ヘスティア・ファミリアが大所帯になるのは間違っているだろうか   作:妹めいたなにか

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英雄に憧れる幼き少年(ベル・クラネル)は英雄譚を超えた超人を前に現実を知る


そこ間違えたらあかんやろってところを間違えてた・・・誤字報告ありがとうございます


それは誓った願望を叶えたいほどの憧憬で

ミノタウロスと戦った直後、ベルは失った意識の中で夢を見た。

 

それは自分の原点だ、自分が英雄になりたいと、あの約束をした強く願った誓いの記憶。

 

祖父が自分とそっくりな女の子、クミを連れてきて、「ベルの妹として育てるぞい!」

 

と言って突然増えた妹に困惑しながらも、当時幼い自分には理解できなかったが、村に農地を作り祭壇を設けてお祈りをしていたクミと一緒に土いじりをしていたのはとても楽しかったとベルは思う。

 

祖父が聞かせてくれた英雄譚を一緒に読んでいる時、一緒に食事をしている時、どれもこれもがとても楽しい記憶でいっぱいだった、後クミが来てから野菜と果物とかの作物が凄く美味しい。

 

それにクミは自分によく懐いてお兄ちゃん!とついて回って来ていたが村のみんなにとても微笑ましく見られていたと思う、だがその傍らクミが自らの作物をお裾分けしていた時、みんな首を傾げていたのは、多分作物の出来が凄く早かったからだとベルは今更ながらに気がついた。

 

小さかった頃のベルとてクミには不思議な力があるということはなんとなく知っていた、だってクミが祭壇に祈りを捧げれば、祭壇に暖かな光が降り注いでいるようにすら見えたから

 

「あやつは世界跨いでも太陽神とは違って眷属一途じゃなぁ・・・幸運神がああなったとはいえ、男のヤンデレとか誰得じゃっての。」

 

その光景を見た祖父が呆れてそんなことを零していた、そうした日常の中、ある二人が家に訪ねてきた。

 

アルフィアとザルド、二人ともが祖父の関わりがあるらしく暫く共に住むことになった、その過程でアルフィアが自分の母の姉、叔母に当たると知ったが呼んだその時ゴスペルパンチをお見舞いされ【アルフィアお義母さん】と調整されるに至る。

 

それからの日々は本当に暖かな日々だったと思う、まれに祖父が義母にちょっかいをしでかしては【福音】で祖父を家ごとふっとばし、その度にクミが修理したり、ザルドの作るご飯は美味しいがまれにそんな事が起きて食事がお通夜ムードになったりとしたが。

 

それでも一番忘れてはいけない記憶がそこにある、何度も読んだ英雄譚を読んだ時、ベルはふと思ったことがある、義母やザルドはとても強いのを幼いベルでも知っていた、そうでなければ一言発せば家が吹き飛ぶような魔法を放てるわけがないのだ。

 

それでもふと誓ったことがある。

 

「僕が強くなったら、物語に出てくる英雄みたいに、妹やアルフィアお義母さんを守りたい。」

 

この言葉だけはずっと、ベルの胸の奥、芯で強く鳴り響いている、この何気ない日常で出てくるような子どもの願望。

 

それを聞いたクミはとても嬉しそうに抱きついてきたし、祖父は満足そうに頷き、ザルドはわずかに口角を上げ、義母はなれるものならなってみろ、とだけ言っていた。

 

 

 

 

こう願ったのは、今の日常がベルにとってとても大切で、ずっと続いてほしい暖かな日常だったから、それを守りたいと、子どもながらにベルは願ったのだ。

 

 

 

 

 

 

だから、それが終わりを迎えそうになった時、自分は泣いた、男神や義母達の言う世界のためにとかそういうのを聞いてもそんなものは関係ない、ベルは、家族と一緒に居たかった。

 

そんな時だった。

 

「じゃあ黒竜ってのが居なくなればお兄ちゃんが泣かなくて済むの?アルフィアお義母さん達がここから出ていく必要がなくなるの?」

 

その時のクミの目は、今までに見たこともないほどに、冷たかった、ベルが泣くのが許せないからと、その黒竜とやらが原因でアルフィア達が去らねばならぬならその元凶を倒せばいいとあっさり言ってのけた。

 

