ハイスクールDATE・A・LIVE~無限の剣を担う王~   作:月見花

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お待たせしましたぁ!


第12話

「ごめんなさい、待たせてしまった」

「いや、待ち合わせより一時間も早いんだが・・・」

午前三時。まだ夜が明けないこの時間に俺と折紙は公園に集まっていた。理由は先日の約束である、折紙を鍛える為である。しかし、折紙とは午前四時の待ち合わせだった筈なのだが・・・。

「いつもの貴方の行動をもとに考えた場合、待ち合わせの時間よりも早く来る事は確実。それにいつもの鍛錬より一時間遅いので先に始めていると言う結論に達した」

「そ、そうか・・・」

何と言う洞察力。驚きのあまり俺は開いた口が塞がらなかった。しかし、ここで一つの疑問が浮かんだ。

「なんで俺がこの時間に鍛錬している事を知っているんだ?」

一応十香達には伝えてあるが、他の奴に話した覚えは無い。

「・・・そんな事より早く始める」

俺の疑問に答える事無く、折紙は鍛錬の催促をしてくる。俺は腑に落ちないながらも、折紙のやる気を無駄にしない様にと、今日やる事を伝えた。

「取りあえずは、折紙の体力がどれ位なのか見極めるために色々としてもらう」

「分かった」

そう言うと、折紙は早速アップを始めた。俺も早く準備をしないとな。

 

 

「すごいな」

全ての運動を終え、結果を見た俺の素直な感想。この年齢の一般的な女子とは比べものにならない程の能力を持っている。正直、男でもここまでは中々出来ないだろう。

「どうだった?」

「ああ、身体能力については何の問題も無い」

「そう」

それを聞いた折紙は特に喜ぶ様子も無く、それが当たり前だと言う風に、持ってきたスポーツドリンクを飲んでいた。

「まあ、これで折紙の能力は大体分かった。今度から体を鍛えつつ、少しずつ戦闘の訓練もして行こう」

「分かった」

此処で折紙とは一旦分かれて、俺は朝食の準備の為、家に帰った。

 

 

「なぁ、最近兄貴変じゃないか?」

「む?」

シロウの朝餉に舌鼓を打っていると、イッセーが可笑しな事を聞いてきた。

「急にどうしたんですか、イッセーちゃん?」

「だって最近家に帰ってくるのが少し遅くなったし、それに夜中にも外に出てるみたいでさ。今までそんな事無かったろ」

皆箸を止めて、キッチンで洗い物をしている士郎を見る。確かに最近シロウの様子が可笑しかった様な気がする。上手くは言えないが、何か隠してるような感じだ。

「それにとオカ研の奴らとつるみ始めたって聞いたし」

「オカ研?」

「ほら、学園の綺麗所が集まってるって言う部活だよ」

あまり部活には詳しくない私でも、それは聞いた事がある。学園の王子様やますマスコットキャラクター、そして学園の三大お姉様が所属していると言う学園の生徒が憧れる部活。しかし入るには条件があるらしく、選ばれた者しか入れないとか。

「何故そんな所にシロウが・・・?」

必死に考えてみるが何も分からない。そもそも情報が少なすぎる。どうしたものか・・・。

「ねぇ、それなら士郎の後着いて行けば良いんじゃない?」

「「「「「「「「それだッ(だよ)(ですぅ)!!」」」」」」」」

七罪の発言に衝撃が走った。何故誰も思い浮かばなかったんだろう。

私達は早速今日の放課後に後を付ける事にした。

フッフッフッ、シロウの秘密、私達が暴いてやる!

 

 

「先輩」

放課後。荷物をまとめていると教室の前の方から声が聞こえた。視線を向けてみるとそこには塔城の姿が。

学園のマスコットが来た事でざわつく教室。しかしそんな事は気にも留めず塔城は俺の目の前に来た。

「迎えに来ました」

「ああ、ありがとう。しかし毎回迎えに来る必要はないと思うぞ」

一年と二年の教室は別の階にある。わざわざ俺の所に来なくてもオカ研で会えば良い気がするのだが。

そう言うと塔城は頭を横に振る。

「大丈夫です。好きでやっている事ですから」

「そうか」

俺達のやり取りを見てさらに騒ぎ出すクラスメイト達。

「じゃあ、これ以上騒がしくなる前に行くか」

「はい」

教室を出て旧校舎に向かう。途中で明日はこんなお菓子を作って下さいだとか、そんな取り留めのない話をしながらオカ研の前に辿り着いた俺達は扉を開け、中に入る。部室には俺と小猫以外のメンバーは全員揃っていた。

「いらっしゃい、シロウ。早速だけど今日も小猫に同行して貰えるかしら?」

グレモリーが部長用の椅子に座りながら訊ねてくる。

「分かった」

俺は塔城と共にソファーに腰かけてグレモリーの話を聞き始めた。

 

 

