Vtuberフランドール・スカーレット 作:ピュレルーズンガル
「フラ友のみんな〜、こんフラ〜」
私は配信されていることを確認すると、初配信で決まった挨拶を口にした。
なんか悪役令嬢に転生して野菜作りに邁進しそうな挨拶な気がしないでもないが、別に問題ないだろう。
無難が一番だ。
『野猿インストールしそうな挨拶だなw』『脳内で5人になって会議しそう』『同じ悪役令嬢が5人······くるぞ遊馬!』『こねーよアストラル』
どうやら私と同じように感じた人は多いらしい。
しかし私がそれに反応すると話が進まなそうなので、無視して今回の配信で何をするのかを説明することにする。配信のタイトルや告知するときに説明したので理解している人も多いかもしれないが、初見の人には優しくしないといけないだろう。
「今回は寄せられた質問を読んでいくよ〜」
『読まれろ読まれろ』『届け!俺のクソマロ!!』『クソマロ送んなw』『というかゲームしないのか?』
「よっぽどの内容でなければ質問は短文のものを採用していくつもりよ。ゲームは四回目か五回目ぐらいの予定だから、しばらく待ってね。しばらくは雑談とかして仲を深めたいの」
『仲を深めたい(意味深)』『通報した』『短文ならクソマロでも読まれる可能性があるのか』『えぇ···』『ss送れないやん!!』『文削れよw』『そうすると気持ち悪さが濃縮されるぞ』
「あと、せっかく(神主が)作った設定とか語りたいじゃない」
『草』『正直で草w』『草に草を生やすな』『これは黒歴史ノートの匂いがする』
「最初はこれにしようかな。『その背中の羽根で飛べるんですか?そもそも飛べるんですか?』」
これは似たような内容の質問が多かったので採用した。やっぱりこの異形の羽は気になるらしく、コメント欄でも『気になる』『ほう』『確かに』などといったコメントが散見される。
「えっと···ちゃんと飛べるよ。ただ飛ぶのに使うのは妖力だから、羽は実質飾りかな。一応、羽ばたけるけど」
『草』『やっぱ飾りなのか』『ちゃんと羽のモーションあるのかw』『揚力?』『妖力じゃね』『幼力かもしれない』『言い方的に謎パワーであることは間違いない』
「妖怪の妖に力で妖力だよ。じゃあ、次はこれかな。『吸血鬼の具体的なスペックを教えてください』だって」
『今のところ飛べることぐらいしか判明してないからな』『吸血鬼だし強そう』『設定が自作の時点で察するものがある』『もしかしたら弱いかもしれないだろ!』
実際、東方の6ボスやEXボスの中でという条件付きであればフランドール・スカーレットは下から数えた方が早い、というか最弱クラスと言ってもいい。
まぁ、これはフランドール・スカーレットが弱いというより他がチートすぎるだけだが。
「吸血鬼は鬼のパワーに天狗のスピード、強大な魔力に悪魔の頭脳、それと凄まじい再生力を持ってるのが特徴かな」
『盛りすぎw』『いいとこ取りで草』『たくさん弱点あるから···』『妖力の他に魔力もあるのか』
「別に全ての鬼や天狗が私よりパワーやスピードで劣っているわけじゃないよ。人間という種族を説明するときにトップアスリートを基準に語ったりしないでしょ?」
『なるほど』『基本的には、ってことね』
「他にもたくさんのコウモリに分身できたり、霧状になったりできるよ。これが吸血鬼の共通の能力だね」
『能力多いなw』『共通?』『まさか共通的ではない能力をお持ちで?』『ここから更に盛るのか(困惑)』
「どうだろうね〜。じゃあ、次に選ばれた質問はこれ!『かわいい立ち絵ですね。自作ですか?それとも誰かに依頼したのでしょうか?』」
『答えないんかいw』『聞かれたのは吸血鬼のスペックだからな』『フランちゃんって絵とか書けるの?』
「この立ち絵はお姉様に書いて貰ったものよ。残念ながら私に絵心はないわ。ピアノとかなら出来るけど」
週に2回ぐらい家にあるグランドピアノで東方の曲を演奏して語り合いたいという欲求を鎮めているから、腕は落ちていない筈。
ちなみにピアノが弾けるようになったのは今世からで、習い事としてやらされたからだ。
別に苦には感じたことはなかったが。
小学4年生ぐらいまでコンクールに出場させられたりもしたが、東方の曲を再現する糧になったし、ピアノが上達するのは楽しかった。
『姉がいるのか』『お姉さんって絵師なの?』『ピアノ弾けるのか』
「絵師ではないわ。お姉様は有り体に言えば天才で、何でもこなせる人なの」
その天才っぷりは、私がピアノのコンクールの出場を辞めた原因でもあるくらいだ。
恨んではいない。そもそもが私の努力不足や心の弱さが原因なので、お姉様に否はないからだ。もし恨むとしても、それは己自身だろう。
『ん?』『今何でもって』『座っとけ』『(´・ω・`)ショボーン』
「そろそろ時間だから、次の質問で最後にするね」
これ以上、姉については余り語りたくはないので、コメントのネタや反応をスルーして迅速に次の話題に移すことにした。
これが私の素晴らしい姉を知ってほしいという気持ちと、知られすぎると比べられる恐怖の妥協点の結果だ。別段、私は姉の存在全てを嫌っているわけではない、というか妹として誇らしい気持ちさえあるが、比べられるのはキツいし辟易するのだ。
「最後の質問はこれ!『Vtuberを志した理由を教えてください』!!」
今回の配信を締めるにはピッタリの質問だと思って、最後に持ってきた質問だった。
志した理由?そんなのは単純だ。
それは―――
「―――みんなと(東方について)お話ししたかったからだよ!!」
この世界に『東方Project』なんて作品群のゲームは存在しない。
だけど全く語れないわけじゃない。
僅かな断片とはいえ、もう貴方たちは東方について語れる筈だ。
さぁ、語り合おう。
フランドール・スカーレットについて。
次を書くとしたら現実編について書くと思います。