ゾンビに噛まれたと思ったら金髪美少女になった。   作:ぞんびっつ

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その4

半分月 XX:XX

まとめると

・少女の名前は「御園マユ」。12歳。

・保護したのは少女だけ、他の人間はいなかった。

・少女を保護する際にゾンビと交戦し撃退した。

・少女は自分についてくると言っている。

とりあえずここまではわかった。

 

ASASA XX:XX

なにやってんの……

 

たいやき XX:XX

放っておけなかったしなぁ。

いや、流石に目の前でゾンビに噛まれそうになってるのを放置するのはダメだろ。

 

半分月 XX:XX

何ともいい難いところだなぁ。

実際俺たちも、もし見捨てたって言われたらそれはそれで何やってんだよってなるだろうし。

合理的に考えれば失敗かもしれないけどさ。

 

ちゅーやん XX:XX

いや、案外そうでもないかもしれないぞ。

 

たいやき XX:XX

ちゅーやん!

 

ASASA XX:XX

ちゅーやん!

 

半分月 XX:XX

どういうことだよ!?

 

ちゅーやん XX:XX

まず単純に彼女は今、たいやきが保護して一緒にいるのだろう?

 

たいやき XX:XX

ああ、2日も一人だったみたいで、疲れたのか眠ってるよ。

 

ちゅーやん XX:XX

たいやきに心を開いているみたいじゃないか。

明らかに異常な力を発揮しただろうたいやきに。

 

ASASA XX:XX

言われてみるとそうだね。

 

たいやき XX:XX

驚いてはいるみたいだけど、怖がってはいなかったよ。

一応気を使って、ゾンビをグロ画像にしなかったのがよかったかもな。

 

ちゅーやん XX:XX

だろうな。

子供というのは案外聡い、その上で先入観がない。

たいやきのことを信用できると思ったから、そうしているはずだ。

 

半分月 XX:XX

つまるところ、マユちゃんを保護したことは問題ないと?

 

ちゅーやん XX:XX

彼女がたいやきを受け入れている以上、な。

そうして、考えてみれば彼女の保護はむしろ有益だ。

 

ASASA XX:XX

っていうと?

 

ちゅーやん XX:XX

まず第一に、たいやきの行動に正当性が生まれる。

今のたいやきは有り体に言って人類にとっては未確認生物だ。

純粋に被害をもたらすただのゾンビよりも、より危うい存在である。

そんなたいやきが少女を守ったというのは、後々たいやきの存在を社会に認めさせる上で大事だ。

 

たいやき XX:XX

後は、マユはこっちからも信頼のおける存在だ。

子供だから、というのはあるが、裏がないからな。

気兼ねなく、彼女を保護できる。

一人だから、こちらが対等な立場で接すれば、完全に対等な関係を築けるだろう。

 

ASASA XX:XX

現地で自分以外にも動いてくれる人がいれば、それも助かるよね。

わっふる餅に連絡が取れればいいんだけど。

 

ちゅーやん XX:XX

それもある。というか、もっとも期待できるのはそれだ。

御園マユを防衛隊のもとに送り届けて、わっふる餅にコンタクトを取ってもらう。

これで向こうがこっちに顔を出すのを待つ必要がなくなる。

 

たいやき XX:XX

逆に、一人でマユを守るのは難しいから、俺としても防衛隊に保護を求めたい。

どっちにしろ、マユちゃんは防衛隊に送り届けるのが状況的に最善ってことだな。

 

半分月 XX:XX

じゃ、行動方針に一つ追加だな。

 

ちゅーやん XX:XX

さて、それが決まったところで聞きたい。たいやき、御園マユをどこで保護した?

 

たいやき XX:XX

ドラッグストアだよ。適当に歩き回って、目についたところに押し入ったら居た。

つまり、偶然だな。

 

ちゅーやん XX:XX

まぁ、そうでもなければわざわざ保護に動いたりもしないか。

何にせよ、予想通りだな。

 

半分月 XX:XX

そもそもどういう経緯でドラッグストアに一人でいたんだよ。

最近の被災地、少なくともたいやきのいるところはほぼすべての住人が避難場所に避難完了したって話だろ。

 

ASASA XX:XX

2日だけだから、ずっとそこにいたわけでもないんだよね。

 

たいやき XX:XX

えーと、少し前にマユのいた避難場所が壊滅したらしい。

急にゾンビが大量に押し寄せてきて、その場に居た防衛隊だけじゃ防衛できなかったんだとか。

 

ちゅーやん XX:XX

それはまた……珍しい事例だな。

いや、そういう事例は報道されていないのか。

無闇矢鱈に混乱を招くだけだからな。

 

たいやき XX:XX

だと思う。

聞いた話だと、数は少ないけどこれまでに何度かそういうことはあったらしい。

この国で一番規模の多い被災地だからな。

まぁ、不思議ではないだろう。

 

ASASA XX:XX

難しい話だねぇ。

 

たいやき XX:XX

それで、なんとか逃げ延びたマユは近くのドラッグストアに逃げ込んで、ずっと隠れてたんだとか。

もしもの時はこういう場所に逃げればいい、っていうのは被災地でも結構広がってるみたいだな。

マユも親にそう言われてたんだと。

 

ASASA XX:XX

親かぁ……

 

ちゅーやん XX:XX

おそらく助からんだろうな。とはいえ、死んだわけではない。

俺たちの目的を思えば、最も身近な助ける相手になるかもしれん。

 

たいやき XX:XX

助けた時、お母さん、って言われたよ。

嬉しそうに、待ちわびたように。

その後のマユの顔は、ちょっと胸が苦しくなった。

 

半分月 XX:XX

心中お察しするよ。

 

ちゅーやん XX:XX

少し不思議なのは、何故2日も逃げ延びれたのか、ということだ。

人の匂いは濃い。ゾンビは人を追いかけ襲うが、それは人の匂いに吊られているからだ。

色々とその匂いをごまかす方法は模索されているが……

 

 

いれいさー XX:XX

ドラッグストアだからだろうねぇ。

 

 

半分月 XX:XX

でやがったな!

