虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
未唯ちゃんのある役割が……
「ぽむお姉ちゃんの誕生日?」
「うん、そろそろだからさ……二人で何か買いにいかない?」
3月1日、ぽむお姉ちゃんこと、歩夢お姉ちゃんの誕生日。毎年別々に買いに行ってるけど……何で今年に限って?
「そのさ……実はと言うと……」
「もしかして……お金ないの
?」
まさかと思い聞いてみると、侑お姉ちゃんは目線をそらした。
そう言えば前に使っていたピアノが壊れたとか言ってたけど……
「もうしょうがないな~」
「本当にごめんね」
「謝らなくていいよ。たまには……」
たまにはこういうのも悪くないよと言おうとしたけど……これ、大丈夫かな?
ぽむお姉ちゃん、少し考え込みやすいから…………変な風に捉えたりしたら大変かもしれない。それなら……二人で一つのと侑お姉ちゃん個人の用意した方がいいかも……でもお姉ちゃん、お金ないって言ってたしな~
「…………」
「未唯?」
「お姉ちゃん、お金かからないプレゼント用意しておいた方がいいんじゃないかな?」
「えっ?何で?」
「何でも」
二人には喧嘩とか話しづらい関係にはなってほしくないからね。頑張らないと!
「えっと……じゃあどういうのがいい?」
「ん~お姉ちゃんが喜ぶもの」
まぁお姉ちゃんなら何でも喜びそうだけど……
「それじゃ……肩叩き券でも……」
「侑お姉ちゃん?」
それは手抜きだよね?絶対に貰ったらちょっと微妙な顔をするからね
「えぇ~でもこの間彼方さんが貰って、凄く嬉しかったって」
それは彼方さんだからだよ…………
「それじゃ……」
「もうお姉ちゃんが喜びそうなもの…………あ」
私はあることを思い付いた。これなら一番喜びそう!私はお姉ちゃんに耳打ちをして……
「えっ?そんなんでいいの?」
「きっと喜ぶよ!」
自信満々に私はそう言うと、侑お姉ちゃんは渋々納得するのであった。
「それじゃ……次は二人で送るのは?」
「あ、それなら……エプロンとかどうかな?」
「エプロン?」
「うん、歩夢って料理とかお菓子作りとか得意だからさ」
「うん!それならいいね!色はピンクで」
「こう……リボンとかついてるのとか!」
二人で送るものは直ぐに決まって良かった~
そして誕生日当日
「「歩夢(お姉ちゃん)!誕生日おめでとう!」」
二人同時にクラッカーを鳴らすと、ぽむお姉ちゃんは嬉しそうにしていた
「二人ともありがとう~」
「部室ではみんなとだけど」
「今からは幼馴染みでのお祝いだよ」
「えへへ、二人とも毎年ありがとうね」
照れてるお姉ちゃん。それにしても……まさか料理とかケーキとかの準備をお姉ちゃん自身がするとは思ってなかったな~
「早速、プレゼント渡すね」
「これは二人で買ってきたんだよ」
私たちは包みに入ったプレゼントを渡した。お姉ちゃんは包みを開けると……
「わぁ~可愛いエプロン」
「歩夢に似合うと思って買ってきたんだよ」
「もう見た瞬間、これだ!ってなったんだよ」
「二人ともありがとう~」
「それでね。まだプレゼントはあるんだよ。侑お姉ちゃん」
「えっと……本当にやるの?」
恥ずかしがる侑お姉ちゃん。普段は無意識に恥ずかしいこと言ってるのに……
「約束したでしょ」
「うぅ……歩夢!」
侑お姉ちゃんはぽむお姉ちゃんを抱き締め……
「えっ?ゆ、侑ちゃん?」
「誕生日おめでとう……大好きだよ」
と耳元で囁くと、ぽむお姉ちゃんは顔を真っ赤にさせて……
「はぅ……」
そのまま気を失うのであった
「あ、歩夢ーーーー」
「お姉ちゃん、耐性なかったか……」
「いや、冷静に言ってないで!」
でも絶対にお姉ちゃん喜んだよね~
意識を取り戻したお姉ちゃんは少し顔を膨らませていた。
「もう!未唯ちゃんは……」
「ごめんね」
ちょっと怒られる私だった。
「でも心配してくれたんだよね」
「う、うん」
「未唯ちゃん、ありがとうね。でも私、未唯ちゃんからも欲しかったな」
あ……そこは考えてなかった……どうしよう?今から何か……
「だから私からプレゼント上げる」
お姉ちゃんはそっと私を抱き締めてくれた。
「いつも気にかけてくれてありがとうね。大好きだよ……未唯ちゃん」
「あう……」
これは反則だよ……お姉ちゃん……
「あー!ずるい!私も!」
すると侑お姉ちゃんも抱き締めてきた。ちょっと苦しいけど……嬉しいな……
こうして幼馴染みでの誕生会は終わるのであった。