ポケモンの熱が再燃し、その短編を書いていたら遅れてしまいました。
今回は戦闘回。
本当はジークがカルデアに挑んだ動機やらを書くつもりでしたが、それは次回に持ち越します。
ジーク達はカルデアのサーヴァント達に向けて突撃を敢行する。
「『
その手に握るそれぞれの幻想大剣に黄昏の魔力を超収束させて、サーヴァント達に斬りかかる。
ジークの『
だが、その斬断能力はとにかく強力だ。
振るえば空間すらも切り裂く。つまり限定的だが空間干渉が可能になったのだ。
空間に干渉を出来るとなれば、その応用性は一気に幅広くなる。
空間を斬るという動作を行う事で、限定的な瞬間移動を可能にする。離れた場所から斬るなどの多くの応用が効く様になる。
そんな大剣に直接当たれば、肉体を斬断され、サーヴァント相手には即死にはならなくとも戦力の低下は避けられない。
先程のケルトの英霊達が、スキルを発動する間もなく倒されたのもその性質による物だ。
そしてジーク達がその『幻想大剣・天魔必滅』をそれぞれに発動させて突撃するとどうなるか。
当然、虐殺が始まる。
「汝を脅威と認識した」
最初は項羽がジークの危険性を察知して真っ先に挑む。
項羽の6本の腕の剣を巧みに操り、3人のジークと斬り合いになる。
ジークの持つ『幻想大剣・天魔必滅』を全て捌き、3人のジークを正面から渡り合う。
項羽の軀は、中国異聞帯にて最適化された項羽の肉体だ。
スピードもパワーも全て備えた肉体と、人型の頃から圧倒的な実力を誇っていた項羽には正に鬼に金棒だ。
その近接戦闘の強さはカルデアでもトップクラスだろう。
ジーク達も3人でやっと渡り合うのが限界だった。
ジークが1人だったら、項羽も『脅威』とは判断しなかったのも納得だ。
故にジークの取った行動は一つだ。
数で押し潰せばいい。
他のジークが、それを察知して項羽を四方から襲いかかる。
「ッ⁉︎」
「俺も卑怯な手口だと思う。だが、これくらいはしないと貴方は倒せない」
必滅の魔力光を纏った他の10人のジークに一斉に襲い掛かられ、項羽は6本の腕を最大限に利用して攻撃を捌いていく。だが、手数は単純に数の多いジークが上だ。
項羽はジークの必滅の斬撃を防ぎ切れず、バラバラに斬断させられる。
「貴様ァァァァ!!!」
それを見た虞美人が激昂してジークに襲いかかる。
「すまないが、貴方は宇宙旅行でも楽しんでくれ」
「え?」
虞美人が何かアクションを起こす前に1人のジークが虞美人の顔と腕を掴み、ジークは全力疾走からの全力投擲で虞美人を
虞美人は『真祖』の類いにある生命体だ。正確には本来の意味での『真祖』とは違う様だが似たような物だ。
不死身の化け物を討伐するには、斬ったり潰したりした所で何も効果は無い。
ならば、
ジークの全身全霊の投擲で、虞美人は第三宇宙速度に達して固有結界を超えて大気圏を突破して宇宙空間に放り出される事となった。
他のジーク達はそのトンチキな光景を見もせずにカルデアのサーヴァント達に次々と挑んでいく。
ジーク達はその場で剣を振るい、空間を斬る事で斬撃を離れた場所から攻撃する。
放たれた斬撃は、斬撃の嵐となりサーヴァント達に襲いかかる。
武芸に長けたサーヴァントはそれを避ける事は出来たが、他の作家や魔術師などの非戦闘のサーヴァント達は避け切れず、ある者はそのまま斬り刻まれ、ある者は掠った程度で済むが、斬られた部分から核分裂反応により被曝に似た症状に陥る事になる。
掠っただけでも致命傷になる刃を受けて、それでも立ち上がる者もまたいる。
「『
