リアルの方で色々とあってモチベが落ちてしまい、投稿が遅れました。
しかも今回は繋ぎ回で短いです。
オルレアンとはカルデアにとって特異点Fを除けば藤丸立香にとって、初めて自分から乗り込んだ特異点だ。
彼にとって、そこでの思い出はとても印象深い出来事ばかりだった。
特異点での出来事はどれも忘れられない出来事ばかりだが、オルレアンは特に初めてという事もあって何処か特別感があった。
夢で見た事を出来るだけ簡潔にまとめてマシュやカルデアのスタッフ達に報告する。
今までも藤丸立香の『夢』を介した案件がいくつもあったので、スタッフ達は疑う事なくすぐに調査を開始する。
しばらくして、カルデアの頭脳こと小さい少女の姿をしたダ・ヴィンチちゃんから告げられた。
「君に言われた通り、ちょっと調べたら見つかったよ」
「特異点を2016年のオルレアン付近で観測したよ……」
「まさか向こうから挑戦状を叩きつけてくるなんてねー。よっぽどの自信の持ち主なのかな?」
ダ・ヴィンチちゃんがいつもの調子で立香に報告する。
発見された特異点は微小特異点の類のモノだ。
それでもそれをほっとく訳にはいかないのですぐにレイシフトの準備をしながら立香は考える。
「……ジーク……か……」
立香の脳裏に浮かぶのは、カルデアに所属しているホムンクルスの事だ。
顔立ちや名前などの共通点もあるが、まだ少ししか関わりがないが英霊ジークの性格も少し似ている感じもする。
英霊ジークの事をカルデアの皆に報告したら、一様に驚かれた。当然だ。
カルデアのジークは普段から大人しく、ジークフリートや邪竜ファヴニールに一瞬だけ変身出来るとはいえ、普段の状態では普通のサーヴァントとある程度しか打ちえないほど弱い。
それでも純粋で自身の研鑽を怠らないので、世話焼きの者達からは可愛がられている。
そんなジークが英霊となり、その英霊ジークがカルデアに宣戦布告するなど普通に考えれば信じられないだろう。
だが、平行世界には文字通り無数の可能性がある。
今回もその事例だと認識して、対して大事には捉えられず、受け入れられた。
ただ立香にはそんな簡単に受け入れてはいけないと思ってしまう。
彼と会った時は両腕を切り落とされた時は流石に恐怖を感じたが、その直後に治療もされた。
その後は立香が話しやすい様に武器も渡してくれた。
立香は少なくとも悪い人という印象は無く、「とにかく何事にも真摯に向き合う真面目な人」というのが立香の印象だ。
だが、その分、あの頼もしいエドモン・ダンテスを圧倒したその姿は正に英雄だった。
良くも悪くも真摯な人物なら為に意外と落ち着いて話し合えば、エドモン・ダンテスも傷を負う事はなかったかもしれない。
「先輩」
そんな事を考えていると、マシュが話しかけてきた。
立香は思考を打ち切って、彼女との話に集中する。
「レイシフトの準備が出来たので、そのお知らせに来ました」
「ああ、ありがとうマシュ」
いつもの様にマシュに先導され、カルデアの魔術礼装に着替えた立香はコフィンに向かう。
その道中をマシュが立香に雑談をしながら進む。
「オルレアンというと、私達が改めてカルデアとして初めてレイシフトした場所でしたね」
「うん。ロマンがいた頃だったね。今思えば懐かしいよ…」
正確には初めての特異点は、特異点Fだが、カルデアのマスターとして自分から乗り込んだ初めての特異点がオルレアンだ。
あの頃は、何もかもが初めてで、必死に駆け抜けた一時だった。
今は色々とあって、ノウム・カルデアにあるが、なんだかんだで今ではいい思い出だ。
そんな感じでかつてのカルデアを懐かしみながら談笑をする。
懐かしい思い出を噛み締めながら、管制室に向かう。
「ふむ…時間通りに来たな。ちゃんと準備は出来たか?」
その管制室では、いつものノウム・カルデアの中心メンバー達がいた。
シオン、ダ・ヴィンチちゃん、シャーロック・ホームズ、ゴルドルフムジークがいたが、今回はそれに加えて、敵として先程宣戦布告した英霊「ジーク」がいた。
「いや、なにしてんの⁉︎」
立香はその衝撃のあまり声を荒げてしまう。
マシュも驚きはすれど、すぐに戦闘態勢に入る。
「先輩!私の背後に!」
マシュの言う通り、立香はマシュの背後に回る。
「安心しろ。危害を加えるつもりはない」
「彼らには
ジークはダ・ヴィンチ達に視線を送りながら立香とマシュに弁明する。
そして、彼に代わってダ・ヴィンチちゃんが説明する。
「いやぁ、立香君達が動揺するのも分かるよ。私達も最初この管制室に彼が来た時は流石にビビったけどね」
「ただ…まさか彼が
ダ・ヴィンチはジークの頼んだ要件を立香達に教える。
それを聞いた立香は、流石に疑問を感じずにはいられない。
何故敵である彼がわざわざカルデアに来て、サーヴァントの戦力を全て自分にぶつける様な事をわざわざ敵の者に頼むんだ?
