治るものも治りませんよ」
「…ごめんね。チノちゃん、雪兎くん」
珍しく落ち込んだように顔を伏せるココアに対し、チノと雪兎は安心させるように微笑む。
「大丈夫ですから」
「安静にして、早く治しましょう」
―――――――――――――――――
ココアの部屋を後にし、ラビットハウスを出た6人。
リゼ、マヤ、メグと別れ、千夜、リク、カケルの三人で帰路に着いているときだった。
「そういえば、シャロさんはどうしたんです?」
カケルが、お見舞いの場にシャロがいないことに気づく。
「シャロちゃんも風邪を引いてね。今、家で寝てるの」
「え、そうなのか?」
シャロが風邪を引いていたことに、二人が驚く。
「だから、帰ってシャロちゃんの看病しなきゃ」
「…もし、邪魔でなければ、お見舞いに行っていいですかね?」
「俺も!」
「邪魔なんかじゃないわ。ありがとう二人とも」
二人の提案を千夜は受け入れると、足早に甘兎庵へと向かう。
甘兎庵に着いた3人。
千夜は、二人に外で待つように言うと隣のシャロの部屋と入る。
「シャロちゃん!?どうして起きてるの?」
「…寝てても暇なだけだし」
「ダメよ。寝てなきゃ治らないわよ。それに…、二人ともいいわよ」
「「お邪魔します」」
「えっ!?リクくんに、カケルくん!?」
「風邪って聞いてお見舞いに来ました」
「風邪引いてるのに勉強してる…」
千夜だけでなく、リクとカケルが入ってきたことにシャロが驚く。
「か、風邪移したら悪いし、帰って大丈夫よ」
「あら、せっかくお見舞いに来たんだから。邪魔者扱いはダメよ?」
「う、…それはそうだけど」
「さぁ!ニンニクを巻いて、梅干しをおへそに!」
「巻かないわよ!?あんたのおばあちゃんが言う民間療法は絶対間違ってるっ!」
千夜はラビットハウスに持っていったはずのニンニクの首輪を、カバンから取り出す。
「次はへそに梅干し?」
「民間療法って、迷信的なものが多いからね。一応、効果があるものもあるにはあるんだけど」
「へぇ~」
「ニンニクを首に巻いても何にもならないわよね!?」
いくら効果があるものがあるとはいえ、流石にニンニクはおかしいとシャロがツッコミを入れる。
「あのね。治るって思い込みの効果は大事よ」
「…ほんとはこの方法、信じてないでしょ」
「病は気からっていうしな」
「ちなみにプラシーボ効果って、偽薬効果とも言うんだけどね。実際に思い込みは効果はあるんだって」
「へぇ~。じゃぁ、嘘でもないんだな」
「なら、移すと治るって言うのは迷信なのかしら?」
「捨て身の看病だったの!?」
自分の身を捧げてまで、シャロを治そうとする千夜にツッコミを入れる。
「実際は、移った人の発症までと、元の人が治るタイミングが重なるだけで、移せば治るわけじゃないですよ?」
「あら。そうなの?」
「捨て身どころか自滅!?」
「ダメじゃねーか!」
おまけに、カケルの知識も重なり、千夜の行動が自滅でしかないという事実が判明する。
「…二人とも、お見舞いありがとう。移すと悪いからもう帰りなさい」
「でも、大丈夫ですか?何か手伝えることがあれば」
「大丈夫よ。千夜だっているから」
「そっか。じゃぁ、俺らは帰るか」
「うん。シャロさんお大事にね」
「二人ともありがとうね」
二人は席を立つとシャロの家から出ていく。
「あんたも、帰りなさいよ…って、何してんの?」
千夜はベッドにもたれかかると、カバンから本を取り出す。
「寝るまでいるわ。この本読み終わるの時間かかるし」
「…」
友人の気遣いに、嬉しくもあり、恥ずかしくもあり、何とも言えない表情をするシャロだった。
―――――――――――――――――
日も落ち、すっかり辺りが暗くなった頃。
ココアの部屋に、小さな鍋を持ったチノがやってくる。
「リゼさんがお粥を作って帰りましたよ」
「…ち、の…」
「あっ」
ココアの粗い息遣いと言葉に気づいたチノは、テーブルに鍋を置いてココアに駆け寄る。
「苦しいんですか!?私に出来ることだったら、何でも言ってください!」
「ち…、ち…」
「何ですか!?」
「はぁ…、はぁ…」
「ココアさん!」
息を切らしながらも何かを伝えたいのか、言葉を紡ぐココアの手をチノが握る。
「…地中海風オマール海老の、リゾットが食べたいな…」
「…え。…地中海?」
ココアから出てきたよくわからない要望に、チノは一瞬混乱する。
チノはココアの額に手のひらを付けて、熱を測る。
「すごく熱いじゃないですか!?早くお薬を!」
「チノ!風邪薬が切れておるぞ!」
テーブルの上に置いてある風邪薬は、既に空になっていた。
