華と日の刃を護る五行の刃   作:アマゾンズ

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親友となる四人と恋した女の子との邂逅。


第一話 日、雷、獣、花の刃との出会い

その日、新たに三人の人間が蝶屋敷に運び込まれてきた。その中の一人、我妻善逸が騒ぎ立てている。

 

「ねぇ、この薬を三ヶ月も飲むの!?飲まなかったらどうなるの!?」

 

「静かにしてください!」

 

竈門炭治郎も隠に担がれて病室らしき部屋に入ると、我妻善逸を見かけた途端に心配や自分を追って来てくれた事に感謝を伝えていた。

 

嘴平伊之助に対しては善逸に気を向けていた為、気付かなかったらしく助けに行けなかったことを謝罪したが・・・。

 

「イイヨ、気二シナイデ」

 

「!?(声が・・・本当に伊之助か?)」

 

善逸曰く、彼は喉を潰してしまったそうで、今のような喋り方と同時に敗北によるショックが大きい様子だ。

 

それぞれが蝶屋敷にて休息を取っている中・・・。

 

「うがああああああああああ!!!があああああああああっ!!!」

 

ものすごい叫び声が部屋に響いてきたのだ。まるで苦しんでいるかのようで鎖が軋みを上げているようにジャラジャラとした音も聞こえてくる。

 

「なっ・・ななななんだよおおおお!今の声ええええ!!?」

 

「すごい叫び声だ・・・」

 

「・・・(ウルサイ)」

 

「ああ、また彼が暴れているんですか・・・。鎖も丈夫にしてありますけど・・・今日で五日目だから仕方ないですね」

 

「あ、あの!」

 

「なんですか?」

 

治療の指揮を任されている神崎アオイが炭治郎の声に返事を返しながら振り向いた。

 

それを見た炭治郎は疑問に思った先程の声に関して質問する。

 

「さっきの声って一体何ですか?」

 

「ああ、あの声は鬼殺隊の問題児にして異端児が自分の中にある毒を抜こうとしているんです。その苦しみは貴方達のケガ以上のものなんです」

 

「え・・!」

 

「例えるなら、毎日毎日、刀の鋒で傷口を抉られ続けられているようなものです」

 

「うわぁ・・・・」

 

アオイの口から出た例えがあまりにも痛々しく、炭治郎と善逸は想像してしまった。傷口を抉られるというのは余りにも痛い。それは想像するだけでも痛みがわかるくらいに。

 

「そ、そそそそんな奴が此処に!?」

 

「そうです。今日が峠ですから乗り越えたら会えますよ」

 

 

 

 

 

翌日、肩を担がれ炭治郎達が寝ている向かい側のベッドに誰かが寝かせられた。

 

その姿はやせ細っており四肢には鎖で縛られた跡、水を飲むのもやっとだが、死んではいない。まるで極度の栄養失調のような状態で軽く呻いている。

 

「・・・・ぅ」

 

「・・・・っ」

 

伊之助以外の二人は運ばれてきた青年の状態を見て、息を飲んだ。

 

「匂いからして、運ばれてくるまでの間・・・水くらいしか飲んでなかったみたいだ」

 

「コイツの心臓・・・弱々しいけど、生きようとしてる。しぶといな」

 

「・・・・」

 

しばらくするとアオイとしのぶが病室に入ってきた。アオイの手には注射器と薬の入った瓶を乗せたお盆を持っており、しのぶは注射器を手にし瓶に入った薬品を注射器の中に吸わせ、それを青年に注射した。

 

「ぐ・・・・・ぁ・・・・・か・・・」

 

僅かに呻いたが、青年は穏やかな表情となりゆっくりと寝息を立てて眠り始めた。

 

しばらくして目を覚ますと、三人も上半身だけを起き上がらせている状態で青年を見ている。

 

「やぁ」

 

「ん?」

 

「初めまして・・・だよな?」

 

「・・・・だな」

 

「ハジメマシテ・・・」

 

「初めまして・・・・」

 

「俺、竈門炭治郎。君は?」

 

「神威・・・神威真次・・・」

 

「神威・・か」

 

「ああ・・・名前の方で呼んでくれると嬉しいかな。神威呼びは慣れてなくて」

 

「分かった、じゃあ真次で良い?」

 

「それで構わない」

 

