※カナエさんを助けます。
※カナヲが売られて連れて行かれる場面から始まります。
※戦闘シーンは戦国BASARA風になります、真次の心境は銀魂風です。
※時系列は煉獄家編と続いています。
※IF柱なので未来ではしのぶさん生存ルートです。
時空血鬼術という厄介な鬼の呪いにかかってしまった俺は、未来やら過去やらに跳ばされて散々な状態だ。しかもいきなり跳ばされるから余計にタチが悪い。
「跳びたい時に跳べないって・・・かなり辛いものがあるよなぁ」
この術によって最初は令和と呼ばれる未来の時代に飛ばされ、戻ってきたかと思えば過去の自分の時代で煉獄家の奥方様を助けちゃったし、けれど助けられるなら助けたいのが俺の心情だし。考え事をしていたら俺の身体が光り始めていた。
「って・・・おおおい!?また跳ぶのぉ!?なんでこういつも突然なんだよおお!」
愚痴っている間にまた跳ばされてしまう。以前のようなミスをしない為にお面と刀袋を買っておき、金銭もかなりの額を持つようになった。
「っ・・・此処は?橋か?あれは・・・しのぶさんなのか?隣に居るのは誰だ?とりあえず、仮面つけておこう」
狐を模した目だけを隠す仮面を付けるの少し苦労するけど、やっとかないとな。余りバレすぎると後々大変だし。
付け終えるとさり気なく近づいて、女の子を縄で縛って連れている男の隣に川を見ているふりをして待機した。すると蝶の髪飾りをした姉妹が男に話しかけていた。
「あの、ちょっとよろしいでしょうか?その子はどうして縛られているのでしょうか、罪人か何かなのですか?」
「・・・見てわかるだろ、蚤だらけで汚ぇからだよ。それに逃げるかもしれねぇしな」
「・・・・」
なるほど、女子供を買って色街にでも売ろうって魂胆かね?大抵そうだろうけどよ。
「こんにちは初めまして、私は胡蝶カナエといいます。貴女のお名前は?」
「!!?」
はあああ!?カナエって、あの綺麗な人がしのぶさんのお姉さんかよおおお!?美人姉妹すぎんだろおおお!
「そいつに名前なんかねぇよ。親がつけてねえんだ。もういいだろ離れろや」
男がカナエを遠ざけようと手を出そうとした瞬間、その手がしのぶによって弾かれた。
「姉さんに触らないでください」
「・・・!」
えええ!?しのぶさん、こんなにも勝気な性格だったのかよおおお!?てか、お姉さんの真似をしてたのか?ずっと笑みを絶やしてなかったのはこういう事か、無理しすぎだろ。
「・・・なんなんだてめぇらは、このガキとお喋りしたきゃ金を払いな」
「ほう、それなら俺が代わりに払おうか」
「え?」
「誰だ、てめえ?」
「これだけあれば足りるか?この子の値段はよ」
俺は会話に割り込み男の手に500円(現在の貨幣価値に加算すると200万)を渡した。俺は元々、金を使うのが然程、好きではない。食事処へも寄る事が少なく、生活に必要なだけしか使っていなかったので金だけは余っていた。跳ばされる事が多くなった今では念のため金額にして1000円という大金を持っていたのだ。
「!!?お、お前・・何者だ?こ、こんな大金・・・」
「足りるのか、足りないのかを聞いているんだが?」
殺気を出して男に詰め寄り、お前にこれ以上払う金は無いと言わんばかりに威圧し続ける。金を受け取った男は走り出しながら捨て台詞を吐いた。
「す、好きにしろよ!こんなガキ!」
「・・・ほら、このお姉さん達の所へ行きな」
「!あ、あの?貴方は一体?」
「姉さん!こんな怪しい奴なんて放っておきましょうよ!お面で顔を隠してるし!」
俺は自由にした女の子を二人の元へ歩かせた。しかしキッツイ言葉だな、昔のしのぶさんは。
「すまない、大怪我の痕があってな?見せたくないからお面をつけてるんだよ」
「ふん、怪しいことに変わりませんけどね」
「けれど、助けられちゃったわね?この人に。是非お礼がしたいのですけれど、貴方のお名前は?」
「姉さん!」
「神威紅です」
「神威さんというのね、私の屋敷に来てください」
「もうーーー!」
いつの間にかペースを握られてたな、しのぶさんも。確か、しのぶさん・・・この人を殺されるんだったよな・・・。
「You're going to let me die(死なせてたまるか)」
◇
ってシリアスに決めたつもりだったんだけど・・・・。
「やっぱり可愛いわねー!」
「姉さん、そうじゃないでしょ!」
「ハハ・・・・」
あの子がカナヲだったのかよおおお!?汚れが取れて着物着て髪を結ってないと全然、分からなかったっての!!てか、あんな状態で生きていたのかよ!令和ならネグ○クトですよ!?保護責任遺○罪ですよ!?オマケに殺○罪までありそうだからね!?