クリミアの天使。ナイチンゲールの宝具が傷ついた者を癒すべく宝具を解放する。
勿論、それを見過ごすほど敵は甘くない。
「収束開放。消し飛べっ!」
1人のジークが超収束した幻想大剣を解放する。
光速に迫る勢いで収束された魔力を解放すれば、そこから起きるのは、黄昏の津波だ。
無論、やられるだけの英霊達ではない。
その津波を消し飛ばすべく、立ち上がる者達もいる。
「『
「『
其々の剣と槍から放たれた極光が黄昏の津波を裂いた。
星が生んだ神造兵器にして、星の聖剣と星の聖槍。
それに防げない脅威は無い。
アルトリア・ペンドラゴンという英霊が、ジークの前に立ち塞がった。
星の聖剣や聖槍はジークでは解析出来ず「理導・開通」では破壊できない。
ならば、狙うならその使用者の方だ。
ジークは疾駆し、アルトリアに斬りかかるが、そこに円卓の騎士が守りを固めてそれを防ぐ。
そこからは剣の英霊達によるワンサイドゲームだ。
いくらジークがケルトの英霊達と互角に渡り合う経験を経たとしても、幾つもの『覚醒』を経て到達した領域だ。
幾ら身体能力が高くなったからといって、技量は一朝一夕では身につかない。
そこまでの技量を瞬時に発揮出来るほど現実は甘くない。
その現実を知っているからこそ、カルデアの英霊達が出した答えは簡単だ。
ならば、その領域までに到達させなければ良い。
要は圧倒的な火力で押し潰せば何も問題は無いのだから。
小賢しい方法で翻弄するよりも、そっちの方が簡単だ。
故に彼等は宝具を遠慮なく解放しジークに各自の宝具攻撃を浴びせた。
「『
「『
「『
「『
「『
「『
ベディヴィエールの銀の腕の一閃が、ガレスの槍が、ガヴェインの太陽の一閃が、ランスロットの剣が、モードレッドの閃光が、トリスタンの矢が、ジークを蹂躙する。
「───あ────!──」
いつものように『魔法の言葉』を言う暇もなく、そのジークは消滅した。
だが、それでもまだ一体だけだ。
周囲のジークを警戒して構える。
円卓の騎士達もそれも分かっている。1人倒した所で安堵などとても出来ない。
故に、円卓の騎士達は見落としていた。
ジークの能力の異常性を。
それを見ていたジークはあろう事がもう一体のジークの足を掴み、円卓の騎士達に投げたのだ。
突然の事に一時は呆然とする投げられたジークだったが、その意図を理解し、行動を開始する。
「──固有結界、
「───『
その単語を呟くと、投げられたジークは見る見る姿を変えていく。
肌が黒くなり、体が一回り大きくなる。
顔の一部と肉体の殆どが黒い表皮に覆われ、髪も一部黒に変色していた。
その現象の名は悪竜現象。
欲望により、人から竜へと変身する現象だ。
ジークはあろう事が、それを故意に暴走させて、限定的だが制御を可能にしたのだ。
それは生前での経験から得た教訓だ。
生前にエミヤとの戦闘の際に、固有結界が暴走し、邪竜ファブニールとなり剣の巨人と戦った。
それを教訓にして生まれた戦法だ。
欲望つまり意思によって、悪竜現象は起こる。
ならば、固有結界を強制的に暴走させて、その意思を保ち続け、竜化を途中で止まらせれば、自身を半分ほど竜化させて人の形を保ったまま戦える。
勿論、一度変身すれば元に戻る事が出来ないので二度と竜を生み出す事が出来なくなるので普段は使わないが、今回は複数のジークの分身体を作り出した事で漸く出来る戦法だ。
投げられたジークは、その勢いのまま斬りかかる。
そのスピードは、正に弾丸であり、音速を超えて弾にはそのスピードによる負荷がかかる筈が、ジークは竜化した事でその負担は無いに等しい。だからこその竜化だ。
