転生者がジーク君に干渉した結果   作:クソ眼鏡3号

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投稿が遅れてすいません。
なんせ深夜テンションで書いているので、悪い時は一文字も書けない事もあるくらいです。
妄想が盛り上がってもテンションが上がらないと中々書けない自分の性質が憎い。
次の投稿は気長にお待ち下さい。


第八話

吹き飛ばされたジークを認識したレティシアは、すぐに身構える。

魔力で武装を顕現させて、英霊としての能力を発揮出来る様に魔力を練り上げる。

ジークを吹き飛ばした人影に聖旗で攻撃する。

振り下ろされた聖旗は魔力によるブーストで強化された聖旗は、コンクリートを余裕で粉砕する威力がある。

だが、その聖旗をその人影は片手で受け止めた。

そしてレティシアは、その人影の正体に気づく。

 

「貴方は……()()()()()()()⁉︎」

 

黒い長髪と鋭い眼孔をした美しい成人女性…『佐藤莉亜』がレティシアの聖旗を片手に掴んでいた。

戦闘用の魔術礼装を着込んでいる莉亜は、その肉体を強化させて、聖旗を滑る様な動きでレティシアとの距離を詰める。

そこから繰り出されるのは八極拳でも代表的な技として認知されている『鉄山靠(てつざんこう)』と呼ばれる技だ。

一見すると背中で体当たりする様な形に見える技だ。

魔力で強化された肉体は、本来の技の威力を底上げし、まともに喰らえば常人なら死に至る程の衝撃を生むだろう。

 

ヨハンとジークと暮らしていた頃にやっていた格ゲーで見た事があるレティシアは、瞬時に対魔力のスキルを用いて、魔力によって生じた衝撃そのものを逸らしにかかる。

 

()()()に決まっているだろ」

 

そう言って、莉亜は空いた左手でレティシアの両目に目突きを繰り出す。

それをレティシアは『啓示』のスキルで予知した彼女は咄嗟に後ろに倒れて回避する。

 

「良い反応だ。流石はサーヴァント。英霊なだけあって上手く避ける」

 

倒れたレティシアをそのまま拳で追撃するが、レティシアは魔力で強化した足で起き上がり際に素早く跳躍する。

瞬時に上に飛んだレティシアに追撃の直前に気づいた莉亜はレティシアの跳躍に巻き込まれない様に強化された肉体で全力のバックステップで後ろに下がる。

高い跳躍から着地したレティシアを見て、莉亜はつまらなそうに独りごちた。

 

「何故、自分達が襲われているのか分からんという顔だな?」

 

「分からんか?少し考えれば分かるだろう」

 

「聖杯戦争の事は、マイナーだが魔術師の間でも噂になっている儀式だ。受肉したサーヴァントを襲う理由など幾らでも思いつく」

 

突然の奇襲に動揺するレティシアだが、それを莉亜の冷静な態度で諭す様に言い放つ。

 

「現代に蘇った英霊など研究対象としては非常に有用だ」

 

「それに我が兄の最高傑作であろうお前のマスターも個人的に研究してみたい」

 

「お前達は、私の『根源』への研究に協力してもらう」

 

佐藤莉亜は、魔術師として真っ当な目的を掲げている。

彼女は普通の魔術師の元で育ち、普通の魔術師として育てられた彼女にはそれ以外の目的は無い。

 

「具体的には…どの様な協力をご所望ですか?」

 

莉亜の言い分を聞いたレティシアは即座に先程の動揺を消し去り、サーヴァントとしての自分に切り替える。

レティシアは別に魔術を否定する訳ではない。莉亜の目的にも協力出来るならしてやりたい。

レティシアも自分の納得出来る事なら、研究に協力するのは吝かではない。

レティシアの問いに莉亜は驚く。

 

「私の納得出来る内容ならば、私は協力しましょう。だからどうか私のマスターには手を出さないでくれませんか?」

 

魔術師の実験体になろうとする者は基本的には皆無だ。

余程の狂人か聖人でなければ、魔術の実験体などなろうとしない。

莉亜に歩む寄ろうとする姿勢を取るレティシアに莉亜は亜然する。

すぐに冷静になり考えを巡らせて答えた。

その答えは全霊の拳だった。

 

「そんな見え見えの騙し討ちに引っかかる奴がいるかよ」

 

レティシアは聖旗で防ぐも、聖旗ごと拳の衝撃で吹き飛ばす。

吹き飛ばされたレティシアは、壁に激突する。

そんな態度を取りながら背後から奇襲を仕掛けてくる輩を莉亜は腐る程見てきた。

魔術師として育てられ、現代社会にも適応出来る様に英才教育を受けてきた莉亜には詐欺や騙しの手口も熟知している。

相手が自分にとって都合の良い条件を突きつけながら近づいてきた人間は要注意だと。

そんな甘い罠にかかり痛い目に合う者を、魔術社会のみならず現代社会でも腐る程いる。

 

