ゲーム世界の敵キャラに憑依したから死なないために奮闘する   作:赤山大和

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ダンジョンに入る前にあるセーブポイント。転職まで出来るのはサービスが良い。

微かな光が差す暗い地下道を歩く。

屋敷の地下にこんな場所があった事が以外なのが皆物珍しげに周りを見ている。

 

地下道があるとは聞いてはいても実際に通ると別なのだろう。

 

此処にいる人数は俺にカタリナ、シエル、マリス、ミリス、セレナ、カナタ、アロマの8名だ。

 

 

ニーナには屋敷の方で紅獅子の皆が戻って来た時の対応をお願いしている。

少なくともこの地下道に繋がる地下室に紅獅子の面々が入らないようにしてもらう。

 

まぁ、俺達が入らないときは封鎖するつもりではあるが。

 

「それにしてもずいぶんと長い通路ね」

 

 

「この地下道はダンジョンへの道を隠す為と有事の際に逃げる為の隠し通路でもあるからな。最悪の場合はダンジョンの中に立て籠る事も考えて造られているらしい」

 

「ダンジョンに立て籠るですか」

 

普通ならば考えられないのだろうがな。

 

「領民の反乱や他国との戦争、暗殺による命の危険等に対する最後の手段だけどな」

 

 

ダンジョンの魔物達を相手にしている方が命の危険が少ないという前提とダンジョン内でサバイバルが出来る実力があることが前提だが。

 

「確かに最後の手段ですね。しかし、立て籠る事が可能なダンジョンなのですか?」

 

ゲーム的にはわからないが出てきたモンスターが食べられるなら可能だろうな。

 

「それはさすがにわからない。あくまでも手記にそう書かれていたというだけだからな」

 

 

「あ、それもそうですね」

 

「それよりも見えて来たぞ」

 

 

通路の先にある閉じられ扉。

扉には我がガーゼン家の紋章が彫られている。

ここら辺はゲームと同じか。

 

「閉じられていますね。それに鍵などもありません」

 

マリス達が扉を押してみるが何の反応もしない。

ここら辺もゲーム通りか。

 

「このダンジョンはガーゼン家の一族の為のものだからな」

 

 

屋敷で見つけた指輪をはめガーゼン家の紋章に触れながら魔力を流せば紋章が光り扉が開いていく。

 

このダンジョンはゲームでは三男のアルトを仲間にしてなければ入れないダンジョンになっているんだよな。

 

特定の仲間がいなければ入れないダンジョンというのが幾つかあるのだがこれはその一つ。

 

イベントではゲオルグの婚約であるエリスを仲間にしないと入れないダンジョンとアルトを仲間にしなければ入れないダンジョンのどちらかしか入れないようになっている。

 

因みに大半のプレイヤーはエリスを仲間にする。

イベントの都合で仲間に出来るのもアルトかエリスのどちらかでキャラクター的にはエリスの方が戦力になるし、エリスに仕える二人のメイドも仲間に入るからだ。

 

ただし、こちらのダンジョンとエリスを仲間にして入れるダンジョンではこちらのダンジョンの方が良いアイテムが手に入る。

 

 

「さて、入るぞ」

 

開いた扉をみて驚いた皆が慌ててついてくる。

 

 

そして、入った扉の先は大きな部屋になっており奥にはダンジョンの先へと進む為の扉があるのだがそれよりも眼を引くのは部屋の中央に置かれた女神像だ。

 

ゲーム的にはこの部屋でセーブが可能となるがこのセーブポイントではもう一つの機能がある。

 

「ゲオルグ様。この女神像は教会の女神像ですよね」

 

 

「その通りだ。そして、この場所では教会でのみ可能とされる転職が可能だ」

 

その言葉に皆が驚く。

 

転職。ジョブチェンジ。

ゲームでは神殿で無料で行えるのだが現実となったこの世界では教会に多くの金銭を払い可能とされる。

そのため、貴族や武功を上げた国の兵士、もしくはランクを上げた冒険者でなければ転職は出来ず一次職のそれも産まれついてなっていた職業から変える事がなかったりする。

 

本来ならば俺や彼女達のジョブは早めに変えておきたかったのだが大金がかかる為に此処まで待った。

 

「そんな事が」

 

 

「ま、俺が先ずは試すさ。全員、特に奴隷の皆は転職してもらうぞ」

 

女神像に触れれば現在の職業と転職可能な職業を提示される。

 

今の俺の職業は《貴族》これは特殊職扱いされるがステータスの伸びが良い訳ではない。《高位貴族》ならばステータスの伸びも悪くないからそのままにしたのだがな。

さて目的の職業はと……うん開放されているが少し予定外の職業が出ている。俺が目的としたのは《奴隷使い》これは出ている。出現条件も奴隷を五人以上購入するというもので奴隷系のキャラクターに補正をつけられるものなのだが予定にない《外道貴族》という職業が出ている。

 

これはゲームの敵キャラ。

しかも貴族系のみがなる職業。

敵キャラ限定の上にかなり強い職業なはずなのだが何故出現している?

