少女は生まれながらに忌嫌われる存在だった。
少女はその生まれにより全てに拒絶される存在だった。
子供は親を選べない―
少女は親の身勝手な恋によって生まれてしまった。
「帰れー化け物ー帰れー」
村の子供たちが一人の少女を苛めている。
私は上空から精神体のような形で見ている。
石を投げられていた少女は泣きながらどこかへと走って行った。
「お母さん、どうして私は化け物って呼ばれるの?」
銀色の髪をして深紅のような瞳の少女はその瞳で母を見つめて聞く。
母と呼ばれた女性は苦笑いをし。
「彼らはね、外見だけで全てを決めてしまう愚かな人たちなのよ」
母親はそう言うと少女の頭を撫でる。
しかし少女の唯一の理解者も消えてしまう。
夜―
「なんですか!貴方達は!」
どうやら手紙にあった生贄に少女を使うために村人が押し寄せたようだ。
「忌子を渡せ!」
「っ!誰が貴方達の身勝手な小競り合いに娘を渡すもんですか!」
母親はそう叫びクワで村人に襲いかかる。
数人を倒す事ができたが数の暴力には勝てない。
すぐに殺されてしまった。
「っけ、忌子の親がついに本性表しやがった」
死んだ母親にすがりついて泣いている少女を引き剥がしながら言う。
少女を引き剥がし乱暴に母親の体を投げ捨てた村人たちは少女を拘束して村へと運んで行った。
『~~~~~~~~~~~~~~~』
聞いた事の無い呪文を唱える村人たち。
広場に書かれた魔法陣の中心に少女は寝かされている。
『~~~~~~~~~~~~~~~』
身勝手な村人たちは呪文を唱える、悪魔を召喚するであろうと信じた呪文を。
「う・・・ぐっ!あぁぁぁぁ」
少女が弱弱しく呻き始める。
村人は術が最終段階に入ったとみて呪文を唱えるのをやめた。
「あぁ・・・あぁぁぁぁ・・・あああああああああああ!!」
だが、どうやらその呪文は悪魔を召喚するものでは無く、魔力を解き放つものだったようだ。
嵐のような魔力の渦が広場を襲う。
「あああああああああああああああああああああああああああああああ」
無理やり魔力を解放された少女は悲鳴を上げている。
どれぐらい経っただろうか?
その村の村人たちは密度の高い魔力に普段接することのない故に、耐性も無いためどんどん弱って死んで行った。
「これはひどいな・・・」
すると上空から一人の青年が降り立った。
おそらくこれが先ほどの老人だろう。
「これは並大抵の封印ではダメだな・・・」
そう言った青年は彼女に近づき額と両手両足に魔法陣を刻む。
「我の魔力を使い彼女を救いたまえ」
そう言うと五つの魔法陣があわく光り魔力の放出が止まった。
それを確認した青年は少女を抱え空へと飛んだ。
城では青年が悩んでいた。
魔力の放出を止めたが少女が起きないのだ。
もしや自分の魔法が少女の意識まで封印してしまったのではないか。
そう思った青年は少女の意識を読むことにしたようだ。
しばらく少女の精神に入った青年は急に飛び起きて脂汗をかいていた。
「まさか・・・これほどまで全てを拒絶しているとは・・・」
青年はブツブツと仮説を立ててゆく・・・
「全てを否定するが故に、意識を闇に沈めた・・・?
化け物と呼び拒絶する村の子供
母を傷つけ殺した村人
唯一愛してくれた者が消えた絶望
自分が自分を否定する虚無感
これらが彼女の意識が戻らない原因だと青年は推測したようだ。
だが、私は今この光景を見ている。
私は少女の記憶を見ているのであって、あの老人の記憶を見ているわけではない。
少女の意識が戻っていないのであればこの記憶は無いはずだ・・・
もしや?と思い私は精神の接続を切った―
どこか変なところありましたらお教えください<m(__)m>
ではでは感想、指摘・矛盾点等お待ちしております。