「よし、ここだな」

私達は今オカ研の前に来ている。士郎がオカ研の部員である塔城小猫に連れて行かれるのを見たからだ。

「ここに士郎の秘密があるのだな。しかし、どうやって中の様子を探るのだ?」

後を付けてきたものの、いきなり扉を開けて入り込むわけには行かない。だが、それ以外に方法が思いつかない。如何したものかと皆で頭を抱えていると、美九が「フッフッフッ・・・」と笑いだす。

「如何したのだ美九?」

「こんな時こそ私の出番ですよー!」

そう言って美九が鞄から取り出したのは見た事のない小さな機械。

「何だこれは?」

「盗聴器ですー」

「「「「「「「「えっ!?」」」」」」」」

盗聴器。この前見たテレビでは、相手の話を勝手に聴く事が出来るいけない物だと言っていた。

「こんな事もあろうかと、後輩の女の子に作ってもらったんですー。これがあれば声だけですけど中の様子が分かるじゃないですかー」

「お前の後輩、何者なんだよ・・・」

士織は頭を抱えてながらも美九に突っ込む。しかし、これは渡りに船だ。これで士郎の秘密が暴けると言うのなら、多少の事には目を瞑った方が良いだろう。

「それじゃあ早速聞いて見ましょうー」

美九は盗聴器をドアに付けて、スマートフォンを取り出してアプリケーションを起動する。すると、雑音の混じった話し声が聞こえてきた。

「ちょっと待ってくださいねー」

そう言って美九はスマートフォンを操作する。次第に雑音は消えていき、聞こえてきたのはシロウと女の声。

『それじゃあ、今夜十二時に小猫と待ち合わせて、そのまま行ってちょうだい』

『分かった。塔城、待ち合わせ場所は何処にする?』

『公園でいいと思います』

『じゃあそうするか』

どうやら話が終わった様だ。『お茶にしましょう』と言う女の声も聞こえてくる。

「見つかるとまずいから、さっさとずらかろうぜ」

イッセーの言葉に皆がうなずき、この場を後にしようとする。その時、まだ起動したままの盗聴器からシロウの声が聞こえてきた。

『今日はマカロンを作ってみた。初めてだから自信は無いが』

「ッ!?」

―シロウのお菓子、だと・・・ッ。

「まずい!十香、落ち着け!!」

イッセーが私の腕を掴んでくる。しかし、私の体は誘われる様にオカ研の扉の方へ進んでいく。

「皆も手伝えよっ!」

その言葉を聞いて他の皆も私を押さえようとするが、私の歩みは止まらない。

「十香!お菓子なら後で作ってもらえばいいだろ!」

「そんな事をせずとも、この扉を開ければそこにあるのだぞ!」

「それはそうだけど今はダメだって!」

私はその言葉を無視してドアノブに手を掛ける。もう少し、もう少しでシロウのお菓子が食べられる!

カツカツカツッ

「ッ!?ヤ、ヤバいぞ、誰か来る!・・・クソッ、こうなったら仕方ない。十香、これ我慢したら今度兄貴の作ったおやつ分けてやるからっ!」

ピクッ

「・・・本当か?」

「マジマジ。皆の分も分けてくれるように頼むから」

イッセーの眼を見る。どうやら嘘をついてるようには見えない。他の皆も喋りはしないものの、その眼には「絶対にあげるから」と言う意思が見て取れる。

「・・・分かった。ここは退こう」

ドアノブに掛けていた手を離す。それから、なるべく音を立てないように物陰に隠れる。

ガチャッ

「誰も居ないな・・・。気のせいか?」

シロウが出てきて辺りを見回している。危なかった、あと少し遅ければ見つかっていただろう。

「危ねぇ・・・。計画がおじゃんになる所だった・・・」

「す、すまぬ・・・」

お菓子から離れた事によって少し冷静になった私は、先程の行動を振り返って自己嫌悪する。身勝手な行いのせいで大事な計画が無駄になる所だったのだ。

「まあ、仕方ないですよー。ダーリンの作るお菓子はお店で売っている物よりも美味しいですからー。それに何とかばれずに済んだんですから結果オーライですー」

「美九・・・」

美九の言葉に思わず感極まって泣きそうになる。

「まあどうしても今回の事で謝りたいと言うなら、今夜私のベットの中ででも」

「あ、結構です」

「いけずー!」と騒ぐ美九を皆が冷たい目で見ている。こういう所が無ければいい奴なのだが。

しかし、これでシロウが何をしているかを暴く事が出来る。

「早速、家に帰って作戦会議をするぞー!!」

「「「「「「「「オォー!」」」」」」」」

さあ、待っていろ、シロウ!

 

 

 




お久しぶりです。仕事が忙しく中々時間が取れず、更新が遅れてしまいました(泣)
いつの間にかデート・ア・ライブも十一巻が出る始末・・・。(折紙かわいすぎた(*´ω`*))
まあ、何とかひと段落ついたのでこれからはもう少し早く出来ると思いますので、よろしくお願いします。
それでは(=゚ω゚)ノシ
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