「まてクミ、何故お前が黒竜のことを知っている。」

 

「あ、やべ、あの時の話聞かれてたのか。」

 

祖父が頭をかいてそれをアルフィアが蹴飛ばしていた。

 

「黒竜は子どもに倒せるような存在じゃない、ここにいる二人の仲間が、家族が戦って壊滅したほどだ、君みたいな嬢ちゃんが勝てる存在じゃ・・・いやまて、何この子、さっきよりも威圧感すごいんだけど?」

 

男神が正気を疑うようなことを言っていたと思うが、その一言がクミを少し「おこ」にさせた、その時の祖父の顔はあっちゃーとかそんな感じの顔だったと思う。

 

「エレボスよ、この子をその気にさせちまったな?クミよ、遠慮はいらん、クミのやりたいようにやってくるが良い。」

 

「うんわかったおじいちゃん、ザルドさん、3日くらい留守にするから畑の面倒お願いしていいですか?」

 

「あ、いや、構わんが、水やって雑草を抜くだけでいいのだな?」

 

「はい、まだ植えて間もないですから、クミロミ様にもお祈りしてこないと。」

 

「いや、クミロミって、なんで嬢ちゃんアイツのこと知ってんの?てか待って、その農具どっかで見たことあるんだけど?」

 

男神の指摘した農具をしまい、身の丈以上の鎌を取り出し、外に出て素振りをするクミ、その後祭壇に祈りを捧げると、振り返ってベルに笑顔を向ける。

 

「お兄ちゃーん!今からお兄ちゃんを泣かせた元凶殺してくるからちょっとまっててねー!」

 

手を振ったその瞬間、クミは風のように村から飛び出した、というか実際暴風のように速かった。

 

「な、なぁゼウス、あの嬢ちゃん何者だ、あの農具ってどう見てもアレだろう?」

 

「クミロミの寵児がムーンゲートのバグでこっちに来ちまった、それだけの話じゃ。」

 

「何やってんのムーンゲート・・・俺の決意って・・・。」

 

エレボスと呼ばれた男神が頭を抱えていた。

 

「先ほどから話についていけないのだが、クミが実力者なのは知っていた、だがあの娘でも黒竜は無理だろう、何故止めなかった。」

 

「アルフィア、そういう話ではない、黒竜は触れちまったんじゃ、理不尽の逆鱗にな・・・。」

 

「ゼウス、なんであの娘この田舎でのんびりしてんの?」

 

「クミ曰く、尽くせるお兄ちゃんに出会った、それ以外に理由はないとのことじゃ。」

 

「えぇ・・・あの見た目で【妹】なのかよ、きっついなそれ。」

 

「【妹】なんじゃよ、なんでも一回エルフとの交配を経てだいぶマイルドになってアレみたいじゃが。」

 

「そのエルフ肝太すぎないか?俺でも【妹】はゴメンだよ。」

 

「先程から妹、妹と、クミはベルの義妹だろう、まるで妹がわけのわからん存在のように言うのはどうなのだ?」

 

「ザルド、知らないのは幸福なんだ、彼処の神は何を思ってあんなのを産んだんだ。」

 

「さあのぉ、生き別れた血の繋がっていない妹という存在に何かを求めてるんじゃろ、同意はするが。」

 

その一言で祖父はアルフィアに殴り飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

それからクミが飛び出して数日が経った頃、クミは平然と帰ってきた、しかも気がついたらそこに居たかのようにいきなり現れたのだ。

 

「お兄ちゃんただいま!お兄ちゃんを泣かせた黒竜は首を刎ねて挽き肉にしてきたよ!」

 

「挽き肉だと。」

 

畑の水やりをしていたザルドが思わず零す、その顔は盛大に引き攣っていた。

 

「あ、ザルドさんただいま帰りました!畑の面倒を見てくれて本当にありがとうございます!」

 

「いやまあ、これくらいは容易いが、お前今黒竜の首を刎ねて挽き肉にしたと言ったか?」

 

「しましたよ、死体は四次元ポケットにしまってますから見ます?」

 

「何だその神々が好きそうな名前のポケットは・・・というかしまえるのかあいつを。」

 

「えーっと確かドロップしたのは【黒竜の死体】と【黒竜の剥製】【黒竜のカード】、あと腹に飲み込んで消化されてなかった冒険者さんの不壊装備にー。」

 

