ハイスクールD×D ~黄金の果実争奪戦~   作:カズミン

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第2話 変身!空からバナナ!バナナ!バナナ~!

~公園~

 

帰路の最中、通りかかった公園でイッセーが目にしたのは、カラスのような翼を生やした黒髪の少女と、腹部から血を流して倒れているイッセーの双子の弟、兵藤竜誠が倒れていた。

 

「な~んだぁ、神器も持っていない、ただの人間じゃない。」

黒髪の少女は突然の乱入者であるイッセーの登場に目を丸くしたものの、何の力もない人間であることを感じ取るとイッセーを嘲笑した。

「・・・あらぁ?貴方、竜誠君のお兄さんじゃない。」

「何だおm―――」

「悪いけど、貴方も死んでくれる?」

イッセーは背筋が凍るような悪寒を感じ、その場を飛び退くと、先程までイッセーがいた場所には光の槍が突き刺さっていた。

 

黒髪の少女は次々に光の槍を出現させると、イッセー目掛けて連続で投げつけた。

「ちぃ!」

イッセーはダンスのステップの要領で投げつけられた光の槍を軽々と避けると、懐からトランプを取り出し、手裏剣のように少女目掛けて投げつけた。

 

黒髪の少女はトランプを避けたものの、一枚の黑の『ジョーカー』のカードが頬を掠り、少女の方に一筋の切り傷ができ、その傷口から一筋の血が流れ落ちてきた。

 

「へぇ~、中々やるじゃない。まさか私の投げた槍を全部避けて、私に掠り傷を負わせるなんてね。手を抜いてたとはいえ、流石はダンス部の部長さんね。」

「何?俺の事を調べたのか?」

「まぁね。貴方の弟君の身辺調査をしただけよ。弟君を殺すためにね。」

「なるほどな、コイツはさっきお前の言っていた『神器』とやらを持っていたから殺されそうになったってことか。」

イッセーは黒髪の少女の言葉に納得したように頷いた。

 

「えぇそうよ。竜誠君は『神器』を持っていた。だから殺したの。ホントはあなたを殺す予定は無かったのだけど。見られちゃったから、死んでくれない?」

黒髪の少女は美しい微笑みを浮かべながらそう言った。

「なるほど、証拠隠滅ということか。」

「えぇそうよ。冥途の土産に私の名前を教えてあげるわ。私は堕天使のレイナーレ。いずれ至高の堕天使となる者よ!」

黒髪の少女―――レイナーレは光の槍を出現させるとイッセーに向けた。

 

 

「だが、断る。」

イッセーは懐から戦極ドライバーを取り出すと、腹部に押し当てた。

戦極ドライバーを装着したイッセーは次にバナナロックシードを取り出して構えた。

「鬼が出るか蛇が出るか、試してみるか。」

イッセーはロックシードを解錠した。

 

≪バッナ~ナ!≫

 

イッセーの上空にファスナーが開いたかのような丸い穴が出現し、そこから鋼鉄製のバナナが現れ、イッセーの頭上で制止した。

「バ、バナナ!?」

レイナーレは何が起きたのか理解できず、口をあんぐり開けて硬直していた。

「バナナ、が、出るのか。・・・まぁ、凌馬が作るものだからな。」

イッセーもレイナーレ程ではないが驚いて目を見開くが、すぐに『従兄の凌馬が作るものだから』と納得した。

 

「ふぅぅぅ。・・・やるか。」

イッセーは気持ちを落ち着かせるために目をつぶって息を吐きだすと、再び目を開けた。

そして、ロックシードを人差し指に引っ掛けてクルクルと回転させると、ドライバーの窪みに填めこみ、施錠した。

 

≪ロック!オォン!≫

 

夜の公園に西洋風のファンファーレが鳴り響いた。

 

「何なのよソレ!!!」

そのファンファーレに驚き、我に返ったレイナーレはイッセーに向かって叫んだ。

 

「俺は、駒王学園ダンス部、チームバロンのリーダー、兵藤、一誠だっ!!!」

イッセーはドライバーについた黄色い刃物、カッティングブレードを倒した。

≪カモン!≫

すると、イッセーの頭上で制止していた金属のバナナがイッセーの頭に覆い被さり、イッセーの体がロックシードのエネルギーで生成されたアンダースーツ、ライドウェアに包まれた。

 

≪バッナ~ナア~ムズッ!ナイト・オゥブ・スゥピア~!≫

鋼鉄のバナナが展開されると鎧となり、鎧の展開が完了するとともにロックシードの余剰エネルギーが果汁のように飛び散り、その余剰エネルギーはバナナを模した槍、バナスピアーへと形を変えた。

(バナナ、アームズか。・・・アームズ・・・アーマード、スピアー・・・騎兵・・・ライダー、アーマード、ライダーといったところか。)

『改めて名乗るとしよう。俺の名はアーマードライダー、バロンだ!』

ここに、紅蓮の槍騎士―――アーマードライダーバロンが誕生したのだった。

 

 

 

 

イッセーが変身したバロンはレイナーレに向かって一歩ずつ、ゆっくりと、しかし確実に歩き出した。

 

