鋼鉄は泡沫の幻想に坐す   作:柴猫

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死ぬ気でMR100まであげてやっと怨嗟マガドを狩りましたよ
めっちゃカッコいいし鬼強かった。出したいなぁ…でも難しいなぁ…

今更気づいたけどせっかく日常編だからここからネタ多めでいいですよね?




ラルバの道案内で花畑から少し離れた所に来た。

地面は枯れかけた花ではなく、緑色の原っぱに変わっている。丘のここからはよく幻想郷が見え、私の巣も見える。

 

「知り合いの魔法使いがな、古龍は龍属性エネルギーを使って自然の力を体内に無理やり押し込めて能力を行使してるって仮説を立ててたんだがな、妖精としてはどう思う?」

 

「外れって感じかな?私が見た感じだけど、風そのものを生み出してるっぽいね。体の中で風を生んで、角を使って制御してるって感じかな」

 

「なるほどな……パチュリーの仮説はハズレってわけだ。てなると、角をどういうふうに使って風を制御してるんだ?」

 

「さぁ、そこまでは知らないわ」

 

白黒の言葉にラルバは疲れたような声で答えているが、金髪から覗く口は吊り上がっている。何がそんなに面白いのかはさっぱりだが。

 

「あれ?いつもならここで騒霊たちが騒いでるのに、今日はいないみたい」

 

私の頭に立って周囲を見渡すラルバ。

 

「ま、あいつらだって年中演奏してるわけじゃないだろ。それより、さっきの話の続き聞かせてくれよ」

 

「えー、私もう飽きたんだけど」

 

「いいじゃないか。お前ら毎日遊んでるんだろ?その様子でもいいから知りたいんだよ」

 

「私、この龍とあったのは今日が初めてよ」

 

「いいからどんな些細なことでも……え?」

 

白黒が私とラルバを見る。虫でもついているだろうか。

 

「お前ら初対面でそんなに仲がいいのか……」

 

白黒が大きく息を吐きながら言葉を呟いた。白黒は頭から外れかけた帽子をかけ直す。

あっちから一方的に話しかけられるのも飽きてきたころだ、今度は私から話しかけてみるとしよう。やられたらやり返すの原理、と紫が言っていたような気がする。

 

『白黒、お前は弾幕ごっことかいうのが出来るのだよな』

 

「……え?ああ、出来るぞ。人並み以上にな」

 

白黒……?小さな声でそうぼやいていたのも聞こえたが、会話はすぐにまた始まった。

 

「そうかそうか。私の弾幕が見たいのか。いいぜ見せてやる!」

 

会話はすぐに終わった。

 

白黒を中心に、奇妙な形をした弾が四方八方に飛び散る。よく見ると一つ一つ色が微妙に異なり、まるで星空のようである。円形に広がる弾幕を前にしてラルバは私の翼の影に隠れた。

程なくして白黒の弾幕は私にも当たり始めるが、全く痛くない。妖精の放つそれに比べれば衝撃はあるが、私の重さを増した甲殻の前では、塵が当たったような感覚だ。

 

「ちょ、クシャがやめてって言ってる!」

 

「あれ、そうなのか」

 

ラルバがそう言うと、白黒の周りに浮かんでいた模様が消えて色彩の激しい弾幕は霧散した。

私はやめろとは言わなかったのだが、ラルバは私を見ることなく白黒に叫んだ。

 

「ちょっと!質問しただけなのに急に弾幕ぶっ放すとかどういうつもり!?」

 

「いいじゃないか別に。弾幕と聞いたら即撃つのが私の信条だぜ?」

 

「捨てなさいよそんな信条……前に撃ち合った時もそうだけど、小技の癖にあなたの弾幕は威力が高すぎるのよ」

 

あれで高い威力なのか……翼竜の引っかきでももっと威力があるはずだが。

いや、しかしこれが弾幕ごっこなのだろう。あの派手な色の弾幕は、攻撃が来ていると分かりやすい。あれに当たると負け扱いで、先に弾を相手にぶつけた方が勝ち……頭のいい奴らが考えたものらしくない、分かりやすい遊びである。

私でも分かるくらいだから、頭のいい奴らにとってはもっと簡単だろう。

 

「弾幕はパワーだよ、パワー。ちんけでちっこい弾幕よりも、でかくて派手な方がいいだろ?」

 

「限度ってものがあるでしょ……」

 

「やれやれ、頭も体も小さい奴には弾幕の流儀ってやつは分からんのか」

 

「なんだとー!あんただって知り合いの魔法使いの中で一番絶壁で小さい癖に!」

 

「んだとぉ!?よーし、そこに立て。本気の弾幕で地面ごと真っ平にしてやる!」

 

ラルバと白黒が急に喧嘩を始めた。妖精同士で急に喧嘩が起きるのはよくあるが、人間も突発的に起こすのだな。

 

白黒が六角形の、木の色の、中身がくりぬかれた、その中に白黒の円が入った、……小さいなんかを取り出す。一回爪でひっかいたら粉々に砕けそうである。

 

