ゲーム世界の敵キャラに憑依したから死なないために奮闘する   作:赤山大和

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護衛対象が戦闘をするとか護衛としては失態だよな。

疾風の槍が相手をしている魔物達も気になるが先ずは目の前の魔物を倒さないとな。

 

 

敵はゴブリンとオークの集団。

数は相手が上だか俺とカタリナ、それに蒼の魔女の面々。そして、ゲームでは最強キャラの一人であるシエルがいる。

 

まぁ、シエルはまだ戦闘経験とか少なくそうだから過信は出来ないが。

 

「セレナさん。魔物との戦闘経験は貴女が上です。指示をお願いできますか?」

 

「わかりました。皆さんの中で魔法が使える方は?」

 

 

「俺は土の魔法を中級までと水を初級まで使えます」

 

「私は火と雷を中級まで」

 

「私は風の下級だけ。ミリスは闇も使える」

 

 

「ならばカタリナさんはオークや奥魔物に魔法をお願いします。ゲオルグ様は土の魔法で足止めを。魔物達が一斉に来られると厄介ですから行動を制限して一度に対応する事になる数を減らして下さい。マリスさんとミリスさんは私達のサポートをお願いします」

 

 

「サンダーブラスト!」

「ウインドウカッター!」

 

 

カタリナの放つ雷の魔法がオークの頭を爆砕するのに合わせてセレナさんも魔法を放ち魔物達に裂傷を刻む。

 

それを気にせずにこちらに向かってくる魔物に対しては俺の魔法のに出番か。

 

「アースニードル。続けてアースホール」

 

 

放つのは二種類の下級魔法。

 

アースニードルは地面にトゲを生やし足にダメージを与える事と行動を阻害する事を目的とする魔法で。

アースホールは落とし穴だ。

 

先頭の魔物数匹は穴に落ちて動けなくなり、アースニードルはこちらに回り込むような動きをする事を阻害している。

 

戸惑うゴブリン達にセレナは魔法で追撃をかける。

 

それでもこちらに向かってきた魔物はカナタとアロマのペアとマリスとミリスのペア。それに俺とシエルにニーナで相手をする。

 

カナタとアロマのペアは安心して見れるしマリス達も一体の魔物を二人で倒すように上手く立ち回ってる。

 

俺の方も記憶だよりで戸惑いがあれど剣を振るいゴブリンを斬る事はできた。

 

盾を構えたニーナはしっかりとカタリナを護っているし俺の側で長柄の槍を振るうシエルはゲームの最強キャラと言われるだけの事があるのか一人で三匹の魔物を切り捨てた。

 

強いよな、まだレベルが低いはずなのに。

 

驚いている俺の側に歩みよるシエルは褒めてというように頭を出して来たので撫でると嬉しそうにしている。

 

うん。和む。

 

「ファイアブレイク!!」

 

カタリナの放つ魔法が止めとなりこちら側の魔物は殲滅完了とと後は家の護衛と疾風の槍だがまだ戦闘中のようだ。

 

「ゲオルグ様はこちらで敵の更なる増援に警戒してください。カナタ、貴女は私と一緒に援護に。アロマはここに残ってゲオルグ様の護衛をお願い」

 

「わかった」

 

 

「了解だよー」

 

 

さすがに護衛対象を連れ回せないか。

 

「あちらは少々、不安なんだがな」

 

「当家の護衛の力を信じましょう」

 

ここで疾風の槍の面々の力と言わない時点で彼らの評価がわかる。

 

「みな、怪我は大丈夫か?回復薬の類いも用意してあるから言ってくれ」

 

「シエルは大丈夫」

 

「私達も」

 

「僕も大丈夫だよー」

 

全員の状態を確認してから馬車の向こうを覗きみれば戦闘はまだ終わっていないようだ。

 

こちらでは近付く前に排除できたオークが2体にゴブリンが数匹未だ健在。

 

対してこちらは馬車の前で武器を構える奴隷達にその前に立つ護衛の3人。

馬車に近付くゴブリンを危なげなく倒す彼らの実力には安心感を持てる。

 

馬車の回りで倒れているゴブリン達を見る限り馬車や奴隷の心配はいらないようだ。

 

問題の疾風の槍の面々だがオークとの戦いに手こずっているようだ。

 

見た限りだか先の戦闘で魔物から攻撃を受けたクルスの動きは鈍く最初に見た速さがない。

それにアマンダの方は魔力が切れたのか魔法回復薬を飲みながら初級の魔法で援護をしているがオークを怯ませる程度の効果しかないようだ。

 

それ以外の疾風の槍の面々だが魔法職はオークに魔法を放っているが足止め程度。前衛らしき少女はゴブリンの相手。回復職はクルスに回復魔法を継続中と。

 

セレナ達がゴブリンの排除に動いているからそれまで持てば大丈夫か?