()()()()()()()()()()()()

 

もし佐藤莉亜が、レティシアの事を『ジャンヌ・ダルク』と知っていれば、彼女の条件を呑んだかもしれない。

だが、佐藤莉亜にはそんな事は知る由もないのだ。

莉亜もまた、目の前のサーヴァントの真名には興味も無かった。

そんな『もしも』はありえない。

 

「そうですか、残念です」

 

そして、銃の発砲音と共に莉亜の左肩に激痛が走った。

路上の壁にレティシアは服こそ多少は汚れていたが、大した負傷は負っていない様だ。

鋭い目つきをした彼女の右手には拳銃が握られていた。

『M1911』通称「コルト・ガバメント」と呼ばれる自動拳銃だ。

 

「やはりまだ狙いが正確にはいきませんね…」

 

「驚いたな…英霊の癖にそんなモノに頼って恥ずかしくないのか?」

 

自分の未熟な射撃に自虐するレティシアに莉亜は挑発する。

魔術師というのは基本的に銃などの文明の利器を唾棄している。

莉亜自身は親からそう教わっているが、別に彼女自身は嫌いではない。便利な物は使うべきだ。あくまでも体裁として嫌う素振りをしているだけだ。

現代の魔術師は現代の科学技術の利便性に気づく者も多い。

それらを有効に利用し、魔術に組み込む者もいる。

そんな柔軟な発想をする魔術師が現代には少なからずいる。

英霊でありながら生前の武装に頼らず現代の武器を使用する目の前のレティシアに少し感心しながら、彼女への警戒を強める。

 

「ちっとも恥ずかしくありません。利用できる物は利用するべきです」

 

莉亜の問いに応えながら、拳銃を乱射する。

投影魔術による再現とはいえ、その再現を忠実に行える様にジークとヨハンで特訓を重ねた彼女には、ジークとヨハンほどの再現度には出来ずとも、武器としては十分機能出来る程度に習得している。

よって彼女の銃から放たれた銃弾は本来の銃弾と変わらない。当たればサーヴァントなどの超常の存在を除けば十分に威力を期待出来る。

相手が魔術師とはいえ普通の人間ならば、当たればまず痛いでは済まない。

 

迫る銃弾を莉亜は素早く躱す。

 

支配魔術による肉体強化により、視力はおろか反射神経すらも強化している為、音速で飛ぶ銃弾を躱す事など簡単だ。

やろうと思えば銃弾を逸らす事も「掴む」事も可能だ。

だが、放たれる銃弾は熱を帯びている為、掴んだ際には軽い火傷を負って拳が鈍ってしまう為、莉亜は躱す選択をした。

 

「同感だ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

莉亜がそう言うと、突如として周囲の住宅から一斉に人々の悲鳴が上がった。

 

「何だ今の音⁉︎」

「銃声⁉︎」

「何だ何だ⁉︎」

 

その住人達の声と共に、住宅の窓から覗く人影と共に家を飛び出す者もいる。

 

「アイツ銃なんか持ってるぞ⁉︎」

「早く、警察に通報しないと⁉︎」

「こんな所で何してんだよコイツら⁉︎」

 

レティシアの持つ銃を見て住人達はパニックになる。

それを見たレティシアは己の失態に歯噛みする。

 

「(しまった…()()()()()⁉︎)」

 

本来なら魔術はその仕組み故に人前で披露してはならない。

もしも魔術が人目につけば、その魔術は神秘を失い、最悪の場合その魔術系統すらも消滅してしまう。

それは魔術師の常識だ。

てっきり彼女は、莉亜が人目を配慮して何らかの魔術を施した上で、自分達を襲って来たのだと思ったのだ。

そう認識した上で銃撃した事が裏目に出てしまった。

だが、おかしい。

この民衆の混乱は莉亜にとっても不利益な筈だ。

だというのに…。

 

「余所見をするとは余裕だな?」

 

佐藤莉亜は住人達の視線や混乱を全く気にする様子が無いのが異常だった。

 

一才の動揺もなく、彼女は戦闘を続行した。

 

轟音と共に莉亜の強烈な飛び蹴りがレティシアの腹部に繰り出された。

 

「…ッ⁉︎」

 

吹き飛ばされ路上に叩きつけられる。

 

その激痛を意志のみで押し潰して立ち上がる。

 

拳銃をもう一丁投影して、二丁拳銃で莉亜を銃撃する。

レティシアの射撃の腕はまだまだ未熟だ。

だが、ヨハンから少しだが指導を受けて彼女なりに非常に納得した教えが彼女にはある。

 

()()()()()()()()()()()()()

 

