コミュ障を治す為にも極振りで頑張ります! 作:Negima -{}@{}@{}-
イズのおねがいでサリー、カスミ、ラン、クロム、メイプルが【毛刈り】を使って羊毛を集めている。
メイプルとランは【毛刈り】を覚えられず、足止め役をしていたのだが、いつの間にかメイプルが【羊喰らい】というスキルを手に入れていたので、みんなでフィールドに繰り出す必要が無くなった。
だんだんお気に入りになってきた『エレクトリックリザードの根城』で極夜と白夜のレベル上げをしていたラン。
つい先日二匹ともがLv12になり、メイプルやサリーの従魔と比べると2レベル差がついた。
その時までに覚えたスキルを確認するため、二匹のステータスを開いた。
ステータス
極夜
Lv12
HP 100/100
MP 160/160
【STR 65】
【VIT 50】
【AGI 100】
【DEX 80】
【INT 30】
スキル
【吸血】【休眠】【覚醒】【視覚共有】
【巨大化】【岩柱】【エアカッター】
白夜
Lv12
HP 150/150
MP 50/50
【STR 135】
【VIT 90】
【AGI 100】
【DEX 30】
【INT 30】
スキル
【締め付け】【休眠】【覚醒】【巨大化】
【白い霧】【地雷原】【鋼鉄尾】
次のギルド対抗戦で使える作戦もひとつ思いついたので、大満足だ。
第3回イベントが始まった。
このイベントでは牛を倒すとインベントリの中に牛肉か牛鈴がドロップする。
その、牛鈴をどれだけ多く集められるかというイベントだ。
ランの役目は他ギルドの牛を横取りで狩ってポイントを与えないこと。
広範囲攻撃を持つプレイヤーをキルすること。
[サリー…ミィさん見つけた。5キロ先。]
[牛はいる?]
[いる。ミィさんに向かって走ってる。]
[…ミィよりも牛優先。その後ミィ。]
[了解]
【念話】のおかげで楓の木のゲームメイカーである、サリーにいつでも確認が取れる。
メイカー殿の指示通り、牛を狩っていく。
[量が多い…炎帝のポイントが一気に増える。]
[【黒稲妻】使っていいよ。ただし、【パワースナイプ】も【エクスプロージョン】も使っちゃダメ。]
[わかった。]
牛の集団のど真ん中を狙う。
「【黒稲妻】」
放たれた矢は真ん中の牛にあたり、その周りの牛を狩り尽くした。
そのまま、ミィの頭を撃ち抜く。
ついでにその横にいた崩剣も撃ち抜く。
[ミィさんと…あと一人撃った。]
[じゃあ、退散。]
[そうする。]
そんなことを色んな大規模ギルドでしていたので、楓の木の狩数が常に上がり続け、たまに3桁近く上がるという謎が起こっていた。
イベントでは、惜しくも11位だったが、ギルド単位では最高の報酬を貰えた。
効果は楓の木のメンバーのSTRが3%上昇させるというものだった。
メイプルには関係ないとみんなが思った。
しかし、当の本人は喜んでいる。
全員の気持ちが一致した。
((((((((あ…また、なんかやったな。))))))))
結局、3層に行くためのボス戦で見せてもらうことにした。
「じゃあ、出発!」
メイプルの掛け声で全員が歩き始める。
洞窟内も、ランの射程距離に入った時点で倒されていくので問題ない。
撃ち漏らしもカスミとサリーが処理し、マイ、ユイ、カナデ、クロム、メイプルでイズを守っている。
殿がイズだとしたら、誰も勝てないだろう。
「えっとじゃあ、私が行くね。【挑発】!」
メイプルがボスの方へと向かっていく。
ボスは伸ばした根や枝で攻撃してくるがメイプルの圧倒的VITの前にはそれらは通らない。
そうしている内にメイプルがボスの真下まで近づいた。
「【捕食者】【毒竜】【滲み出る混沌】!」
メイプルの周りから化物が姿を現し、毒竜が幹をぐちゃぐちゃに汚染し、最後に打ち出された化物の口が幹を喰らった。
HPバーがガクンガクンと減少する。
しかも、二匹の化物の攻撃も止むことがない。
樹木のボスHPが減ったことで 、怒りを露わにし、二匹の化物に攻撃を仕掛ける。
「【身捧ぐ慈愛】!」
メイプルのHPが減少し天使の翼が顕現する。メイプルは二匹の受けるはずだったダメージを引き受け無力化した。
メイプルは素早くポーションを取り出すとHPを回復させる。
8人はこの姿を部屋の隅で見ていた。
「あれは何だ?どう取り繕ってももうモンスターよりだろ……俺はそう思う」
「そうかー……そんな感じかぁ……」
「見る度に付属品が増えているのは何でだろうか……」
「平常運転で安心したよ」
「やっぱり。」
「もう味方ならいいわ…味方なら」
「「メイプルさん凄いです!」」
そう言って今回のメイプルの進化を受け入れようとしていた8人だった。
しかし、メイプルにはまだ一つ残されたスキルがあった。
メイプルは今回それを初めて試してみるつもりだったのだから使わずには終われない。
「よし……【暴虐】」
小さく呟いたメイプルの体を黒い輝きが包み込む。
そして、真っ黒な太い光の柱が天井に向かって伸びるとメイプルの両サイドにいた化物に似た姿になる。
違う点は何本もの手足が生えている点だった。
メイプルの両サイドの化物は消えてしまった。
化物が樹木のボスに突進して掴みかかり、その口から炎を吐き出す。
木に炎はよく効いたようで、化物を倒すためにと根や枝さらには魔法まで使って攻撃する。
しかし、樹木のボスは化物を倒すに至らないどころか傷一つつけることが出来なかったのである。
化物はおぼつかない動きで、爪で幹を割き、蹴りつけて陥没させ、口しかない頭部で喰らいつく。
しばらくそうして戦っていた二体だったが、結局耐えきれずに樹木のボスが倒れてしまった。
化物はサリー達の方に向かってのしのしと歩いてくる。
警戒する8人に向かって化物が口を近づける。
「いやー……これ操作難しいよ!」
そう言った化物を見て流石に全員の思考が停止した。
「め、メイプル?」
「うん、そうだよ?」
ノイズ混じりの声で話す化物の正体はメイプルだった。
皆が困惑する中サリーが元の姿に戻れるかメイプルに聞く。
「んー…ちょっと待ってね」
そう言ってから数秒後腹部が裂けてメイプルが落ちてきた。
メイプルが化物から出てくると化物の姿は崩れて消えてしまった。
8人が近寄ってくる。
「出来る範囲で説明してくれると嬉しいんだけど……」
サリーも今回は流石に許容範囲を超えてしまったらしい。
「えっとね…あれは装備の効果が全部無くなる代わりに【STR】と【AGI】が50増えてHPが1000になって、HPが無くなっても元の状態に戻るだけっていう…」
デメリットは装備の能力値上昇や装備のスキルを使えなくなること、それに一日一回しか使うことが出来ないことくらいである。
このスキルによりメイプルは死にかけた際の緊急回避が可能になった。
「ああ……遂に本当に人間を辞めたのか」
「ああ、 辞めたな。これはもう間違いない」
比喩などではなくメイプルは化物になれるようになってしまったのだ。