 

お、セレナとカナタがゴブリンと戦っている少女を援護して倒したか。

 

 

後はオーク2体を7人がかりで倒すのだから大丈夫だろう。

 

「方は付きそうだがまだ時間がかかりそうか?援護をするべきか?」

 

「ん~雇い主さんにあまり頑張られると護衛で雇われてる私達の意味が無くなっちゃうかなー」

 

アロマとしては大人しくしていて欲しいか。

まぁ、護衛としてこの状況ではな。

 

「確かに今の状態では護衛としては落第かと」

 

「私達よりランクが上のはずなのに大した事なさそうだよな」

 

「…………」

 

「護衛として疾風の槍の面々を評価出来ないのは確かだな。………セレナ、カナタ、アロマの3人は継続して雇いたいとは思うのだが」

 

「場合によっては少し遠回りをして近くの街によりそれから別荘を目指す事も考えるべきではないでしょうか」

 

「そうだな。疾風の槍のリーダーも怪我をしたようだし。護衛依頼の失敗を告げて街で新しい護衛を雇う事を検討すべきか」

 

「えーと、その場合は私達はどうなるのかなーとか」

 

 

「先程も言ったがセレナ達には護衛の継続を願いたい。……………いっそ『蒼の魔女』を抜ける気はないか?アマンダとかいうのは『疾風の槍』に押し付ければ良い。正式に護衛として長期間雇われないか?」

 

「あー、それは心揺れるかなー。冒険者から貴族さんの護衛とか将来を考えれば安泰だろうし」

 

 

「冒険者として活動を続けたいという場合でも俺も冒険者となる予定があるからその時に供に活動してもらう事になるな」

 

「冒険者になるの?」

 

「不思議ではないだろ。来年には俺は学園に入学する事になる。その時にある程度はレベルを上げて冒険者としてそれなりのランクになっておけば有利になるのだから」

 

「あー、そっか。学園があったか。だからレベル上げかー。でも、それだとパーティーの人数が多くない?この子達も一緒にするんでしょ?」

 

そういってシエル達を指す。

まぁ、俺にカタリナ、シエル、マリス、ミリス、ニーナで既に6人。これにセレナ達を加えると1つのパーティーとしては多い。

 

「俺の場合はクランの設立を目指す。依頼に合わせてメンバーを変えたり複数の依頼を各々がこなす形になるか」

 

実際にまだまだメンバーを増やす予定だしな。

 

「クランかー。拠点とか含めて色々と必要だから普通は難しいけど貴族なら問題ないのか」

 

 

クランで活動となると多くのメンバーやその装備や道具を収容する広い家が必要になるが俺の別荘をそのままクランの拠点にすれば良いし学園に通ってからも王都に拠点を用意する位は出来る。

 

 

「そう言うわけだ。セレナ達とも話あって見てくれ」

 

「オッケー。前向きにってか今のままだと厳しいと思ったから助かるよー」

 

「そうか。っと、それよりも向こうで動きがあったようだな。それも悪い方に」

 

 

オークの攻撃を受けたクルスが吹っ飛び、それに動揺した疾風の槍の面々の動きが止まってる。

 

「スリップグランド!」

 

用意していた魔法で足元を崩す。

地面を滑らせるという魔法だが足下をおろそかにしたオークには抜群の効果を示したようで派手に転倒している。

 

こちらに目を動かし感謝を告げるセレナの援護のために追撃をする。

 

 

「ガイアチェーン!マッドフィールド」

 

地面から飛び出た鎖がオークを拘束し水属性と土属性の合わせ技で地面を泥状にする事で動きを封じる。

 

 

動きを封じられたオークを他所にもう一体のオークはカナタが斬ったか。部厚い脂肪を持つオークを両断とは良い腕だなやはり。

 

動けないもう一体は慎重に近付いてトドメを刺した。

 

とりあえず、これで脅威は去った訳だか怪我を負った護衛に水浸しになり進み難くなった道。

 

はぁー、やはり遠回りをしないとダメだよな。

 

皆には予定の変更を告げて行き先を変える事にするのだった。

 

 

 

 

 

 




『疾風の槍』は追放されたもう一人の活躍により短期間でCランクに上がった新進気鋭の冒険者です。

追放された荷物持ちが常に用意していた回復薬等の必需品がクルス達は用意をしていません。夜営の用意や見張りも追放された冒険者が担当していた為にその辺りの準備が全く出来ていませんでした。

戦闘については斥候として罠の注意喚起や道具を使っての牽制や足止めをしていましたがそれが無くなったための失態。

ギルドとしては今後に期待出来る冒険者パーティーを紹介しているつもりでした。


『蒼の魔女』4人組の女性冒険者だけで構成されたパーティー。
Cランクながら上級魔法を使えるアマンダ。
豊富な魔力を持ち優れた剣士でもあるエルフのセレナ。
遠い和国よりきた二刀流の武士カナタ。
優れた危機管理能力を持ちどんな状況でも対応出来るレンジャーのアロマ。

街で有名な冒険者でその実力も実績も十分にあるとされていたが当のメンバーからはリーダーであったアマンダのワンマンやワガママが少し問題とされていた。
リーダーを変える事を考えようにもエルフであるセレナや他所の国から来たカナタがリーダーでは無用な軋轢を生む可能性があり、アロマは自分がリーダーに向いているとは思えなかった。

そんな訳でリーダーを続けていたアマンダが冒険の最中に、危ない所をクルスに助けられて惚れて状況が悪化。
冒険者としての行動よりも自分の恋愛を優先。
それによりも実害が出てきていたところで今回の依頼。


セレナ達が遅刻ギリギリで来たのもアマンダが原因。
リーダーの恋を応援するという微笑ましい段階は当に過ぎている。
このままアマンダをリーダーとして行くのは問題ではと思っている。
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