ハイスクールDATE・A・LIVE~無限の剣を担う王~   作:月見花

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やっと書けたー!
どうぞー!


第11話

深夜。俺達は大公から依頼された『はぐれ悪魔』討伐の為、木々の生い茂る林の中を進んでいた。

メンバーはオカ研のメンバーと俺。そして・・・

「おい、グレモリー」

「何かしら?」

先を行くグレモリーに少しだけ怒気を含ませた声で訊ねる。

「何故折紙がここに居る」

クラスメイトの折紙が居た。

「・・・だってしょうがないじゃない。危ないからって言ってるのに付いて行くって言って聞かないんですもの・・・」

「それにしたって・・・」

そこまで言った時、グレモリーの肩が少し震えているのが分かった。

「だって、本当に連れて行っての一点張りなんですもの・・・」

 

 

『え、一緒に行きたい?ダメよ。危険なんだから』

『連れて行って』

『だから、一般人の貴女を『連れて行って』』

『貴方、人の話をきいて『連れて行って』』

『あの、だから『連れて行って』』

以下略・・・

 

 

「無限ループって怖いわね・・・」

折紙とのやり取りを思い出したのか、声を震わせて怯えるグレモリー。姫島が寄り添って励ましていた。

その光景を想像してみる。

「うわぁ・・・」

流石にグレモリーに同情する。一切表情を変えずに、同じことを繰り返す相手は少し怖い。

「士郎」

「うん?」

そんな事を考えていると、隣を歩く折紙が話しかけてくる。

「『はぐれ悪魔』って何?」

「グレモリーから教わらなかったか?」

そう聞くと、頭を縦に振り肯定する。

「そうか。まあ、知っといて悪い事も無いだろう。『はぐれ悪魔』って言うのは、自らの主から逃亡、もしくは主を殺害し自由の身となった悪魔を指すんだ」

「何故、討伐の依頼が来る?」

「理由は簡単だ。『はぐれ』になった悪魔の殆どは好き勝手に暴れるから危険なんだよ」

力と自由を手にした悪魔ほど面倒なものは無い。だからこそ、被害が出ない、又は少ないうちに討伐するのだ。

「ちなみに『はぐれ』は他の勢力でも危険視されていて、見つけ次第消す事になっている。関係は無いと思うが、一応覚えておいた方が良い」

「分かった」

そんな話をしていると、少し開けた場所に出た。奥を見るとボロボロの廃屋が一軒。

普通の人が見れば、その気味の悪さから決して近づかないような雰囲気を醸し出している。

「身を隠すにはもってこいって感じね」

そう言いながら、臆する事無く廃屋の中に進んでいくグレモリー。他の奴らも後に続いて中に入る。

元は何かの工場だったのだろうか。足元には錆びた資材などが散乱している。

「ッ・・・?この臭いは」

「・・・血の臭い」

折紙がこの廃屋内に漂う血の臭いに気付く。それと同時に奥の方か何かの気配が近づいてくる。

「不味そうな臭いがするぞ?でも、美味そうな臭いもするぞ?甘いのかな?苦いのかな?」

何処からともなく聞こえてくる不気味な声。明らかに人間のものではない。

「はぐれ悪魔バイサー。貴女を消滅しに来たわ」

そうグレモリーが告げると、上半身が裸の女性が現れた。しかし、下半身は人間のそれでは無く、大型の獣の様なだった。両手には槍を持ち、その大きさは五メートル以上はあるだろう。

ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ・・・。

何が面白かったのか分からないが、急に笑い出す。しかし、癇に障る笑い方だ。俺は顔をしかめる。

折紙の方を見ると、初めて出会った悪魔らしい悪魔からか、少し後ずさりをする。それでも逃げ出したり悲鳴を上げないあたり、折紙の精神面の強さが分かる。

「主のもとを逃げ、己の欲求を満たすためだけに暴れまわるのは万死に値するわ。グレモリー公爵の名において、あなたを消し飛ばしてあげる!」

「こざかしいぃぃぃぃ!小娘ごときがあぁぁぁぁ!その紅の髪の様に、お前の身を鮮血で染め上げてやるわぁぁぁぁ!」

「雑魚ほど洒落のきいたセリフを吐くものね。祐斗!」

「はい!」

グレモリーのに呼ばれた木場は、相手に向かって飛び出していく。速さは中々のもので、隣の折紙は反応が出来なかったらしい。

「折紙にはもう説明したわよね。士郎も分かっているとは思うけど、確認の為に私の眷属について説明させてもらうわ」

そう俺達に言うと、グレモリーは『はぐれ悪魔』バイサーに向き直り、俺達にそれぞれの能力を説明し始めた。

「祐斗の駒は騎士ナイト。その特性はスピード。祐斗の達人級の剣さばきにスピードも増して、その攻撃を目で捉えるのは困難だわ」

木場はバイサーの攻撃を軽々と避けながら、スピードを上げていく。そして両手に魔剣創造ソード・バースで創り出した魔剣を握ると、バイサー目掛けて剣を振るった。

バシュッ

「ギャアァァァァァァ!」

悲鳴が廃屋内で木霊する。バイサーの両腕が切り落とされたからだ。奴は怒りに任せ、木場をその巨大な足で踏みつぶそうとする。

「小猫!」

名前を呼ばれた塔城が、バイサーの足元に移動する。

ズウンッ

巨大な足が塔城を踏みつぶしたかのように見えた。しかし、よく見てみればバイサーの足は少し宙に浮かんでいた。

グググ・・・

四糸乃や七罪とさほど体格の変わらないの少女が、自身の何倍もある相手も押し返している。

「小猫の駒は戦車ルーク。その特性はとてもシンプル。馬鹿げた力と屈強な防御力。だから、あの程度の攻撃ではびくともしないわ」

小猫が「フンッ」と勢いを付けると、自身を押し潰さんとする足を跳ね返し、飛び上がって相手の腹に強烈な一撃をお見舞いした。

「・・・よわっ」

吹っ飛ばされたバイサーを見て塔城は吐き捨てるように呟く。

「最後に朱乃ね」

「はい、部長。あらあらどうしましょうか、うふふ」

姫島が塔城に吹っ飛ばされたバイサーのもとへ歩いて行く。

「朱乃の駒は女王クイーン。兵士ポーン、騎士ナイト、戦車ルーク、僧侶ビショップの駒のすべての特性を使う事が出来る、無敵の副部長よ」

「ぐうぅぅぅぅぅぅ・・・」

近づいてくる姫島を睨みつけるバイサー。しかし、姫島は一切怯む事無く、逆に不敵な笑みを浮かべた。

「あらあら、まだ元気のようですわね?それならこれはどうでしょう」

カッ!

「ガガガがガガガガガガッ!」

天を突くようなの閃光。それは姫島が放った雷だった。

雷に身を焼かれ、バイサーの体は丸焦げになっていた。

「あらあら、まだいけそうね」

「ギャァァァァァァァァァァッ!」

瀕死のバイサーにさらに雷撃を加える姫島。その姿に、俺と折紙は若干引き気味だった。

「朱乃は魔力を使った攻撃が得意なのよ。そして、究極のSよ」

言われなくても分かる。今もそれはそれは楽しそうに攻撃してるんだから。

「仲間には優しいから大丈夫よ。今度ちゃんと話をしてみたら?可愛い後輩が二人も入ったって朱乃、とっても喜んでたから」

「あらあら、まだいけますわよね?もっと耐えて、私を満足させてくださいな!」

とてもそう言う風には見えないが・・・。

その後、満足したのか満面の笑みでこっちに戻ってくる姫島。

バイサーの方を見るとすでにボロボロで、戦意は完全に失われていた。

それを確認したグレモリーはバイサーに近づき、手をかざす。

「何か言い残すことはあるかしら?」

「殺せ」

そう一言だけ奴は呟いた。

「そう。なら消し飛びなさい」

ドッ!