超音速に加速した竜人となった弾は、まともに衝突すれば、間違いなく粉々に消し飛ばすだろう。
「させません!」
その衝突を直感で察知したアルトリアは、ジークに向けて剣を振り下ろし風王結界による突風によりその勢いを相殺する。
その拍子にジークの幻想大剣とアルトリアの聖剣がぶつかり合う。
鍔迫り合いとなり、アルトリアは魔力放出のスキルで、押し切ろうとするが、力は全くの互角だった。
それだけでは終わらない。
この竜化をしたという事はその個体は理性的な行動を捨てたという事だ。
つまりこの形態は攻撃に全振りした姿だ。
その形態から繰り出される攻撃が容易い訳が無い。
魔力放出とはそもそも竜や神などが持つ人ならざる者が主に所有しているスキルだ。
アルトリアは生まれる前に竜の因子を埋め込まれて生まれた事でこのスキルを持っている。竜の因子を持った彼女が使えるのならば半分とはいえ竜そのものと化したジークに使えない道理はない。
「オオオオオオ!」
竜化したジークはアルトリアとの鍔迫り合いの中で、背後から魔力を噴射し、アルトリアの魔力放出のパワーを押し返して、アルトリアの顔面を左手で鷲掴みにし、その頭部を握力で握り潰そうとするが、それを察知したランスロットに左腕を斬り落とされる。
「王には護衛が付き物だ。そう簡単に王の命を取れると思ったら、大間違いだ」
その言葉をランスロットが発した直後、竜人の視界が揺らいだ。
ジークの頭上にはもう1人のランスロット、バーサーカーのランスロットが既に飛び上がり武器を構えていた。
使用する武器は『
即ちランスロットの持つ神造兵器がジークに振り下ろされた。
「Arrrrrrthurrrrrrrrr!」
その叫びと共にジークの首を斬り落とす。
そしてその首と離れた胴体を、騎士達は出来るだけ滅多斬りにする。
小さな竜人となったジークを力は脅威だ。
時間が経てば経つほどその本領を発揮して騎士や英雄達を蹂躙するだろう。
だったら、発揮する前に倒せば最良だ。
ジークの危険性を理解した上で騎士達は容赦はしない。
だが、それでも竜人は未だ倒れない。
「まだだ」
その竜人は当たり前の様に覚醒し、その猛攻に立ち向かう。
斬られた左腕を竜として備えた再生能力とその魂をエネルギーに変えて錬金術ではなく
それは紛れもなくジークが第三魔法へと王手をかけた事の証だった。
第三魔法の本質は『魂の物質化』による不老不死と永久機関。
今のジークでは魂の物質化を部分的にしか成せていない。だが、それでも片鱗どころか一部にまで手を広げている。
今のジークを殺す方法は非常に限られており、追い詰められた事に変わりない。
「あの俺を殺したければ、せめてこの魂を消し炭に変えるくらいの火力は持って来い」
「聖剣なり聖槍なりを撃って試したらどうだ?」
「先程の攻防で学習させてもらった。次はそう簡単には撃たせんがな」
そして、円卓の騎士に横合いから殴りつけるように別のジークが乱入し、必滅の大剣で円卓の騎士達を斬りつけた。
一方、投げたもう1人のジークは、自身の固有結界を暴走させて、途中で止める事はせずに完全に邪竜ファブニールと化していた。
だが、それでも未だその意思を朧げながら保っており、その手に変化した幻想大剣を握る。
そして、邪竜は竜騎士として、戦場を闊歩する。
剣術を扱う竜などカルデアは遭遇していない。
その未知に挑むべく、ベオウルフが雄叫びを上げながら竜騎士に挑む。
「オオオオオオオオオオオオ!」