「えっ!?近くのお店はもう閉まっていますし、父は仕事中です。どうしましょう…」
「家が近い千夜に貰いに行くのはどうじゃろう」
「おじいちゃんナイスアイディアです!今から走っていけば、一時間掛からず帰ってこられます!」
「だが、外は雪が積もって危険じゃ…」
窓の外を見ると、まだ雪は降り続けている。
チノはココアに視線を移す。
ココアの方は、顔を赤くし、息苦しそうに眠っている。
「…私、行ってきます!」
チノは決意を決めたように言うと、ココアの部屋から慌てて飛び出していく。
「大変じゃ…!」
チノに続き、ティッピーも部屋から飛び出すが、既にチノの姿はない。
「雪兎!大変じゃ!雪兎ー!」
ティッピーは雪兎の部屋の扉を勢いよく開けて、部屋へと転がり込む。
「おわ!?どうしたのじいちゃん?」
机に向かっていた雪兎が驚いた様子で、ティッピーの方へと振り向く。
「チノが!」
「…え?」
―――――――――――――――――
すっかり薄暗くなり、雪が降り続ける木組みの家と石畳の町を一人、チノは歩き続ける。
道には雪が積もっており、夜ということもあって足跡もない。
チノは雪に足を取られて転ぶが、すぐに立ち上がると、甘兎庵の方へと足を進める。
(たくさん降ってる。朝になったら雪かきをしなくちゃ)
「チノよ。夜道を一人で行く気か?」
「全く。僕がいるんだから、ちょっとは頼ったらどうなのさ」
突然、聞こえてきた声にチノが驚いて振り向く。
「おじいちゃんに。雪兎?」
「うむ」
「うん」
そこには、防寒具を着込んだ雪兎とティッピーがいたが。
「おじいちゃんが雪と同化してどこにいるか分かりません!」
「え」
雪の上に降りていたティッピーは白色の毛をしているので、すっかり雪に中に溶け込んでいた。
「それ、僕も思った。って、はぁ、全く…」
チノの発言に同意すると共に、何かに気づいた雪兎は、チノに近づく。
「な、なに?」
「転んだでしょ。額が赤くなってるし、ちょっと雪が付いてる」
雪兎はハンカチを取り出し、チノに付いた雪を払って、額を優しくハンカチで拭う。
「これぐらい平気」
「平気なのはいいけど、足元に気を付けなよ」
チノはティッピーを頭に乗せてフードを被り、雪兎と共に道を進む。
「ありがとう。おじいちゃん、雪兎。一緒に来てくれて」
「仕方ないじゃろ。チノの大事な姉が、あの状態ではな」
「お姉ちゃんじゃありません!ココアさんはココアさんです!」
からかうようなティッピーの発言に、チノはぽかぽかと頭の上のティッピーを叩く。
「うわ!おい!やめなさい!」
「ストップ!叩くのはダメ。年寄りは労わらないと」
「年寄り扱いするでない!」
「…でも」
「ん?」
「なんじゃ?」
「ココアさんの匂いは、嫌いじゃありません」
「…そっか」
しばらく歩き続けて、甘兎庵へと着いた三人。
その時、シャロの家から千夜が出てくる。
「「千夜さん」」
「チノちゃん?それに雪兎くんも。あら、頭に雪積もらせて…、っと思ったら、ティッピーだったわ」
「あの!風邪のお薬があったら、譲って頂けないでしょうか?」
いつもの調子で喋る千夜を遮るように、チノは風邪薬を譲ってもらうように頼み込む。
「ココア姉ちゃんの薬、全部使い切ってしまって」
「いいわよ。いくつ?」
「「…持ち歩いてるんですか?」」
千夜は何故か、両手いっぱいに風邪薬を持っていった。
「ちょっとね」
そういうと、千夜はシャロの家に視線を移す。
「シャロさん、風邪ですか?」
「ほら、お薬持ってココアちゃんのところに」
こっちは心配ないと言わんばかりに、千夜は薬を渡して戻るように促す。
「はい。ありがとうございます!」
「千夜さん、ありがとうございます!シャロさんにお大事にって伝えてください」
「伝えておくわ。二人とも、気を付けてね」
「急ごう!」
「うん!」
二人は来た道を戻っていく。
「私も急がないと♪」
その様子を見送った千夜は、甘兎庵に入る。
帰り道も、雪は止むことなく振り続ける。
途中で再び、チノが転ぶというアクシデントはあったが、無事にラビットハウスへと戻った三人はココアの部屋へと向かう。
「ココアさん!お薬貰ってきました」
「…あ、チノちゃん。雪兎くん」
「ココア姉ちゃん大丈夫?」
ココアは目を覚ましているが、相変わらず顔は赤く苦しそうな表情をしている。
「少し落ち着いてきた。あれ?チノちゃん、おでこどうしたの?」
「あっ」
ココアはチノの額が赤いことに気づくと、チノは慌てて額を両手で隠す。
(ゆ、雪で滑って頭から転んだって言ったら笑われる!)
