キャラの構想から設定まで結末編から既に出来ていたのですが、「このキャラを書いてみたい」という欲求から今回の話に繋げるまで本当に長かった。
やっと、私の考えたメインヒロインが登場させる事が出来ました。
これも皆様が読んでもらえたおかげです。感想を書いていただいた方も含めて本当にありがとうございます。
これからも、どうか私の拙い文章を読んでいただけたら幸いです。
『
そのジークに治癒魔術で治療していたのは、天草四郎時貞だった。
「え?」
気絶から目覚めて、目の前の天草四郎時貞にジークはつい驚いてしまう。
ジークの声に気づいた天草は、ジークに向き合う。
「気づきましたか。ジーク」
天草は落ち着いた様子で、『
他の皆がそれぞれの戦いを行っている中で、天草だけが戦う雰囲気を感じない。
どうやら天草はこの戦いに参加するつもりは無い様だった。
「お前は戦わないのか?」
ジークは天草のその様子に少しムカついたせいかやや口調が荒くなってしまう。
「ええ、"今は"戦うつもりはありません」
それを天草は気にする様子もなく返す。
「今は?」
ジークは天草の引っかかる言い方に疑問を抱く。
「ええ、私の持つスキルの影響か、どうも"胸騒ぎ"がするんです」
ジークの疑問を察して天草は答える。
天草には、『啓示』というスキルがある。直感に似たスキルだが、直感と違うのは戦闘用のスキルではなく目標の達成に関する事象全てに適応した最適解を感じる事が出来るスキルだ。
その天草が"動かない"というのは、何か意味があるのだろう。
「出来ればジーク。あなたも戦わない方がよろしいかと」
「恐らく、あなたが今誤って戦死したりすると、カルデアの"敗北"が確定しますよ」
天草はとても神妙な様子でジークに告げた。
啓示のスキルは、とても便利だがその啓示を授かったとしても、その内容が抽象的で他人にもうまく説明出来ないという欠点がある。
だが、天草は確かに口にした。
つまりそれは確実な情報という事だ。
ジークがいなくなればその時点でカルデアの敗北は確定する。
ジークは訳も分からずに呆然とするしかなかった。
場面が変わり、『
ある者は殴り合い、ある者は斬り合い、ある者は撃ち合い、様々な戦いをカルデアと『
だが、やがてその戦勢は変わっていく。
カルデアのサーヴァント達は宝具とスキルを駆使して戦うが、『
燃え上がる意思で、限界を突破し、「まだだ」と覚醒する『
「まだだ!」
1人の『
神すらも滅ぼす槍と宇宙すらも消滅させる鏃を受けてなおも、その意思で覚醒し、肉体が滅び、魂のみの精神体と成り果てながらも存在し続けて、幻想大剣を振るい、大技を撃った後で隙が出来てしまったカルナとアルジュナを斬り刻んだ。
「まだだ!」
ギルガメッシュとエルキドゥの大量の宝具と『天地乖離す開闢の星』を受けて、気合を振り絞って覚醒する。
乖離剣の出力は凄まじいが、その本質は空間を斬り裂く事にある。ならば、『
大剣に黄昏の光を超収束させて、大剣に極光を付与させる。
そしてそのまま『
乖離剣が空間を斬り裂く剣ならば、空間すらも斬り裂く剣となった幻想大剣に防げない道理は無い。
そして、『天地乖離す開闢の星』の直撃を凌いだ『
「まだだ!」
円卓の騎士達とその騎士王達に追い詰められたジークが覚醒する。
ジークが『
その危険性を直感スキルで察知したアルトリア達は全力の『
ジークは『
二つの神造兵器の一撃を真っ正面からでは敵わないだろう。だが、回避は出来る。
ジークは空間を斬り裂き、宝具を放ったアルトリア達の隣に瞬間移動する。
それに直感スキルで気づきながらも宝具を撃って無防備な状態のアルトリア達に防ぐ術は無い。