その教えの通り、レティシアは両手に握った二丁の拳銃で乱射する。

その銃声による住人達の悲鳴を頭の片隅に追いやってひたすらに銃を乱射する。

 

今は佐藤莉亜という脅威からジークを守るのが先決だ。

 

弾が切れても、即座に投影魔術で補填し、弾切れを起こす事はまず無い。

だが、投影されたコルトガバメントが、銃撃に耐えられず、破損してしまう。

投影魔術で作られた物はイメージを保っていなければすぐに破損し消滅する。

まだまだ未熟なレティシアの銃では十数回の銃撃も耐えられなかったのだろう。

 

だが、無いなら作ればいい。

 

すぐに同じ物を作り、再び銃撃を開始する。

また銃が破損すれば、また作り、壊れては作りを繰り返して、拙くも強引な弾幕を形成する。

その弾幕は、莉亜の周囲のアスファルトとコンクリートを砕く。

だが。

 

「おい」

 

全く気にする事なく向かい風を進む様な気軽さで銃弾の嵐をゆっくりと歩く莉亜の姿をレティシアは見た。

 

()()だろうが」

 

そしてよく見ると、彼女の手には火傷の跡があった。

恐ろしい結論にレティシアは達する。

 

結論から言えば、目の前の彼女は素手で全ての銃弾を逸らしたのだ。

 

支配魔術で強化された肉体は、音速で動く事が可能になったとしても、迫る銃弾の全てを逸らすなど不可能な筈だ。

そう衝撃を受けるレティシアだが、実際は違う。

佐藤莉亜の魔術系統は支配魔術だ。

支配魔術により肉体を()()する事で、一時的に皮膚から骨、果ては内臓に至るまで全くの別物に()()する事が可能だ。

本来ならば音速が限界の肉体のスペックを底上げし、更に頑丈に変えて、肉体の限界以上のスペックを引き出す。

強化魔術で重複されたその肉体は、本来の肉体のスペックを『()()』した身体能力を秘めているのだ。

その能力に耐えられる頑丈な肉体に『改造』している為、反動もほとんど無いのだ。

ただ肉体を支配し改造する際は、必然的に生命の危険と激痛というリスクを伴う。

だがそれを彼女はこう結論した。

 

『そんなものは耐えれば良い。慣れてしまえばどうという事は無い』

 

やはり彼女もまた魔術師であり人でなしだ。

肉体ではなくその精神が本来の人間の在り方から歪んだ価値観を持って歩くその姿は正に怪物だった。

 

すると、動揺する住民達の中から見覚えのある人間がレティシアの周りを囲む。

それは佐藤家で働いていた使用人だった。

それを見てレティシアは今もなお動揺し続ける住民達を前に冷静な態度を崩さない莉亜の秘密に気づいた。

 

おそらく、()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そうすれば、相手の動揺を誘う事が出来る。

 

やはり彼女はヨハンの妹だ。やる事なす事が破天荒な所がよく似ている。

 

それでもなおレティシアは両手の拳銃で銃弾を撃ち続ける。住民達に気を使う必要が無いと分かれば銃器を思い切りぶっ放せる。

 

「読めたぞ…お前という英霊が」

 

その弾幕の中を優雅に歩きながらレティシアに話しかける。

 

「見た所、あまり大層な武器や能力は持たないみたいだが、お前の本質はおそらく防御に趣きを置いている」

 

「魔術による範囲攻撃や大規模な攻撃にはお前の独壇場だろう」

 

「だが、その反面。接近戦や肉弾戦においてならお前は弱者だ」

 

「ある程度は戦える様だが、一流の戦闘者の前では焼き付き刃でしかない。()()()()()()()()()()()()()()

 

「お前は戦争に置いては要の存在だろうが、戦闘に置いては二流だな」

 

「お前の戦い方と姿勢を見れば、それくらいは読み取れる」

 

銃弾の嵐を歩む莉亜に最早銃は効かないと判断したレティシアは、近距離に近づいた莉亜を迎撃すべく、銃撃をやめて本来の武装である聖旗に持ち替えて、渾身の力で聖旗を横なぎに振るう。

 

「つまり分かりやすく言えば、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

轟音と共に振われた聖旗を片手で掴み、音速の勢いと衝撃を無理矢理押さえ込み、レティシアの動きを封じる。

 

「その性質を理解出来れば…お前は脅威にはならん」

 

そしてレティシアの顔面に莉亜の拳が叩き込められた。

拳を叩き込まれて怯んだレティシアの右脚の骨を蹴りで折る。

続いて左腕を掴み、骨を拳で砕く。

右足と左腕を行動不能にされたレティシアに待つのは、莉亜の拳の連打(ラッシュ)だ。

レティシアの全身に強烈な拳の嵐が襲いかかった。

 

 

 




何このゴリラ。
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