虹が咲き、白が交ざる 作:水甲
遥side
私はお姉ちゃんに苺ちゃんと揉めたことを話した。
それは練習の休憩中、もう少し頑張ろうとすると苺ちゃんに止められた。
「センターに選ばれたからってあんまり無理しない方がいいよ」
「分かってるけど……」
苺ちゃんはいつも私たちの事をしっかり見ている。ほんの小さいことでも直ぐに気がついてくれる。そう言うところがマネージャーにあっているのかもしれない。あっているのかもしれないけど……
「部長にね。今度の予選に出ないかって言われたの」
「え?」
「考えておきますって返事はしたけど、やっぱり私はスクールアイドルにはなれないと思うの」
「そんなこと……ないよ」
「え?」
「部長に話したのは私なの……苺ちゃんの歌声、ダンスはスクールアイドルになれるくらいだって……」
「遥ちゃんが……」
隠していても仕方ないと思う。苺ちゃんは俯いていた。
「何で……そんなこと……」
「ごめん……でも私は……」
「私はスクールアイドルにならない。私がなったら……未唯姉に…………」
「未唯ちゃんに?何で未唯ちゃんが関係してるの?」
「…………関係あるんだよ!
」
「苺ちゃん!?」
突然大声を出す苺ちゃん。私は吃驚すると、苺ちゃんは我に返り……
「ごめんね……遥ちゃんには悪気があってやったことじゃないって分かってるけど……私は……スクールアイドルになっちゃダメなんだよ…………」
「そんなこと……」
「これ以上は何も言わないで……言ったら私は……苺ちゃんの事を嫌いになっちゃうから……」
「と言うことなの……」
「そっか……」
「苺ちゃんと言い争いになったって聞いて、てっきりもっと凄いことが起きたと思ったよ~」
「お、お姉ちゃん!?」
「でも苺ちゃんがスクールアイドルになっちゃダメって……どうしてだろう?」
「そこが分からないの……」
「うーん、未唯ちゃんはどう思う?」
あ、まだ未唯ちゃんと電話繋がってるんだ……
『なんとなく…苺ちゃんがそんなことを言った理由が分かるけど、この事は遥ちゃんが頑張るしかないと思うよ』
「私が?」
『うん、届くまで話してみて』
未唯ちゃんがそう言うなら……そうするべきだって思う。
「ありがとうね~未唯ちゃん」
『こっちもそんなことになってるなんて知らなかったのですみません』
未唯side
苺ちゃんと遥ちゃんの問題……多分だけど苺ちゃんは、もしも自分がスクールアイドルになったら、私と比べられてしまうと思ったからだと思う。
「…………!」
比べると言っても、劣等感からとかではなく、比べられて、私の評価が悪くなってしまうんじゃないかって思っての事だ。
「……い!」
苺ちゃんは変なところで責任感が強いからな~
「未唯!」
「きゃ!?ってランジュさん?どうし……何で泣いてるの?」
いつから声をかけていたのか分からないけど、何故かランジュさんは涙目だった。
「だって、さっきから声をかけてるのに……無視するから……」
「ご、ごめんなさい。考え事をしていて」
「知らないうちに嫌われるようなことしちゃったと思っちゃったじゃない!」
ランジュさん……こんなに精神面弱かったっけ?まぁこうして受け入れてくれたのは同好会のみんなが初めてだから仕方ないか
「それで何か用ですか?」
「あぁそうなのよ!実はね。前に話した栞子とミアとで組むユニットの件よ」
ユニット……確かにその話は覚えてるけど……わざわざ私に声をかけなくても……
「実はステージ演出で、白翡翠が終わったあとに、私たちのユニット登場をやろうと思ってるんだけど……ちょっと考えたのよね」
「というと?」
「ユニットとしての練習に付き合ってほしいのよ」
「練習にですか?」
「ほら、私たちってまぁ個性がね」
「あー」
個性が強いから、変にまとまり辛い可能性あるし……