「ああ~。雪ではしゃいでスノボごっこしたら転んだんだね。危ないよ?」
「普通に転びました」
「スノボごっこはしてないですね」
ココアの斜め上過ぎる恥ずかしい勘違いに、チノは素直に転んだと言う。
「チノちゃん、雪兎くん。もし、風邪移しちゃったら、私が全力で看病するからね」
「私はそんなにやわじゃないです。リゼさんに鍛えられたので」
「僕も、ここ数年風邪引いてないから大丈夫ですよ」
翌日。
「うぅ…」
頬を真っ赤に腫らして、熱冷ましのシートを額に付けたチノは、ベッドに横になっていた。
ベッドの横ではココアが立っている。
「私の風邪は移らなかったけど、おたふく風邪になるなんて」
「…何故か負けた気がします」
「ちゃんと、安静にしてなきゃダメだよ?今度はお姉ちゃんが看病するからね」
「一人で大丈夫です。熱もまだ微熱ですし…」
「病人はちゃんと言うこと聞かなきゃダメだよ!」
「むー…」
「でも」
ココアは扉の方を見る。
「たくさん看病してくれたチノちゃんじゃなくて、雪兎くんの方に移っちゃうなんてね~」
一方。
「姉弟揃って風邪とはな」
「うぅ~…。頭痛い…」
雪兎もチノと同様に、額に熱冷ましのシートを付けてベッドで横になっていた。
風邪薬を持ったタカヒロが、雪兎のことを看病している。
「お前が風邪を引くとは、珍しいな」
「何で姉ちゃんじゃなく僕に…。だるい~…。しんどい~…」
「まぁ、いい機会だ。しっかり休むといい」
何かと働き者である雪兎には、いい休暇だと思い、軽く笑うタカヒロであった。
数日後。
チノが開店の準備をしていると、リゼがラビットハウスの制服でホールに来る。
「おたふく風邪、良くなったのか?」
「おはようございます。もう治りました」
「まさか、まだ罹ってなかったとはなー。おたふくって、ほっぺがこーんなになるんだよな」
そう言いながら、リゼはチノの頭に乗っているティッピーの頬を引っ張る。
「雪兎も風邪だったんだろ?」
「はい。雪兎もすっかり元気ですよ」
雪兎の話題が出たところで、ちょうど本人がカウンター横の扉からホールにやってくる。
「あ、リゼさん。おはようございます」
「おはよう。風邪はいいのか?」
「はい。もう大丈夫ですよ」
雪兎は腕まくりをするとガッツポーズをして、元気な様子を見せる。
「そういえば、ココアは?」
「まだ、起きてないみたいですね」
「全く…」
寝坊助のココアに、リゼは呆れた様子を見せる。
「ちょっと起こしてきます」
「僕も行くよ。リゼさん、ちょっとお願いします」
二人は揃ってココアの部屋へと向かう。
ココアの部屋では、目覚まし時計が鳴っているが、ココアが起きる様子はない。
「ココアさん。開店の時間ですよ。起きてください」
「…パンが焼けたらラッパで知らせてね~」
「パンを焼くのはココア姉ちゃんの役割では…」
妙に寝言を流暢に喋るココアだが、全く起きない。
「風邪治って、今日から一緒に働くんじゃないんですか?」
「またみんなで働くの、姉ちゃん楽しみにしてたよね」
「よ、余計なこと言わない!」
「…あと、20分~」
再び寝言を言うと、すやすやと寝息を立てだすココア。
どうやって起こそうかとチノが考えていると、雪兎が何かを思いついたのかチノに耳打ちをする。
チノは戸惑った様子を見せるが、同意をしたのか雪兎に向かって頷く。
二人はココアに聞こえるようにすぐ側に寄ると、小さな声を合わせる。
「「おねえちゃんの寝坊助」」
「はっ!?」
「「うっ!?」」
「おっと」
ココアが飛び起きると、近かったチノと頭をぶつける。
頭をぶつけてよろけたチノを、雪兎が受け止める。
「…どうして、目覚ましより小さな声で起きるんですか!?」
「…えへへ、どうしてかな?」
「チノちゃん、雪兎くん。さっきなんて言ったの?」
「…何も言ってません」
「それはですね」
「わぁー!わぁー!」
「え~?」
今日もラビットハウスで新たな一日が始まる。
チノの看病編でした。
ラストということでめっちゃくちゃ悩みまして全く筆が進みませんでしたが、なんとか書ききることが出来ました。