魔法先生ネギま! ―二つの顔は誰の為?―   作:黒薔薇=神羅

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一話

「兄さん待ってー」

 

俺が湖に向かっていると後ろからネギが追いかけて来る

 

「なんだ、付いてきたのか」

 

今は全てが凍える冬、特に此処は山奥に近いのでかなり冷える

 

「お前はまだ魔力運用が微妙なんだから寒いだろう」

 

そう、俺はネギの兄として転生した

 

どうやら時期的には村襲撃前らしい

 

ん?何故どうやらなのかって?

 

それは自分が転生したって言う記憶が戻ったのが生まれてから5年経った誕生日の夜だったからだ

 

あの時のショックっていったら半端なかった・・・軽く混乱したからな

 

そんな風に思っていると・・・

 

「だって、兄さんの魔法がみたいんだもん」

 

そう、俺は湖に魔法の試し打ちに向かっている

 

「んな、見て楽しいものでもないだろうに・・・」

 

俺が呆れて言うと

 

「クチンッ!」

 

可愛いくしゃみをしてくれやがった

 

「はぁ・・・」

 

仕方が無いので俺は自分が来ていたコートをネギにかぶせる

 

「に・・・兄さんが凍えちゃうよ!」

 

いっちょまえに心配してきやがる

 

「お前がもう少し魔力運用上達したら俺も凍えないさ」

 

俺はそう言うと湖に向かう

 

ザクッザクッザクッ

 

俺が雪を踏みしめる音に続いてネギも俺の足跡をたどって付いて来る

 

 

しばらく歩くと水面の凍った湖が目の前に広がる

 

「真っ白だね、兄さん」

 

凍った水面の上には雪が降り積りまるで真っ白のキャンバスのようだ

 

「そうだな・・・」

 

俺はそう言うとネギの方を向き

 

「バリエース・デフレクシオ」

 

小さな杖を取りだして防御の魔法をかけてやる

 

「ありがとう兄さん」

 

「まぁ危ないかもしれないからな」

 

そう言うと俺は湖に向き直り

 

「おぉ、大地よ空よ全て焼き尽くされ等しく無に帰せ・・・燃える天地!!」

 

俺がそう言い杖を前に出すと

 

ドゴォォォォォォォォォォォォン!!

 

赤黒い炎が一気にキャンバスへと向かって行きそのキャンバスをぶち破る

 

ザァァァァァァァァァァァ

 

水柱のように上がった水が降り注ぐ

 

「つっつめたぁ!!」

 

当然のごとく俺はその水を全身に浴びた

 

「にっ、兄さん?!」

 

ネギは障壁を張ってあるので水は被らない

 

え?普通の水は障壁を通るんじゃないかって?

 

魔術式をちょっと変えるだけで防げるのだよ

 

「あー、いや・・・成功・・・かな?」

 

ずぶぬれになりながら俺は開発した魔法の破壊威力に満足していた

 

視線の先にはぽっかりと大きな穴がキャンバスに開いて湖の水面が見えていた

 

「よし、帰るかネギ!」

 

俺はネギを抱き上げて軽く地面を蹴る

 

フワァ・・・

 

俺とネギは一緒に空へとゆっくりと舞い上がる

 

「うわぁ・・・」

 

地上から20メートル当たりで上昇をやめて村の方へと進んでゆく

 

「兄さん!森が綺麗だよ!」

 

ネギが指さす方向を見ると木々が砂糖を振りかけられたかのように白に染まっていた

 

「あぁ・・・綺麗だな・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姉さん居るかー?」

 

ネギを抱えたまま俺は喫茶店に来た

 

「アルジェやはり先ほどの爆音は貴様か!」

 

うわー厄介なのが居た・・・

 

「あぁそうだよスタン爺」

 

「もう少し迷惑というものを考えろ!」

 

あぁ・・・始まりました・・・スタン爺のお説教

 

俺はネギを下ろして姉さんのところに行くように言いスタン爺の話をのらりくらりと聞いていた

 

 

 

 

カロンカロン

 

スタン爺のお説教が終わり帰路に付く時にふと何を思ったのかネギが質問をしてきた

 

「ねぇ、お父さんってどんな人だったの?」

 

「そうねー、貴方のお父さんはね・・・とっても有名な英雄・・・スーパーマンみたいな人だったのよ」

 

「スーパーマン?」

 

「そうよ、ピンチになったら何処からともなく現れて必ず助けてくれるの」

 

「へースーパーマンかっこいいなぁ」

 

「じゃぁネカネお姉ちゃんも助けてもらったことあるの?」

 

「フフフ、それは秘密よ」

 

「じゃが、奴は死んだ。散々無茶やった挙句にお前と兄さんをほったらかしてな・・・馬鹿なやつじゃよ・・・」

 

「スタン爺・・・そんな言い方は無いだろう・・・」

 

「ねぇ・・・死んだって?」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「もう会えないって事だよネギ・・・」

 

「もう会えないってどーゆーこと?お父さんどこか遠くへ引っ越しちゃったの?」

 

「・・・そうね・・・遠い遠い国へ行ってしまったの・・・『死んだ』というのはそう言うことよ・・・」

 

「じゃぁさじゃあさ、もし僕がピンチになったらお父さんは来てくれるの?」

 

「う・・・う~ん・・・そうねぇ・・・」

 

 

「はぁ・・・あなたバカねー死んだ人には二度と会えないのよ。サウザントマスターの子供なのにそんなこともわからないのかしら?」

 

「やぁ、アーニャ」

 

「アーニャちゃんこんにちは」

 

「アルジェントさんとネカネさんこんにちは!」

 

「そ・・・そんなこと無いもん!」

 

おや?ネギ?

 

「お父さんは来てくれるもん!」

 

「あなた本当にバカね!『死ぬ』のイミわかってないんでしょう?」

 

「ほらほら、二人とも喧嘩はダメよ?」

 

見かねたネカネ姉さんが二人を止める

 

「そうね、今日はそんな事言いに来たんじゃなかったわ・・・」

 

そう言うとアーニャは懐をごそごそとやって

 

「ハイコレ、あなたにあげるわネギ」

 

「えっ、これは?」

 

「初心者用の練習杖、あんたも来年から学校に来るんでしょ?生きてた頃のお父さん見たくなりたかったら、ちょっとは練習しておいたら?」

 

そう言うとアーニャは走って行った

 

「よかったなネギ、これでお前も魔法の練習が出来るわけだ」

 

じっと杖を見つめるネギに声をかける

 

「うん・・・」

 

しかしネギは何かを考えているようだった

 

 

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