 

いれいさー XX:XX

んんー、今回は今ちょっと左手が忙しいから軽く話をするだけさ。

今の所ゾンビにもっとも有効なのは薬の匂いだと言われているんだよ。

 

たいやき XX:XX

そうなのか?

 

ちゅーやん XX:XX

そこまでは聞いていないな。

ある程度嫌うものに法則性はある、って話だったが。

 

いれいさー XX:XX

そりゃそうだー、最新の研究だからねー

 

ちゅーやん XX:XX

いや、それをどこで……

 

いれいさー XX:XX

うっ、パンジャンドラム出る!

 

半分月 XX:XX

片手間になにやってんだよ!?

 

たいやき XX:XX

なんだったんだ……

しかし、そうすると少し不思議だな。確かに薬の匂いはキツイが、我慢できないほどじゃないぞ?

 

半分月 XX:XX

ゾンビは我慢できないってことだろ。

理性ないんだから普通じゃないか?

 

ASASA XX:XX

まぁそうなんだろうけど。

でも、そこそんなに不思議なの?

 

たいやき XX:XX

ゾンビにとっても、薬の匂いは()()ではあるけど()()()()()()ってこと。

だから2日の間マユはゾンビから隠れられたけど、2日で見つかった。

ゾンビは薬を避けないわけじゃないんだ。

 

ASASA XX:XX

ああ、それは確かに不思議。

でも理性がないから、逆にふらっと寄り付いちゃうんじゃないの。

 

ちゅーやん XX:XX

もしくは、一度人間の匂いに気がついてしまえば嫌悪では歯止めが聞かないのか。

どちらにせよ、ゾンビらしいいえばらしい話だ。

 

たいやき XX:XX

ここらへんも、ゾンビ相手に実験していかないとな。

 

ASASA XX:XX

っていうか、マユちゃん拾っちゃったらゾンビ相手の実験どうするのよ。

一人にするのもまずいし、マユちゃんにグロ画像見せるのもまずいわよね。

 

たいやき XX:XX

そもそもマユちゃんを連れたまま実験するのはどうなんだ?

 

ちゅーやん XX:XX

先ずは御園マユを防衛隊の避難場所につれていくべきだと思う。

幼い少女をいつまでも一人にするわけにはいかないし、少しでも早く防衛隊に保護してもらえば、

それだけわっふる餅に情報が届くのが早くなるかもしれない。

 

半分月 XX:XX

実験といっても、いれいさーがなにか案だしてくれなきゃ、俺たちで試せるのはそんな大したものじゃないだろ。

そもそも、防衛隊のもとへ連れて行くっていっても、どうしたってゾンビの群れを抜けなきゃいけなくなる可能性はある。

その時に、思いついたことは片っ端から試すしかないさ。

 

ASASA XX:XX

それはそれでマユちゃんが危険だけどね

 

たいやき XX:XX

何にしたって、この子を無事に送り届ける。

それ以外にないだろ。

約束もしたしな。

 

ちゅーやん XX:XX

約束?

 

たいやき XX:XX

何があっても、マユを守る。

 

ASASA XX:XX

そういうことシラフで言えるのほんとムカつく!

 

たいやき XX:XX

なんでだよ!?

 

半分月 XX:XX

はいはい。

 

たいやき XX:Xx

いやはいはいじゃなくって……

うわ、

 

ちゅーやん XX:XX

どうした?

 

たいやき XX:XX

マユが起きる。ちょっとそっちに集中する!

 

ちゅーやん XX:XX

行って来い。

いいか、できるだけ優しくして信頼を勝ち取るんだぞ。

それでもって、可能な限り早く引き渡す。

わかったな。

 

たいやき XX:XX

わかってるって!

 

ちゅーやん XX:XX

……行ったか。

 

半分月 XX:XX

大丈夫かね。

一応見た目は金髪美少女とはいえ、大の大人が子供の相手って。

 

ASASA XX:XX

大丈夫。

 

半分月 XX:XX

随分断言するな……

 

ASASA XX:XX

だってあいつも子供だし。

 

ちゅーやん XX:XX

苦労しているな……

 

(数時間後)

 

 

たいやき XX:XX

みてくれー! マユと店にあった折り紙で冠をつくったんだ!

かわいいだろ!!

(折り紙の冠をつける金髪美少女と、黒髪の大人しそうな小柄な少女。

金髪少女は満面の笑みで、黒髪少女はどこか不安そうだが、少しだけ笑みを浮かべている)

 

 

ASASA XX:XX

うっ!

 

半分月 XX:XX

ASASAが死んだ!

 

ちゅーやん XX:XX

苦労しているな……

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