転生者がジーク君に干渉した結果   作:クソ眼鏡3号

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短いです。
今年になってようやく買えた稲作ゲームにどっぷりハマり、その後のFGOのイベントやらに翻弄されて、なかなか書く気力が湧かず、執筆が遅れました。
おのれ村正。沢山周回して石を用意したのに引けなかった。
おのれ稲作シュミレーションゲーム。メッチャ楽しい。


第七話

ジークはセイバーとヨハンが帰ってきた時の為に夕飯の買い出しを終えた時だった。

その日は学校から帰る際に買い物をしていたので時間は夕暮れになっていた。

 

帰路につくジークが家の前に着くと、セイバーがいた。

 

「おかえり」

 

セイバーに向けてそう言うと、セイバーは悲しそうな顔でジークに応える。

 

「ただいま…戻りました」

 

セイバーの元気のない返事にジークは訝しむも、すぐに異変に気づく。

 

ヨハンがいない。

 

それにセイバーの様子に違和感がある。いつもと様子は変わらないが、いつもより生気に満ちた存在感がある。

 

「先生は…帰って来てないのか?」

 

内心でもセイバーの雰囲気から察しがついているが、そんな訳ないと自分で自分の考えを無理矢理否定して縋る様にセイバーに問いかける。

 

()()()()()()()

 

だがセイバーはジークの願いを容赦無く粉砕する。

 

「………え?」

 

セイバーの返事に驚愕するジークをあえて間を置かずに更に告げる。

 

「ヨハンさんは、私を受肉させる為にその身を代償にして消滅しました」

 

「ジーク君。彼から伝言があります」

 

ヨハンの死に衝撃を受けるジークだが、以前から寿命が少ない事も言われていたので、多少は納得はするが、心情的には理解したくない気持ちがある。

セイバーはそれを察しつつもジークの肩を掴んで、ジークと真正面から向き合ってヨハンからの伝言をジークに伝える。

 

「苦しい時、辛い時、悲しい時、痛い時、怖い時、とにかく自分が追い詰められた時には『まだだ』と口にする事」

 

「その言葉と意思があらゆる不可能を可能にする『魔法の言葉』だと言っていました」

 

ヨハンの言った事はただの根性論だ。本来ならなんの気休めにもならない筈の言葉だが。

 

「ジーク君は辛さも分かります。ですから今すぐに言ってください」

 

「『まだだ』と」

 

呆然とするジークは、セイバーの言葉を理解こそ出来るが納得も共感も出来なかった。

相変わらずヨハンの言葉はよく分からない。

でもジークはこれまで彼と共にしていて多少なりともヨハンの事は理解しているつもりだ。

ヨハンなら困惑するジークに「何事も試しにやってみる事だ」と言うだろう。

だからジークはとりあえず先程の言葉を口にしてみた。

 

「まだだ」

 

所詮はただの言葉だ。

ヨハンは『魔法の言葉』と言っていたが、大した効果も奇跡も起こさない普通の言葉だ。

だが、それでも何故か勇気は湧いてくる。

ヨハンとの思い出が蘇る。

ヨハンの言っていた言葉を思い出す。

ヨハンとの思い出を思い出す。

彼に見出されて、ジークの現在がある。

ヨハンがいなければジークは、ただのホムンクルスとして過ごして終わっていただろう。

 

思い出す内にヨハンにもう会えないという事実が辛くて悲しくなる。

せっかく湧いた勇気が悲しみに押し潰される。

その勇気を無駄にしない為にもう一度先程の言葉を口にする。

 

「まだだ」

 

言葉を口にするとまた勇気が湧いた。

不思議な言葉だと思う。

涙が出そうになるが、とにかく『前に進もう』と思える。

なるほど、確かにこれは魔法の言葉だ。

 

「まだだ」

 

口にする度に悲しみを押し潰すほどの勇気とやる気が湧いてくる。

ヨハンとの思い出を悲しいだけの思い出ではなく、前へ進む糧へと変えていく。

ヨハンの死は確かに悲しい。だが、幾ら悲しんだ所で現実は変わらない。

肝心なのは『そこからどうするか』だ。

 

「セイバー」

 

だからこそ、目の前に残った最後の家族と話をする事にした。

 

「大丈夫ですか?」

 

心配そうに顔を覗かせるセイバーにジークは微笑み返す。

 

「まず…家に入ろう。そこでゆっくり話を聞かせてくれないか?」

 

ジークの笑顔に驚きつつも、その提案は悪くないと思い、彼女も笑顔で応える。

 

「そうですね。受肉したばかりでしたのでお腹が空いてきました。貴方の手料理をご馳走してください」

 

「それと…これからはセイバーではなく()()()()()と呼んでください」

 

「それが、これからの私の名前です」

 

セイバー改めレティシアの言葉にジークは頷く。

そして2人は家に向かって帰路につく。

これからは、新しい生活が始まるだろう。

ヨハンという人間がいない為に大変な思いもするだろう。

 

「分かった…レティシア。貴方に合うとてもいい名前だ」

 

戸籍上の名前とはいえ、ジークに褒められてレティシアは少し照れた様子だった。

 

「……これからはジーク君と2人で暮らしていくので、それについてもじっくり話し合いましょう」

 

「ああ…これからは社会に馴染んでいかないとな。ヨハン先生はいないけど、頼りにしてるよ。社会の厳しさは俺一人じゃ耐えられないからな」

 

「生きる」というのは何よりも過酷な物だ。

それをジークはヨハンから教わった。

人間社会の厳しさは容赦が無い。

前世も含めて人生経験の豊富なヨハンがいない事でそれなりの苦労もあるだろう。

だがそれでも生きていかなければならないのだ。

 

「そうか、では社会の厳しさを教えてやろう」

 

すると突如、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。同時にジークの視界が揺れた。

そしてジークの身体に強烈な激痛が襲いかかり、ジークの視界は暗転した。




我ながら執筆速度は遅いですが、皆様の暇つぶしになれば幸いです。
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