炭治郎の言葉に真次が反応する。どうやら、注射されたのは栄養剤だったようで、ある程度の会話が出来ているが疲労の色は隠せていない。

 

「真次・・・君って、無理してない?」

 

「え?」

 

「だって、君から無理をしている匂いがするから・・・」

 

炭治郎の言葉に心を見透かされたような表情をする真次。だが、すぐに炭治郎の鼻に匂いがツンと来た。そう、この匂いは怒りだ。

 

「炭治郎・・・で、良いかな?」

 

「え・・・う、うん」

 

「あまり、人の心を暴くような真似するなよ。身体が万全だったら殴ってた」

 

「!ご、ごめん!」

 

真次からの言葉に炭治郎はすぐに謝罪した。彼から濃厚な怒りの匂いが出てきていた為、相当怒っているのだと理解したからだ。

 

「人には暴かれたり、覗かれたりされたくない部分があるんだ。それが分かっても口にしない方が良い時もあるよ。炭治郎」

 

「あ・・・うん」

 

先ほどの怒りから優しさの匂いに変わり、真次は笑みを浮かべた。だが、その中に悲しみが混ざっているのを感じたが先程、注意を受けたので炭治郎は言葉にしようとはしなかった。

 

 

「へぇ・・・炭治郎は火(日)の属性か」

 

「え?」

 

「そこの猪の皮を被っているのは、土の属性・・・」

 

「・・・・?」

 

「で、さっきから騒いでいる奴は木の属性・・・なるほどなるほど」

 

「な、何何!?アンタさっきから色々と音が変化して怖いんだけど!?」

 

「ああ、俺の単純な勘(占い)みたいなものだから気にしないでくれ」

 

真次の含みのある言い方に三人は疑問に思ったが、真次自身が寝床に潜り込んで寝てしまった為に聞く事が出来なかった。

 

 

 

 

四人の身体が回復してから、しのぶから機能回復訓練を始めると宣言された。三人は首を傾げていたが、真次だけは顔を引きつらせている。

 

ただし、善逸は四肢の回復が完全ではないため先に炭治郎、伊之助、真次の三人が先に向かい、しばらくして窶れた姿となって帰ってきた。

 

炭治郎はすぐに寝床に入ると眠ってしまい、声帯を潰している伊之助も同じ、真次は掛布団さえ掛けずに眠ってしまう。

 

そんな三人の様子に善逸は恐怖しかなかった。あの三人が窶れて帰ってくるなんて尋常じゃない。

 

「一体何があったの!?明日から俺の参加するんだからさ!」

 

「ごめん・・・・」

 

「・・・・・・気ニシナイデ」

 

「眠らせてくれ・・・・」

 

 

 

 

 

蝶屋敷の訓練場に四人が集まると善逸の為にアオイが説明をし始めた。整体、反射訓練、全身訓練と三つに分けられていた。女の子が主体となってやっている事に気付いた善逸は三人を外に連れ出した。

 

お前ら謝れ!お前ら詫びろ!!天国に居て地獄にいるような顔してんじゃねぇえええ!女の子と毎日キャッキャキャッキャしてただけのくせに何をやつれた顔してみせたんだよ土下座して謝れよ切腹しろ!!

 

女の子一人につき おっぱい二つ お尻二つ 太もも二つついてんだよ!すれ違えばいい匂いがするし 見てるだけでも楽しいじゃろがい!!

 

善逸は暴れて喚き散らし八つ当たりに等しい状態だ。先に女の子に訓練してもらっていたことによる嫉妬だろうだが方向が違っている。

 

訳分かんねぇコト言ってんじゃネーヨ!!自分より体小さい奴に負けると心折れるんダヨ!!

 

ヤダ可哀想!!伊之助女の子と仲良くした事ないんだろ!?山育ちだもんね!遅れているはずだわ!あーあー!可哀想!!

 

「(カッチーン)はああ"―――ん!?俺は子供の雌、踏んだ事あるもんね!!

 

最低だよ!それは!!

 

うるせえ!テメェ等あぁぁぁぁ!!!!

 

「「「!!!??」」」

 

「黙って聞いてりゃあ・・・ギャアギャアと・・・女の子だからって下手な扱いするな!あの人達は身体を治すためにやってくれてるんだぞ!邪な欲、ぶげらぁ!?」

 

正論を言おうとした真次に対して善逸が思いっきり殴りつけ、壁に当たって止まった。

 

黙れ!このむっつりガリガリナルシスト!ぉ女の子に触れるんだぞ!体揉んで貰えて湯飲みで遊んでるときは手を!鬼ごっこしてる時は体触れるだろぉがァァー!!

