鋼鉄は泡沫の幻想に坐す   作:柴猫

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東方新作来ましたね!
なにやら龍に関する言葉が出てたので、幻想郷の龍に関して何か判明するのかも……?
モンハンもRISEが来ますし、これからも退屈しなさそうです……!




その後、クシャルダオラの元には多くの人妖が訪れた。

 

興味本位で訪れる者どもも多くいたが、幻想郷の実力者達は翻訳者に頼り、出来る限り多くの情報を得ようとした。

既に人里の貸本屋で製本された、かの世界に関する書物も行き渡り、実力者達の鋼龍への警戒度は低くなっていった。

 

だが、まだ完全に警戒を解くわけにもいかない。

一部の者たちは、魔法使いが拾ってきた本に書かれたクシャルダオラと、幻想郷に今いるクシャルダオラに、かなりの差異があることに気がついていた。もしかしたら、今私たちが目にしている鋼龍は、一般的なそれではないのかもしれない。そもそも生態系を超越した古龍に普通、異常の線引きをするのもいささかおかしな話だが、妖怪たちも普通の生態系からは外れている存在。彼らに関してより細かい違いを気にするのも、〝ここでは〟おかしなことではないのだ。

 

 

 

 

 

 

博麗神社

普段から多くの人妖がたむろする、妖怪寄り合い所とも呼ばれてしまうような場所だが、今日は特にその数が多かった。

 

紅魔館の吸血鬼、妖怪の山の天狗に、神様。命蓮寺の僧侶たちに、霊廟の仙人。珍しいところでは、どこの勢力にも属していない鬼などの姿もあった。

 

「ちょっと、ここは妖怪のたまり場じゃないのよ」

 

「硬いこと言わないでちょうだいよ、霊夢」

 

「そうだな、私たちのような仙人もいるんだから、十把一絡げに妖怪扱いされるのは困るな」

 

「人外の集まりには変わりないじゃない」

 

「話が終わればすぐに帰りますから、我慢してくださいよ。それに、もしかしたらこの問題は、幻想郷全体に関わるかもしれないのですよ?」

 

霊夢の苦言に対し、レミリア、神子、白蓮は許してくれるように言う。家主の許可を得ずに勝手に集合時間を決めて集まってくるのもどうかと思うが、まあ、ここでは日常茶飯事なのだろう。霊夢もそれ以上は何も言わなかった。

 

本来顔を滅多に会わせないはずの幻想郷の実力者達が何故、こうも一同に会しているのか。

言うまでもなく、あのクシャルダオラのことについてである。

 

「まあ、さては何より有意義な情報収集をしましょうよ。皆さんもそのためにここに来たのでしょう?」

 

「あら、それならあなた達から言うべきなんじゃない?アイツが来た時に一番早く動いたのは天狗でしょう?いい情報を持ってると思うけど」

 

「見ただけでは何なのか分かりませんよ。運命を見れるあなたなら、たかが二週間ほどの観察よりよっぽど情報を持っているでしょうに」

 

しかし、そこは幻想郷。一癖も二癖もある者どもが集っているのだから、そう簡単に話は進まない。

この状況を手早く終わらせたのは、山の仙人 茨華扇だった。

 

「よしなさい、私が一体何のためにあの龍とあなたたちの翻訳をしてきたのか」

 

「まあ、そうだな。早く情報交換をしよう。我々も暇では無いだろう?」

 

八坂神奈子も同調し、ひとまず場の空気は落ち着いたようだ。

 

「では、我々天狗から……

一週間程前に月の民の探査船を襲って以来は、基本的に移動はしませんでした。日を追うごとに妖精の数も増えていましたが……クシャルダオラが妖精に危害を加える様子も見られませんでした」

 

「私たちが見たときは百匹以上いたぞ?あんなに大勢いて、よくうっとうしく感じてないんだな」

 

「彼女自身は妖精には敵意は抱いてないようだったわ。理由は彼女もよく分かっていないようだったけど」

 

射命丸文の報告に、魔理沙と華扇が付け足すと、次にレミリアが口を開く。

 

「あいつの辿ってきた運命は、かなり凄かったわよ。光り輝く巨大結晶みたいなのが見えて、あいつはそれに魅入られてたようね。それを守るために何百年以上、戦い続けたようね」

 

「何百年もの闘争を生き延びた、歴戦の王といったところか?ただ能力の強大さだけが取り柄では、無いようだな」

 

「それと、戦ってきた運命の中に興味深い奴がいたわね」

 

「興味深い、ですか?」

 

白蓮の質問に、レミリアは少し考え込むように答えた。

 

「そう……全身に棘が生えてて、頭に巨大な双角みたいなのが生えた、悪魔みたいな奴。あれも古龍なのかしら、何百回とクシャルダオラと戦ってるのが見えたわ」

 