竜騎士はベオウルフに気づき、竜騎士は巨大化した幻想大剣を振るう。
ベオウルフはその手に持つ『赤原猟犬』と『鉄槌蛇潰』を力任せに全力で打ち込み、その巨剣を逸らす。
全力で打ち込まれた双剣は壊れてしまうが、それをキッカケにベオウルフの最大の武器が開放される。
竜騎士の懐に近づいたベオウルフはその宝具を解放する。
「『源流闘争』っ!」
原始時代から続く人の武器『素手』を用いてベオウルフは竜騎士を殴る。
天性の肉体と弛まぬ鍛錬を経て得た怪力こそがベオウルフの真の武器だ。
更にベオウルフには生前の逸話によって『竜殺し』のスキルがある。
故にベオウルフは竜に対して特効が働く。
ベオウルフもまた『竜殺し』なのだから。
そして、ベオウルフの拳が打ち込まれる度に竜騎士はどんどん押されていく。
ベオウルフを攻撃しようにも、それすらベオウルフをさせない。
即座に動かそうとした腕をベオウルフが攻撃し、行動を制限させる。
「オラオラどうしたどうした!剣持っただけで終わりか⁉︎」
「それじゃつまんねえだろ!もっと気張ってみろ!殴り返して来いよ!」
喜悦の表情を浮かべながら、興奮気味に邪竜を殴る。
その言葉を朧げな意識の中で聞いた邪竜は、巨剣となった大剣を手放して、拳を握り構えを取る。
「──ヘェ───ヤるか!」
その姿勢を見たベオウルフは、同じ土俵に立とうとする邪竜を気に入って、技ではなく「殴る」事で倒す事を決意する。
「オオオオオオオオオオオオ!」
邪竜の鉄拳がベオウルフに迫る。
「よしっ!来いっ!」
ベオウルフは敢えて避けずにその拳を全身で受けた。
ベオウルフはその拳の勢いのまま、地面に埋まる。
激痛が襲う。骨が折れる。肉が裂ける。
だが、ベオウルフの意思は折れていない。
「いいモン持ってんじゃねぇか!面白えぇ!」
「今度はこっちの番だぁぁぁ!」
その程度の損傷でベオウルフは折れたりしない。
まだ五体満足で肉体は千切れていないから、この程度はかすり傷と同じだ。
ベオウルフは邪竜へ向けて全霊の拳を邪竜の顔面に叩きつけた。
それを受けて邪竜は仰け反るが、倒れずにベオウルフに向けて再度拳を振るう。
ベオウルフは己の拳でそれを迎え撃つ。
そして、そこには竜と人が対等に殴り合う奇妙な光景が出来上がった。
その珍妙な光景を目にした他のサーヴァント達は、目を丸くする前にベオウルフの支援を行う。
ある者は遠距離武器や魔術で援護を、ある者は己が作品で出来る事をする。
ナイチンゲールは宝具によるベオウルフの治療に専念し、アスクレピオスとシャルル・アンリ・サンソンは、その戦いの余波に巻き込まれた者の傷を癒す事に専念する。
そして、ベオウルフは変わらず殴り続ける最中に乱入者が現れる。
「楽しそうにしてんじゃねェか!ムカつくぜ!俺も混ぜろやぁ!」
その怒りの言葉と共に、巨大なチャクラムを放り捨てて、邪竜との殴り合いに怒りの化身を名乗るインドの英霊『アシュヴァッターマン』が、邪竜の顎を殴り抜く。
インドの大英雄の参戦に更に戦いは苛烈する。
「カルナとアルジュナの野郎には1人ずつ持って行かれたからな。俺は特大のヤツで我慢させてもらうとするぜ」
インドの大英雄達は、それぞれで1人のジークを相手にして戦っている。
戦士の戦いを邪魔するほどアシュヴァッターマンの性根は腐ってはいない。
「オオオオオオラアアアアァァ!」
アシュヴァッターマンの全霊の炎を纏った拳とベオウルフの拳が邪竜に向けて振るわれる。
その特大の拳の前に邪竜は体内で魔力を練り上げる。
本来ならその魔力でブレスを繰り出されるが今回はブレスではなく拳に魔力を集める。