ラルバも翼からムズムズするものをまき散らせて戦いに入る。

……なに?まずい、その粉はダメだ。なめてかかったら全身の殻が砕かれて火だるまになる。

 

『よせ、ラルバ。その粉を引っ込めろ』

 

「なんで?売られた喧嘩は買うのが妖精の流儀よ!」

 

『爆発するぞ』

 

「うぇ!?ばくはつ!?」

 

「何そっちでごちゃごちゃ喋ってんだ!とっくに私の堪忍袋は切れてるぞ!」

 

白黒が手に握った、六角形の、木でできた、白と黒の玉の……なんかから火が出てくる。

まずいそっちだったか。急いでラルバの羽を噛んで、上空に逃げる。

 

白黒は何やら大声を張り上げて、六角形の……筒から炎を放つ。

 

 

 

ドカーン!と派手な音が草原に響き渡った。

上昇をやめて地上を見てみれば、さっきまでいた地面が黒く焦げていた。炎王龍ほどではなく、岩賊竜のブレス程度の、さして避ける必要の無かった爆発だった。これならば避ける必要もなかっただろうが、警戒するに越したことは無い。爆発というのが非常に危険であるのは、幼体の頃からこの身に叩き込まれた教訓だからな。

 

「ひ、卑怯者め……」

 

煙の中から白黒が立ち上がろうとして、しかし力尽きて倒れた。前足をピクピク動かしているので、気絶しているだけだろう。

 

 

「ふ、ふふん。よ、妖精をなめると痛い目に合うのよ!」

 

ラルバがそう言うので咥えている羽を舐めてみると、ラルバはあまり聞いたことのない鳴き声を出しながら地上に落ちていった。

 

 

 

ラルバは物知りな妖精だ。今度からは妖精たちをなめないようにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……随分と派手にやりあったのね、あなたたち」

 

呆れているような口調で言ったのは、黒っぽい頭から二股に分かれた変な角の奴だ。…いや、私も右の角が欠けているし、他の奴をどうこうは言えないか。妙に治りが遅い気がするが、別に気にはならない。暴風を操らなければならないような敵は、ここにはいないからな。

 

「文句ならそこのちょうちょに言ってくれ。こいつ鱗粉をばらまきやがって私の周りで粉塵爆発を起こしやがった。妖精のイタズラの癖に過剰火力なんだよ」

 

「それってあなたが言えることかなー?えいっ」

 

「いっって!?……な、なあメルラン。治療してくれるのは嬉しいぞ。嬉しいんだが……お前その包帯の山はなんだ?」

 

「え?ほら、一人で音合わせしてる時に人間とかが寄って来たときにさー、気づいたらその場で大乱闘が発生しちゃうのよ?それで怪我した人たちの治療に持ち歩いてるのー。大体見えないところまで吹っ飛ばされてて、まいっかってなるんだけどね?今回は役に立っちゃったわね、明日はライブ休もうかなー」

 

明るい色の頭の、球体から小さい角の生えた幽霊が手に白く長い皮のようなものを巻き付けながら、白黒の周りを回っている。

私は当然人間達の言葉は分からないが、魔理沙が理解不能といった表情であるのは分かる。あれか、にほんごとエイゴの違いというやつか?おそらくだが、それに近いような気がする。

 

「……ねえ、キーボードの騒霊さん。あの人はなにを言ってるの?」

 

「んー?ああ、あれはいいんだよ、気にしなくて。メル姉はいつもあんな感じだから」

 

「魔理沙がなんかミイラにされかけてるけど、あれは?」

 

「あれもいつも通り。むしろあれするためにソロ練習やってるまであるよ。あなたもあんなイタズラはしないようにね」

 

「……クシャはあれやりたい?」

 

『なぜ私に聞くのだ』

 

獲物をぐるぐる巻きにして食べるのは蜘蛛だけである。そこまでして肉は欲しくない。鉄のお供として時々でよい。

ラルバと話していた、赤い頭に魔理沙の弾幕に似たものを乗っけている奴が、私と同じ目線で話しかけてきた。

 

「それにしてもこれが古龍種かー。思ってたより小さいのね」

 

「私たちの家の二階に届くくらいって聞いたのに、リリカと背丈が同じって……私また騙された?」

 

黒い奴が赤い奴に寄ってきて、私より少し高い目線から私を見下ろす。

 

ラルバが粉塵爆発を起こした後、爆音に驚いたのか突然こいつらが出てきたからすぐに小さくなった。

小さい奴はそこまで警戒されない。それは人間や妖怪相手でも同じらしく、初めて会う奴らには小さいままで接触しろと隠岐奈に言われたことを、花の妖怪に会ったときに思い出したのだ。

あれとは大きいままで会ってしまったが、出会いがしらには襲ってこなかった。それを見て私は心配事が一つ減ったのだ。

 