直後、グレモリーの手から放たれたドス黒い魔力の塊。巨大な魔力の塊は、バイサーを包み込む。

そして、魔力が宙に消えた後、そこには何も残らなかった。

「これで終わりね。さあ、皆帰りましょう」

はぐれ悪魔の消滅を確認して、撤収しようとするグレモリー達。

しかし、何か嫌な予感がする。俺は誰も居なくなった筈の廃屋の奥を凝視する。

ヒュンッ

「ッ!?」

隣に居た折紙を抱えて横に跳ぶ。

直後、俺の立っていた場所にはクレーターが出来ていた。

「大丈夫か、折紙?」

突然の出来事に頭が着いて行かないのか、俺の言葉にただ頭を振るだけの折紙。

「あーあ、外しちゃった」

攻撃がされた方向を見ると奥から一人の男が現れた。

「貴方、何者?」

臨戦態勢のグレモリー達が男に問う。

「どうも、俺はモーゼス。『はぐれ悪魔』さ」

「どう言う事?ここに居るのはバイサー一人だったのでは・・・」

そう言うと、モーゼスは不敵に笑いだす。

「あははっ!まあ、気付かないのも無理ないね。俺はバイサーと同じ眷属悪魔でさ、あいつが主を殺してくれたから、それに便乗して逃げただけだしね」

成程、あくまで主を殺したのはバイサー。だから、討伐もバイサーだけだったのか。

「そう、ならここで貴方を消し飛ばさないといけないわね」

「おおっと、殺るかい?こう見えても俺は強いぜ」

そう言いながらオーラを高めて行くモーゼス。やる気満々って感じだな。

「グレモリー、ここは俺がやろう。さっきは何もしなかったしな。お前達は休んでろ」

「あらそう?じゃあ、お手並み拝見ね」

「と、いう訳だ」

そう告げると、奴は不敵に笑いだした。

「俺はいいけど大丈夫ー?手加減してあげようかー?」

「気遣い無用。そんな事よりさっさと終わらせよう」

「・・・あっそう。後悔しても知らないからな!」

モーゼスが魔力を幾つも撃ってくる。見た目結構な威力がありそうだ。

「投影開始トレース・オン」

俺は両手に黒鍵を投影して、撃ちだされた魔力に向かって投擲する。

「ハハッ!そんなちんけな物でどうにかなると思って」

キンッ

「!?」

奴の顔が驚きの色に染まる。まあ、自慢の魔力がこうも簡単に弾かれたら驚くだろう。

「調子に乗るなっ!」

さっきと同じような攻撃をするモーゼス。芸が無いな。

今度は黒鍵を鉄甲作用を付けて投擲する。放たれた黒鍵は、奴の魔力を易々と砕いてコンクリートの壁に根元まで突き刺さり、その中の一本はモーゼスの肩に刺さった。

「ガアァァァァッ!?」

黒鍵が刺さった所から煙が出ている。悪魔にとってあの剣は相性が悪いからな。

元は対吸血鬼用の概念武装であるが、十字架を模して創られた剣。当たればそれなりのダメージにはなる。おまけにカレー好きの代行者からレシピと交換で学んだ鉄甲作用付きだ。

「クソッ!こんな所でくたばってたまるかっ!」

分が悪いと悟り、逃げ出したモーゼス。中々早いな。どんどん奴の姿が小さくなっている。

「ちょっとシロウ!逃げてるわよ!」

「大丈夫だ」

そう言うと今度は弓と矢を投影する。

矢を番え、引き絞る。狙いは奴の心臓。一撃で終わらせる。

「・・・じゃあな」

ヒュッ

放たれた矢は、逃げて行くモーゼスの心臓目掛けて一直線に飛んでいき、

「グッ・・・ガァァァ・・・!?」

ドサッ

「・・・お見事ね」

「どうも」

モーゼスが絶命した事を確認して、弓を消す。一応他にも潜んでる奴が居ないか、魔力を探ってみたが、もう誰も居ない様だ。

「これで本当に終わりだな」

「そうね。ありがとう、シロウ」

「気にするな」

こうして、依頼を終えた俺達は部室へと帰って行った。

 

 

「士郎」

「ん?どうした、折紙?」

『はぐれ』討伐から帰ってきてソファーに腰を掛けた直後、隣に腰かけた折紙が話しかけてくる。

「私に戦い方を教えて欲しい」

「はぁっ!?」

「さっきの戦いで、貴方たちは命をかけて戦っていたのに、私はただ見ているだけだった。それがとても悔しかった」

「いや、しかしだな・・・」

すると、折紙は真剣な眼差しでこっちを見据えてくる。

「私も貴方を、皆を守りたい」

「折紙・・・」

折紙を見て、昔の自分を思い出す。

力が無くても、それでも誰かを助けたいと思って飛び込んだ、あの戦争。

今の折紙はあの時の俺と同じ。本当なら止めるべきだ。「危険だから」と。

「・・・分かった」

「本当?」

「ああ」

しかし、俺は止めなかった。いや、止められなかった。

あの時、セイバー達は厳しいながらも、俺が生き残れるように、少しでも俺の理想が叶えられる様にと戦い方を教えてくれた。

そんな俺と同じ折紙に、ただ「危険だから」と言っても無駄だろう。なら折紙に力を付けさせる事が、彼女自身を守る事に繋がるだろう。

「ありがとう」

「どういたしまして」

お礼を言った折紙の顔はいつも通り、無表情だったがほんの少しだけ笑っている気がした。 

 

 

 




今回も難産でした。おまけに仕事が忙しくて全然進まない・・・(´・ω・`)
それでも、頑張って書いていきますので応援よろしくお願いします!
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