竜が生み出す魔力は人間の比ではない。
その竜の拳に集められた魔力は、収束し裂光を放っていた。
その拳だけで対軍宝具並みの威力はあるだろう。
それでも邪竜の前の拳士は折れずに立ち向かう。
拳を握り、雄叫びを上げて、仲間の支援を受けて前に進んでいた。
「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」」
2人の拳と邪竜の拳がぶつかった。
一方、カルデアのマスターである立香は、離れた場所でマシュと共にカルデアの英霊達と邪竜達が繰り広げる戦いをただ見ている事しかできなかった。
そこへ突然声が響いた。
「マスターならば、魔術の一つや二つ使ってサーヴァントを支援するべきだろう?それともこれだけの数の味方の誰を支援すれば良いのか分からないのか?」
その言葉を聞いてすぐに立香の背後にジークが現れた。
正確には常人では感じ取れない速度で移動したのだろう。
「先輩っ⁉︎」
マシュは驚いて、立香とジークの間に入ろうとするが、その前にジークが大剣を振りかざし、立香へと剣を振り下ろした。
カルデアにとってマスターは要であり弱点そのものだ。
故にサーヴァントは全霊をかけてマスターを守らなければならない。
今サーヴァントは他のジークを相手にするのが精一杯だ。
故に今、マスターを守るのはシールダーだけだと判断したジークをマスターに奇襲を仕掛けたのだ。
「それを見過ごすとお思いですか?」
と、その威厳のある言葉と一緒にジークの剣を受けて止めて守るサーヴァントが現れた。
ゲオルギウス。聖人として世界に認められている竜殺しの逸話を持つ英霊。
ジーク相手にはマスターを守る盾として適任だろう。
更にゲオルギウスがジークの剣を受け止めた直後、ジークの頭上に迫る者もいた。
「せいっ!」
聖人マルタの鉄拳がジークの頭に振るわれ、ジークはマルタの拳骨を食らう事になった。ジークの頭から頭蓋骨が砕ける音が立香にも聞こえたが、ジーク本人はそれを気に止めずに落下してきたマルタの足を掴む。
「うわっ⁉︎」
マルタはまさか殴った相手が怯まずに足を掴まれるとは思っていなかったらしく、女性らしい可愛らしい悲鳴をついあげてしまう。
「なるほど、ちゃんと対策はしていたか。それくらいは想定内だ」
そしてジークはそれを全く気にする様子もなく、マルタをこちらに近づいているサーヴァントに投げる。
そのサーヴァントはピポグリフというこの世ならざる幻馬に跨るライダー・アストルフォだった。
「ぐえ⁉︎」
突然、マルタを投げつけられたアストルフォは驚きながら落馬してしまう。
「大丈夫か、ライダー⁉︎」
それを心配したカルデアのジークはアストルフォに近づく。
それを阻む様に『
「お前が、カルデアの『ジーク』か…。敵に違いない。容赦はしないぞ」
初めて見る異なる世界の自分を見て、『
それを見たジャンヌ・ダルクは、その思いのままに『
「緩いぞ」
だがジャンヌの聖旗をまともに食らっても大したダメージにはならず、逆にその聖旗を掴まれてジャンヌは投げ飛ばされた。
勿論、投げられただけで、英霊は気絶したりはしない。マルタとアストルフォもすぐに復活して戦闘に参加する。
「話し合う気も無いのか君は⁉︎」
「当然だ。なぜ話し合う必要がある?」
少し怒った様子のアストルフォは槍で攻撃するが全て避けられる。
立香は咄嗟に魔術礼装を起動して、アストルフォに瞬間強化を施して、その攻撃力を上げようとするが、その槍を『
そのままマスターの前で『