「いやわかったもう良い、事実なのはわかった・・・。」

 

目元を手で覆いうつむくザルドはベルから見たらとても黄昏れていた。

 

「俺たちの苦労は・・・。」とか「というか死体があって剥製とはなんだ・・・。」などブツブツ零すザルドの肩に祖父が優しく手を置いた。

 

 

 

 

 

 

 

そんな話を聞いている中で、ベルの心に飛来した感情、思い上がりも甚だしい、少年だったベルは現実を知った。

 

自分が守りたいと思ったクミは見上げるのも億劫になるほどの遥か高みの領域に居て、義母もザルドも、世界でも有数と言えるほどの実力者。

 

そんな者たちを守りたい?世界有数の英雄たちを?そんな英雄から次元の超えた領域にいる妹を?

 

何処にでもいる、英雄譚が大好きなだけの自分が?

 

 

 

 

 

それでも、ベル・クラネル(英雄に憧憬を抱く少年)は膝を折らなかった。

 

 

 

 

 

 

その日の夜、ベルはザルドに懇願した。

 

「お願いします!僕を、僕を鍛えてください!!」

 

「お前も知っただろう、クミの世界は、別次元だぞ?」

 

「それでも、あの時誓ったこの願いは嘘にしたくないんです!僕は、家族を守れる、そして誰かの笑顔を守れる英雄になりたい!!!お爺ちゃんが読ませてくれた英雄譚の英雄たちのように!!!」

 

ベルは思いの丈をザルドに吠えた、身の程知らずにも限度がある、それでも吠えてみせたのだ、舞台に上がるための雄叫びを。

 

「僕がどれだけ身の程知らずなことを言っているのか僕自身がよくわかっているんです!!それでも何もしないまま諦めたくないんです!!」

 

使命感だとか義務感でもなんでもない、我儘だ、子どもが吠える駄々に等しいそれは、何よりも少年の魂を熱く燃焼させる。

 

「・・・吠えやがったな、何も知らん小僧が、俺に向かって決意を孕んだ声を。」

 

その時のザルドの顔は、今までの穏やかだった家族を見る顔ではない、一人の男を見定める、戦士の目、ベルは一瞬竦むも、目だけは逸らさなかった、それと同時に部屋に入ってきた一人の女性。

 

「全くうるさい騒音だ、もう少し静かに騒げんのか?」

 

今が夜中で義母もそろそろ寝る時間だというのをすっかり忘れていた。

 

また拳骨でも飛んでくるのではと身構えるベル、しかし、義母もベルの誓いを聞き、その覚悟を問うた。

 

「ベル、黒竜が死のうが死ぬまいが、世界は英雄を欲するものだ、奴が死のうがこの世に蔓延る悪意は山のようにある、だがそれをお前がやる必要などない、はっきり言ってお前に戦いの才能はない。」

 

「何よりお前は、あいつに良く似て優しい子だ、英雄となる道は困難の連続で、努力が報われるとも限らず、英雄譚のように救った相手に感謝されるどころか石を投げられるときもある。」

 

「それでも僕は・・・英雄になりたい!助けられる誰かじゃなくて、助けることのできる誰かになりたい!アルフィアお義母さんやザルドさんに誇れるような、妹を守れる強さを持った英雄になりたいんです!!!」

 

吐き出すことをすべて吐き出した、息が切れている、それでも尚意思は固いまま。

 

「ふぅ、止めるほうが無粋というやつか。」

 

「よもや、あの馬鹿の親からこんな頑固者が産まれるとはな、お前の妹似か?」

 

「ぬかせ。」

 

 

 

 

それからベルは地獄を見た、およそ修行とは呼べぬ程の苛烈な扱き、限界を超えねばギリギリ命が危ないとされるほどの見事に調整された修行内容だった。

 

(それでもやっと踏み出せた。)

 

だがその修羅場を超えられたからこそ、ベルはミノタウロスに勝利できた。

 

何もできなかったあの頃の自分ではない、英雄譚に憧れるだけだった自分ではない。

 

オラリオにはあくまで先人のアドバイスという形で義母が旅に同行した、曰く、あそこまで扱いたお前が何を成すか見届けさせてもらう、正直緊張で縮こまった。

 

