ハイスクールDATE・A・LIVE~無限の剣を担う王~   作:月見花

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二話目です。どうぞ!


第2話

「ここか」

 

士郎は紅羽に教えられた場所に来ていた。

 

管理されていないせいか、木々が生い茂っている。昼になっても光が届きにくいこの場所は身を隠すにはちょうど良いのだろう。

 

解析、開始(トレース・オン)

 

士郎は地面に手を置くと、魔術を使うために呪文を唱えた。

 

撃鉄を落とすイメージをする。すると士郎の腕に緑色のラインが走る。

 

士郎が使うことのできる数少ない魔術。しかしその精度は他の魔術師とは比べ物にならないほどであった。

 

大地を解析し、『はぐれ』の魔力の痕跡を探る。

 

「近いな」

 

森の奥へと続く、魔力の跡を見つけると士郎は躊躇いもせずにその方向へ進んでいく。しばらく進むとそこには古い建物があった。

 

何かの倉庫だったのだろうか。かなり大きなその建物からは禍々しいオーラが発せられている。

 

普通の人間だったら、身の危険を感じすぐに逃げて行くであろう状況。しかし、士郎は臆する事無くその建物の中に入っていった。

 

コッ・・・コッ・・・。

 

靴の音が響く。

 

明かりが点いている筈も無く、建物の中を照らすのは微かに入り込む月の光のみ。しかし、士郎には眼前に立つ男の姿がはっきりと見えていた。

 

「見つけたぞ」

 

そう言うと、男は士郎の方を睨んできた。

 

「貴様何者だ。何故ここが分かった」

 

「お前が『はぐれ』だな」

 

明確な殺意。

 

士郎の言葉からそれを感じた男はすぐさま臨戦態勢に入った。

 

「貴様が何なのか知らないが、私を相手に勝てると思うなよ人間!」

 

投影、開始(トレース・オン)

 

いきなり現れた黒と白の双剣。士郎はそれを握ると、相手を睨む。その眼はまるで獲物を前にする鷹のような眼だった。

 

「おおっ!」

 

男が士郎に向かって魔力を放つ。しかし、士郎はその攻撃を軽く切り捨てる。

 

ならばと男は複数の魔力を士郎に向かって放つ。

 

微動だにしない士郎。男は勝利を確信した。

 

無理もない。相手は多少腕に自信はあるようだが、たかが人間。対して自分は上級悪魔の主を殺して『はぐれ』になった悪魔なのだ。絶対に負けるわけがない。

 

しかし、現実は違った。

 

自らに向かってくる攻撃に対して士郎がとった行動。双剣を構え息を整え、イメージする。全ての攻撃をかわし、弾き、切る事を。

 

後はイメージ通りに動くだけだった。

 

結果、士郎は傷一つ負う事も無く全ての攻撃を防いで見せた。

 

「次は俺の番だ」

 

そう言うと士郎は男の方に近づいていく。

 

男は恐怖した。自分の攻撃がいとも容易く防がれたことに。そして、殺気を纏って近づいてくる士郎に対して。

 

「く、くそっ!」

 

苦し紛れの攻撃。元々悪魔だった男は魔力を重視し接近戦は全くと言っていいほど訓練してこなかった。それでもただの人間であれば避ける事など出来ない様な一撃。

 

そう、ただの人間であれば。

 

ドサッ

 

何が起きたのか分からなかった。

 

相手に拳を放った筈の腕が地面に転がっている。しだいに脳が理解し始める。自分の腕は斬られたのだ。眼前に立つ男によって。

 

一度理解してしまえばもう戻れない。

 

「あああああああああああああああああああっ!!」

 

絶叫。斬られた腕の痛みが男を襲う。

 

しかし士郎はそんなものに興味は無いとばかりに男を見下ろし、剣を振り下ろそうとする。

 

「ま、待て!ここは話し合おうじゃないか!私はこの町を出ていく!二度と近づかない!だから見逃してくれ!」

 

最早男にプライドは無かった。ただ生きていたい。その思いでいっぱいだった。

 

「ダメだ」

 

しかし士郎は男の願いを聞き届ける事は無かった。

 

剣を振り下ろし、男を切り裂く。

 

何の抵抗も出来ず、男は絶命した。

 

 

 

 

 

「お疲れ様」

 

「紅羽か」

 

『はぐれ』を始末した後、紅羽が士郎のそばに現れた。

 

「相変わらず容赦がないわね。まあいいわ、後始末はしておく。それと今回の報酬もいつもの所に入れておくから」

 

「分かった」

 

返り血をぬぐった士郎はそのまま帰ろうとする。

 

「ねぇ」

 

「なんだ?」

 

「・・・いえ、何でもないわ。気を付けて帰ってね」

 

「こっちのセリフだよ」

 

さっきとは打って変わって穏やかな笑顔を向けてくる士郎。

 

「・・・さっきのと同一人物とは思えないわね」

 

「?」

 

士郎は紅羽の言葉に疑問を覚えたが、彼女が何でもないと言っているんだ、大丈夫だろう。と自己完結させて帰る事にした。

 

 

 

 

紅羽は一人、戦闘の後始末をする。いくら人が近づかないような場所でも誰も来ないとは限らない。こんな所を見られたら、大騒ぎになるだろう。

 

「・・・私も早く力を回復させなきゃね」

 

想うのは、先ほどまでいた友人。自分の力不足のせいで、彼には苦労を掛けている。

 

「『神翼帝(ラグエル)』」

 

紅羽がそう呟くと、彼女の背中から光り輝く翼が現れた。それは何よりも美しく、まさに天使の翼であった。しかし不思議な事に対で有る筈の翼は片方しかなかった。

 

紅羽は現れた翼を一度だけ羽ばたかせる。

 

サァッ

 

あれほど荒れていた場所がまるで何事もなかったように戻っている。まるでここで起きたことが無かった事にされた様に。

 

そしてそれと同時に紅羽の姿も消えていた。

 

 

 




いかがでしたでしょうか?戦闘シーンなどまだまだ未熟な部分も多いので、そこは大目に見てもらえるとありがたいです。
それとこれから出すオリ神器、オリ天使の名前を募集します。感想で案を送っていただければ嬉しいです。どうか作者にお力を!
それでは(=゚ω゚)ノシ
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