マシュ、ゲオルギウスとマルタはマスターの危機を察して現れたジャンヌとアストルフォと共にジークと戦う。
防御はゲオルギウスを中心的に行いジャンヌとマシュがそのサポートを行い、攻撃はアストルフォとマルタが其々担当分けして戦っていた。
ジークの剣をゲオルギウスが防ぎ、ジャンヌとマシュが幻想大剣の黄昏の波を聖旗の宝具を発動して防ぐ。
そして、アストルフォがその槍の宝具によりジークの隙を誘い、マルタがそこを攻撃する。
だが、それでも一歩足りない。
マルタやアストルフォの攻撃がイマイチ決まらない。
何故ならジークの身体能力のスペックそのものが高くなっている為、それについて行けずに防戦一方の状態だ。
ジャンヌやアストルフォは個人的に聞きたい事が幾つもある。
だが、その疑問を口に出す事すら今は困難だった。
「──分かりませんね」
そんな戦いを繰り広げながら、ジークの剣を防ぎながら比較的に余裕があるゲオルギウスが口を開いた。
「─何がだ?」
その問いが、気になったジークが突然斬り合いをやめてゲオルギウスに問いかける。
ジークの反応に予想外だったのか、ゲオルギウスは少し驚いた表情をしながら応える。
「私は、先程貴方が殴り飛ばしたカルデアにいるジークというホムンクルスと多少は交流があるので、気になってね」
「貴方が別世界の彼ならば、それ相応の理由と経緯があるのでしょう?それはまだ納得します」
「ですが、貴方が先程から見せている『覚醒』と呼ぶべき現象には全く結び付かない」
そもそも異常なのだ。
『覚醒』という現象そのものが。
そんな現象を使えていいのは、それこそ物語の様な英雄だけだ。
カルデアにも物語の英雄は存在する。だが『覚醒』とも呼べる急成長を果たす存在は本来なら存在しない筈だ。
状況によっては英霊達も覚醒する場合もある。だが、それこそ目の前の『
「あの少年が、一体どの様な経験をしたら貴方の様に気合と根性だけで覚醒出来るまでなるのですか?」
「出来れば、教えて頂きたいですな」
ゲオルギウスの言葉にマスターである立香やジャンヌも頷く。
『
「いいだろう。そんな疑問を抱いてはまともに戦えんだろうからな」
「では今から俺の身の上話をこの場の者達に語ろう。此方からも質問するが構わないな?」
まさか、この提案が通るとは思っていなかったのか、流石のゲオルギウスやマスターも驚愕する。
「え、良いんですか?」
ゲオルギウスが思わず聞いてしまう。
「構わんから、攻撃をやめたんだ。相手に疑問や疑念があると実力は発揮出来なくなる」
「戦う事そのものに抵抗がある様では話にならん」
「戦場では、戦う相手に疑問を持つ様では真っ先にいなくなる。俺はそんな敵とは戦いたくない」
「どのみち戦うならば、疑念や疑問は無くすべきだ」
それが当然だと言わんばかりに、この場だけとはいえ戦いを中断するその姿勢はいっそ清々しいほどだった。
その真摯な姿勢に何処かカルデアのジークと重なり、やはり彼は『ジーク』だとゲオルギウスと立香は確信した。
この戦場で奇妙な対談が始まってしまった。
この対談でジャンヌ・ダルクの心を深く傷つける事になる事をこの場の誰も気づいていなかった。
本作のカルデアではジークとジャンヌは一応接触はしていますが、ジャンヌの方がジークを避けていて、あまり交流は無いという設定です。
マイルームボイスを聞いて見た所、FGO本編でも同じ様な感じみたいなのでそれを採用しました。
次回は、曇り展開に挑戦しようと思います。
キャラが曇る心理描写は難しいと思いますが、頑張ってみます。