転生者がジーク君に干渉した結果   作:クソ眼鏡3号

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いかん、何となく買ったバディミッションのゲームが面白くて執筆が進まない。
『相棒』の存在って憧れますよね。
実は今作のジーク君には相棒キャラを設定だけは考えていたんですが、出す展開が思いつかず、没にしてしまいました。
勿体無い事しちゃったなぁ。


第十一話

まずジークは、先程の西洋剣を投影しようとしてやめた。

投影した剣では、完成度が低く、普段から投影もしていないので実用出来るまで時間がかかる。

投影では駄目だ。

()()()()()()()使()()()()()()()()()()()()()

そんな事を考えながらジークは莉亜に向けて、突貫する。

そしてジークは咄嗟に思いついた方法を実践してみる事にした。

 

ジークの取った方法は単純だ。

ただ単純に剣の形にした魔力の塊を造り、それを剣として振るう。

投影魔術の失敗による産物だ。そして後にジークが『魔力剣(まりょくけん)』と呼ぶ魔術だった。

 

だが、そんなものは魔術師から見ればただの出来損ないの魔力の塊を振るう児戯にしか見えない。

魔術師で腕に覚えのある莉亜の前で、そんな物を造り、武器として使用するジークを見て莉亜は激怒した。

右腕は失っても、まだ左腕と両脚がある。

欠損した部分から血が滴っているが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

勿論、戦闘に耐えられる様に無理矢理血液を硬化させておく。

術者の魔力が続く限り、止血も出来る上に新たな腕を生やして、欠損した右腕を補う。

まだ彼女の戦闘能力は一切落ちてはいない。

 

「ふざけるなよ、ホムンクルス⁉︎あれほどの奇跡を起こして置いて、戦い方はソレか⁉︎」

 

「私を侮辱するのも大概にしろ!」

 

莉亜からすれば、魔法級の奇跡を起こしておいて、急に児戯の様な魔術を使い始めたのだ。

それこそ、魔術師ならば誰でも出来そうな魔力の塊の剣の形に凝縮し振るうなど魔術師の見習いでも使える魔術だ。否、魔術ですらありはしない。

剣の形をしていようと魔力の塊は脆い。

振われた魔力剣は当然の様に砕かれた。

 

「まだだ!」

 

だが、ジークも当然、それだけで終わらない。

砕かれた魔力剣に即座に魔力を通して再生させて斬りつける。

砕かれる。再生させる。砕かれる。修復させる。

 

「まだだ!」

 

何度も、何度も何度も何度も何度も何度もその応酬を繰り返す。

ジークもただ繰り返すだけではない。

そして砕かれる度に再生しては、魔力剣を振るう剣術の冴えが増していく。

ジークフリートから与えられた情報には()()()()()()()()()()()()()()()()

その剣術から思考パターンまでの正確な情報を読み取り、共感し、再現する事でジークは戦法すらもジークフリートに近づいていく。

 

「まだ…まだ!」

 

ジークがそれを意識していれば繰り返す内に、拙く弱かったジークの戦闘能力がどんどん向上していく。

その姿は正に異常だったが、もはや()()()()()()()()()()()()()()

何故ならそんな不可能を可能に変える奇跡こそが『魔術』である。

脆弱なホムンクルスが超一流の戦士に変貌するなど、腕の良い錬金術師ならそれくらいは可能だろう。

そう納得して莉亜は戦いに集中する。

 

「おおおおおおおおおおおおおおおお!」

 

最初は脆く砕けていくだけだった魔力剣が、次第に壊れ難くなっていく。

本来なら脆い筈の魔力剣に魔力を集中させる事で強固な一本の剣にしているのだ。

初めは一撃で、次は二撃、次は三撃、次は四撃、次は五撃、次々と破壊する度に固くなっていく魔力剣は遂には莉亜の拳と完全に拮抗し始めた。

武器が互いに拮抗したならば、後は()()()()()()()()()()()()

支配魔術を使い、強化魔術で重複した莉亜の身体能力はサーヴァントに匹敵するだろう。

ジークもまた、魔血の魔術師のブーストによりサーヴァントに匹敵する身体能力がある。

ジークフリートの剣術や体捌きなどの技術を少しずつ体に馴染ませていき、次第に莉亜の領域まで王手をかけるほど急成長していく。

 

そして、両者とも互角の状態になり、ジークが剣を振り下ろした所で、莉亜は切り札を発動した。

 

(ここで決めなければ、死ぬ…!)

