ゲーム世界の敵キャラに憑依したから死なないために奮闘する   作:赤山大和

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借金とは怖いもの

クルス達『疾風の槍』の失態を告げてギルドより賠償を得て数日。

 

こちらの護衛任務を受ける冒険者が決まったという事でギルドの方に顔を出す事になる。

 

 

 

「お待たせしましたゲオルグ様。こちらが今回の依頼を受注しました冒険の方々です」

 

 

通された応接間には見知らぬ2人の冒険者とセレナ達がいた。

気になるのはセレナ達が装備を身に付けていない事とアマンダがいないことか。

 

「まずはこちらの方々ですがCランク冒険者『紅獅子の牙』。実績のある方々ですし、もう1つの依頼にある長期間の拘束も問題がありません」

 

「始めまして。『紅獅子の牙』のリーダーであるリエンです。こちらが副リーダーのサーシャ」

 

にこやかに微笑みこちらに握手を求める女性に軽い既視感を覚える。

見覚えのある相手という事か。

たぶんゲームでの記憶だと思うのだが。

 

「始めましてゲオルグだ。護衛の依頼と到着した後の依頼まで受けてもらえた事に感謝する」

 

「いえ、こちらとして報酬が良いですしその後の依頼も問題はありません」

 

 

「そう言ってもらえると助かる」

 

 

おそらくはギルドの方から色々と貰えるのだろうな。

あれだけ賠償金の支払いなどをした後の事だし美味しい依頼にしてある可能性も高い。

 

「それで次の話しなのですが、こちらにいる『蒼の魔女』いえ、元『蒼の魔女』の話しになります」

 

セレナ達の話しかここにアマンダがいない時点である程度は予想出来るが。

 

 

「彼女達の蒼の魔女はリーダーであるアマンダさんが疾風の槍への移籍をしましてね。蒼の魔女は解散となりました」

 

それは予想の範囲だな。

クルスとかいうのを追っかけていったんだろう。

 

「ただですね。依頼の失敗による賠償金の支払いが疾風の槍の方はされていますが蒼の魔女からはされていないのですよ」

 

 

「ふむ。どういうことだ?」

 

逆ならば分かるのだが。

 

 

「アマンダがギルドの貯金や所持金、荷物を持ったまま疾風の槍に移籍したのよ。パーティーとして貯めていたお金をリーダーであるアマンダが持ち出して疾風の槍の賠償金は払ったけど蒼の魔女として口座には一切お金が残ってなかったの」

 

お金を持ち逃げされたと。

 

「ギルドに賠償金を支払うという事で私達から集めたお金で疾風の槍の賠償金は支払っていたけどね。おまけに昨日のうちに街を出たから追うことも出来ない」

 

「結果として私達は一文なしで賠償金の支払いとか出来ないんだよねー」

 

 

ギルドに借金を作った訳か。

 

「しかし、その賠償金はリーダーであるアマンダが払うべきではないのか?」

 

 

「アマンダがパーティーを抜ける前にリーダーを私に変更していたのだ。どうやったのかはわからないがアマンダがパーティーを抜け、私がリーダーとなりその後に賠償金が発生した事になっている。だからアマンダは疾風の槍のメンバーとして支払いをしていた」

 

 

「つまり、リーダーの座と賠償金を押し付けられたと」

 

 

「そうなるねー。まぁ、最初は私も逃げなきゃまずいかなーとか思ったんだけど一応返済の当てはあったからー」

 

 

 

返済の当てがあるならば大丈夫なのか?

いや、待てよ?

 

 

「その返済の当てというのは俺か?」

 

「………そうなります。私達を雇って頂けるという話しでしたので。ダメならば借金を背負って冒険者を続ける事にしますが」

 

 

まぁ、確かに勧誘していたしな。

それに借金が俺に払われた賠償金ならば払うのも難しくない。

 

「そうだな。それならばこちらで働きながら借金を返済するという形にすれば良いのか?」

 

保証とかはないしこの世界での利息や利子の支払いはかなり厳しいと聞くからそれなりの期間は働いてもらう事になるが。

 

「はい。お願いします」

 

「良いだろう。2人もそれで良いのか?」

 

「構いません」

「構わないよー」

 

「ギルドマスター。この3人の借金は俺が請け負う」

 

「分かりました。借用書はお渡しします。今回の借金と返済の計画は普通であればこのようになります」

 

そう言って見せられた借金返済の計画書を見るとこの世界はガチでエグい。

 

依頼を達成してもその半分は借金の支払いに当てられる上にランクが下がった事で支払われる報酬が少なくなってるから利息の支払いを含めた返済が終わるのが2年近く先に。

 

しかも借金している間はギルドとして信頼出来ないからとランクアップもない。

安いお金でひたすら依頼をこなし続ける事になるとか。

これはヤバい。

 

 

「これはさすがに厳しいと思うが。これよりも緩い返済計画を提案するから安心しろ」

 

「ありがとうございます。その分期間が長くなる事は受け入れますので宜しくお願いします」

 

 

新しくギルドの人とカタリナが作った返済計画は確かに緩くなったがその分期間が長くなったがそれを笑顔で受け入れたセレナ達を見てこの世界で借金は絶対しないと心に誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




保証する人が誰もいない人間にお金を貸すというリスクを鑑みて借金の利息等はかなり厳しい。

借金を返済する前に逃げられたり、依頼で怪我をしたり死亡したりしてお金が戻ってこないリスクが高いためにその辺りの契約は厳しい。

最悪は借金を返済するまで借金奴隷になることも。
奴隷が普通に存在しますし奴隷になって借金を返せとかが普通にあります。
額の大小というよりも返済しきれる可能性の低さが状態を厳しくしています。
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