ハイスクールDATE・A・LIVE~無限の剣を担う王~ 作:月見花
「ここです」
塔城と公園で待ち合わせた俺は、早速今夜の依頼人の元へと向かった。今回の依頼人はお得意様と言うほどではないが、何度か依頼を受けた事があるらしい。
塔城がインターホンを押して、自分達が来た事を伝える。
「こんばんは。グレモリー眷属の者です」
「・・・」
「?どうしたんでしょうか」
何の反応も無い事に首を傾げている塔城。もう一度インターホンを押そうとするが、その時俺はある事に気が付く。
「塔城。玄関が開いてるみたいだ」
微かに開いた扉。俺達が来るのが分かっていたとはいえあまりにも不用心だ。
「どうしましょう」
「入ってみるしかないだろうな」
俺達は周囲を警戒しながら家の中に入る。廊下に明かりは点いておらず、突き当りの部屋から微かに光が見えていた。
その部屋に近づいて行くにつれて異臭が鼻につくようになる。
・・・嫌な予感がする。
「塔城、後ろに下がっていろ」
「・・・はい」
塔城を背に、ドアを開ける。中には、テレビやソファなどが置かれている。テーブルには蝋燭が数本小さな火を灯しており、その下には魔法陣の様な物。いかにも悪魔を呼び出すような感じで怪しくはあるが、それ以外は一般的な家庭のリビングと変わりない。しかし、そんな部屋の中でも異彩を放つ物に俺の視線は釘付けになっていた。
―壁に貼り付けられた上下逆さまの死体。下には血溜まりが出来ている。
「ひどい・・・」
塔城が呟く。確かにあまりにもむごい殺し方である。とても普通の人間に出来るものではない。そう、普通の人間なら。
「いい加減出てこい」
家の中に入った時から感じていた気配。そして、隠そうともしない殺気。その原因が俺の言葉に反応したのか扉の陰から姿を現した。
「あらら~、ばれちゃっていましたかぁ。ま、隠れる気も無かったんスけどね~」
神父のような姿をした白髪の男。そいつは俺達を見てにんまりと笑うといきなり自己紹介を始めた。
「どうもどうも、クソ悪魔ちゃんにクソ人間くん。俺のお名前はフリード・セルゼン。とある悪魔祓い組織に所属している末端でござんす!あ、別にそっちの紹介はいらねぇッスよ~。あんたらの名前なんざ俺様のメモリに記憶する気も無いんで。大丈夫大丈夫!俺があんたらの首をソッコーでチョンパしてあげるから。最初は痛いかもしれないけど、すぐに快感に代わるって!さぁ、新たな扉をレッツオープン!」
「・・・おい」
「あん?」
こいつの癇に障る声を遮って、俺はこいつに問いただす。
「これはお前がやったのか?」
俺は磔にされた死体を指さす。
「そーそー、俺っすよ俺!ほら、悪魔と関わるような奴は人間として最低レベル。クズ街道まっしぐらッスよ。分かる?ねぇ分かる?あ、あんたもそうだったねぇ。クソ人間くん。という訳で俺はこう言うクズどもをぶっ殺して、生活してるわけ。クズが減って社会の為にもなるし、俺が楽しいので一石二鳥!マジ最高のお仕事ですよ!」
ダメだこいつ。もう人間として終わってる。塔城も顔を歪ませてフリードの方を睨んでいる。
「おやおや、そんな顔で睨んじゃイヤンッ!思わずぶっ殺したくなっちゃいそう!この剣で細切れにしようか、それともこのカッコイイ銃でハチの巣にしようか迷いますなぁ。いっそ両方いっとく?」
そう言いながら懐から剣の柄と銃を取り出す。柄からは光の剣が出現し、フリードは剣先をこちらに向けてきた。
「そんじゃ、いっちょ殺りますかぁ!」
フリードが俺達に向かって来る。俺は魔力の籠っただけの魔剣を投影し、迎え撃つ。
「お、何それ?もしかして神器セイクリッド・ギアですか~」
「そいつは企業秘密だっ!」
何合かの剣戟の後、フリードは俺と距離を取るように下がり、今度は銃を撃ってきた。
俺は筋力と視力を強化し、銃弾を切り落としていく。
「えい」
そんな中、塔城がフリードに接近して拳を叩きこもうとする。
「おっと、いきなり攻撃してくるなんてヒドイッ!」
塔城の攻撃を避けようとするフリード。その瞬間、俺は持っていた魔剣を投擲する。
「うおっ!マジですか!」
突然の出来事に戸惑った様子のフリード。投擲された魔剣を撃ち落とすも、塔城の攻撃に対応しきれず腹部に拳が突き刺さる。
「グエッ」
フリードはつぶされたカエルのような声を出しながら床を転がる。
「ふざけんなよ・・・!クソ悪魔の分際でよぉ・・・!」
「お前はここで始末しておく。これ以上犠牲者を出すわけにはいかないんでな」
よろよろと立ち上がるフリードに、再び投影した剣を振り下ろそうとする。
ガタッ
そんな時、扉の方から物音がした。俺は反射的にそっちを向く。そこには、
「な、何なのだ・・・これは・・・?」
部屋の惨状を見て立ち尽くす、十香達の姿があった。
「なっ!?」
何故此処に十香達が!?突然の出来事に一瞬フリードから気が逸れる。そして、奴はそ一瞬を見逃さなかった。
「オラよッ!」
俺に向かって蹴りを放つ。俺はそれを躱すが、奴はその隙に俺達から距離を取った。
「クソッ、イッテ—な。剣もぶっ壊れるし、マジ最悪」
塔城からかなり良いのを貰っていたみたいだが、意外とぴんぴんしているな。どうやら、あの剣の柄を防御に使ったらしい。
「本当ならここで首チョンパしてやるとこだけど、今気分最悪だから勘弁しといてやるよ!」
そう言って奴は懐から何かを取り出して、振りかぶる。
「バ~イ」
その瞬間、光が辺りを埋め尽くした。どうやら目眩ましの様だ。気配を探ってみたが、感じない。本当に逃げたらしい。取りあえずは安全か。しかし、俺にとっての問題はむしろこれからだった。
魔剣を破棄し、後ろを振り向く。そこには、現状を理解できずにただ呆然と立ち尽くす俺の家族。
「・・・どういう事なのだ、シロウ?」
少しは落ち着いたのか十香が訊ねてくる。
「取りあえずは此処を出よう。こんな場所に居るべきじゃない。話はオカ研でするから」
やっとできました。最近何かと忙しく書いている暇が無かったので、かなり更新が遅くなってしまいました。すみません。
関係は無いのですが、D×Dの新刊が今月の二十日に発売らしいですね!表紙を見たのですが・・・。うおおぉぉぉ!ゼノヴィアァァァァ!かわええぇぇぇぇぇ!今から楽しみです!