「神威さんはどう思う?やっぱりカナヲは可愛いわよね?」
「え、ええ・・・可愛いですよね」
「そうよね!わかってくれると思っていたわ!」
「姉さん!そうじゃなくて!!この子、言われないと何も出来ないのよ!?」
しのぶさんはどうやら意思がハッキリしていないカナヲを心配しているようだ。確かに自分の意思を持たないっていうのは危険だ。
「恐らく、今まで育った環境で愛情無く虐げられてきたんでしょうね」
「紅さん?」
「こういう子には先ず此処に居てもいい・・・此処に傷つける人は居ないといった愛情表現と安心感を与える必要があります」
「どうすればいいの?」
真剣に聞いて来てる。性格は勝気でも勉強熱心なのは変わってないんだな・・・。しのぶさん。
「うーん、一番効果的なのは抱きしめてあげる事ですかね」
「そんな事で?」
「意外に単純な事ほど重要ですよ」
「それなら私が一番乗りね」
そう言ってカナエさんはカナヲを抱きしめていた。しのぶさんが羨ましそうに喚いているけどなんだか微笑ましいなぁ。
「紅さんは抱きしめないんですか?」
「俺は一応男ですからね、女の子を無闇に抱きしめるなんて出来ませんよ」
「随分と殊勝じゃない」
「アハハ、で・・俺はいつまでいればいいんですかね?」
「好きなだけ居てくれていいのよ?」
待って待って!此処、過去とはいえ蝶屋敷だよね!?女性だらけの屋敷にいられないよ!それにものすごくしのぶさんが睨んできてるよ!!
「いえいえ、流石にそれは」
「それに、貴方の持っている刀にも興味がありますし」
「!?」
カナエさん笑顔だけど圧がものすごいよ!?というかこの人『柱』だったの忘れてた!ニコニコしているようで鋭い指摘をしてくるのはしのぶさんと変わらないよ!絶対に俺が鬼殺隊だってバレてるよ!
「ハハハ、借り物ですからね。それじゃ・・・!?」
「残念だけど、簡単に返すわけには行かないの」
日輪刀取られたああああ!この頃からこんなに速かったの!?しのぶさん確かに未来だと『柱』だけどその片鱗見せられてるんですけどおお!?
「ごめんなさいね、拝見します」
「あ、ちょっと!」
真次の日輪刀を鞘から抜いて刀身を見た瞬間、カナエから笑顔が消え、しのぶは驚きを隠せないような表情で彼の日輪刀を見ている。
「・・・五色の刀身?」
「な、何よこれ!?五色の色がある日輪刀なんて見た事ないわ!」
「・・・・」
ヤべーよ、五行の刀身見られたよ。コレ、完全に未来で身バレするの確定だよ。証拠隠滅することを考えるならカナエさん粛清対象になっちゃうよ!そんな事したら俺が鬼殺隊に居られなくなっちゃうよ!!