オラリオに着いて、冒険者登録をした後、クミと義母には宿で待機してもらっている間、多くのファミリアから門前払いをくらい、数少ないまともなファミリアからは団員を増やす余裕がないと申し訳無さそうに断られた、それでもそんな自分を眷属にほしいと言ってくれた神様が居た。

 

本当に嬉しかった、ファミリアに迎えてくれた神ヘスティアにはどれだけ感謝してもしきれないし、自分が頑張ってこの神様に尽くしていこうとも思った、そして義母にこう言われた。

 

「尽くすだけでは足りんな、ここを私達の居たファミリアのように栄えさせお前を門前払いにした節穴共を軒並み後悔させてやれ、他ならぬお前が目指す道を走ってな。」

 

「はい!!!」

 

まだまだ遠い道だと理解している、三大冒険者依頼をも超えた偉業を成さねば、並ぶことすら許されぬ茨の道。

 

 

だからベル・クラネル(英雄に至る誓いを志す少年)には止まる暇などありはしない

 

 

 

「ん・・・。」

 

意識が浮上する、見慣れぬ天井だ、ベルは少し前の記憶を手繰り寄せ・・・。

 

「そうだリリ・・・あぎっ!?」

 

現状を確認しようと思ったら全身に走る攣ったような痛み、ああそういえば、無理した時基本この痛みが走ったなぁと軽く乾いた笑いが漏れるベル。

 

「ベル、目が覚めた?」

 

「ああ、ナァーザさん・・・ってここは青の薬舗?」

 

「そう、ロキ・ファミリアの人たちがベルを連れてきたのを見て治療ならうちがやるって預かったの、ベルには色々世話になっているから。」

 

起き上がったベルに話しかけたのは犬人のナァーザ、ミアハ・ファミリア所属の薬師。

 

医神ミアハを主神に持つ医療系商業ファミリアだが事情があり今はナァーザのみ所属の貧乏ファミリア状態だ。

 

「費用はロキ・ファミリアが全額負担してくれたからベルはそのまま寝てたほうが良い、精神疲弊を起こして間もないしかなり筋疲労が見られるから。」

 

「あ、あはは、やっぱり相当無理したんですね僕・・・。」

 

「前も【福音】で精神疲弊起こしてうちに精神回復ポーション買いにクミが駆けつけてきたわよね、ベルは無理をしないと死んでしまう病にでもかかっているの?」

 

「そ、そんなことはないと思います。」

 

その後主神であるミアハより少なくとも今日明日はダンジョンに潜るのは禁止を言い渡された、どうやら倒れてそこそこの時間が経っていたらしい。

 

ミノタウロスとの戦いの後、気絶した自分とリリを護衛しながらロキ・ファミリアが救助してくれたらしい、最も話を聞くにミノタウロスの上層進出はロキ・ファミリアからの逃走でありベルはその後始末をした形のようだ。

 

「そういえば、さっきアルフィアさんが来ていて、伝言を預かっているわ、お前には山程説教があるって。」

 

「アッ」

 

今更現状に気がついた、確かにミノタウロスには勝利したが、契約しているサポーターのリリを勝手に放置してミノタウロスと全力で戦い、勝手に気絶、ロキ・ファミリアに救助されてなければ戦えないリリを放って危険な5階層で孤立無援、叱られないほうがおかしい失敗だ。

 

「ベルよ、そなたはまだまだこれからなのだから。あまり無理をしてくれるな、うちを贔屓にしてくれるのは嬉しいがそれにしたって他のファミリアよりも利用回数が多すぎるぞ。」

 

「それでうちの貧乏状態が改善されているからなんとも言えないのが悲しいわね。」

 

「怒られる怒られる怒られる怒られる怒られる・・・。」

 

「ふむ、聞いていないようだな。」

 

「義母って聞いているけど、本当に頭が上がらないのね。」

 

 

 

 

それから帰宅許可が出てホームに戻るベル、そして拳骨とともに始まるアルフィアの説教も終わり、その際様子を見に来たリリも自分の宿に帰っていった、その夜ヘスティアによるステイタスの更新が始まったわけだが・・・。

 

「ベルくーん?ミノタウロスを倒した偉業のせいで君のステイタスが偉いことになってるよぉ?」

 

