ポケットファンタジア   作:肥えたチヌ

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お待たせしました
後編その2です。
これで、第一章は終わりです。

~前回までのあらすじ~
マサラ大国の王子ルカリオは
イーブイをとともに
時空転移に巻き込まれる。

未来に飛ばされたルカリオは
そこで未来の自分たちと出会い、
宰相であるガブリアスが
城を乗っ取ったことを知る。

ルカリオ王率いる
反乱軍の作戦当日を迎え、
ゾロア達とともに
城に潜入したルカリオ達…
ナイトメアハッサムを退け、
ゾロアークのナイトバーストによって
人質を解放、
遂に、ガブリアスと対面する…

が、そこには傷だらけで
ボロボロのルカリオ王が居たのだった…。


第一章 因縁の竜の牙 後編 2

ガリッ…!!

 

隠し持っていた回復の木の実…

オボンのみをかじるルカリオ王

 

「…っ!!」

傷が少し回復したルカリオは立ち上がり、

ガブリアスに向かう。

 

<<ボーンラッシュ>>

 

ルカリオの放ったボーンラッシュは

ガブリアスの持っていたボールを

的確に弾き、

破壊することに成功する。

 

ボールが割れ、セレヴィが飛び出した

「えっ…?こっ…ここはっ!?」

 

「…っ!!

 ちっ…小賢しい…!」

振り返り様、

ガブリアスはドラゴンテールを放つ。

 

 

「がふっ…!!」

ルカリオはその攻撃をもろに胴に受け、

回転しながら後ろに大きく吹き飛ばされた

 

「あたしたちの王に手を出すな!!」

「がぁああああああーー!!」

ヌマクローとゾロアークが一斉に動き出し、

それぞれガブリアス、ネンドールに向かう。

 

 

それを皮切りに、場が再び動き出す。

一般ポケモン達は混乱状態に陥り、

兵士たちも突然の状況についていけていない。

この場は今、パニック状態だった

 

 

「ルカリオ王っ!!」

シャワーズとルカリオが

倒れたルカリオに近づく

 

「…うっ…す…すまない…

 私に出来るのは…これが精一杯だ…。」

「王…まずはこれを…!!」

シャワーズがルカリオに持っていた

オボンのみを食べさせる

 

「…す…すまない…。」

王はそれを食べ、

立ち上がれるギリギリの状態まで回復する。

 

「そ…そうだ…

 今のうちに…。」

王は、ルカリオの顔を見る

 

「…時間がない…早く両手を…。」

「…?」

状況が読み込めないまま

ルカリオは手をかざす

「せめて…これだけは…!」

 

王が念じると、

ルカリオの手を通して、

ルカリオの身体に波動が流れ込んだ。

「…!?」

 

ボッ…!とルカリオの手に波動が宿る。

 

「今、君には…

 私の波動のほとんど全てを渡した…

 頼む…君の未来を…

 君の手で守ってくれ…。」

「王っ…それは…!」

シャワーズが叫ぶ

 

「あぁ…別にいいんだ…

 ダークライが迫っている…

 私はどうせ永くない…それに…」

そう言って、ルカリオを力強く見つめる。

 

「願いを…明るい未来を

 作ることが出来る

 君たちに託した方がいい。

 …そう思ったんだ…」

そして、ルカリオの手を力強く握る

 

「もう一度頼む…君たちの未来を…

 こんな絶望にしないでくれ…!!

 決して…

 私のようにはならないでくれ…!!」

情けないが…お願いだ…頼む…。

 

王の目から、一筋の涙が落ちた…

 

 

カッ…!!