「あの、返してもらって良いですかね?」
「あ、ごめんなさい」
カナエは刀身を鞘に収めると真次の日輪刀を返却し、それを受け取った彼は刀袋に日輪刀を収めた。
「鬼殺隊の方だとは思っていたけど、変わった色を持っているのね」
「バレてますよねぇ、そりゃあ」
「ウフフ・・・その服でバレない方がおかしいじゃない」
「ですよねぇ」
カナエさん笑顔が逆に怖いよ!ものすごく怪しまれてるよ!後ろに擬音が聞こえそうな程に威圧感を醸し出してるよ!
「お願いがあるのだけれど・・・」
「?なんでしょう?」
「木刀でお手合せしてくれないかしら?」
「え?」
「姉さん!?」
「勝敗は・・・そうね。鋒を急所に向けたら終わりでどうかしら?呼吸も使って構わないわ」
手合わせを口にしたって事は本当に鬼殺隊なのか見極めるためなのかもしれない。しかも逃げられないようだし、やるしかないよこれ!。
「分かりました。場所は?」
「屋敷に出て、すぐ手前に広場があるからそこにしましょう」
◇
「それじゃ、お手柔らかにお願いするわね」
「それはこちらのセリフなんですけど、じゃあ行きますよ」
真次は木刀の刃を立てて頭の右手側に寄せ、左足を前に出して構えた。まるで野球のバッティングフォームに似た構え方でカナエはそれを見た瞬間、笑みが消える。
「(八相の構え・・・五行の構えの中でも多数戦に特化した構え方だわ。この人、もしかしたら)」
「あの人が構えを取っただけで姉さんが真剣になった・・・それ程の実力を持っているというの?」
しのぶは半信半疑だが、カナエは今は紅と名乗っている真次の実力を構えを見ただけで看破した。一対多数に特化した構え方など多数の鬼と戦った事がない限り特化した構えを取らない、それをしたという事は鬼殺隊の中で生き延び続けている事にほかならない。
「(さて、余り呼吸は見せたくないけど仕方ないか)カァァァ・・・」
「!?」
純粋な唐竹割りを繰り出され、カナエはそれを受けようとしたが直感的に危機を察知し避けようとした。だが避ける寸前にほんの少し、羽織っている羽織の袖が発生した真空により斬られ口が開いてしまう。それを見て、カナエは目の前に相手が並みの鍛錬をしている人間ではない事、更には実戦をくぐり抜けている事を改めて実感した。
「『五行の呼吸』?そのような呼吸・・・聞いた事も無いわ」
「俺が独自に編み出した呼吸ですからね。記録しないでくださいよ」
「そうなのね、次は私からも行くわよ」
花吹雪を観るかのような、前方に居る真次へ向けて大きな円を描くが如く斬り付けて来る。カナエの斬撃に真次は逆の位置になるよう技を捌いていく。この呼吸の使い手は未来において鬼殺隊に入り、しのぶの継子となっている栗花落カナヲが使用している呼吸だ。だが、練度も斬撃の速さもしなやかさも、更に言えば美しさまでもがカナヲ以上だ。
「(っ・・これが本来の『花の呼吸』なのか。未来のカナヲと稽古で見たよりも数段・・・いや、それ以上の速さだ!)」
「あの人、姉さんの斬撃を捌ききった!?」
「(ヤバイぞ、これ・・・出し惜しみできない。特に抜刀術系の型を使わないと無理だろ!けど、木刀じゃ居合は不可能だ!)」
「(この人・・・やっぱり只者じゃないわ。遊びでお手合せなんて言ったけど『柱』に匹敵する実力者だわ)」
カナエと真次はお互いに実戦と同じ空気を感じ取っていた。これでは稽古そのものだが、お互いに呼吸を使わず木刀のぶつかり合う音だけが広場に響き渡る。しなやかな柔の剣を使うカナエに対し、真次は型を切り替える事でそのしなやかさに対応している。二人が間合いを離すと僅かに二人の呼吸が荒いのをしのぶは見抜いた。