 

まぁ、出ているならばステータス等を考えてこれしかないだろ。

 

『《外道貴族》にクラスチェンジしました』

 

「ぐっ」

「くっ」

「なに、これっ」

 

俺のクラスチェンジと共にカタリナと奴隷達、それにセレナ達の首筋に紋様が浮かぶ。

何らかの魔法敵な繋がりが出来たのか。

奴隷であるシエル達はわかるがカタリナやセレナ達もか。

 

ステータス等を確認すると皆のステータスが少し上がっている。

説明がある《外道貴族》のスキルか。

《契約と制約》契約を結んだ奴隷や恩や金銭で従えた相手を従属させる。従属れた相手は逆らう事は出来ないが契約により力を得る。

 

これをそのまま告げるのはまずいか?少し言葉を濁すか。

 

「落ち着け。それは俺が転職して得たスキルの影響だ。簡単に言えば俺に従う相手が俺に害をなしたり逆らったり出来ない代わりに力を得るというものだ。俺としても予想外ではあるが」

 

その言葉に驚く一同。

 

「奴隷使いや魔物使い等の職業は奴隷や魔物のステータスが上げるスキルがあると聞きます」

 

「なるほど。この首輪はゲオルグの奴隷の証で私達のステータスが上がったって訳ね」

 

「ん、力が溢れてくる」

 

全員のステータスが見えるが確かにシエルのステータスは二割増し位になってる。かなり強力な強化率だ。

 

カタリナやセレナ達は困惑しているが奴隷であるシエル達に戸惑いはないみたいだ。そういうスキルのある職業についたと思っているのだろう。

 

 

「とりあえず、全員転職を試してなれる職業を教えてくれ。どの職業にするかはこちらで指示する」

 

 

そういうと一番にシエルが女神像に触れる。

 

「えっと今の職業が《奴隷》それで転職出来るのが《奴隷戦士》と《メイド》と《戦姫》ってなってる」

 

奴隷に堕ちた時点で職業が奴隷なのはわかっていたがな。奴隷戦士は普通の戦士と変わらない。メイド系は先に期待出来るから基本的に悪くない職業だが戦姫が出てるならば戦姫だな。

戦闘特化で体力や力と素早さの上がりが極めて高い職業だ。それに戦姫特有のユニークスキルも存在したはずだ。

 

 

「戦姫で」

 

「ん、漲る」

 

振るう戦斧の音が先ほどよりも激しく力強い。

眼に見えて変わる職業というのはそこまでないのだがな。戦姫のスキルが発動したのか俺の方もステータスが上がっている。

 

「戦姫のスキルでパーティーメンバーのステータスが上がっているはずだが、皆はどうだ」

 

「確かに、少し力が上がっている気がしますがそこまで大きな効果ではないようですね」

 

おや?戦姫のステータス上昇はそれなりに高いはずだが。実際、俺のステータスは1.3倍と破格の強化を受けている。

 

「私のスキル、『戦姫の忠心』は自分の仕える人を強化するスキル。皆への強化はほとんどない」

 

ふむ。俺の知るスキルと違うな。

俺の知るスキルは『戦姫の祝福』でパーティーメンバーの全員のステータスを10上げるものだったはずだが。

 

 

色々と変わっているのは理解していたが知識を改めておこう。

 

 

次はカタリナか。

さて、カタリナの職業はゲームではバトルメイドであったはずだが変化はあるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 




キャラクター紹介②

マリス 16歳女性
黒髪黒目の獣人族の奴隷。
犬族の少女。犬族の獣人は主人と認めた相手には忠誠を尽くすので人気がある。
ゲオルグの事は奴隷となった自分を買い上げた相手である事と奴隷ではなく人として接している事で主人として認めてはいる。
奴隷となる前は冒険者をしていてDランクになっている。
奴隷となった経緯は依頼の失敗と賠償。
自分が奴隷となった事は納得しているが妹まで奴隷となってしまった事には後悔をしている。

本来は活発な性格だったが奴隷性格でだいぶ大人しくなっている。
ゲームでは原作の前に死亡している為に詳しい事はゲオルグもわかってはいない。


ミリス 16歳女性

マリスの妹の犬族の獣人奴隷。
姉と供に奴隷となる。
ゲームでは悪徳貴族に買われて姉が虐待のされ死亡し、その復讐を果たしてた後に闇ギルドに入会して暗殺者に。
ヒロインの一人を暗殺しようとした所を撃退され捕らえられる。その後に幾つかのイベントをこなすと仲間になる。

暗殺者だけあって素早さに特化。
闇の魔法を覚え、毒や麻痺等の状態異常攻撃を得意とする。

現在は姉も生きており特に酷い眼にもあっていないため生来の大人しい性格をしている。
家事等が得意で姉のフォローに回ることも多い。
ゲオルグの事は良いご主人だと思っている。





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