コミュ障を治す為にも極振りで頑張ります!   作:Negima -{}@{}@{}-

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器用特化と最強

ランは鬼に続いて魔法陣へと乗って用意されたバトルフィールドへとやってきた。

 

「さあ、やろうか人間」

 

少し離れた場所にいる鬼が言い放ち、その右手に二メートルほどの薙刀が出現する。

 

ランはと言うと軽く足踏みして、アンクレットを起動させる。

 

「可畏、よろしく。」

 

鬼を統べるスキル、【統鬼】をもつ可畏を呼び出した。

最強の白鬼は可畏の姿を見た途端に薙刀をしまう。

 

「ラクシャーサ様の加護を受ける人間でしたか。それでしたら、俺に敵対の意思はありません。」

「そうか、まあ酒でも飲むか?」

「ぜひ、ご一緒させてください。」

 

ランを置いて進んでいく話を聞いて、可畏にお酒は飲めないことを言う。

すると、スキル譲渡の儀式のために水でいいから盃を交わしてくれと言われた。

 

隣にある譲渡の間と呼ばれる場所に入る。

 

鬼の両手が輝き、朱に染められた盃が二つ出現した。

鬼はそのうち一つをランに手渡すと、また新たに出現させた大きな瓢箪からランと自分の盃に液体を注いでいく。

 

「私戦ってない…」

「確かにな…じゃあスキルと武器の強化でどうだ?」

「ラクシャーサ様が仰るならそうしますね。」

 

鬼とランがそれを飲み干したその時、ランに通知が届いた。

 

『スキル【白鬼夜行Ⅰ】が【白鬼夜行Ⅹ】になりました。』

『レールガンの射程が無限になりました。』

 

スキルはレベルを最大まで上げてくれたようだ。

レベルが上がったことで一体一体のステータスが上がったらしい。

 

レールガン方は第4回イベントの時に受けた弱体化が戻ったというところだろう。

 

 

 

しばらくすると、鬼が立ち上がった。

何があったのか聞いてみると、新しい挑戦者が来たようだ。

 

元々、鬼を倒した人に与えられるスキルをランはもらっていないので、次の人間を待つらしい。

 

しばらくここにいて良いか聞くと、鬼は構わないと言ったので他の従魔達も出してみんなで遊んでいると戦闘の間から聞き覚えのある声が聞こえてくる。

 

その声はメイプルのものだった。

 

それを聞いて、ここにいてはメイプルと鉢合わせるのがわかったので皆をアンクレットに戻して立ち去る。

 

ランはすることが無くなったので四層の街に設置されたベンチでボーッとしていた。

 

しばらくそうしているとメイプルが現れてランにお願いをした。

 

「ラン、これからダンジョン攻略手伝って!」

「いいよ。」

「ありがとう!」

 

二人がダンジョンに向かっている最中にフレデリカとその一行に出会い、一緒にいくことになった。

 

道中の敵は、いるだけで絶対の守護領域が生まれるメイプルによって危険性を完全に排除される。

殲滅もランの従魔たちが担当している。

 

当然、一人も欠けることなくボス部屋へたどり着くことに成功した。

 

「固まって進んでー!」

 

ボス部屋に入った面々はメイプルの前に立って進んでいく。

ランだけは後ろで麻痺をかけていく。

 

メイプルの【身捧ぐ慈愛】は第四回イベントでの度重なる使用もありその能力を多くのプレイヤーが知っている。

散らずともおよそ全ての攻撃は無力化されるのだから真っ直ぐにボスへ向かえばいい。

 

そうしてHPを削り、削り、大狐を追い詰めていく。フレデリカ達もトップレベルなのだからメイプルとランの支援があればそうそう負けなどしない。

 

「速くなった!」

 

フレデリカの言うように狐の速度は急に速くなった。

捉えられなくなり、攻撃が空振りする。

 

狐のHPは残り2割ほどでほぼ残っていないが、攻撃がほとんど当たらない。

 

「サリーほどじゃないけどー……」

 

魔法を撃ち続けながらフレデリカが呟く。

少しは当たるが、なかなか時間がかかるだろうことが誰にでも分かった。

 

狐が飛び退き、フレデリカがため息をこぼす。

 

「面倒だなー、っ!?」

 

サリーと戦うことで身に付き始めたもの。

ドレッドが言っていた直感といわれるそれがフレデリカに伝えたもの、それは背後からの嫌な予感。

 

フレデリカが振り返ると同時。

 

「【百鬼夜行】」

「【白鬼夜行】」

 

メイプルの煌めく金の髪は黒に戻りその翼は光となって消えた。

 

入れ替わりに溢れ出るのは二つの炎。

 

メイプルを背後から照らしあげる紫炎。

ランを背後から照らしあげる白炎。

 

その向こう側に溢れる大量の妖。

お互いの主を先頭として続く百鬼夜行、悪夢の列。

 

「行って」

「可畏、統率して」

 

可畏の統率によって列をなして鬼達が狐にむかっていく。

 

向かってくる鬼に狐は回避する場所がない。

その巨体、それを迎え撃つ鬼は無限大。

 

攻撃力の低い鬼達では狐を一撃で倒すことは叶わない。

 

それでも連打、連打。フロアが小さく見えるほどの鬼が溢れかえる。

 

呆けるフレデリカ達の目の前で紅い花が咲く。

吹き出る血のように狐からダメージエフェクトが咲き乱れる。

 

回避能力が上がろうと、回避出来るスペースがなくては意味がない。

生き残る場所のないところで回避を試みることなどどこまでも無意味だった。

 

狐が倒れ伏していく姿をフレデリカ達が静かに見守る姿はどこか悟りを開いたかのようだった。

 

『レベルが57に上がりました。』

 

そんな機械音とともに、狐が完全に光となって消えた後で五層へと繋がる道が現れた。

 

「ありがとうフレデリカ。フレデリカに何かあったら手伝うから、またね」

「私も、いつでも…」

「……え、ああ、うん」

 

まだ悟りの境地から戻ってきていなかったフレデリカが力のない返事をし、それを聞いたメイプルは五層へと姿を消した。

 

「メイプル達、どこで?いや、あそこかー」

 

フレデリカが一人考えていると、今の今まで棒立ちになっていた隣の男性プレイヤーが話しかけた。

 

「どこだ?あのスキルに見当でも……」

 

次第に回り始めた彼の頭が一つの可能性を探り当て、話の途中ではっとする。

 

「うん、多分四層の白鬼かなー」

 

「弱体化させる方法が見つかったのか……?」

 

「どうだろうねー。メイプル達なら……」

 

弱体化などなしで倒しているのかもしれないとそう思ったフレデリカだった。

 

確固たる証拠がなくともそう信じられるくらいの信用。

メイプル達を強いと思っているが故の確信だった。

 

まあ、ランは裏ルートで手に入れているのだがフレデリカがそれを知ることは無い。

 

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