ハイスクールDATE・A・LIVE~無限の剣を担う王~ 作:月見花
「貴方、強いのね」
木場との試合の後、グレモリーが話しかけてきた。
「そんな事無いさ。ただ今の木場には経験が足りなさすぎる。あいつには才能があるから直ぐに抜かされるさ」
一流になれる才能。俺の周りにはいつもそんな奴が集まってくる。
「そうかな。僕も衛宮君みたいになれるかな?」
倒れている木場が俺を見上げて聞いてくる。
「いや、俺には才能が無かった。だけどお前には剣の才能がある。俺よりも強くなるさ」
手を貸してやると、木場は「アハハ」と少し笑いながら立ち上がった。
「それで、俺の実力を見てどうするつもりだ?まさか本当にただ見たかった訳じゃないだろ」
部室に戻ってきた俺たちは再びソファーに腰を掛け、話を始める。グレモリーが俺の実力を見たいと言った理由。それを聞く為である。
「ええ、そうよ」
そう言うとグレモリーは姫島の用意した紅茶に手を伸ばし、
「シロウ、貴方私の眷属になる気はない?」
と聞いてきた。
「・・・は?」
「だから、貴方を私の眷属として迎え入れたいの」
俺はグレモリーの言葉を聞いて驚いた。だけどそれなら納得が出来る。いきなり実力を見せろなんて言ってきたのは、自分の眷属に誘うかどうかを見極めるだったのだ。
「最初に言わなかったのは悪いと思っているわ。だけど言ったらシロウはわざと負けたかもしれないでしょう?」
「むぅ・・・」
否定しきれなかった。俺は十香達と平和に暮らしていければよかったのだ。グレモリーに眷属にならないかと勧誘を受けていたのであればわざと負けるなりして、グレモリーに『この程度か』と思わせていたに違いない。
「今私の眷属は
「随分と包み隠さず言うんだな」
「ここで誤魔化したらシロウからの信用が無くなっちゃいそうだもの。それに堕天使がこの町に潜伏しているのが分かった今、この学園や街を守るために少しでも力を付けたいのよ」
「なるほど」
尤もな理由。確かに堕天使が何をするか分からない以上用心するに越した事は無いし、何かあった時の為に力が欲しいというのも分かる。
「で、どうかしら?」
再び俺に眷属にならないかと問う。その問いに対して俺は、
「悪いが断らせてもらう」
と答えた。
「・・・理由を聞かせてもらってもいいかしら?」
「別にお前達が嫌いだとかそう言うんじゃない。だけど悪魔に思う所が無い訳じゃないんでな」
「なら仕方ないわね」
予想よりもあっさりと手を引くグレモリー。
「意外そうな顔してるわね。でも無理やり眷属にするのは私の趣味じゃないの」
「それはありがたいな。まあ協力はするつもりだから心配するな」
「頼りにしてるわ」
「じゃあ、そろそろ失礼させてもらう」
こうして話を終えた俺はオカ研から出た行った。
「衛宮士郎」
オカ研から出てすぐ鳶一に話しかけられた。
「どうした?」
「貴方はどうしてあんなに強いの?」
「?いきなりどうした?」
「答えてほしい」
突然の問いに少し戸惑う俺。しかし鳶一は冗談を言っている感じではない。相手が本気で聞いているならこっちも真摯に答えなければいけない。
「守るためだ」
「守るため?」
「ああ。俺は俺の家族をどんな悪意からも守ると誓った。だから強くなる為に努力をしている」
「そう・・・」
鳶一はそれだけ言うとあとは何も言わずに帰っていった。
私、鳶一折紙は今日非日常を知ることになった。この学校に悪魔が居た事。神様や魔王、天使や堕天使との三つ巴の戦争など、今までそんな世界とは無縁だった私には信じられない事ばかりだった。そして何よりも私の知らない彼の素顔、衛宮士郎が魔術師と言うことだ。今まで彼について何でも知っているつもりだったのだが、私もまだまだらしい。
「士郎」
彼の名前を呟いてみる。すると少し安心できた。自分では冷静でいたつもりだったがやはり混乱していたのだろう。
「家族を・・・守るため・・・」
彼に聞いた強い理由。自分の為ではなく他人の為の願い。昔あった時と全く変わらず自分の為に何か出来ない様だ。
「私も強くならなくては」
彼が自分の為に何かを願えるように。少しでも彼の手助けが出来るように。
私は新たな誓いを胸に帰路へ着いた。
今回少し中途半端になってしまいましたかね(^▽^;)全然時間が取れなくてこんなに更新が遅れてしまいました。次回は十香達出るかなぁ?
感想・アドバイス等々お待ちしています!
それでは(=゚ω゚)ノシ