ゴールドの家
「そう言えばシル公よお、気になってたことがあんだけどよう。」
「何だゴールド。」
「お前の父親ってサカキじゃねえか。」
「ああ、そうだが?」
「でも、お前の母親って、誰なんだ?」
「・・・・・・・・。」
無言で固まるシルバー。
「もしかして、だけどよシル公。分かんねえ・・・のか? サカキは何も言わなかったのか?」
「・・・・ああ。父さんは何も言わなかった。」
(そう言えば、考えたことがなかった。幼くしてヤナギ(逮捕済み)に拉致されたが、記憶のどこの引き出しを開けても俺の生みの親のことは出てこなかった。)
「だがゴールド、何でいきなりそんな話題を持ち出した。」
「いや、何となく疑問に思ってただけだぜ。しかし、実の肉親が犯罪者の父親に顔も分かんねえ母親か。」
「・・・何が言いたいゴールド。回答次第では。」
殺気立つ表情でモンスターボールを構えるシルバー。
「いやいや、変なことは何も考えてねえから!!」
「じゃあ何をする気だったんだ?」
「いや、俺の父さんが俺にこんな話をしてきやがったんだ。」
「ほう。お前の父さんがか。そう言えばお前の父さんは何をしているんだ? 長い間ここに居候している身だが、一度も見たことがないぞ。」
「居候してる自覚はあったんだな。」
「まあな。」
「それ誇っていう事じゃねえと思うぜシル公よ。まあ良いか。俺の父さんはエンジニアで、今ガラルっつー地方で仕事してるぜ。つい最近まではアローラにいたけどな。」
「海外で働いているのか。なら実家にいなくても仕方ないな。」
「それで、この前テレビ電話した時にお前の話題が出たんだよ。」
「俺の話題が?」
「ああ。俺の前に母さんと通話してたからそこから知ったんだと思うぜ。まあ、それで俺が親がロケット団のボスで母親はたぶん知らねえ奴だって言ったんだ。そしたらさ。」
「そしたら?」
「居候とは言え、長い間実家にいるんだろ? それにオーキド博士に認められた少年なんだろ? それでもって親がいないのは可哀そうだ。いっそうちの養子にしちゃえば良いんじゃねwww」
「って笑顔で言ってきやがったんだよ。まあ、プライドの高いお前のことだし、拒否するよな?」
シルバーの方に振り向くゴールド。
「・・・俺を家族として認める・・・だと? 良いのか?」
「・・・あれ? どうしたんだぜシル公?」
「ゴールド!!」
「な、何だよシル公!!」
ゴールドを押し倒すシルバー。
「お前の親父の発言、本気で言っているのか? 本心で言ってるのか?!」
(あれ? もしかして乗り気なんじゃ?)
「問いに答えろゴールド!!」
「・・・・ああ、本気、だと思うぜ。」
「そ、そうか。」
ゴールドから離れるシルバー。
「それじゃ、お前の親父にはよろしく伝えてくれ。俺はちょっと姉さんのところに行ってくる。」
ドンカラスにぶら下がって窓から外に飛び出すシルバー。
「・・・あれ? もしかしてこのまま行くとシル公が俺の義弟になるんじゃ?」
※この後正式に養子縁組が成立しました。やったね!!
(完)