「(姉さんの呼吸が僅かに乱れてる!?紅って人もだけど、姉さんの呼吸を乱れさせるなんて!)」
「(これ以上、続けても消耗するだけだ・・なら!)」
「(次の一太刀で決めるわ)」
推奨BGM[『るろうに剣心』より{The Last Wolf Suite -志々雄真実の組曲-}(4:00前後経過部分)]
五行の呼吸 水の型・一之巻・
カナエは己を中心とし、幾度も斬撃を繰り出す攻防一体の技を出してきた。二人の繰り出した技を体現する木刀がぶつかり合い、二本とも砕けてしまった。一点集中させた力に押し込む力が重なった事で、両者の力に木刀が耐え切れなかったのだ。
「お仕舞い・・ですかね?」
「そう、なるわね。木刀が砕けちゃったもの」
お互いに一礼すると、俺はすぐに謝った。木刀では斬れないにしろ羽織に口を開けてしまった事に変わりはない。
「すみません、羽織が」
「大丈夫よ、これくらいなら縫えば目立たなくなるから」
それから数日間、蝶屋敷のお世話になり、ある日の夜にカナエさんは出陣していった。俺はこの日かと慌てて後を追った。道中で鬼に殺されてしまった鬼殺隊の隊員から刀を一本拝借し、先を急いだ。
「記憶が正しければ・・・カナエさんが遭遇するのは童磨だ。奴は最上位の上弦の弐の鬼、オマケに力の要である呼吸を破壊してくる。しかも女を好物としてやがるからな、間に合え!」
二人には明かしていなかったが今の真次は未来において次世代の『柱』の一人である。だが、童磨が相手では話が別だ。その鬼との戦いでは未来のしのぶと協力する事で倒す事ができた。だが、この時代において奴を倒す事は不可能だろう、せめて撤退させなければ。
◇
月光が鈍く辺りを照らす夜の中、カナエは既に童磨と戦いを始めていた。既に軽傷ではあるが傷だらけの状態にされている。
「強い、これが上弦・・!」
「大丈夫、君は死なないから。仮に命が尽きても僕が取り込んで生き続けられるよ」
鉄扇による武闘術、並みの刀など問題ならない程の鋭さと丈夫さを併せ持ち、舞うように振るいカナエの身体を傷つけてくる。急所は外しているが切り刻まれ出血が酷くなっていく。
「はぁ・・・はぁ・・」
「綺麗だね。まるで月の光を浴びて咲く彼岸花みたいだ」
「っ・・はぁ・・はぁ・・この!」
「おっと、残念だけど終わりだね」
カナエの刃よりも素早く童磨は心臓を素手で貫こうとしたその時、利き腕である右腕の上腕部分に一本の刀が突き刺さる。それによって飛び退いた童磨は刀を引き抜き周りを見渡す。
「いったい誰かな?花を活けようとしたのに邪魔してきたのは」
「・・・おい、その手で触れんじゃねえ!この女に触れんじゃねえ!!」
「あ・・・貴方は・・・紅・・・さん?」
屋根からカナエを庇うような形で真次はカナエの前に立ち、カナエの目にはその背中が大きく見える。
「あれ?援軍?おかしいなぁ、伝達されても大丈夫な場所にいるはずなんだけど」
「俺は耳が良いんでな?その薄汚え声と全身に纏った血の気配、それだけあれば分かる」
「カナエさん、動けるか?動けるなら今すぐに撤退しろ」
「で、でも・・・」
「今のお前じゃ、コイツの相手は無理だ。やられて喰われるのがオチだぞ?コイツは大の女好きだからな」
違う、今のこの人は違う。蝶屋敷で優しく話していた時とは全く違う。分かりやすいほどまでに立ち昇っている怒りの気配、一体この上弦の鬼とはどんな因縁があるのだろうか。
「君・・・一体何者なのかな?それに女好きだなんてはしたない言い方やめて欲しいな」
「さぁな?・・・I'm not going to tell you(お前に教える気は無えよ)それに女好きなのは事実だろうが」
「異国語?へぇ・・・本当に変わってるね君?」