「アーマードライダー、バロンですって。・・・そ、そんなのこけおどしよ!」

レイナーレはバロンの登場に驚きを隠せなかったが、気を取り直し、鎧の下にあるイッセーの心臓目掛けて光の槍を投げつけた。

 

『ハッ!!!』

イッセー―――バロンはバナスピアーを振るうことで光の槍を薙ぎ払い、槍を砕いた。

 

 

「う、嘘よ!私は至高の堕天使になるのよ!こんな!こんなぁぁ!?」

そしてその光景を見たレイナーレは槍をふるっただけで治氏sんの光の槍が砕けた事実に恐怖し、我を忘れて光の槍を次々と生み出しては投げ続けた。

 

 

『哀れな女だ。』

バロンは投げつけられた光の槍をバナスピアーで全て薙ぎ払うと走り出し、バナスピアーの穂先、スピア―ヘッドをレイナーレに向かって突き出した。

 

「っ!なめるな、人間風情がぁ!」

レイナーレは本能的に上空に飛び上がってイッセーの突きを回避すると急降下して、バロンの後ろに回り込み、バロンの背中を光の槍で斬りつけた。

 

『グッ!』

切り付けられたバロンは背中から火花が散らしながら地面を転がった。

「ハァー、ハァー…。あらぁ、案外脆いのねぇ。」

バロンに一撃を加えたレイナーレは冷静さを取り戻し、余裕の笑みを浮かべた。

『なるほど。その槍はこの鎧を貫くには強度不足だが、斬りつけてダメージを与えるぐらいの力はあるらしいな。』

対するバロンは冷静に状況を分析していた。

 

 

 

 

バロンはバナスピアーで斬りかかると、レイナーレが光の槍で防ぎ、

レイナーレが光の槍で斬りかかると、バロンがバナスピアーで防ぐ。

 

このやり取りが何度か行われたとき、バロンはバナスピアーをレイナーレの心臓目掛けて突き出した。

レイナーレは後ろに下がりながら上空に飛び上がろうとした。

 

そして、レイナーレが翼を羽ばたかせ、地面を離れた瞬間にレイナーレの左肩に激痛が走った。

「っ!何が!?」

レイナーレが左肩を見ると、バナスピアーの切っ先がレイナーレの肩を貫いていた。

『あいにくとコイツは伸縮式らしくてな。』

その言葉にレイナーレは肩に刺さったバナスピアーに目を向けると、バナスピアーの黒い刀身フレーム・バナキールがむき出しになり、バナスピアーの先端部・パルプシャフトが展開しており、その分だけバナスピアーの刀身が長くなっていた。

 

 

『さぁ、どうする。』

バロンはレイナーレの肩からバナスピアーを引き抜くと、レイナーレにそう聞きながら、再び構えなおした。

 

「くっ、こんな予定じゃなかったのに。今日はこの辺で失礼するわ。」

レイナーレは左肩を右手で押さえながら悔しそうな表情を浮かべると、飛び去って行った。

『逃げたか。』

 

イッセーは変身を解除しようと、ドライバーのロックシードに手を掛けながら公園を見渡した。

『ん?』

イッセーは公園の砂場にファスナーのような空間の裂け目があるのに気が付いた。

 

『なんだあれは?行ってみるか。』

イッセーは砂場まで歩くと、空間の裂け目を通り抜けた。

 

 

~裂け目の向こう側~

 

『何だ此処は。』

 

裂け目の向こう側には、見たこともない草木が生い茂った森だった。

 

 

イッセーは森の中をしばらく歩くと、丸っぽい灰色の怪物が木に生っている果実をむしって食べているところに遭遇した。

しかも、イッセーの存在に気付いた怪物はイッセーに襲い掛かってきた。

イッセー否、バロンは焦ることなくバナスピアーを構えると、怪物に応戦した。

 

 

 

しかし、怪物を相手に戦っていたイッセーは気付いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分が通った空間の裂け目が徐々に閉じていることに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~公園~

イッセーが通り抜けた後、徐々に閉じていた空間の裂け目が完全に閉じたのと同時に、瀕死の状態でうつ伏せに倒れている竜誠の横に魔法陣が現れた。

 

そして魔法陣から光があふれ、光が消えた時には赤い髪の少女が立っていた。

 

「貴方ね、私を呼んだのは。」

赤い髪の少女は値踏みするかのような目で竜誠を観察した。

「死にそうね。傷は・・・・・へぇ、面白いことになっているじゃないの。そう、貴方がねぇ

 ・・・・・・。本当に面白いわ。」

赤い髪の少女はクスクスと含み笑いをすると、懐から8つのチェスの駒を取り出した。

「どうせ死ぬなら私が拾ってあげるわ、貴方の命。私のために生きなさい。」

赤い髪の少女は文字通り悪魔のような微笑みを浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、赤い髪の少女もまた気づいていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

兵藤竜誠がうつ伏せに倒れていたことで、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアスが現れた時に瀕死の状態ながら、意識を取り戻していて、その口元にニヤリと笑みを浮かべていたのを。

 

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