アサギシティの灯台
「久しぶりねシルバーと二人きりで遊ぶのねー。」
「そ、そうだね姉さん。」
「しかもシルバーの方から誘ってきてくれるなんてどういう風の吹き回しかしら?」
シルバーの目の前でこれ見よがしにくるくると回ったり、笑顔を見せる。
「姉さん。」
「どうしたのシルバー?」
「もしも何だけど、聞いてくれるかな?」
「勿論よ! なんでも聞いて頂戴!! 何でも答えてあげるから!!」
「姉さん。」
シルバーはポケットから小さな箱を取り出した。
「どうしたのシルバー? ホワイトデーは昨日貰ったわよ?」
「そうじゃないんだ。」
顔を赤らめるシルバー。
「さては、中身は指輪ね!」
「!!」
驚いた表情を浮かべるシルバー。
「ど、どうして分かったの姉さん?」
「私は誰だと思ってるのシルバー。それくらいの事お見通しよ!」
「そ、そうなんだ。」
「ま、実際はゴールドがあんたがクリスと宝石店に出入りしてたってレッドに言ってるのを聞いただけなんだけどね。」
(あの野郎! 後で〆ておくか。そうだ、それがいい。)
「それで、どんな指輪にしてくれたの~?」
シルバーから箱を奪い取るブルー。
「ベニトアイトね! この宝石は!!」
「い、一番姉さんの名前に合った色の宝石だなって思って・・・その。」
シルバーはブルーの顔を赤らめながら見る。
「ね、姉さん!!」
深く深呼吸するシルバー。
「姉さん! 俺は一緒に逃げたあの日からずっと姉さんのことが好きなんだ!! だから・・・だから・・・。」
(何回も練習したはずなのに・・・・出ない。あと一言が・・・出ない。)
「それ以上言わなくて良いわ。」
「姉さん?」
優しくシルバーを抱きしめるブルー。
「言わなくても分かるから。大丈夫よシルバー。」
「うう、姉さん。」
泣きながら抱き返すシルバー。
「「これからも、ずっと俺達は(私達は)一緒だ(よ)!!」」
「永遠にお幸せだぜシルバー。」
「良かった。本当に良かったわシルバー。遂に・・・うう。」
「泣くなよクリス。次は俺達が。」
「いやー!!」
「ぐえ。何も蹴らなくても良いだろうよ。」
「うう、ブルー。うう、さようなら俺の初恋の子。」
「さようなら写真の子。」
「でもこれで良かったんじゃないですか? 相思相愛ですし。」
(何か騒がしい気がするわね。)
「姉さん、絶対に幸せにするから。絶対に。」
「絶対に幸せにしてよね。じゃないとグリーンに浮気しちゃうから。」
「え?!」
「「「「え?!」」」」
「冗談よ冗談♪」
「絶対に後悔させないから!!」
その後のヤマブキ行のリニア中央新幹線最終列車の車内。
「ねえ、姉さん。」
「何シルバー?」
「本当に、俺で良かったの?」
「何言ってんのよ? 貴方が私にプロポーズしたんんでしょ?」
そうだ。確かに俺は姉さんのことが心の底から好きでデートに誘い、そしてプロポーズをした。姉さんは俺のプロポーズを受け入れて見事姉さんのハートを射抜くことが出来た。本当に嬉しい。嬉しくないはずがない。しかし、
「姉さんにも、もしかしたら俺以外に一緒になりたいと思う人がいたんじゃないのか、俺の行為で姉さんの本当の。」
「想いをふいにしてるとか言うつもりなんでしょ?」
「・・・・・・。」
「図星ね。やっぱりまだまだ青いわねシルバー。でも、そこが本当に可愛いのよね~。」
シルバーの耳元にそっと呟くブルー。
「実はね、私もシルバー以外に一緒になりたい、結婚したって思う男なんていなかったのよ。」
「ほ、本当に?」
ブルーの顔を驚いた表情で見つめるシルバー。
「本当よ。それとも、この私が信じられないの?」
「そ、そんなことないよ姉さん!!」
「だったら、無駄なことを考えないことよシルバー。折角の男前な顔が台無しよ?」
「・・・・・・・・・・・・。」
シルバーは自然と涙が目に溢れていた。
(本当に、姉さんにプロポーズして良かった。)
「姉さん。」
「何シルバー?」
ブルーを抱き締めるシルバー。
「絶対に、絶対に姉さんを幸せにして見せる。この銀の瞳にかけて。」
「・・・期待してるわよ、シルバー。でも、時には甘えても良いのよ。」
「ありがとう姉さん・・・。」
「でもねシルバー?」
「?」
「ここ、リニアの中だからね? そういう行為は慎んだ方が良いわよ。」
「あ。」
~まもなく、終点ヤマブキです。お出口は左側です。在来線各線と、地下鉄線はお乗り換えです。本日もJRをご利用ください.
ましてありがとうございました。~
「・・・・・・・。」
その後顔を赤くしたままシルバーはブルーと改札を出るのであった。
(完)