真次は自身の愛刀である日輪刀の鯉口を切り、抜刀術である居合いの構えを取った。自分の実力では防衛と足止めが精一杯だろう。目の前の鬼は未来において毒によって弱体化させる事で、勝利を収めたのだから。
真次はカナエを怒鳴りつけ、行動を促した。
「早く行け!此処から離脱しろ!!」
「ごめんなさい!」
「ああっ!あーあ、せっかく極上のご馳走だったのに・・・」
「・・・(相変わらず、言葉に重みがなくヘラヘラしてやがる。この呼吸で行くしかないか)。コイツの血鬼術は氷、それならば『火』で行く」
呼吸を切り替え、真次の闘気からは五色から紅のみが残り、巨大な紅い朱雀が頭上に現れる。それが舞い降りると真次の背に気高い声を出しながら翼だけを与える。
「わぁ・・・綺麗だ。火炎鳥?鳳凰?それとも朱雀?ま、どれでもいいけど。君の事はサッサと始末するね」
「You're a puppet(人形野郎が)やれるもんならやってみろ。産まれた事がなんの意味も持たねえ奴が」
「・・・なんだろうね?異国語なのに物凄く腹が立ってきたよ」
『火(炎)の型・二之巻・
「!?」
「やはり少しは凍るか・・・羽織だけなら上々だな。カァァァ・・・!」
「なっ!」
真次は童磨に接近戦を仕掛け、鉄扇の舞いを行わせないよう左右から刀と鞘による二刀流で攻撃していく。一見、素人が即興で思いついたような攻撃方法ではあるが一つ一つが鬼であっても重要な攻撃の起点を狙って来ている。
鉄扇で反撃すれば刃で受けられ、鞘で殴りつけられる。重さを感じていないのか血鬼術を使う暇を与えて来ない。逆にこちらが攻撃しようとすれば頚に刃が迫って来る。更には納刀を素早く済ませ、居合抜きを使いながら先程の即興である二刀流を繰り出してくる。
「(厄介すぎるね、ほんのちょっとでも気を抜けば頚を狙われちゃう。なるべく見ておきたかったけど時間も残り少ないな)」
童磨は攻撃を捌きながらも戦い、空を見ている。少しずつだが朝日が登ってきていた。この場所は日陰が多いとは言えない場所であり、下手に足止めされ続ければ自分が消滅してしまう。真次が間合いを外した瞬間、童磨は日陰が近い木の枝に飛び乗った。
「あの子を喰らえなかったのは残念だけど、僕にも時間がないからね。此処で撤退させてもらうよ」
「何!?」
「じゃあ、また会えるといいね。男でそう思えたのは初めてだったよ」
童磨は鉄扇で土埃を起こし、撤退してしまった。それと同時に朝日がゆっくりと上がってくる。鬼の時間が終わり、人間の時間がやってきたのだ。真次は陽の光を浴びつつ、刀身を鞘に収めた。
「さて、カナエさんを助けられ・・・・うっ!!?」
戦いが終わり、呼吸を通常に戻した瞬間に真次は目の前の景色が歪んで見えてきた。目の前の景色がグニャグニャに歪み、眩暈を起こしているかのようにグルグルと回っている。
「こ、これが・・・二之巻・外伝の代償・・・か?た、立てない・・・おまけに気持ち悪っ・・・!」
その場で膝を着き、自力で立ち上がることすら難しくなっている。その場で倒れてしまった方が楽になると思える程に今の真次は景色が歪んだの世界の中にいた。
「あ・・・ははは・・・マズ・・・」
◇
「!!」
「て・・・!さい!」
誰かが呼んでる。一体誰だ?まだ眠いから寝かせてくれって。ああ、でも寝起き悪いから起きなきゃダメか。
「う・・・」
「あ、やっと起きた!姉さん!やっと起きましたよ!!」
「紅さん、良かった」
「へ?」
「あの、落ち着いて聞いてくださいね?隠の方々が此処へ運んでくださったんです。それに熱もひどくなってて」
熱が酷かった!?ちょっと待って!俺、グニャグニャの視界のまんま倒れたはずだよね!?熱だなんて出てなかったはずだよね!?