ため息交じりで用紙を差し出すヘスティア、どうやらレベル1でミノタウロス単騎討伐は相当に上質な経験になったらしい。

 

「ふむ、俊敏含めて収穫祭事の補正抜きでオールSか、まあまあ上がったな。」

 

「アルフィアお義母さん、私がこれ言うのおかしいけどお兄ちゃん相当凄くない?」

 

「すごいどころじゃないよ!?ミノタウロスを倒しただけで、いや、レベル1でミノタウロス討伐をだけで分類して良いのかは微妙だけどさ!なんでこれでランクアップできないのか不思議なくらい上がっちゃってるじゃん!」

 

頭を抱えて唸るヘスティア、そこにアルフィアがさも当然のように理由を話す。

 

「当然だ、こいつはまだミノタウロスを苦戦の上で倒しただけだ、他の有象無象の雑魚を倒しただけで私達が課した鍛錬以上の成果が出るはずがないだろう、ミノタウロスの経験がステイタスに反映はされたが、そんな奴が楽にランクアップできると思うか?」

 

「あ・・・。」

 

そうだったとヘスティアは思い出す、そもそもベルは前提からして神の恩恵なしであらゆる修羅場を乗り越えてきたのだ、それと収穫祭事に補正ステイタスとして現れているわけだが、これが裏目に出ているわけだ。

 

つまりベル・クラネルはステイタスは修行の結果その土台分グングン上がるが、ランクアップはベル自身の土台が既にとても高いため簡単な偉業ではランクアップできないということだ。

 

「つまりベル君はステイタスが早熟するのにランクアップは晩成型ってこと?何この一言で矛盾する状態!」

 

「気にするな。どんな状態でもレベル1なら上層モンスターでも強化個体を数体一人で狩ればランクアップは楽にできるさ。」

 

「アルフィア君、それは楽に分類できないと思うぜ?」

 

「そうかなー装備整えて子犬の洞窟(レベル4相当のダンジョン)で数時間潜ってればレベル2どころかレベル5まで簡単に行けると思うけど。」

 

「君の世界のレベルがおかしいだけだから!こっちでもレベル二桁の冒険者なんてまだ居ないのにさぁ!」

 

数時間でレベル5の領域に行けるなどと言われたら今この都市にいる上級冒険者は軒並み憤死待った無しだろう、ノースティリスの廃人たちはこっちが必死こいて到達する世界を鼻歌交じりに超えていくのだから言葉も出ない。

 

「あ、神様、明日はダンジョンに行かない代わりにギルドに寄ってからヘファイストス・ファミリアで武器を買ってきます。」

 

「ああ、二本とも折れちゃったんだっけ?」

 

「はい、明日はミアハ様に探索を止められたのでどうせなら探索用にいくらか身の回りを整えておこうかと。」

 

「お兄ちゃんまだ軽装も軽装だからねー軽鎧くらいは準備したいよね。」

 

「お前は頑丈なのが取り柄だが、もっと身の回りは整えておけ、今回みたいなことがあったら身を守る鎧は欠かせん」

 

「はい、わかりました。」

 

その日はクミの料理とヘスティアがバイト先での余り物であるじゃが丸くんをみんなで仲良く食べながら一夜を過ごす。

 

「因みにこれは興味本位なんだけど、クミロミの加護のある芋でじゃが丸くん作ったらどうなると思う?」

 

「うーんジャンクフード扱いなので腹は膨れますがステイタスに影響あるかは自信がないです。」

 

「この芋の揚げ物を貪ってステイタスが上がったら噴飯ものだろうよ。」

 

「でもこれ美味しいですね!神様!」

 

「それは最新作のじゃが丸くんたこ焼き風味だね。」

 

「芋の中にタコが入っているのはとても不思議な食感です。」

 

「でもこのたこ焼き風味掲示されてから金髪長髪の女の子がかなり買ってたなぁ。」

 

「メレン港の輸入物のタコでやや高い値段だと言うのに物好きもいるものだ。」

 

クミの手により修繕された教会の中で、ヘスティア・ファミリアの穏やかな食事の時間が流れていたのだった。




Elona世界でじゃが丸くんがあったらフライドポテトと同じくジャンクフード扱いかで割と悩む
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