ポケスペ総集編   作:東海鯰

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異なる出自を持つ二つの心が共鳴する時、新たな力が生まれる。いよいよ決着!!


「第七話~共鳴」

ジャイアントホール最奥部

 

「お願い!! アルセマルさん!!」

「ば、馬鹿な!! あり得るか!! 認めるか!!」

 

ラクツがファイツに手渡した最後のポケモン。それはドリームボールに収められたシンオウ地方に伝わる伝説のポケモンだった。

 

「ドドギュウウーン!!」

「こんな小娘ごときが、アルセウスを繰り出すだと!? あり得ん!!」

「アルセウス。」

 

ファイツはアルセウスの顔を見た。

 

「アルセマルさん、私は貴方の言葉は分かりません。でも。」

 

ファイツは後方で倒れ伏している彼を見る。

 

「彼の想いに共鳴していた。それだけは言葉が分からなくてもよく伝わって来ます。」

「ドドギュウウーン!!」

「どうか、その力を私に貸してください。志半ばで倒れてしまった彼の想いを無下にしない為に!!」

「ドドギュウウーン!!!!!!」

 

了承した、言わんばかりに大きな鳴き声で答えるアルセウス。

 

「私の野望がここで終わる。それだけは! それだけは!! 絶対にあってはならないのです!!」

「ゲーチス!! あんたの野望はここで終わりよ!! アルセマル!!」

 

ファイツがラクツから渡された薄いピンク色のプレートを掲げる。

 

「ドドギュウウーン!!」

 

プレートはアルセウスに吸収され、見た目を変化させる。

 

「な、何なのです!! このタイプは!!」

「新タイプフェアリータイプ。」

「! アクロマ!?」

「おっと、これは失礼。私は既にプラズマ団と縁切りをしておりますのでご安心を。」

「答えるのですアクロマ。あれは一体何だというのです。」

「あれこそアルセウスの新たな姿。せいれいプレートを装備した、フェアリータイプのアルセウスですよ。」

「フェアリータイプ。」

 

アルセウスがファイツの顔を見る。どうやら指示を待っているようだ。

 

「ええ~と、貴方の技は~。」

 

アルセウスの技を調べようとするファイツ。

 

「はははは!! まさか技も調べずに闘いを挑んでくるとは!! やってしまいなさいキュレム!! フリーズボルトです!!」

「ヒュララララ!!」

 

攻撃態勢を取り始めるキュレム。

 

「ファイツちゃん、どうやらアルセウスと共鳴出来たようだね。」

「!! ラ、ラクツ君!?」

 

ファイツの隣に立つラクツ。

 

「だ、大丈夫なの?」

「ああ。どうやらアルセマルはこれを置いて行ったらしい。」

 

ラクツは紅いプレートを取り出した。

 

「これはひのたまプレート。アルセウスを炎タイプに変換するプレートだ。どうやらせいれいプレートを吸収した時に僕のカバンの中に送っていたらしい。その結果、君とゲーチスが問答している間に僕の氷が溶け、意識を取り戻したようだ。」

「よ、良かった。」

 

ラクツに抱きつくファイツ。

 

「だけど、感動の再会を楽しむのは後にしよう、ファイツ。」

「ええ、ラクツ君。」

「ふふふ、今更復活したところで既にもう遅いのです!! キュレム!! フリーズボルトを発射するのです!!」

 

電撃を纏った氷の塊を冷気に乗せて解き放つキュレム。

 

「アルセマル! さばきのつぶて!!」

 

両者の攻撃がぶつかり合い、相殺する。

 

「ならばキュレム! コールドフレア!!」

 

再攻撃の用意を始めるキュレム。

 

(狙うなら、今しかない!!)

 

「ファイツ。僕たちの想いをアルセマルに!!」

「ええ!!」

 

 

異なる出自を持つ二つの心。それが交わり、共鳴する時、新たな力が生まれる。その時は、来た!!

 

「行くよファイツ!」

「行くわよラクツ君!」

 

「「さばきの、つぶて!!!!」」

「ドドギュウウーン!!!!!!!!!!!!」

 

共鳴し合った彼らの想いを感じ取ったアルセウスの攻撃。それは全ての理を覆す破壊力を生み出す。

 

「こ、これは一体!? 機械では測り切れないほどのパワーを発生しているううううう!!!」

 

「「いっけええええええええ!!!!!」」

 

アルセウスの攻撃がキュレムに降り注ぐ。

 

「ヒュララララ!!!」

「馬鹿な! キュレムが、この私が、敗れる、だと~!!」

 

大きな爆発音が鳴り響く。

 

「・・・ゲーチス。これで終わりだ。」

 