 

そう確信しながら、彼女は切り札を切る。

 

時間支配拘束 3秒(タイムロック スリーカウント)!」

 

その瞬間、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

時の流れが遅くなってしまい、莉亜にはジークの動きがビデオのスローモーションの様に遅く見えている。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

これこそが彼女の切り札。

術者の『時間』を支配し、その支配した時間の中で術者は自在に動く事が出来る支配魔術の奥義だ。

本来ならば、莉亜の実力では使う事が出来ないほどの魔術だが、莉亜の体には佐藤家が長きに渡って伝えてきた魔術刻印がある。

その魔術刻印に刻まれた魔術こそ『時間』を支配する魔術だ。だが、勿論デメリットもある。魔術刻印を刻んだ術者以外に効果を発揮出来ないし、支配出来る時間も最大で3秒と短い。

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

だが、それでも僅かとはいえ現実における時間操作にまで手をかけたのは単純に歴代の佐藤家の魔術師達の執念だろう。

それでも悲しい事に魔術師の世界では、その成果が明らかになっても凡才だ。何故ならそれほどまでに魔術師達の世界は魔境なのだから。

 

だが、それでも戦いの場においてその『執念の3秒間』は大きなアドバンテージになる。

 

そして遅くなった3秒間で莉亜が取った行動は決まっている。

ジークの殺害を決行する。

 

莉亜は血の右腕を支配魔術で片刃の刃に変化させる。

水圧カッターの様に高速に発射し、鋭利な刃として発射する。

 

そして、発射された莉亜の血刃は()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

ジークは突然に浮遊感に困惑する。

首を切断されて頭部が宙に浮いたのだ。

ジークは突然映った自分の体を見て、自分の首が切られた事を認識した。

 

(…このままでは死ぬな)

 

呑気にもその考えに辿り着き、ジークはその現実を受け止めた。

 

そしてその現実に抗う為にジークは気力を振り絞って『魔法の言葉』を口にする。

 

まだだ!

 

首を切られたからといって、まだ即死しているわけではない。

過去に何処かの国で()()()()()()()()()()()()()()()()という話を聞いたことがある。

事実か創作かはどうであれ、現代でも首を切断しても人間はまだ意識を保つ事が出来ると一部では信じられている。

それは一種の信仰であり未だ人類の科学が及んでいない神秘の部分だ。

故にその現象に限って超常の力が働いても何もおかしくない。

 

つまり、意思さえ強く持てば、首を切断されてもまだ少しくらいは生きていられるのだ。

 

その『少し』がジークの命を救った。

 

その少しの間に、ジークの身体は飛んでいった自らの頭部を手でガシッと掴み、切断面に押しつけた。

切断面に押しつけた瞬間に錬金術で皮膚から骨まで繋ぎ止める事で、ジークは一命を取り留める。

 

「化け物かッ⁉︎貴様ッ⁉︎」

 

そんな光景を見て堪らないのは、莉亜だ。

幾らジークが無意識でとはいえ第三魔法の片鱗を扱えるとしても、首を切断されて、その首を掴んで元の位置に治すなど、最早『死徒』の領域だ。

超人の域に片足を突っ込んでいるジークの所業に呆気を取られて、彼女は驚愕という致命的な隙を晒してしまった。

 

その隙を突く為にジークが取った行動は、斬撃ではなく、銃撃だった。

 

投影魔術による銃の訓練は、ジークもやっている。少なくともレティシアよりは魔術に精通しているジークは銃の投影を瞬時に行える。

ジークは、『M1911』通称コルトガバメントを構えて、莉亜を銃撃する。

 

狙うのは、莉亜の頭…ではなく脚だ。

 

放たれた銃弾は莉亜の右足の膝を貫き、莉亜は体勢を崩して倒れてしまう。

 

()()()()

 

ジークは倒れた莉亜の頭部を()()()押さえつける。

それが意味するのは、ジークの得意魔術『理導/開通(シュトラセ・ゲーエン)』だ。

 

「ホ……ムン……クルスゥゥぅ!!!」

 

怨嗟の声を溢す莉亜にジークは一言だけ彼女に宣言する。

 

「貴方の命は、俺が背負っていく」

 

「好きに恨んでくれて構わない。俺は…貴方という『敵』を忘れない」

 

今から殺す人間の命を勝手に背負うと約束して、佐藤莉亜という『敵』を勝手に心に刻んだ。

 

そして、佐藤莉亜の人生は終わりを迎える。

 

その死体は、頭部が破裂した様なスプラッタな首無し死体となって、後に支配魔術から解放された住人達によって発見された。

 

 




莉亜の使った切り札は、切嗣の使っていたタイムアルターの下位互換版とイメージして貰えば嬉しいです。
つか、よくよく考えたら衛宮の家系って凄まじいな…。切嗣の親父さんこと衛宮矩賢の代で根源に王手をかけていたし。
ジークの首チョンパの展開からの首をくっつける所を書いている時に、何故か昔見た「ポピーザぱ○ォーマー」を思い出した。これ分かる人いる?

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