 

 

閃光が辺り一帯に走る…。

刹那、パニック状態のポケモン達が

ごった返していた広場が…消し飛んだ。

 

「…!?」

ルカリオ達全員に衝撃が走る…

 

そして…天からゆっくりと、

焼け焦げた広場の上に降り立つポケモン。

 

…ダークライ

 

 

「…引き渡しは…ボールで、と

 言ったはずだが…?」

一歩一歩、踏みしめながら

こちらに近づいてくる

 

「…まぁいい…

 元々これはこの地に残っていた

 目障りな反乱者達を

 まとめて消すためのもの…

 …これで…ここの掃除も完璧か…?」

 

「…なんてことを…

 罪もない人たちを…一瞬で…。」

 

ルカリオ王の口から、小さく言葉が漏れた。

俯き、悔しそうに歯を食いしばる…

 

「王っ…!!

 こっ…これは…!?」

城の扉を開け、

ワカシャモとジュプトルが

玉座の間にたどり着いた。

 

「…数匹の蟻が増えたか…。」

…目障りな…。

 

 

「…!!」

ダークライの不意を突き、

ネンドールと戦っていたゾロアークが

標的を変え、ダークライに攻撃を仕掛ける。

 

「…なんだ…お前は…?」

一瞥

 

「蟻が…控えろ!!」

<<かなしばり>>

ダークライの攻撃を受け、

ゾロアークの動きが止まる

 

「失せろ」

<<シャドーボール>>

 

ドッ…!!

 

ゾロアークは吹き飛ばされ、

壁に叩きつけられた

 

「マァ…!!」

ゾロアが駆け寄る。

「…しっかりしてくれよぉ…!!

 マァ…マァ…!!!」

ゾロアが身体をゆするものの、

反応がない…

 

「<<はどうだん>>!!」

 

「…?」

ダークライの足元にはどうだんが当たり、

粉塵を巻き上げる。

 

 

「セレヴィ…早く皆とともに時を…!!

 私が出来るだけ、時間を稼ぐ…!!

 お前たちは過去を…

 頼む…こんな未来にしないでくれ!!」

ルカリオ王の叫び

 

一人、王は前に立ち塞がり

ギリギリの状態で、

はどうだんを繰り出し、時間を稼ぐ。

 

「あいつ…!」

ガブリアスが

横から前に出ようとする…が

それをネンドールが止める。

 

「…っ!?」

振り返るガブリアスは見た…

 

この城に近づく…ディアルガの姿を。

 

 

 

「死にぞこないが…邪魔だ。」

ダークライの一撃。

 

<<シャドーボール>>

 

「なにっ…!?」

ルカリオ王の放ったはどうだんを

軽々と消し飛ばし、

その一撃は王に迫る。

 

 

「王っ…!!」

 

「…シャワーズさん…!?」

その瞬間…シャワーズは走り出していた。

 

「えっ…?」

ルカリオが振り向いた時、

シャワーズはルカリオに抱きついた。

 

…あなたを一人で死なせはしません…

…私も一緒に…。

 

 

 

直後…爆発が起こる。

 

煙が晴れ…

シャワーズ、ルカリオの二人は倒れていた。

…もう、息はしていない。

 

 

「いっ…いやぁああああああ!!」

イーブイが叫ぶ。

 

「…おっ…おう…さ…ま…?

 まさか…そんな…」

あまりの突然の衝撃に、

放心状態になっているワカシャモ達。

 

「嘘だ…ろ…。」

ルカリオ、そして母を思い、

泣いていたはずのゾロアもまた

目を見開いている。

 

ダークライ

そしてガブリアス達が城を離れる。

 

 

「…時の神 ディアルガ…やれ…。」

…最早、私が手を下すまでもない…

 

 

ディアルガが力を溜め始める。

 

 

「…っ!!

 皆しっかりしてっ!!

 まだ…まだ敵はいるのよ!!」

「…っ!?」

セレヴィの一声に、

放心状態から回復するジュプトル

 

 

「早く私に…!!

 <<時渡り>>を発動させるわ!!」

「くっ…!!

 おいお前ら、急げ!!」

場に緊張感が走る

 

ゾロア達に近づくルカリオ

 

 

…ゾロアークを助けたい…が…

 二人とも助けようとすれば…

 確実に間に合わない…!!

