ゲーム世界の敵キャラに憑依したから死なないために奮闘する 作:赤山大和
魔物の襲撃の後始末には少し時間を有した。
オークやゴブリンからは魔石を回収。
倒したゴブリンやオークの装備も売れそうな一部は回収。
問題は怪我を負い護衛として使えなくなったクルスと疾風の槍の一部のメンバーだ。
無事なメンバーとアマンダも騒いでいるしこのまま別荘に向かうのは無理があると判断し遠回りにはなるがルートを変えて近くの街による事が決定。
その街で疾風の槍の面々には降りてもらう。
アマンダもあの様子では降りるだろう。
他の蒼の魔女の面々がどうするかはわからないが個人個人で抜けるならば受け入れるとは伝えてある。
そんな訳で寄り道する事になった街には夜になり門が閉まるギリギリの時間にたどり着く事が出来た。
門の前で一晩明かす事にならなかったのは幸いだがこれから宿を探すとなると手間だ。
とりあえず、冒険者ギルドに行って彼らの怪我の治療と護衛任務の失敗を報告。
ギルドの受付嬢も慌てていた。
実際、これによって発生する問題が幾つかあった。
1つは俺が貴族である事。
貴族からの依頼を失敗する。これは冒険としても冒険者を紹介したギルドとしてもまずい。
ましてやその冒険者の所為でこちらは遠回りを強いられた。
それに依頼中の彼らの態度や行動にもまずい部分が幾つもあった。
冒険者は自由であるとされるが土地を治める貴族と敵対して良い事はないからな。
2つ目、ギルドの方が貴族からの依頼という事で通常よりも多くの依頼金を請求していたということ。
騙されたと言いきれないのだが通常の商人等の護衛依頼の倍以上の額を払っていた。
貴族だから商人よりも多くの報償金を設定する必要があったと言われればそれまでなのだ。
騙されたと思っても終わったあとに返せ等とは言えないからな。
3つ目は俺は目的地の別荘に着いてから周囲の魔物の退治を依頼する予定であり、それが依頼として受理されていた事だ。
本来ならば別荘まで護衛をしてもらいそこから周囲の魔物退治という新しい依頼が始まるはずでありその依頼も彼らは受けていた。
しかし、彼らは怪我を負い、その依頼は不可能。
つまり、1つの依頼の失敗ではなく彼らは2つの依頼を失敗している形になる。
そちらは拘束する期間によっては納得出来る依頼料金ではあったがそれでもやや割高なお金が支払われている。
依頼が成功していたのならば問題にはならなかった。
こちらが多めのお金を払い彼らは依頼を達成する。
なんの問題もないことだ。
ただし、依頼が失敗すればその賠償金が発生する。
ギルドとしても普通の倍以上の料金を払わせといて失敗しましたではすまない。
護衛の者達やカタリナも家の方からギルドに苦情を述べるべきだとしている。
そうすれば当然、ギルドの立場は悪くなる。
自分達のギルドのある土地を治めている貴族に明確な借りを作る事になるからだ。
ギルドに無茶のある要求をしても『以前、お前達はこういう失態を犯して迷惑をかけた』と圧力をかけられる。
明確な負い目を貴族に作るなんてどこのギルドもやりたくはないだろう。
ギルドが貴族に負い目を作り通常の数倍の賠償金と謝罪金を払う事態となった訳で状況を知ったギルドは依頼の受理をしたあちらのギルドに連絡を取り即座に謝罪と今後の話し合いとなった。
疾風の槍と蒼の魔女に対してはランクの降格と賠償金と支払い。
それに加えてギルドの方で負担をして新しく冒険者のチームを手配する事を約束させた。
俺が貴族ではなく商人や一般人であればここまでする必要はなかったが俺は貴族で表向きは次期当主の地位にいる人間だ。それに対してギルドの側が下手をうったといて事だ。
ギルドの役員が謝罪して依頼料として出したお金よりも多くのお金が戻ってきた事を考えればこちらが特をしたとも考えられるが。
とりあえず、ギルドの失態は俺の親に伝わり後はガーゼン家とギルドの話し合いがされるだろうが家として悪い事にはならないだろう。
俺個人としては金銭的な賠償に消費した物資にプラスして魔物との戦いで消耗した武器の代わりと質の良い武器を渡されたりしたしな。
それにタダで新しい冒険者を手配してその依頼料金を全てギルドが持つというのもありがたい。
いやいや、本当に特したよ。
こういう依頼をすることに慣れていない自分から多くのお金を取ろうとしたあちらの失態なんだけどな。
冒険者の手配に数日かかるという事であちらの用意した宿で休みながら今後の事を考えるとするかな。
賠償金に謝罪金。新しい装備の譲渡に無料での冒険者の手配に宿の提供と大盤振る舞いな冒険者ギルドの対応の理由としては以下の通り
貴族社会であるのにその貴族から多くの依頼料を払わせる。
普通ならば貴族という立場で依頼料を安くさせる事がありますが今回は逆に多く払わせています。
これはゲオルグが次期当主の座を退く等の情報を渡した事で相手側が侮ったところもありますが、表向きは次期当主です。
少なくともまだ、現状では自分達の土地を治める貴族の次の当主になりえる人間に対してやったらまずいです。
廃嫡する前に弟の方になにかあれば彼は当主になる事が十分にあります。
依頼の失敗が完全に冒険者側に問題がある。
護衛依頼を受けながら依頼主に魔物の撃退をやらせるのはまずいです。なんの為の護衛だという話し。
主人公が自分から出たところがあるので供に撃退したのならばまだ弁解ができ問題にはしないことも出来たのですがパーティーの片方が半壊していますので問題に。
しかも、依頼の最中に盛っていたのが知られていますのでふざけるなという話しに。
護衛依頼を受けた冒険者が原因で遠回りをした事で予定日までに別荘に着くのが不可能に。
予定日を過ぎる事になったのは普通にまずい。
商人ならば期日を過ぎる事で荷物の商品に問題が出たり取引に不備が生じたりする事があるので予定日を過ぎると普通に賠償金をギルドに請求する事があります。
その辺を見越してある程度余裕のある日程を取るのが普通ではありますが。
今回の場合は遠回りをした上に新しい冒険者を手配してもらう必要があるので数日の間足止めされる事が確定しましたので問題に。
そして、これがある意味で一番大きな理由。
この街のギルドにとっては自分達の失態ではないという事。
依頼を受理して冒険者を手配したのは自分達のギルドではないので賠償金を始めとしてゲオルグに支払った金銭等はあちらのギルドに請求できます。
幾らお金をかけても自分達の懐は痛みません。痛むのはあちらのギルド。
むしろ、土地を治める貴族には自分達はこれだけ誠実な対応をしましたと主張できます。
自分達は貴族の覚えを良くしてあちらの失態はギルドの本部にも土地を治める貴族にも主張できる。
馬車で2日程度で往き来できる近隣のギルドの不祥事。
これをどれだけ有効的に使うかという話し。
むしろ、もっと賠償金や謝罪金を払った上であちらのギルドを糾弾しようと考えてさえいる。
あちらのギルドには自分達の失態で多くの金銭を払わせたと負い目を作れるのも良い。
払った金銭をあちらのギルドが出し渋ればギルドの本部に失態を告げて立場を弱くできる。
良いこと尽くめなので笑顔で賠償金を払っています。