Vtuberフランドール・スカーレット 作:ピュレルーズンガル
ちなみに作者はApexエアプです
「こんフラ〜、今日はこのゲームをやってくよ〜」
そう言って私はレジェンドと呼ばれる特殊能力者たちがチームを組んで最後の一部隊―――チャンピオンになるまで戦う一人称のバトルロワイヤルシューティングゲームのロビー画面を表示させる。
前から多数のプレイして欲しいという要望があったゲームなだけあって、コメント欄も盛り上がっている。
『きちゃぁぁぁー』『やってくれるのか!』『カジュアルか』『ランクマはやらんの?』
「うーん、そこまでガチでやってるわけじゃないから別にいいかな。あんまりランクマは気楽にやれそうにないし」
『なんとなくスキンでガチじゃないのは察してたわ』『確かに初期スキンだね』『ランクマだと肩肘張っちゃうからな』『気楽にやりたいならカジュアル一択』『ガチじゃない割にプラチナ間近なんですけど···』
「ランクが結構高いのは、ちょくちょくお姉様にランクマ付き合わされてた影響だね。お姉様は結構ガチでやってたよ」
『なるほど』『お姉様はガチなのか』『お姉様のランクって今どこなん?』
「今はダイヤで、頑張ればマスターまでいけるって言ってたかな。私の実力じゃプラチナ以上のランク帯だと足手まといになりがちだったから、お姉様がダイヤに上がってからは全然一緒にやってないせいで詳しくは知らないけど」
プラチナまでならギリギリやっていけたかもしれないが、それ以上は無理だろう。まぁ、どのみちランク差が2つ開いているのでパーティーは組めないが。
『マスター狙い!?』『クッソ強くて草』『置いてかれてて草』『フランは置いてきた』『ハッキリ言ってこれ以上の戦いにはついてこれそうにないからな』『悲しいなぁ』
「そろそろ始めるよー」
そう言って私は準備完了のボタンを押す。
割と人がいる時間帯なので数秒後にはマッチングが完了し、すぐにキャラ選択画面に移行した。
私のキャラ選択の順番は2番目、最初の人は真っ先に小柄で忍者の装いをした幽鬼のような暗い顔の女性レジェンドを選択したのを見届けると、それに続くように私は味方を回復したり蘇生したりするドローンを連れた女性レジェンドを選択した。最後の人は少し迷って索敵や追跡が得意な仮面を被った性別不詳のレジェンドを選びキャラ選択は終了した。
『フランちゃん回復役のレジェンド選ぶのか』『意外』『確かに』『もっと尖ってるキャラ使うと思ってた』
「あぁ、このキャラはお姉様が勧めてくれたから脳死で使ってるの。立ち回りを学べるし、そこまで能力の使い所も難しくないからって」
『なるほど』『あんまりにも能力の応用性が広いと混乱するからね』『回復キャラだから否が応でもチームプレイは身に付くだろうしな』
そんなコメントが流れていくのを目で追っていると、性別不詳のレジェンドが若干サイコパスな雰囲気を感じる声が私の視線をゲーム画面に引き戻した。
どうやら降下ポイントを決めたようで、目印として分かりやすいようにピンが立てられている。
このゲームは飛行船の移動ルートから好きな地点に降下が可能だ。降下ポイントによって物資の量や質が違うが、他の部隊と被る可能性が高くなるので、そこは実力と要相談だろう。
マップはSFチックな白い人工物が多く存在するマップで、他のマップに比べて比較的狭いが高低差が大きい。そのため終盤でも残り部隊の人数が比較的多く残りやすいのが特徴だ。
ピンが立てられた場所はマップの上端にあるドッグ。このマップは中心のアクセスが容易なので挟み込まれやすいので、速攻で物資を回収して他の部隊を狩りに行くという、余程実力に自信がないと不可能な戦術を実行しない限り、マップ中央に降りるのはリスクが高い。
「取り敢えずサブマシンガンかアサルトライフルが欲しいなー」
そんな願望を口にしつつ、私は性別不詳のレジェンドを操る味方と余り離れないように降下する。あのキャラと私のキャラは機動力や逃走能力に優れているとは言えないため、お互いがカバーし合えるような位置に降下した方がリスクを小さく出来るのだ。
逆に忍者の格好をしたレジェンドは逃走能力に優れているため、その手のキャラを選んでいる場合は少し離れていてもリスクを軽減出来る。
「武器は···これかぁ〜」
『なんとも言えない』『ハンドガンか』『まぁ、初動で相手にアーマーないなら···』『ポップアップ付ければ強いから···』『連打するの面倒なんだよなぁ』
最初に拾った武器は単発のハンドガン、単発の割に装弾数が多く連打力さえあれば射撃レートも悪くないが、なんともダメージが微妙な武器だ。
「他に武器は落ちてないし、降下被った敵が味方襲ってるみたいだし妥協するか」
負けた味方のカバーに入ると、味方が素手で粘ってタゲを稼いでいてくれていたので不意打ちが決まり、簡単に倒すことが出来た。
「この武器やっぱ使いにくいなぁ」
思わず最初に手に取った武器のボヤきが口から出てしまった。
シールドが割れている敵に対して大ダメージを与えるポップアップを付ければ選択肢に入らなくはないが、連打が面倒なのだ。しかもそんな面倒なことしなくても強い武器が普通にある。
さっさと適当な武器に入れ替えることにした。
その後、2部隊に挟まれて負けた。
「ふぅ〜、今日はここまでにしようかな」
その後は無事にチャンピオンになったり初動の武器争奪戦に負けて速攻で部隊が全滅したりと色々あったが、長時間のゲームによる疲労を感じてきたので配信を終わることにした。
『結構いい時間だしな』『いい子は寝る時間か』『学校もあるだろうしな』『宿題とかやってる?』『やってるだろ・・・やってるよな?』
「やってるよ~、ちゃんと配信を始める前に宿題と夕食とお風呂はちゃんと済ませてるよ」
『えらい』『つまり配信開始直後はお風呂上がりだったのか』『どうしてそれを早く言ってくれなかったんだ・・・』『言ってどうするんだよ』『知らん、ノリで言った』
そんなコメント欄でのやり取りに少し口角を上げながら私はお別れの挨拶を口にして配信を終了した。
「ふぅ・・・」
きちんと配信が終了したのを確認すると同時に配信の緊張と長時間のゲームの疲れが一気に私へと襲い掛かってくる。
私は一歩も動きたくない気持ちを抑えて椅子から立ち上がり、そしてフラフラとベッドに誘われるように近づいて倒れ込むようにフカフカのベッドへ飛び込んだ。
全身の気怠さが私を夢の世界へと誘おうとするが、今は春の陽気が出てきた頃とはいえ冬の寒さも残っている。しっかり毛布を掛けて私は目を閉じる。
(暖かい)
私は寒さを感じたままだと寝られない。
前世の死んだときのことがトラウマになっており、寒いところで気を失うのが怖いのだ。このまま目を閉じれば死んでしまうかもしれない、この幸せな第二の人生が終わりを迎えてしまうかもしれない、そんな恐怖に包まれてしまい寝られなくなってしまう。
(もしかしたら今も私は夢を見てるのかな・・・)
ふと私はそう思ってしまった。
しかしそんな私の不安が膨れ上がる前に私は眠りに落ちた。
登場人物の名前が微妙に違うのは主人公の暮らしてる世界に幻想などないからです
霊も夢も魔も吸血鬼なんて現実には存在しない
学校の名前が月面も幻想の対義である幻滅のアナグラムです(あと月だから東方の要素に絡めやすそうという何も考えてない思いつきも混じってます)