アルsid
「らればぶろぶぼぉぉぉ」
悲鳴の後、わけのわからぬ声を出しながら階段を転がり落ちて来るナギ
「グッ」
あ、気絶しましたね
「ナギ?こんな所で寝てはしたないですよ?」
一応声をかけてみるが・・・本当に気絶しているようだ
「はぁ・・・」
「おはようございます、レディ」
「おはようです、変態」
「これは辛口ですね・・・」
昨日助けた?少女が下りてきた
おや?用意しておいた服とは違う物を召していますね・・・どういうことでしょう?
「ほらナギいい加減に起きなさい」
一応声をかけておきます
「朝食、食べますか?」
「在るなら食べます」
それなりにお腹が減っているのではないかと思って聞くと、ちょっと予想外な回答が・・・在るなら・・・ですか
そう思いつつ台所に行き、食器と食べ物をいくつか持って戻ります
その際に起きないナギを数回踏んで・・・
「モグモグ・・・」
いや、結構可愛いですね・・・
「それで、そろそろあなたの名前をお聞きしたいのですが・・・?」
「モグモグ・・・ん・・・」
私が名前を聞くと彼女は少し考え始めました
そうして体感時間で一分立った時
「ギン・・・ギン・インゴット・・・・・・」
「ギンさんですか・・・」
「さん要らない・・・」
ギン・・・インゴット・・・
ギンはおそらく銀でしょう、インゴットはインゴット・・・本名じゃなさそうですね
「そうですか、では私も改めて・・・アルビレオ・イマ、アルと呼んでください」
「ん・・・」
彼女が可愛らしく頷きました、ロリコンでは無いのですが・・・なんかものすごく可愛い気がします・・・
「おぉイテテテテ・・・・」
「やっと起きましたかナギ・・・」
階段から落ちてきたナギが起きましたね・・・
「んあぁアル、嬢ちゃん―ぐはぁ!」
あ、再び地面にひれ伏しました
「ナギ・・・失礼ですよ?お嬢さん―アテ」
私もつられて言ってしまいました・・・
その際に正確に額のど真ん中につまようじがサクッと刺さりました
意外と痛いですね・・・
「ギン・インゴットが私の名前・・・」
彼女がナギの頭を踏みつけつつ言います
というか彼女は女王気質があるのでしょうか?
ものすごく様になってますね
「ギン・・・な・・・分かったから・・・足をどけて・・・」
おや、足を乗せてるだけなのかと思ったらそれなりの力をこめて踏みつけていたようですね
「モグモグ・・・」
「で、食事中に悪いんだがなんであんなところに居たんだ?」
「もぐ・・・」
ナギが聞きますが・・・
「確かに悪いわね・・・で、あんなところに居た理由だっけ?私もわからないわ、気付いたらそこに居たの」
「気付いたらそこに居た・・・ですか・・・」
「転移ってことか?」
ナギが予想できる事を言います・・・が・・・
「いえ、転移の魔力は感じられませんでした」
だとすればどうやって現れたのでしょう・・・
なんか自分で行って謎を深めただけのような気がします・・・
「それに、彼女の魔力は急に出現しました・・・転移だったらもう少しゆっくり感じられるはずです」
「だよなぁ・・・」
これ以上この件は詰めても解決しなさそうですね・・・
「じゃぁどうやってあれだけ強くなった?」
確かにそこも疑問です、5歳ぐらいの少女があれだけの力を持っているのか・・・魔力保有量は基本的に元からなので省きますが・・・
「・・・必要に迫られたか」
口に運ぼうとしたスプーンを戻し彼女が言いました
「必要・・・?子供のあなたにそのような必要が?」
まぁこれも当然の・・・というか先ほどと同じ様な質問ですね・・・
「仕方ない・・・私たちは・・・襲われた・・・人間なのに魔眼を持っていたから・・・」
ふむ、確かに魔眼を人間で宿しているのは普通は居ない、移植やハーフなどの場合はありえるが・・・
「そっか・・・苦労したんだな・・・」
そう言うとナギはギンの頭を撫で始めました
「触るな!!」
少々叫ぶような感じで彼女がナギの手を叩きました
「うおぉ、悪い・・・」
「苦労したんですねぇ・・・」
少し心が痛み涙線が・・・
「というか、あなたに自己紹介してもらって無い・・・」
彼女がナギの方を向いて言います
「あれ?そうだっけ?」
「そう言えばそうですね」
確かに出会いがしらも名乗りませんでしたからね
「ナギ・スプリングフィールドだナギでいいぞ」
そう言ってナギは再び彼女の頭を撫でる
さっき触るなと言われたでしょうに・・・
「だから触るなよ!」
ほら・・・
「悪い悪い、癖でな」
あなたにそんな癖無いでしょう・・・
「で、ギンはどうしたい?
「どうするって?」
予想外の質問だったのかナギを見つめる彼女
「戻る所はあるのか?無いなら俺たちと行かないか?」
そう、そこが問題だ
彼女は力を持っている、魔眼という力以外にもかなり桁はずれなものを
「戻る所は・・・無い・・・」
もしかしたら彼女の力を悪用しようとする奴が出て来るかもしれない
私たちだったら・・・まぁ悪い方向には行かないはずだ・・・
「じゃぁどうしますか?」
「・・・」
「そうすぐには決められないよな、明日には此処を出るからそれまでには決めてくれ」
ナギがそう言い私に目配せをしました
私は目で返事をし共に部屋をでます
途中扉の隙間から見ますが、天井を見つめながら考える彼女は年相応に見えなかった・・・