訳がわからない。
マシュも彼の意図が分からず、混乱している。
「藤丸立香。お前には言った筈だ。
「あの言葉に嘘は無い。一切の誇張なくカルデアの全戦力を俺にぶつけろ」
「その為に、俺はここに来た。そこの所長を怯えさせて悪いと思うが、頼む」
またも、彼は真摯な態度で立香に頭を下げて頼み込んでいた。
その腰の低さに立香とマシュはなんだかジークフリートに似ているなと思った。
「ああ、私の事は気にしないでいいからね?ここで暴れたりしないでね?ホント⁉︎」
「不思議だ…何故か貴方には既視感を感じる…」
「ヒィッ!」
そう言いながら現在のカルデアの所長ゴルドルフ・ムジークは、ブルブルと震えながらジークに注意を呼びかけるが、ジークがゴルドルフを見て、不思議な感覚を味わうが、その視線を恐怖に感じてしまったゴルドルフは更にジークと距離を取ってしまった。
その姿を見て、ジークは少し笑ってしまう。
なんだかんだで何処か愛嬌のあるゴルドルフ・ムジークをジークは少し気に入ってしまった様だった。
そして、ジークは管制室の扉に歩いていく。
「2016年のオルレアンにて待つ。戦いの舞台は整えておく。カルデアの全戦力を持って俺と戦え」
「ここに来たのは単純に、その為の準備をしに来ただけだ。藤丸立香を殺した所で『カルデア』と戦った事にはならない」
「『カルデア』の戦力、サポートに至るまで全てを引き出した上で真っ正面から戦って初めて『戦い』と呼べるんだ」
「俺が望むのは『戦い』だ。その為ならば苦労の一つや二つやっておかなくてどうする?」
ジークはそれが当然だと言わんばかりに発言する。
正直言って、呆れるほどに誠実だ。
多少とはいえ色々な物を見てきた立香でさえも『戦い』とは『なんでもあり』でルールなど存在しない。
その戦いを彼は何処までも『対等』に戦う為に、『敵』として戦う為に。
カルデアという『敵に塩を送る』行為すらもする誠実さに流石にこの場の誰もが呆れてしまった。
その中で、立香は言う。
「俺達は貴方と戦います」
「人類の『敵』を…『カルデア』は倒してみせる」
立香の発言にその場の皆は驚くが、すぐに立香の真っ直ぐな目を見て皆は笑みを浮かべる。
いつだってカルデアはそうしてきた。彼の真っ直ぐに突き進む精神と共にカルデアはいつだってピンチを乗り越えて来た。
その誠実さに応えたいと立香は思ってしまった。
彼の『敵』として相応しい行動を取らなければとつい立香は言ってしまった。
恥ずかしいとは思う。厚顔無恥とも、他力本願だとも少し思う。
それでも。
彼という『敵』と並び立ちたいという静かな決意が立香から迷いを消した。
「それでこそだ…カルデアのマスター」
そう言って、ジークは管制室の扉をくぐるとその姿を消した。
その後、立香達はカルデアのサーヴァント達に全員でオルレアンに乗り込む事を伝える。
カルデアでは
そこで、ダ・ヴィンチが立香達に話しかける。
「先程、彼は何処かに『消えて』いった。どうやって移動したのか。どのセンサーにも反応が無いし、どの部屋にもいない。文字通り彼は何処かに瞬間移動みたいな事をしたんだ。それがどんな意味か分かるかい?」
「つまり、彼はそういったスキルを持っているんだ。そして彼は何かと『人類の敵』といワードを強調していた……。ここから導き出される答えは立香君も分かっているだろう?」
「彼は非常に高い確率で『
ボスラッシュ(敵が)。
今までのビーストは力が強大が割りには、カルデアのサーヴァント全員を真っ正面から相手しようとしたビーストはいなかったので、今作のジーク君にやらせる事にしました。
やっぱ、自分の書きたい事を書くのが一番ですよね。
正直な所、最近はこの作品の評価が気になってしまって悩んでいたのですが、もうこの際、私の書きたい事を全部ぶつける事にしました。
これからも投稿が遅い私ですが、どうか「読んでいただければ」幸いです。