「だから未唯には客観的に私たちのユニットの練習に付き合ってほしいのよ!もちろん!白翡翠の合間でもいいから!」
「うん、分かったよ。特に断る理由もないし」
「流石未唯ね!助かるわ!それじゃ早速栞子たちを呼び出したから!」
しばらくしてから栞子ちゃんとミアちゃんがやって来て……
「どうしたんですか?こんな所に呼び出して」
「しかも練習着で来いってまだ昼休みだろう?」
「特訓するからに決まってるじゃない」
「私たち3人でですか?」
「えぇそうよ。同好会はソロだけじゃない。みんなの気持ちが重なれば一緒に歌うこともあるでしょ?私にそれができるのか自信はないけど同好会に入ったんだもの。挑戦してみたいわ。栞子、ミア手伝ってほしいの。それに未唯は私たちの練習に付き合ってくれるから白翡翠の方も大丈夫よ!」
「Sounds good!」
「私も挑戦したいです!」
「ありがとう二人とも!」
歩夢side
私は教室で一人、あるメールを見ていた。あの時送られてきたメール……
『はじめまして。私はロンドンの公立学校に通う16歳の学生です。先日友達と一緒にスクールアイドルフェスティバルの動画を見て歩夢ちゃんにときめいてしまいました。友達は自分もスクールアイドルになりたいと言っています。私も彼女の夢を応援したいのですがここにはスクールアイドルの文化がなくてどうしていいか分かりません。でも諦めたくはありません。いつかスクールアイドルフェスティバルに参加して歩夢ちゃんに会いたいです。これからも応援しています』
「私を見てこんな風に思ってくれた人がいるんだ」
そんな人がいてくれるって知っただけでもすごくうれしい……でも……このメールを見ていると……
私に何か出来ることはないかな……
そんなことを考えながら帰ろうとしていると掲示板に貼り出された一枚の掲示物が目に入った。
ロンドンに留学……
侑side
三船先生にあるコンクールについて詳細を聞いた私。
「このコンクール知ってるわよ。結構昔からやってるやつだから」
「音楽家のクラスメイトもたくさん参加するみたいなんですよね」
「でしょうね。いい成績を収めれば作曲家の道も開けるかもしれないし」
「そうなんですか?」
自分の力を試してみたいけど……だけど……
すると歩夢が帰ろうとするところを見掛け、声をかけた。
未唯side
お姉ちゃんたちが帰ろうとしているところに偶々合流でき、三人で帰ることになった。
「作曲コンクール応募するの?」
「う~ん…興味がないわけじゃないけど今はいいかな」
「なんで?」
「私はただやりたいって思って音楽を始めただけで本気で作曲家の道を目指すかどうかなんてあまり考えてないし」
「そっか…」
「歩夢はそういうの考えたことある?」
「漠然とはあるけど…」
「コンクールって本気のみんなが集まる場所じゃん?そんな中にただやってみたいだけの私が入っちゃっていいのかなって思うんだよね。今 同好会で十分楽しくやれてるし」
「そうかもね」
うん……話を遮らないように黙っていたけど……侑お姉ちゃんが浮かない顔をしていたのって……コンクールの事だったのかな?でも……いや、多分だけどもう少し何かあるのかな?
家に帰るとまだ苺ちゃんとうらちゃんは帰ってなかったけど、珍しくお母さんが出迎えてくれた。
「あら、おかえりなさい」
「ただいま。ほら、シニエ。着いたよ」
「みー」
シニエは嬉しそうにしている。
「そう言えば歩夢ちゃん、留学するの?」
「へ?」
「さっき、歩夢ちゃんと会ってね。ロンドンへの留学の紙を持っていたから」
「うーん、悩んでる感じなのかな?何も話聞いてないし……」
だとしたらぽむお姉ちゃんの悩みは……留学関係なのかな?
でも……うーん、何で二人とも変に悩んでるんだろうな~
ようやく未唯ちゃんは気がついたという……
感想待ってます!