あれはかなり強い。もし奴と真正面から殴り合っていたら、撃退はできたであろうが残っていた角は確実に折られる。そういう直感があったのだ。あれは縄張り意識みたいなものが高いが、縄張りを荒らさなければ殺気立って襲ってはこないだろう。縄張りの外で会おうが即座に攻撃してくる金獅子にも見習ってほしい生存方法である。

 

「バイオリンのお姉さんは騙されてないわ。今のクシャはわざと小さくなってるのよ。大きいままだと私たちと話しにくくなるから」

 

「え?古龍種ってそんな雲入道みたいなことできるの?」

 

「小さくなれるようになったのは、偉そうな神様がクシャにそういう能力をあげたんだって」

 

「……随分変わった趣味をお持ちの神様もいるのね」

 

 

 

その後、爆発から逃げるときに思ったより噛んでいたラルバの羽を舐めて整える。きれいな羽だ。あの冥灯龍ほどではないが、にが虫や不死虫に比べればかなり鮮やかだ。

白黒と幽霊三人はやかましく喋っているが、ラルバ曰くあの幽霊たちは騒霊という普通の幽霊よりうるさい奴ららしい。納得である。

 

 

羽の手入れを終えたその時、空から何かが降ってきたので、私は首を曲げて躱した。

 

「うぅ……」

 

「うわ!鈴蘭の妖怪人形だ!」

 

ラルバがそう言ったのは、空から飛んできた赤と黒のちっこい奴。毒気が抜けたようにのびており、表面がねばねばとしている。

すると、幽霊たちが何かに気づいたように空へ飛びあがった。奴らがいた場所に、緑色のギョロ目が翼をはばたかせて飛びおりた。

 

「おお、こいつが噂に聞いたプケプケか!」

 

「そうよ!そして私たちのライブを邪魔するお邪魔虫!」

 

白い布に巻かれた白黒……今はもう真っ白か、が先の六角形の円柱を構えるが、ギョロ目はそちらには目を向けず、そこで倒れているちっこい奴に視線を向ける。

 

 

口腔から吐き出された紫色のブレスが、小さな妖怪にめがけて飛翔する。

その軌道上には、妖怪に近寄っていたラルバがいた。

 

「わわ!」

 

毒のブレスは液状。飛翔中にあまり飛び散っていない、固められた毒塊だ。

私は自慢の翼を勢いよく振り上げつつ角に力をこめ、突風を巻き起こす。毒塊はバラバラに飛び散り、辺りの草が紫色に濡れる。右角が無く、体が小さくともあの程度の速さの物体なら弾ける。

突然ブレスが霧散したことに驚いているギョロ目に対し、地面を駆けて迫る。私の奇襲に慌てたのか奴は口を開けて毒々しい色の舌を突き出してきた。

遅い。舌を掠めるように少し横にずれ、そのまま奴の首根っこに噛みつく。もちゃもちゃとした緑の羽が口の中に絡みつくが、離す選択肢などない。

 

 

 

妖精は死んでも蘇る。人間や妖怪相手に無謀ないたずらを仕掛けて殺されたという話は何度も聞いた。妖精たちは死ぬことを真面目に考えていないし、イタズラの領域を超えた喧嘩を売るような真似をしでかした妖精のほうが悪い。

妖精と話せるようになってから、仇とやらを討ってくれと言われたことがあるが、そんなものに何の意味がある。

 

このギョロ目はあの妖怪をいじめて遊んでいたのだろう。そこにもう一匹遊べそうなやつが出てきたからまとめていじめようと攻撃をした。強い奴はその力を見せるため、弱い奴をいたぶるように攻撃する。故郷で積み上げた経験則の一つだ。それ自身は否定しない。昔の私もよくやっていたことだ。

 

だがこいつの場合、私と波長の合う妖精を目の前で、反撃でもなく一方的に攻撃したのが悪かった。

 

 

 

奴の首に牙を食い込ませ、勢いよく持ち上げる。小さくなっていても筋肉などは元の姿と同じと隠岐奈は言っていた。本来の私の背丈よりかなり小さいこいつの体を持ち上げるのに、何ら苦労はないだろう。

空いている鼻から毒気混じりの空気を吸い込む。肺の中身が空気で満たされたので、もがくギョロ目を空へと放る。

 

 

羽ばたく隙も与えずに口からブレスを放ち、ギョロ目を空の彼方へと吹き飛ばした。

見る見るうちにギョロ目は黒い点となり、やがて遠くの森へ落ちていった。

 

 

「……これがほんとの上昇気流だったのね……」

 

後ろで黒い奴がそう言ったのが聞こえた。意味は分からん。




*プケプケ君は生きてます。奇跡的に。もう二度と空飛べなくなったけど。
ちなみにクシャがミニ八卦炉を言うときのセリフ。分かる人います?
ヒント:FPS解説の人

作者の執筆意欲が消えて投稿を再開できるかもかなり怪しいので、今後のプランをどうすべきか、読者の方々の意見を聞きたいです。

  • このまま続ける(頻度は相当落ちる
  • モンハン東方で新しく書き直す
  • モンハン東方はもう出さなくていい
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