「全身に棘……頭に巨大な角……?」

 

「どうしたの、文」

 

「いえ、なんでもありません、続けてください」

 

と、ここで話し合いに新たな者が出て来た。

 

「あー、ちょっといい?」

 

「何よ萃香。あんたそいつのこと知ってるの?」

 

萃香と呼ばれた少女は、およそその容姿には似合わない酒瓶を傾けて、話し始めた。

 

「多分、そいつ直接見たことある」

 

「ええ!?」

 

「というか、戦ったこともある」

 

「はあ!?」

 

「え、ちょっと、良いんですか萃香さん?」

 

「別にいいじゃん、お前らも〝五百年前のあの時〟と同じこと起こしたくないだろ?だったら、ここで腹割って話した方がいいじゃん」

 

萃香の言葉に文は引き下がったが、他の者はちんぷんかんぷんといった様子である。

 

「その様子を見る限り、お前たち鬼が山にいたころに起きたんだな。五百年前のあの時とは?」

 

「ああ」

 

「そして、それはあんたたちが外部に漏らしたくないことでもある……そうよね、天狗?」

 

神子とレミリアの疑問に、萃香と文は肯定した。

 

「ねー、私たちその事知らないんだけど」

 

「私もです。文さん、五百年前にその龍と何があったんですか?」

 

諏訪子と早苗の言葉に文は意を決したように口を開いた。

 

 

 

「……まだ、萃香さん方が山を統治していた頃です。いつもの日常にアイツは来たんです。

レミリアさんのおっしゃる通りの風貌の、まさに悪魔。いや、それ以上に恐ろしい存在でした。そいつは、妖怪の山を悉く壊してきたのです。

当時妖怪の山にいた格の高い妖怪や、鬼の皆さんもそいつを討伐しようとしたのです。ですが…………

誰一人、生き延びることはありませんでした」

 

 

最後の方は文の肩が僅かに震えていた。その様子から、聞いていた者たちもこれはただ事ではないことを確信した。

 

「酷いもんだったよ。殺された奴らは針山地獄の罪人みたいだった。あたし達もアイツを殺そうとしたが、相当に手強かった」

 

「山の四天王であるあんたが苦戦するなんて相当だったようね」

 

「……お前に言われるとなんか腹立つな。まあいい、それで妖怪の山だけじゃ解決できそうにないから、他の奴らの力も借りて、何とか討伐出来たってわけさ。まさか、新顔の龍のライバルだったとはねえ」

 

「それでは、天狗たちが隠したがるのも無理は無いな」

 

そして天狗の話からもう一つ、新たな事実が浮かんできた。

 

「あの世界から来たモンスターは、クシャルダオラが初めてじゃない……」

 

霊夢が呟き、他の者たちも話し始める。

 

「それで、他に何か異常はあったのか?」

 

「いいえ。あいつ以外に何か未知の存在が来たことは確認されていないです」

 

「その襲ってきたやつが、クシャルダオラの奴と戦ってたやつと同じ、ってことは分からないけれど……もしかして、クシャルダオラの住んでた地が、何か特殊なのかしら?」

 

「可能性は捨てきれないわね。彼女に話しかけてみたのだけど、彼女の故郷は古龍の生体エネルギーが収束した場所、と言ってたわ」

 

「その古龍の生体エネルギーって何なのですか?」

 

「聞いてみたけど、彼女曰く『始まりの力』としか分からなくて……」

 

「……聞くだけ無駄だったわね」

 

話し合う彼女らに、豊聡耳神子が話の流れを割るように入った。

 

「ひとまず、私が聞いた限りでは奴にここを攻撃する欲はなかった。まるで隠居しに来た嫗のようさ。彼女を無理に幻想郷から追い出す必要は無い、ということでいいかな」

 

全会一致というわけでも無かったが、神子自身の能力と、もしくは才能ゆえか、異端者だらけの会合はひとまず無事に終わりを告げた。

 

 

 

 

 

その頃クシャルダオラは

 

『ZZZ…』

 

いびきをかいて昼寝していた。




ネルギガンテですが、歴戦個体です。頭も結構回っていましたが、妖怪の頭脳戦には勝てず、死亡。
あと魔理沙の編纂書ですが、古いものなので新大陸のモンスターや載ってないモンスターも多いです。


ではまたいつか

作者の執筆意欲が消えて投稿を再開できるかもかなり怪しいので、今後のプランをどうすべきか、読者の方々の意見を聞きたいです。

  • このまま続ける(頻度は相当落ちる
  • モンハン東方で新しく書き直す
  • モンハン東方はもう出さなくていい
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