 

「ぐ・・・ぐ・・・こ、こいつ生粋の女好きか?」

 

「大丈夫かい!?真次!」

 

「ああ・・・奴さん暴走してるけど」

 

うぃああああ!幸せ!!うわあああ!幸せ!!

 

善逸の暴走よりも殴り飛ばされた真次を心配する炭治郎、変にやる気を出した善逸、負けず嫌いを発揮した伊之助の二人は機能回復訓練においてアオイに勝利する事は出来た。炭治郎は敗北、真次も同じく敗北。だが、彼らの勢いは一人の女の子に止められた。

 

「・・・・」

 

「うわっ!」

 

栗花落カナヲ、胡蝶しのぶの継子である。無表情かつ身体能力が高く、炭治郎、伊之助、善逸の三人は完敗。真次は彼女に見惚れてしまっており、勝負にならず。

 

伊之助、善逸の二人はカナヲに勝てず、諦めモードに入ってしまい真次は見惚れていた自分を自覚し、真面目に打ち込み始めたが、カナヲに完敗。毎日毎日、戦略を変え、やり方を変えるがそれでも勝てない。

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・強い。やっぱり呼吸法、身につけなきゃダメかぁ」

 

「え?呼吸法!?」

 

「そう、全集中の呼吸法。これを身に付けないと多分、あのカナヲって子に勝てない」

 

真次と炭治郎が珍しく会話していた。元々、努力家の二人であり気が合わないはずがなかった。

 

「けど、その呼吸法・・・俺全然できない!」

 

「俺も全力で集中して5分が限界だよ・・・それを常時出来るようになって初めて強くなれるのかも」

 

そう会話していると三人の女の子達が炭治郎と真次に何かを差し出してきた。

 

「て・・・手拭を」

 

「ありがとう」

 

「ありがとう・・・」

 

寺内きよ、中原すみ、高田なほの三人は笑顔になり、休憩したらどうだという提案を受け入れ、炭治郎と真次はお茶とおにぎりをほうばりながら話を聞く。

 

「瓢箪?」

 

「そうです。カナヲさんに稽古をつける時しのぶ様はよく瓢箪を吹かせていました」

 

「へぇー、面白い訓練だね」

 

「瓢箪・・・ああ、あの破裂させてるって言われてるアレかい?」

 

「そうですそうです」

 

「破裂・・・?」

 

「そう、持ってきてあげて」

 

「はーい」

 

真次が催促すると女の子の一人、寺内きよが瓢箪を持ってくる。小さくてもかなり丈夫で叩くと小気味良い音が響く。

 

「これをこうやるんだよな・・・確か。ふぅ~・・・すぅ・・・ふーーーー!!」

 

小さい瓢箪に真次が限界まで息を吹き込むとパンッ!と瓢箪が破裂した。だが、真次は激しく呼吸を荒くしている。

 

「すごい・・・・でも、小さくてこれなの!?」

 

「ぜいぜい!はぁっはっ!!お、俺もようやくコレが出来た!」

 

「え、今のが初成功だったの!?」

 

「はい、拘束される前から真次さんもコレにはかなり苦労してます。初めにやった時は破裂させる事が出来ませんでした。破裂させたら、これをだんだんと大きくしてくみたいです。ちなみに今、カナヲさんが破裂させているのは・・・この瓢箪です」

 

見るからに真次が初成功させた瓢箪よりも四倍以上も大きいものだった。その大きさにふたり揃って口を開けた。

 

「「でっっっっっか!!!!!!!!」」

 

少しの間、驚いた後・・・・。炭治郎と真次は互いに顔を見合わせると同時にしっかりと握手を交わすと。

 

「頑張ろう、真次」

 

「おう、炭治郎」

 

今此処に努力家コンビが結成され、二人は訓練を開始した。真次の意見で先ずは落ち着くために座禅を組む事にしたのだった。




真次が瓢箪割りを初めに成功させていますが、この出来事の後のことです。

真次はしのぶさんに気に入られています。ですが彼自身の勘という名の占いで彼女の命が失われる事を予期しているので心の中では葛藤しており、本気で異性として意識したのがカナヲです。

次回は真次の設定です。

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