ジークは円卓の騎士が横槍が入る前にまずセイバーのアルトリアの首を斬り落とす。
その次にランサーのアルトリアの胴体から真っ二つにする。
その状態からでも反撃されかねないので、ジークはランサーアルトリアの上半身を掴み、魔術を施してから円卓の騎士達に投げ飛ばす。
『
破裂したアルトリアを見て円卓の騎士達は忠誠を誓う王の悲惨な姿を見てつい呆然としてしまった。
その決定的な隙を見逃さないジークではない。
そのまま『
「マダダ!」
ベオウルフやアシュヴァッターマンと殴り合っていた邪竜が覚醒する。
邪竜は、限界を超えて更に上の段階に進化する。
邪竜は自身の有り余る力を凝縮し始めた。
自身のオドを極限まで凝縮させて、新たな生命へと新生させる。
そして、凝縮されたエネルギーは、邪竜に変化を及ぼし、邪竜の大きさが人間大の大きさに縮んでいく。
新生した邪竜は、大体ベオウルフと同じくらいの体躯をした竜人だった。
顔は竜のままで、背中には六枚の翼を広げた竜人がいた。
竜人は二足歩行をして、拳を握っていた。
竜人は地を蹴って疾駆する。
竜人の速さは雷に等しい速度だった。
蹴った地がクレーターになる。
あまりの速さに衝撃波が巻き起こる。
速度はそのまま破壊力になる。
竜人は拳に強化魔術を施し、ベオウルフを殴り、ベオウルフの右拳を右腕ごと削った。
更にベオウルフの反応すらもさせずに続けて全身を殴り、ベオウルフの全身を跡形もなく削りきった。
そして竜人の暴威は止まらない。
竜人を倒す為にカルデアも応戦するが、竜特効の攻撃でさえ、純粋な機動力で避けて攻撃が当たらない。
加えて竜人は攻撃し放題のワンサイドゲーム状態だ。
圧倒的な肉体のスペックのみでカルデアのサーヴァント達を圧倒する竜人の光景が出来上がった。
カルデア側のジークの目には『敵』による悲惨な現実があった。
カルデアのサーヴァント達が純粋な暴力で蹂躙していく。
例え大軍を召喚しても、固有結界を展開しても、搦め手を駆使して魔術を当てても、純粋な暴力がそれを潰していった。
「これを……黙って見ていろって…言うのか?」
ジークにかつてない不安と恐怖が襲った。
仲間が倒された事の怒り、強大な敵への恐怖、様々な感情がぐちゃぐちゃに混ざり合ってどうにかなりそうだった。
理性を保つのに精一杯なジークに天草は告げる。
「ええ…黙って見ていてください。恐らくそれが最良の選択です」
「口で言っても分からないなら、拘束しましょうか?」
天草の分かりやすい挑発を受けて、ジークが怒りのままに天草の方に向き直ると、天草の険しい剣幕を見てジークは悟った。
(おまえも怒っているじゃないか…)
天草がその心の内ではこうしている今も飛び出して戦いに加わり、『敵』の暴虐を止めたいのだろう。
だが、それをしないのは、天草は分かっているからだろう。
自分達が加わった所で状況は変わらない。
だから、少しでも勝機のある方法を取ったのだ。
ジークが天草にそんな感情を抱いていると、天草はふと思いついた。
「……待てよ……」
天草は思った。
なぜ『
『
何故ならジャンヌ・ダルク1人を幸せにするならば、"神"や"精霊"などの人外になれば事足りる。
何故わざわざ最終目標が"
ジャンヌの周囲の人達が目的なら、わざわざ人類を
ジャンヌの周囲の人々が目的ならば、神の方が都合の良いだろう。
環境を操作する為なら神でも事足りる。
そもそも何故『
ジャンヌの幸せが目的ならば、人類全般に対してあそこまでの熱量を向ける必要も無い。
ならば、考えられるのは
「"そう"ならざるをえない理由があったとしたら……」
"人類の敵"に
だが、天草には妙な確信が自身の心の中であった。
まさかまさかまさか、……まさかっ!
