「ゴールド・・・どうして貴方は・・・。」
金銀水晶の主人公の一人であるクリスはワカバタウンで一人泣いていた。
「どうして・・・どうして私と貴方は同じ世界にいれないの?!」
クリスは自室のベットで顔を布団にうずめながら泣いていた。決して許されることではないのに彼女はあの少年に恋をしてしまった。鏡に映る少年ゴールドはこう言った。
「僕と君は決して交わることのない逆さ合わせの存在なんだ。君が主人公になれば僕は黒い闇に隠されてしまう。それをこの世界は繰り返すんだ。」
事実であり、それを覆すことは出来ないことなんてクリスは分かりきっていた。クリスは何回も鏡の向こうにいるゴールドの手を握ろうとするも、それをすり抜けてしまう。
「でも私は貴方に・・・貴方に!!」
「・・・クリス。」
鏡の向こうの少年は笑顔で優しく語り掛ける。
「クリス、一つ約束しよう。」
「・・・ゴールド。」
「今から10年後、僕は絶対に君の隣に立つ。それだけは約束するよ。だから今は。ああ、それじゃあまたね。僕はもう、遠くに行かなくちゃ、いけないから。」
「待って!! ゴールド!! 待ってよ!!」
その日以降鏡にゴールドは映らなくなった。ゴールドの言葉を信じ、クリスはひたすらに時を待ち続けた。
「ゴールド、私は諦めてないよ。だから、絶対に約束を守ってよね。」
あれから10年の月日が流れた。世間ではこの色の髪はあまり見られないらしい。でも黒はちょっと嫌かな。そうだ、茶色に染めてみよう。それと髪型も変えてみよう。折角だからおさげ髪の可愛らしい髪型にしよう。それと服装も変えてみよう。ここは大胆に変える。リボンの付いたキャスケット、赤いトップスにオーバーオール、これで行こう。それと名前も改めよう。そうだな、ジョウト地方は古都が多いし、それに鐘の音色はいい音だからその二つからとってコトネにしよう。
クリス改めコトネは再び家の外へと出た。
「・・・お待たせコトネ。待ってたよ。」
「!!」
一瞬驚いた表情を見せた彼女は直ぐに涙を眼に湛え、彼に抱きついた。
「・・・馬鹿あ!! どんだけ待ったと思ってるのよ!!」
「ごめんね。だいぶ待たせちゃったね。」
あの日はどんなに手を伸ばしてもつかめなかった存在を今は好きなだけ掴める。その喜びを二人は味わっていた。
「僕は今はヒビキって言うんだ。覚えておいてね。」
「勿論よ。ゴールドこそ私はクリスって呼ぶんじゃないわよ!!」
「早速間違えてるし。」
「う、うるさい!!」
(完)