倒されたキュレムの前で尻もちをついているゲーチスを見下すように話しかけるラクツ。

 

「言っておくが、お前の手持ちポケモンは既に僕と彼女のポケモンが制圧済みだ。無駄な抵抗は止すんだな。」

 

彼の隣には相棒のフタチマルが控え、他の手持ちポケモンがサザンドラを始めとするゲーチスのポケモンを封殺していた。そして背後にいるアルセウスの威圧感を前にキュレムは動けずにいた。

 

「本当に勝ったつもりでいるのですか警視ラクツ。我々の息がかかった者が国際警察本部を占拠しているのですよ?」

「そうだな。確かに、お前の息がかかっていた連中が占拠していたな。だが、それも過去の話のようだがな。」

「何?」

「アクロマ、本部と繋いでやれ。」

「了解しました。」

 

アクロマが本部と通信を繋ぐ。

 

「残念だったなゲーチス。既に国際警察本部は公安部とお前らに付かなかった捜査官の有志によって既に奪回済みなのだよ。」

 

ライブキャスターには縄で縛られ、カイロスとルージュラが見張っているプラズマ団と内通していた警視総監とその一味の姿が映し出されていた。

 

「ラクツ警視、任務を遂行しろ。」

「了解です長官。」

 

ラクツは手錠をかける。

 

「七賢人ゲーチスを確保。これにて、僕の任務は終了だ。」

 

 

こうして、僕の課せられた任務、七賢人の拘束とメモリーカードの回収を成し遂げた。途中、内通者による妨害工作を受けたが、公安部や有志の助けによって何とか成し遂げることが出来た。

 

 

サザナミタウン

 

「こうしてまた貴方と見ることが出来る様になったのよね。」

「ああ。そのようだ。」

 

任務を終え、休暇を与えられたラクツはトレーナーズスクールを退校する手続きを行い、トレーナーズスクールにおけるラクツは歴史の表舞台から姿を消すこととなった。

 

「しかし、君が僕と付いてくる選択をするなんて思わなかったよ。」

 

トレーナーズスクールを去ることになったラクツはナンブ警視監やサガミ公安部部長、そして長官からファイツを国際警察に勧誘せよと特命を受けた。

 

「僕は十中八九拒否すると思っていたのに。」

「だって、私は貴方の事が好きですから。」

「? 君が好きなのはNではないのか?」

「それはもう過去の話ですよ。過去の自分を解放したんですよ。私は。そして決断したんです。貴方をずっと支えていきたい。それじゃダメですか? 好きな貴方を支えるということを。」

 

ラクツはファイツの顔をまじまじと見つめる。

 

「どうやら、本気のようだね。」

 

ラクツはファイツの手を握る。

 

「どうやら、僕も君のことが好きなようだ。そして僕をずっと締め付けていた物は、これかな?」

 

ラクツはファイツのでこにキスをした。

 

「chれいjpふぇをjぎれkふぇ!?」

「そういうファイツちゃんの顔、本当にかわいいよね。」

「もう~!! ファイツ怒りましたよ~!!」

「あははははは!!」

 

ラクツはドリームボールを取り出す。そこにはもう、かつての彼の手持ち、アルセウスはいない。

 

(もしかして、アルセウスはこの為に僕の夢に現れてくれたのかい? なら、本当にありがとう。おかげで僕は。)

 

「もう~、聞いてるんですか~!!」

「聞いてる聞いてるって。」

 

こうして僕らは休暇を満喫し、国際警察本部に戻ることになった。迎えに来たオウメによれば、おそらく新たな任務が与えられるのだろうと。既にハンサムは新たな任務を携え、アローラ地方に旅立ったという。

 

(かつての僕は一人だった。常に一人だった。それは孤独だった。怖いと思うことはなかった。でも、これからは違う。)

 

ラクツはファイツの方に視線を向ける。

 

「これからもよろしくね、ファイツちゃん。」

 

 

(しかし、アクロマを裏切らせ、僕との戦闘を回避させることで消耗を抑えようとした国際警察のS。一体何者だろうか?)

(・・・・一人しかいないだろうよ)

 

 

国際警察本部長官室

 

「これは、本当なのかサガミ部長。」

「ええ。既に捕らえた警視総監の成れの果てが死に際に吐き出しました。どうやら再起を図ろうとしている模様です。」

「そうか。では、彼らにお願いするとしよう。公安部には借りを作り過ぎてしまったからな。今こっちに向かっているのだろう? ナンブ警視総監。」

「はい。サザナミからこちらに向かっております。」

「では、到着次第新たな辞令を付与するとしよう。では、これで解散としよう。」

「「ははっ!」」

 

(完)

 

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