一つの答えが過ぎった「まさか」と思うが、それでも、それしか考えられない。
天草はより確信を得る為にジークに質問する。
「ジーク。貴方は聖杯大戦の記憶はありますか?」
「え?ああ、覚えている。それがどうかしたのか?」
天草の唐突な質問にジークは困惑してしまう。
どうして今の状況でそんな事を聞く?
カルデアにいるジークは正確には聖杯大戦の勝利者であるジーク本人ではない。あくまでもその端末だ。
所々記憶が抜けている所があるが、ジークの記憶は受け継いでいる。
「私との戦いを覚えているなら、貴方に質問します」
「もしあの時、私との戦いが中断して聖杯大戦が
ジークは天草の意図が分からなかったが、天草の剣幕に押されてジークはその質問に答える。
「よく分からないが、多分……
やや自信なさげだったが、ジークの答えを聞いた天草は"答え"に辿り着き確かな確信を得た。
何故気づかなかった。『ジーク』いるならば、"彼"もいて当然だ。
"彼"の思考を考えれば、今は絶好の機会だ。
「まずいッ!」
天草の推測が正しければ、味方が『
天草は急いでマスターに念話を飛ばした。
(マスター!今すぐ令呪で皆を敵から離してください!)
(じゃないと、確実に"
天草の念話を受け取った立香は、突然の事に驚く。
天草からの念話を受けた立香は考える。
普段は冷静な天草の焦る様子がその異常を物語っている。
そして、何より"全滅"という不穏なワードが更に立香を混乱させる。
だが、天草四郎は同じカルデアの仲間だ。一度は裏切って自分を襲ってきた事はあるが、それでも天草の性根は善良だと立香は分かっている。
「令呪を以て命ずる!」
立香は天草の言う事を信じる事にした。
「みんな、敵から離れろぉー!」
いくら令呪でもカルデアのサーヴァント全員にその強制力が働く訳ではない。
だが、それでも"
マスターの指示を聞いたサーヴァント達は、マスターの焦りようから異常事態を察して『
当然、今まさに戦っている『
そして、追い討ちをしようとした『
「ッ⁉︎」
カルデアのサーヴァントの攻撃ではない。
誰も『
唯一スパルタクスだけが『
光槍の雨を降らす先には『
これを指し示す事はつまり、
立香が上空で光槍を降らしている人物を見る。
黒い長髪に着物を着た成人男性がいた。
見る者を威圧する存在感を醸し出す雰囲気とどこか安心する様な不思議なカリスマ性を宿した男性がいた。
「さあ、決着を着けに来たぞ。我が"宿敵"よ」
喜悦の笑みを浮かべて、『
「お前は……ッ⁉︎」
光の槍の雨を受けた『
光の光槍の威力は絶大で、『
光槍から何とか逃れた『
男は『
「なにを驚いている?」
「"
「せっかくだ。観客もいる事だし、自己紹介をしよう」
男は、カルデアのサーヴァント達を一瞥してこの場にいる者全てに告げる。
「クラス『
「獣から人類を救済すべく、世界から呼ばれた只の救世主だ」
『
カルデアにとっては突然の応援が来た様に思えるだろう。
だが、それほど現実は甘くない。
先程の光槍の雨を見れば、カルデアごと攻撃していた。
つまり多少なりともカルデアに対して敵意はあるという事だ。
詰まる所、"敵の敵"が現れただけで状況は更なる悪化の一途を辿るだろう。
「天草四郎……時貞ぁぁぁ!」
『
限界なんぞ知ったことかと言わんばかりに『
「始めようか、憎い愛しき私だけの宿敵よ!」
「私達が築く世界にお前はいらん!」
『救世主』もそれを待っていたとばかりに刀を取り出して応戦する。
「喧しい!貴様だけはなんとしても殺す!絶対に殺す!」
「貴様の創る世界は真っ平御免だ!人間が住んでいい世界ではない!必ず殺す!」
『
「「お前にだけは負けるものか!!」」
先程戦っていたカルデアのサーヴァント達を置いてけぼりにして、『獣』と『救世主』による『
なんでメインヒロインが野郎なのかって?
女じゃあホモ祭り出来ないじゃないですか!