「実戦の緊張からの発熱だと思いますよ。それと姉さんを助けてくれて、ありがとうございます」
「あ・・うん」
なんだろう、この頃のしのぶさんにお礼言われると背中がムズムズする。えっと、令和だと確か、えーっと、なんていったっけ?ああ!思い出した。
「ツンデレか」
「?つんでれ?なんですか、その言葉?」
「ツンデレとは人間関係において敵対的な態度、過度に好意的な態度をとってしまう人のことです」
「そう、なら・・しのぶはツンデレなのね!」
「だ、誰が!ツンデレですか!!姉さんに変な言葉を覚えさせないでください!!」
「あらあら、しのぶってば紅さんを必死に看病してたじゃない?」
「そ、それは!姉さんを助けてくれた恩人だからで!」
すっごい真っ赤になって喚いているけど、カナエさんに言いくるめられちゃってるよ。あー、グニャグニャした景色治ってる。やっぱり・・・極之型は上弦限定で使った方がいいな。
「と・に・か・く!身体を治してくださいね!」
「行っちゃった」
「あらあら、じゃあ私も行きますね」
しのぶさん、テンプレ過ぎますよそれ。とにかく跳ばされるまでの時間、此処で身体を癒さないとダメか。と考えていた時だった。
「おいいいィー!?何で誰もいなくなった瞬間に光るなよおおおおお!?なんにも言え・・・!」
どこぞの銀髪の侍に対してメガネを掛けたツッコミ役の少年のように叫んだ後、元の時代に跳ばされ気が付くと自分の屋敷の中に居た。
「此処、親方様に頼んで建ててもらった俺の屋敷か。時間は昼時みたいだし蝶屋敷に行ってみるか」
身体が動くかどうか簡単な柔軟などを行い、確かめる。どうやら大丈夫なようで蝶屋敷へ赴くとカナエさんが出迎えてくれた。
「あら、真次くんじゃない。こんにちは」
「あ、カナエさん。こんにちは、今日は足の調子が良いみたいですね」
「ええ、あと少しで日常生活に差し障りのない所まで回復するわ」
俺が過去で童磨を撤退させた事によりカナエさんは生き残った。だが、別の任務で負傷した際に足をやられ鬼殺隊として戦う事ができなくなってしまったのだ。
「あ、真次さん。来ていたんですね」
「しのぶさんもお元気そうで何より」
「あら、二人を見てると恋人同士みたいね~」
「ち、違うから!そんなんじゃないわよ!」
「ツンデレ・・・」
「ツンデレじゃないって言ってるでしょう!!」
カナエさんを助けたが、しのぶさんは変わらず『柱』の蟲柱となっている。強気な性格も健在だが医者として接する時はカナエさんを喪った時のしのぶさんになる。要はスイッチの切り替えみたいなもので、カナエさんの前では強気に、皆の前では医者のしのぶさんになる訳だ。
「アハハ、診察お願いします」
「分かりました」
診察を受けているとしのぶさんが耳元に小声で囁いて来た。それは、しっかり聞いていないと聞こえないほど小さな声で。
「姉さんを救ってくれて・・・ありがとう」
「え?」
「それじゃ、また診に来ますね」
そう言ってしのぶさんは出ていき、俺とカナエさんだけが残った。カナエさんは俺を見たままで話しかけてきた。
「あの子をお願いしますね?私に貴方の事を話してくれるのよ」
「そうなんですか?」
「ええ、カナヲも一生懸命よ。鬼殺隊に入ってから気になる男の子も出来たみたいだし!」
それ間違いなく炭治郎だ、絶対に。
こうして話していたが、俺はこれで死ぬはずの運命である人間を二人も助けてしまった。今はまだ代償は出てきていない、何が代償なのだろうか?それはわからない命か?運命か?いずれにせよ俺は助けられるなら助けよう。身勝手だとしてもそれが俺の信念なのだから。
大正コソコソ話
未来に戻った際、蝶屋敷に泊まってくれと言われ就寝中に日輪刀を見られ、紅と真次が同一人物だというのはしのぶさんだけが知っています。
僅かに運命が変わったこの世界では、恋愛に関しては昔のしのぶさんでツンデレ状態です。
しのぶさんで見たいネタ
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前世
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ご解任
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子育て(ご都合有り)
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夫婦