 

宙に浮き、力を溜めているディアルガ

もうすぐチャージが

完了してしまいそうだ

 

「くっ…!!」

ギリギリの選択を迫られる…

 

「…。

 …すまないっ!!」

考えた末…

ルカリオはゾロアを抱え、

セレヴィのもとへ走る

 

 

「…っ!?

 おいっ…!!

 なにすんだ…離せ…離せよ…!!」

…このままじゃ…

…このままじゃ…!!

 

「マァ…!!」

ゾロアは泣きながら

必死にゾロアークを呼ぶ。

 

思い届かず、離れていくゾロアークの姿…

 

 

「…終わりだ…」

 

<<時の咆哮>>

 

「王子っ…!!」

「くそっ…!!」

「マァー!!」

 

 

「うっ…!!」

…駄目…まだ…発動が…間に合わない…!!

 

セレヴィの時渡りより前に、

ルカリオ達に時の咆哮が迫る。

 

「…!!」

その時、二つの影が動いた。

 

セレヴィ達と時の咆哮の間に割って入る。

 

それは…ワカシャモとヌマクローだった

「おいっ…!!

 なにやってんだ…!!!」

…戻って来い!!

 

「…このままじゃ…

 みんなここで一緒に死んじゃう…

 それだけは避けないとね…。」

「あぁ…。

 悪いが…私たちはここまでだ…」

振り返り、笑顔を見せる二人

 

…過去を…頼んだ!!

 

<<まもる>>

 

 

二人で力を合わせ、バリアを張る。

「待てよ…

 そんな事…させるわけないだろ…!!」

二人に手を伸ばすジュプトル

 

「来るなっ!!」

 

だが…それを二人の叫びが打ち消した。

 

 

…後の事は…任せた…ジュプトル…

 

二人の<<まもる>>は時の咆哮の到着を

一瞬だけ遅くする。

…セレヴィの時渡り…

 

光に吸い込まれていく全員。

全てを消し飛ばす咆哮

 

その光は、城を抉り取り

マサラの大地をその時代から永遠に葬った…

 

 

 

「――。」

「…そうか…

 何匹か過去に飛んだか…

 まあよい…

 数匹の蟻など放っておけばいい。」

 

 

「ひゅ~怖い怖い~

 流石は神の力…おっそろしい威力ですね…」

ガブリアスが消えた大地を見ながら、

まるで他人事のように言う。

 

「…お前…あの城に思い入れはないのか…?」

ダークライが静かに尋ねる

 

「…。」

尋ねられたガブリアスは一瞬迷った後

首を振り、ニヤリと笑った

 

「えぇ…全く。

 今では胸糞悪い思い出しかなかったので…。」

「…そうか…。」

ダークライはその答えを聞き、

静かに背を向けた

 

「お前を正式に我が部下とする…

 存分に私の下で働いてくれ…」

「…っ!!

 …光栄の至り…。」

ガブリアスは笑い、

ダークライに深々とお辞儀をした

 

「…それでは、早速仕事を与える…

 マサラの南西にある国を知っているな…?」

「えぇ…勿論…」

 

「過去のあの国に…

 どうやら精霊の一人…

 青色の精霊アグノムが

 逃げ込んだらしいのだ…

 事実を確認後、

 攻め落とし…捕らえよ。」

 

「かしこまりました…」

 

…全ては…あなたの御心のままに…。

 




~次回予告~
物語は遂に第二章へ…

過去…自分たちの時代に
ようやく戻れたルカリオ達

けれども、犠牲は大きく、
それぞれの思いがすれ違う…。

ルカリオが昔の知り合い、
そしてもう一度シェイミに再会した時、
新たな物語の幕が上がる…!!

次回、ポケットファンタジア
   第二章 帝国の脅威編

お楽しみに!!
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